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書店赤字、FCに軸足、丸善CHIがコスト削減、長引く出版不況に危機感。

[ 2012年11月21日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 丸善CHIホールディングスが今年9月に発表した2012年2〜7月期連結業績で、主力の店舗・ネット販売事業は1億円の営業赤字だった。「丸善」「ジュンク堂」などいわゆる「リアル書店」事業の不振が原因で、直営店展開の抑制によるコスト削減などを急いでいる。

 丸善CHIの小城武彦社長は9月14日に東京証券取引所で12年2〜7月期連結業績を発表したが、笑顔は少なかった。長引く出版不況もあって売上高の4割強を占める主力の店舗・ネット販売事業が赤字体質から抜け出せなかったからだ。

 リアル書店を取り巻く環境は今後も厳しそうだ。7月に楽天が「コボタッチ」を投入して以降、各社から電子書籍端末の発売が相次いでいる。今月19日にはアマゾンも「キンドル・ペーパーホワイト」を売り出した。

 調査会社のインプレスR&Dによると、11年度の電子書籍市場は629億円だったのに対し電子書籍は16年度には2000億円に拡大が期待される。11年の紙の書籍と雑誌の市場規模は1兆8042億円と差は大きいものの、紙の市場が低迷する中では楽観視はできない。

 丸善CHI自体も電子書籍事業を手がけているが、こうした環境の中で主力であるリアル書店事業の収益をいかに改善していくのか。

 現在取り組んでいるのが直営店の新規出店抑制とフランチャイズチェーン(FC)展開などだ。

 11年6月に商業施設「フィール旭川」(北海道旭川市)でFC展開を開始。同年10月には岡島百貨店(甲府市)、今年5月には百貨店の中三弘前店(青森県弘前市)で、書店の運営支援を請け負った。

 FCや運営支援の魅力は賃料などを負担する必要がないことだ。3300平方メートルクラスの大型店の出店の場合、直営とFCでは10億円程度、費用負担に差が出るという。「地方の百貨店からの相談も多い」(工藤恭孝取締役)として、今後も新規出店は抑制する一方で、FC展開などを強化する施策は継続するとみられる。

 さらに今春から始めているのが、出版社との直接交渉による学術書など専門書の復刊だ。

 丸善CHIが返品しない約束で発行した全量を買い取る。その代わりに丸善側の取り分も従来の業界慣行である本の価格の二十数%より厚めに設定している。

 丸善CHIはまず13年1月通期で店舗・ネット販売事業の営業損益でトントンあるいは黒字転換を目指す。ただ、目を見張るような改善がみられなければ、物流体制の見直しなど抜本的な改革を迫られそうだ。(高橋徹)

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