皆さん覚えていますか?この映像
世界中の著名人たちが次々と氷水を被ったアイス・バケツ・チャレンジ
難病ALSを支援するため世界中に広がりを見せました
ALSは体中の筋肉が動かなくなる難病中の難病
ALSを患って旅立った女性がいました
本来ならば悲しみに暮れるはずのお葬式がなぜか笑いに包まれていたのです
2番はどうしましょう?
(笑い声)
企画したのは亡くなった本人でした
なりたくてなったわけじゃないよっていうのは思うんですけど。
告知から5年間
難病を患いながらもなぜ彼女は笑っていたのでしょうか?
(有働さん)どういう人がタイプなんですか?
(睦美さん)知ってるくせに。
今世界中の人々がALSと闘っています
効果が期待される
患者のために開発が進む最新技術
そして病気の解明に挑む科学者たち
ノーベル賞に輝いた京都大学山中教授のiPS細胞が今ALSの研究に生かされようとしています
最後まで難病と向き合った富川睦美さん
なぜ笑顔を失わなかったのか
なぜ笑顔のお別れ会を思いついたのか?
ALSと闘い抜いた彼女に長期密着
その生きざまをカメラは見つめました
むっちゃん。
ああ〜。
見っけた。
久しぶり。
あっ…動くのね。
まだ右手はここらへんとここの範囲だけ。
じゃあ握手出来る?なんとか。
久しぶり。
一番面倒を見てくれるお姉ちゃんだったんですいとこの中で。
だからすごい…しかもずっと笑ってるし。
すごい好きなお姉ちゃんなんです。
本当に。
ちっちゃい頃からね結構ちょこちょこついていってね…。
実は私富川悠太と睦美さんは8つ違いのいとこ同士なんです
ALSと診断を受けてすでに4年
難病を抱えながらも不思議なぐらい人生を達観したような笑顔の彼女がいました
動きが悪いだけで喋るほうとかは今のところ問題ないし…。
食べるほうも単純に夏バテで食欲は落ちてるけどそれ以外はまだその辺りは大丈夫だから…。
ちょっと痩せちゃったんじゃない?うん…まあ痩せたのはやっぱ筋肉がどうしても落ちちゃって…。
彼女の病名は…
通常人は運動神経細胞を使って脳からの指令を筋肉に伝えて体を動かしています
ALSを発症すると運動神経細胞がなんらかの原因で侵されて脳からの指令が伝わらなくなるのです
徐々に全身の筋肉が衰え麻痺していきます
感覚や内臓機能は保たれたまま呼吸に必要な筋肉も動かせなくなってやがて死に至るのです
まだ根本的な治療法はなく人工呼吸器などの対症療法しかないのが現状です
あとはそのまま動かないでください。
病院では睦美さんはリハビリを受けていました
関節の動きが悪くなるのを防ぐためです
(睦美さん)普通の靴下だと…指同士がくっついちゃうと勝手にそのままなので…。
(理学療法士)動かせないですよね。
グー。
パー。
この頃はなんとか手も動かせていました
(理学療法士)下はいけるけど…。
(睦美さん)上が…。
(睦美さん)よっよっ…。
(理学療法士)よっよっ…。
(理学療法士)これのままこっちは…。
ただ4年前と腕の筋肉の画像を比べると去年8月には筋肉が縮んで小さくなっているのがわかります
こうした状態が全身に及んでいたのです
睦美さんの一日
早朝から母久美子さんの出番です
足をまっすぐにして…。
自分で寝返りを打てないので床ずれを防ぐために体勢を変えてもらうのです
(久美子さん)これでいい?
(睦美さん)うん。
(睦美さん)これがもうちょい下。
(久美子さん)ちょっと待ってね。
これを2〜3時間に一度繰り返します
はいすいません。
8時…もうあと1時間半…。
そう。
睦美さんが起きるまでのわずかな間に朝食を済ませます
慣れ親しんだ自宅で両親と病気に向き合う日々
はいおはよう。
(睦美さん)おはよう。
はいどうぞ。
はいおはようでしゅ。
(久美子さん)おはよう。
はいおはよう。
おはよう。
(久美子さん)半分食べれるといいね。
(睦美さん)うん。
多分これなら食べやすいと思う。
朝だからね…。
(久美子さん)朝だからね…。
半分食べれるかな?
(久美子さん)やっぱし体動かさないから。
自らの力でトイレには行けないのでカテーテルを使っています
結構じゃあこうやって携帯でゲームしてる事が多いんですか?
