(神原晶)「ラララ〜」「ラララララ〜」
(大門未知子)いってきまーす!…って何?その仮装大賞。
明日は私の人生最高の日。
最高の日?これこれこれこれこれ。
誰?未知子知らないの?世界一のオペラ歌手アルベルト・サバロッティじゃない。
知らない。
話にならない。
明日コンサートなの武道館で。
えっ?明日なのにもうそんな準備してんの?明日でも明後日でも3日後でも準備するわよ!ファンだったら。
へえ〜じゃあいってきまーす。
ちょっとちょっと!もうちょっと相手していってよ!いってきまーす。
のってよ!少しぐらい。
(司会)「日本の最新医療の積極的な輸出が現在求められておりますが日本医療の今後はどうあるべきなのでしょうか?」「日本医療の未来を皆さんと考えていきたいと思います」「早速ですが本日は国立高度医療センター総長の天堂義人さんにお越し頂きました」「天堂です」「我々の国立高度医療センターは厚労省の管轄でここに位置します」
(一同)御意!同時に医療輸出関連だけでも経産省文科省外務省にこれだけの組織がありこれでは各省庁に権限が分散化し国の掲げる成長戦略は絵に描いた餅と言わざるを得ない。
国が最新医療の輸出を成長戦略の一つとするならばこれら各省庁が握る権限を一極集中させるべく新たな組織作りが急務だと私は考えます。
特定国立研究開発法人日本医療産業機構。
それがこれです。
(談合坂昇)天堂総長はえらいもんをぶち上げましたな。
(海老名敬)医者の域を超えてる。
…うん?パブリックビューイング?何見てるの?
(加地秀樹)前に立つなよデイモン!なんかした?ごめんごめん…。
「そして今日最もブルーなのはやぎ座のあなた」ええ〜!仕事運金運…全部ダメ!何やってんだよ大門!顔…怖いよ。
ねっ。
(四方宏)天堂さん。
そういった権力を集約させた枠組みの中で切り捨てられていくのは立場の弱い患者たちじゃないでしょうか?そもそもあなたが総長を務めていらっしゃる国立高度医療センターは本来の目的というか役割を果たしてるんでしょうか?どういう事でしょう?「実情は東帝大と西京大の覇権争いがいまだ解消されないでいますよね?」
(加地)余計な波風を立ててくれますね。
(四方)「名ばかりの統合を果たしただけで実情はなんら変わっていません」あった。
(四方)「それだけじゃないですよ」「フリーランスの医師を雇って高額な報酬を支払いそれでオペをさせているという話がありますね」
(阿智祥三)フリーターにも飛び火しよった。
(オペラ)
(海老名)うるさいよ大門!怖〜…。
(四方)「世界に誇る優秀な医師が多数在籍するという病院が何をどう考えたらそういうふうになるんですか?」「まだありますよ」天堂さんは総長に就任なさって1か月ですでに2人の医師を…首切ってますね。
(司会)「天堂さんそれはどういう事でしょうか?」触れんでええやろそこは。
まずいなこのジャーナリスト。
辞めた2人の先生は自ら判断されて辞表を提出されたんです。
決して私が解雇したわけじゃありません。
怪しいもんですね。
あなたは革新とかあるいは改革とかそういう言葉をよく口になさいますけど実態は誰もあなたに逆らえない。
イエスマンばかりを集めて組織作りをしようとしてらっしゃるんじゃないですか?イエース!イエス!大門!やかましい!
これは一匹狼の女医の話である
2014年白い巨塔の崩壊はとどまる事を知らず命のやり取りをする医療は本来あるべき姿を完全に見失っていた
そうじゃないとおっしゃるなら国民に国立高度医療センターが優秀だという事をお示しになってみてはいかがですか?
しかしそんな状況にもかかわらず国は成長戦略の一環として日本の最新医療を積極的に輸出する方針を打ち出し医学界はさらなる弱肉強食の時代に突入した
おっしゃってる意味を計りかねますが。
私は現在甲状腺の未分化がんです。
そんな中どこの大学医局にも属さないフリーランスすなわち一匹狼のドクターが現れた
CMいきますか?このまま続けて。
(四方)「非常に進行の早いがんでして診断後の1年生存率は20パーセント未満多くは半年以内に死亡します。
(四方)「こうやってしゃべってる間にも…」私の体の中で腫瘍はどんどんどんどん大きくなり続けています。
どこの病院でも根治手術は不可能であると診断が下りました。
手術出来ますか?あなたの病院で。
私のがんが治せますか?国立高度医療センターは優秀な病院なんですよね?だったら新しい権力組織を作るよりも…。
(四方)「あなたの病院が優秀である事を証明してそれを国民に示してみてはいかがですか?」何を言い出すんやこいつ。
「手術出来ますか?」
例えばこの女
群れを嫌い権威を嫌い束縛を嫌い専門医のライセンスとたたき上げのスキルだけが彼女の武器だ
「あなたの病院で」私切る。
外科医大門未知子
またの名をドクターX
(司会)それでは今週の術前カンファレンスを始めます。
1例目は四方宏さん57歳男性。
術前診断は甲状腺未分化がん。
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