(睦美さん)ちょこっとやってちょっと休憩入れながらで…。
前だったら1時間でも2時間でもずーっと出来てたし点数も高いのが取れてたんだけど…。
かろうじて動かせる指を使ったささやかな楽しみです
ただそんな不自由な生活を送りながらも睦美さんの笑顔はALSを発病する前と何も変わっていないように見えました
(久美子さん)「頑張ってます。
頑張っております」「はいそこで笑って…アハハハ…」
発病前は健康そのものでスキューバダイビングが大好きでした
1か月のうち半分は入院生活です
もちろん必要な検査などを受けるため
でもそれだけではなかったんです
両親の負担を少しでも減らしたかったから
体を張ってでも私の事は支えようとしてくれると思うので…。
…とあの2人に何かあったらもっと大事になっちゃうので…。
ALSは意識がはっきりしたまま体の自由が奪われていく残酷な病気です
睦美さんは自分の置かれた現実をどう受け止めていたんでしょうか?
ALSを憎いって思った事ってありますか?…はないです。
はい。
なりたくてなったわけじゃないよっていうのは思うんですけど。
それは本心だったんでしょうか?
もう一度聞きました
誰かならなきゃならないなら自分でよかったっていうのが本当に正直な思いで…。
それから母がなったらそれこそ家回っていかなくなっちゃうので。
もちろん父も…父がなったらやっぱ母の老後の計画狂っちゃうのでそういう点では独り者だし老後を考える必要も逆を言うとないし…。
で甥っ子や姪っ子の事考えるとやっぱり私でよかったなあって。
彼女はなぜそんなふうに思えるようになったんでしょうか?
睦美さんは愛知県豊田市に富川家の次女として生まれました
成績優秀で高校は県内有数の進学校へ
いつも笑顔で友人に愛されていた睦美さん
まっすぐすぎる性格は頑固そのもの
こんな事スルーしちゃえば楽なのにっていう事をみんな神経にひっかかって色々考えて…。
で人にも厳しいけど自分にも厳しい子だったのね。
手先の器用さから高校卒業後は着物を仕立てる和裁士の道へ
人にも厳しく自分にも厳しい性格が仕事にも生かされました
腕前はお弟子さんの中でも群を抜き呉服店からの注文はひっきりなしでした
(睦美さん)「おめでとうございます」「さっき新居に遊びに行くって言ってましたけど確かベッドが1つ空きそうなんでまた今度泊めてください」「お願いします」
同級生たちが次々と嫁いでいく中彼女はただ一人独身を通す事に
ただそんな彼女には我が子のように育てた男の子がいました
甥の元喜さん
彼が出場する剣道大会では毎回カメラを回す熱血コーチに
その後医療事務の講師に転職し多忙を極めていた2009年7月ALSと診断されたのです
多くのALS患者を診てきた主治医の服部直樹医師は…
最初に先生が…でもこれももしかしたら途中で止まって違う病気かもしれないからっていう…グレーっていう言い方してくださったんでそれもあってあんまり深く考えなかったのかそれか元々の性格なのか「ああそうなんだ」ぐらいの感じで…。
はい。
本当に思ってましたね。
その笑顔の裏には人知れず苦しみ涙した日々がありました
刻々と進行していく病状を親友にだけ打ち明けていました
「死んじゃいたい」っていうような表現の時もあって…。
両親には心配をかけまいと病名は告げずにいました
2人がALSと知ったのは診断から3年後の事でした
「早い人は半年長い方は10年くらいで平均3〜4年ですよ」って言われたからそこで「えっ!?」と思って…。
じゃあよっ…。
手をのせてほしい。
はいよっこらしょ。
いい?
動いて当たり前だった体が次第に動かなくなっていく
人に頼らずなんでも一人で出来ていた睦美さんにとってそれは耐えがたいものでした
(久美子さん)上げすぎ?ちょっと下げ…。
全然上げすぎ。
上げすぎ。
(久さん)もっともっと。
責めるのね私たちを。
わかってくれないのかって私の気持ちとか…。
それからどうしてねえこういうふうに動けない切なさとかをわかってくれっちゅう事を。
爆発しちゃった事も実際ゼロじゃなかったのでどうしても。
それこそもう…。
でも爆発しちゃっても結果は自分の中でひたすら泣いて泣いて…。
要は克服していくって言ったら変ですけど消化していくしかなくて…。
(久美子さん)いっぺん殺してくれって言った事がある。
(久さん)ああ言った事あったな。
なんで私があんたのためにね老後刑務所行かないかんのっつって言い返したらそれから言わなくなった。
お待たせしました。
そんな睦美さんの転機となったのは1つの出会いでした
病院のケアチームのメンバーだった臨床心理士の眞野香さん
定期的なカウンセリングがどん底から這い上がるきっかけとなったのです
負担がかかるかっていうのがちょっと心配だったんですけど。
お願いします。
どのような事からでもどうぞ。
とりあえず今週は土日見事に死んでて…。
月曜日の朝のほうがもうちょっと落ち着いてきて。
(眞野さん)土日は何がありましたか?台風の前触れだと…。
はい。
でもう目も開けているのもきつかったので。
で日曜日お腹も痛くなっちゃったので…。
つらい気持ち苦しい気持ちを少しずつ吐き出す事で心の整理をつけた睦美さん
出来ない事が増えても泣かずに前向きに出来る事を見つけられるようになったのです
目薬忘れてる。
あっ忘れた。
睦美さんが見つけた自分にも出来る事
それはALSという病気を伝える事でした
私なんかでどんだけの事が…この病気の事が皆さんに知ってもらえるかわからないですけど…。
でも少なくとも世の中はこの病気がある事すら知らない方も多いと思うのでまずはこういう病気があるんだっていう事を知ってもらってさらに認知度が上がっていけば研究しようと考えてくださる方もきっと増えますし…。
(久美子さん)大丈夫ですか?
(睦美さん)あっう〜んとね…。
ちょっとチューブチェックしてほしい。
(久美子さん)チューブ直す?
(睦美さん)うん。
病気を伝える使命感からだったのでしょうか睦美さんはどんな場面でも撮影する事を許してくれました
(女性)耳戻しますね。
(睦美さん)はい。
ただそんな彼女にも解決出来ない問題があったのです
難病ALSを患う富川睦美さん
この病気の事を知ってもらえたら…
そこに自分の役割を見いだしていました
ただ彼女には心配な事がありました
それは自分の介護を担ってくれる年老いた両親の事
(久美子さん)背中に縫い目があるでしょ。
それがね背骨と重なっちゃうとね…。
結局肉がなくなってるもんだから真っ赤になっちゃって痛くなっちゃうね。
しわを伸ばすようになるべく脇に引っ張ってとか。
ごみや埃を自ら避ける事が出来ないため部屋はいつも清潔にしてもらっていました
うんいいな。
はいいいかな?いいか?
(久美子さん)よいしょよいしょ。
これが重くなって…。
(久美子さん)はい。
はい大丈夫。
(久さん)12の…よっ。
(久美子さん)しっかり向き変えて。
(久美子さん)オッケー。
はいそのまま。
(久美子さん)よっ大丈夫だね。
(睦美さん)うん大丈夫。
本当に母とか父の助けがあったから今まで家で生活出来たし。
本当にありがたいのひと言に尽きるかな。
こうしたALSの患者を介護する家族の負担を和らげる技術も進歩しています
ALSが進行して体が不自由になってしまった患者の生活をいかに支援していくのかこれが大きな課題となっているんですが…。
そんな中ですねこちら大阪大学の最先端医療イノベーションセンターではまさに画期的な機器の開発が進んでいます。
それはALSなどで手足を動かせなくなった患者のため脳からの指令をキャッチして機械を動かす技術です
動いたー。
原理はこうです
手足を動かす指令を出す脳の前頭葉にある一次運動野
ここに電極シートを埋め込み通信装置をお腹の皮膚の下に入れます
患者に手を握るなどの動きを頭でイメージしてもらいます
すると運動野から出た正確な脳波を電極シートがキャッチコンピューターに脳波のパターンを学習させます
すると患者が動きをイメージするたびに信号が伝わりロボットアームが動かせるのです
この映像は去年世界で初めて成功したALS患者への臨床試験の様子です
グーで…。
はいはいはいいいですよ。
大阪大学を中心とする研究チームが共同開発した画期的な技術
5年以内の実用化を目指しています
(男性)はいじゃあ開いてください。
都内に住むALS患者を訪ねました
天野芳春さんは人工呼吸器をつけて自宅で生活しています
呼吸器をつけると自ら言葉を発して家族とコミュニケーションがとれなくなります
それをサポートするのがこちらの
操作法は画面上で使いたい文字のパネルを見るだけ
モニターの下にあるセンサーが目の動きを読んで反応します
伝えたい文章を作りそれを読み上げて患者の意思を伝えてくれます
(機械音声)「痰の吸引をお願いします」
(機械音声)「眞由美ありがとう」はいどういたしまして。
(久美子さん)おはようだって。
むっちゃんのとこ行く?
数年前に転がり込んできた野良猫の3兄弟
癒やされる存在です
(睦美さん)緊張してますねえ。
(久美子さん)ねえ。
(睦美さん)誰もいじめないよ。
眠たい眠たい。
睦美さんの周りには自然と笑いが広がります
正月同級生が集まった時も…
(一同の笑い声)そうだったっけ?むっちゃん一番だっけ?むっちゃん悪だね。
(一同の笑い声)
他愛もない話で笑い合ったあの頃と少しも変わっていないように見えました
この穏やかな日々が続く事を誰もが願っていました
まさかお正月を家で暮らせるようになるとは思わなかったし。
まさかまさかが続いてまた桜が見られて夏が来てっていう事がね続いたらいいなと思ってますね。
ただ問題はこちらが年をとってきてね体力的にどこまでこの子の事がやってあげられるかっていう事は1つ心配ですけどね。
この1年っていうのはやっぱり特別な年越しだったんですね。
そうですね。
(久さん)そうでしょうね。
これをずっと続けたいなとは思うんだけど…。
ただ病気が進行するとALS患者は重大な選択を迫られる事になります
それは延命措置としての人工呼吸器をつけるのかつけないのか
今年1月睦美さんの病状に明らかな変化が見られるようになりました
それは呼吸がしづらくなってきたという事
ALSは病状が進むと呼吸に必要な筋肉までもが麻痺
二酸化炭素を外に吐き出せなくなり最後は亡くなってしまう病気です
延命するには人工呼吸器をつけなければなりません
睦美さんの検査結果は思わしくありませんでした
10月から12月にかけてはみるみるって言ったら変ですけど結構きつくなってますね。
あとは休憩しないと…深呼吸でさえちょっときつくなってきてるので。
その分結果呼吸が…浅い呼吸を続ける回数が増えてる。
3月に入り体重は30キロを切っていました
では睦美さんの選択は…
実は人工呼吸器をつけない事を彼女は最初から決めていたのです
延命のための人工呼吸器はつけないと決めていた睦美さん
母久美子さんは娘の選択を複雑な思いで受け止めていました
(久美子さん)はい。
完璧に限られた命だから苦しかろうがなんだろうがあの子の選択を支持するのが一番かなと思う。
見てるほうがつらいとかそんな事であの子の意志を変えちゃってもかわいそうだもんね。
(睦美さん)すいませーん。
すいませーん。
はい。
(睦美さん)きらしゃんもお願いしますが私もお茶ほしいです。
お茶ね。
持病を抱えながらも久美子さんは体力の続く限り介護を続ける覚悟を決めていました
介護は早朝から深夜まで続きます
短時間でぐっすり眠れるように睡眠薬に頼る生活が続いていました
睦美さんが延命のための人工呼吸器をつけない理由
それは懸命に介護してくれている両親への思いからでした
だから私が頑張って無理に…。
っていう思いは最初からずっとあるので…。
私の命は私の命だし。
父の命母の命はやっぱりそれぞれのものだから。
毎回のように親子2人で参加したケアチームのカンファレンス
今年5月服部医師から重い言葉が告げられました
お願い致します。
厳しい現実を突きつけられても睦美さんはなぜ笑顔でいられたんでしょうか?
難病中の難病ALSに立ち向かう術はないのでしょうか?
世界中の研究者たちが今ALSの原因究明や治療薬の開発に取り組んでいます
最先端の研究が行われているアメリカの現場へ向かいました
アメリカでは実際に患者に薬などを投与して安全性や効果を確認する臨床試験が少なくとも20件も行われています。
1万人に1人がALS患者というアメリカ
私は治療薬の臨床試験に参加した男性患者を訪ねました
ハロー。
ミスタールイス。
ナイストゥーミートユー。
ナイストゥーミートユー。
ルイス・マフィアさん
歳は睦美さんと同じ46歳
2年前にALSと診断されました
プッシュ。
プッシュ。
住宅リフォームの仕事も廃業
ボディビルで鍛えた筋肉もすっかり落ち手足の麻痺が進む中去年ある新薬の臨床試験に参加しました
寿命は2〜3年と宣告されましたが2年が経った今も歩く事は出来ています
彼が受けた臨床試験とは…
臨床試験を行ったのはコロンビア大学でALSを研究する三本博教授
使われた薬は
アメリカの製薬会社が開発しました
その臨床試験
GM604を注射すると体内でたんぱく質の一種と結合し脳に届きます
それが弱った運動神経細胞などに作用し病気の進行を遅らせる効果が期待されています
投薬を受けて自分の体の変化を感じたりまたは症状が…ちょっと進行が遅くなったりっていう感覚はあるんですか?
製薬会社は薬を投与した7人の患者に進行が遅くなるなどの改善が見られたと発表しています
そして日本でも世界に誇る研究が進んでいます
お忙しいところすみません。
よろしくお願いします。
ここでは万能細胞であるiPS細胞を使って難病の治療法を探す様々な研究が進められています
iPS細胞を治療に使う方法は主に2つ
まず患者の皮膚などから作ったiPS細胞を様々な細胞や組織に変えて患者に移植する再生医療
もう一つはiPS細胞を使って病気の状態を再現
様々な薬を試して治療薬を作り出す事
ALSでは今どんな研究が進んでいるのでしょうか?
でも…。
それは…。
iPS細胞から治療薬を作る研究では妻木教授が骨の難病にコレステロールを下げる薬スタチンが有効と見られると発表しました
そしてALSを研究する井上治久教授のチームは病気を発症させる原因の一つを特定
治療薬のもとになる物質も発見しました
さらにそこでどういう物質をかけるとその増えている状態を出来るだけ病気じゃないコンディション…状態に戻せるのかという事を調べた結果アナカルジン酸という物質がその量を減らすと。
培養皿の中で減らすという事を見いだしたと。
まず原因の特定
これは運動神経細胞です
ALS患者の場合この中にTDP‐43というたんぱく質が蓄積している事がわかっていました
そしてALS患者のiPS細胞から運動神経細胞を作り出し調べました
するとTDP‐43が過剰に作られ固まって毒性を持ち細胞を死なせていた事がわかりました
またALS患者の運動神経細胞は健康な人と比べ神経の突起が短くなっている事もわかったのです
そこで治療薬のもとになる物質も発見
それがアナカルジン酸です
ALS患者のiPS細胞から作った運動神経細胞に加えるとTDP‐43の発生量が減少
細胞が死ぬ事を防ぎまた短くなっていた神経の突起が長くなった事がわかりました
病気の進行を遅らせる効果が期待出来るという事です
さらに6月には再生医療の方法でも注目すべき成果を上げました
井上教授たちは運動神経細胞に栄養を供給するグリア細胞に着目
iPS細胞からグリア細胞のもとになる細胞を作り出しALSを発症したマウスの脊髄に移植しました
すると移植した細胞がグリア細胞に変わって脊髄や運動神経細胞周辺の環境を改善
移植しなかったマウスと比べ平均生存期間が延び病気の進行を遅らせる事に成功したのです
治療法を望む患者の期待に応えたい
しかし万能細胞iPS細胞をもってしても病気の解明にはまだ時間がかかるといいます
そう簡単にですね…。
ただもう…。
…というふうに思っています。
待っててねむっちゃん。
待ってまーす。
迎える事が出来たむっちゃんに誕生日プレゼント。
おめでとう!なんだ?これは。
私からはこれを贈りました
(笑い声)
(睦美さん)あっいる〜!なんだ?これは。
(睦美さん)チンアナゴ。
むっちゃんの大好きな…。
かわいい!やった!嬉しい?やったー!やったー!これは嬉しいよ。
やったー!かわいいもん。
飽きないもん。
スキューバダイビングをしてチンアナゴを見ているのが大好きでした
どうしても延命する気はないのか
私はもう一度聞きました
ないです。
ない…。
気持ちは変わってないですか?それより今の楽しいままのあきらめてはないけど…。
でも絶対にこの病気じゃなくても死は訪れるものだからっていうふうに考えて頂けたらいいのかなって。
ただ私はそのきっかけがALSっていう病気だったっていうだけの事で…。
自らの死を覚悟しながらもなぜ睦美さんは笑っていられたのでしょうか?
よろしくお願い致します。
そんな彼女が自宅に呼んだのは葬祭業者でした
ALSを患う睦美さんが最後にしたかった事
自分自身で企画したお別れ会を開く事でした
しかも常識では考えられない笑いと笑顔に満ちた友人葬です
私からのメッセージも家族を含めもちろん友人の方々出席して頂いた方々に伝えたいって思いがあるので…。
準備や進行などは友人たちに託しました
こちら広さもあるんですけれども…。
お別れ会ではお経ではなく高校時代に好きだったポップスが流れ友人たちが睦美さんへのメッセージを贈りとにかく笑って送る事が会のテーマでした
(睦美さん)なんかとんでもございません。
よろしくお願い致します。
失礼します。
ありがとうございました。
高校時代からの親友
その後はママ友として睦美さんとかれこれ30年の付き合いの有働さん
大切な友の最後の願いをかなえたい…
でもその日が来てほしくない
有働さんの心は揺れていました
(有働さん)なんかこうねわかるけど…。
なんかね…。
う〜ん難しいよね。
だからだよ?その強さがわからん。
お願い。
(久美子さん)でこうやって…。
やります。
うん。
睦美さんが自分の葬儀を企画しその準備を友人たちにお願いした理由とは?
「本当むっちゃんのわがままな葬儀大変だったわね」って感じで笑い話の1つとして…。
おかげで…。
親友の有働さんが撮影した睦美さんの素顔です
今日は来てくれてありがとう。
また会えるの楽しみに待ってます。
よろしくね。
(有働さん)そうですそうです。
富川さんがいうかっこいい人はどんな人ですか?
(理学療法士)例えばさ。
例えば?
(有働さん)いいですね先生。
もっと突っ込んでください。
(一同の笑い声)
(理学療法士)そうか。
今までのを全部知ってる…。
彼女は最後に出来る事を決めていました
(セミの鳴き声)
今年8月
24回目の入院での事でした
医師からはいつ容体が急変してもおかしくないと告げられていました
声も出しづらくなっていましたがこの日も笑顔でした
やっぱりそこにきちゃいますかね。
何度もお見舞いに訪れ支え続けた友人たち
この日は歯を磨いてもらっていました
上も。
上も?奧。
今日は
(美穂さん)遅すぎました。
ゆっくりすぎました。
その翌日
睦美さんの容体が急変
有働さんが駆けつけました
1分1秒でも惜しい2人で過ごす時間
(院内放送)「ただ今からは患者様の安静時間でございます」
(睦美さん)だそう。
(有働さん)え〜帰りたくない。
今来たとこなのに。
駄目。
(有働さん)また明日来るね。
待ってまーす。
大丈夫。
きっとまた明日は来る
親友同士が交わした約束が最後の会話となりました
(有働さん)またねむっちゃん。
時間は守りま…しょう。
(有働さん)はい守ります。
睦美さんは生前亡くなったあとの事をこんなふうに語っていました
もし亡くなってからの亡きがらでもういらないものならしょうがないけどもしそこにちょこっとでもそんな感じですかね。
死後に脳の組織などを取り病気の原因究明などに役立てる病理解剖を受ける事を決めていたのです
友人たちはお別れ会の準備へ
睦美さんとの約束を果たすため…
いつもしない
自らプロデュースしたお別れ会
「さようならまた会おうね」ぜひ?もういいです。
(一同の笑い声)
そして睦美さんからのメッセージ
なぜこんな葬儀を開いたのか
なぜ最後まで笑顔でいられたのか
1つ絶対にしてほしい事があると。
それは皆さんへのむっちゃんからのメッセージを悠太に代読してほしいと。
お聞きください。
それまではどんな時でも弱音を吐かず1人で頑張って生きてきた睦美さん
笑顔で本心を包み隠す事もありました
そんな自分が嫌いでした
しかし病気になり自分で出来ない事が増えていく中で素直に人に頼り甘える事が出来るようになりました
そんな自分が好きになれたのです
そしてみんなを笑顔にしたお別れ会こそが睦美さんの生きた証しだったのです
病理解剖で取られた組織は今専門機関で分析が進められています
むっちゃんの遺志は未来へ繋がっています
2014/12/21(日) 13:55〜15:20
ABCテレビ1
笑顔の約束〜難病ALSを生きる〜[字]
ALSという難病を患いながら、最後まで笑顔で生き抜いた女性のドキュメンタリー。京都大学・山中教授のiPS細胞を使った研究や、患者支援の最新ロボット技術などを紹介
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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