きょうの健康 がんのチーム医療「緩和ケアチーム」 2014.12.16


(テーマ音楽)知っておきたい健康情報を分かりやすくお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
さて今週は「がんのチーム医療」というテーマでお伝えしております。
今がんの治療ではさまざまな職種が関わるチーム医療が行われています。
例えば栄養サポートチーム。
リハビリを行うリハビリチームもあります。
そして今日は痛みの治療を行う緩和ケアチームについて詳しくお伝えしていきます。
今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
疼痛・緩和医療部長の…特にがんの緩和ケアそして痛みの治療がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
緩和ケアチームとはどのような事を行うチームなんでしょうか?緩和ケアチームには実は重要な役割が2つあるんです。
一つは例えば体の痛みであるとか吐き気とかそういった体のつらさまずこれを和らげる事。
もう一つは精神的な悩みとかつらさとか眠れないとかそういったものを和らげる。
この2つが最も重要な役割となってます。
つまりもともと役割としては2つあるという事なんですよね?はい。
その職種をでは更に詳しい説明をして頂きたいと思いますが…。
分かりました。
緩和ケアチームには2つの専門分野の医師がいます。
一つは痛みとか先ほど言いました体のつらさを和らげる体のつらい症状を緩和する医師です。
これにはペインクリニックの医師や麻酔科の医師それから緩和ケアの専門医そういった人たちが参加してます。
実は私は京都府立医科大学の附属病院の緩和ケアチームの中で体の症状を緩和する役割を担っています。
もう一つは体の事だけではなく不安とか気分の落ち込みとか眠れないとかそういった精神的な悩みやつらさを担当するという精神科の医師が主に担当しております。
時には臨床心理士がその役割を担うという事もあります。
そして下の方には専従の看護師とありますね。
実は緩和ケアチームにはチーム専従の看護師と痛みなどの体の症状に対応する医師の2人が絶対に必要となっているんです。
それで専従の看護師というのは実はがん看護専門看護師や認定看護師などの専門の資格が必要なんです。
この専従の看護師が緩和ケアチームの要となりまして主治医と患者それからそのご家族そういった者と緩和ケアチームをつなぐ役割を果たしています。
しかし更に望ましいのは精神症状に対応する医師と緩和ケアに詳しい薬剤師がチームにいる事なんです。
この薬剤師というのはどういう役割なんでしょうか?薬剤師というのは患者への薬の説明のほかに医師や看護師へのアドバイスもできるほどに緩和ケアとそれに使用する薬剤に対して極めて高い習熟したレベルを必要としています。
なるほど。
更にソーシャルワーカーいらっしゃいますね。
ソーシャルワーカーというのは医療費とか医療制度転院とか退院後の生活環境の整備それから社会生活のサポートそういったものを担当するそれがソーシャルワーカーでそういった方もチームに入って頂いております。
細川さんのご担当はこちらの痛みなどの体のつらい症状を担当するドクターだという事ですね。
具体的にはどういう事でしょうか?実は私は痛みのケアを専門としてるんですが痛みを和らげるためにはいくつかの方法があります。
まず鎮痛薬いわゆる痛み止めです。
そういったものを使うんですが更にオピオイド鎮痛薬という医療用麻薬こういったものをうまく使っていく事によって痛みを取っていくんですが実はこれにはかなり専門的な知識が必要となります。
ところがこういったものを適切に使う事でかなり効果的に痛みを取る事ができるんです。
緩和ケアチームの専門性の一つというのはこの医療用麻薬をうまく使う事ができるという事にあると言っても過言ではないかもしれません。
痛みを和らげる方法として放射線治療や手術もあるんですね?はい。
例えばその放射線治療なんですがこれは骨にがんが出来た場合そこに放射線を当てる事でそれによる痛みを取る事ができるんです。
更に内臓や脊椎そういったとこに出来た腫瘍が大きくなって神経を圧迫して出てくる痛みなんかありますよね。
そういった場合その腫瘍を手術で取る事によって痛みを取るという事もあるんです。
はい。
そしてこちら神経ブロックでありますがこれはどういう内容でしょうか?実は神経ブロックというのは痛みを起こす原因となっている神経に直接注射をして痛みを取るという方法なんです。
例えば首や腰の痛みが椎間板ヘルニアで出るとかぎっくり腰とかそういった事に対する治療法としてもよく知られてるのがこの神経ブロックです。
またがんによる痛みやそれから手術後の痛みなどがん患者さんが持つ痛みそういったもののコントロールに対しても実はよく実施されてるのがこの神経ブロックです。
では実際の神経ブロックの様子を見ながら解説して頂きましょう。
これがその部屋ですね?そうです。
これが神経ブロックを行う部屋です。
どういう事をしているかというと…。
これはX線で針の先を見ながら治療を行ってるというところを映しています。
実はこの方は膵臓がんでひどい背中とおなかの痛みがあるんです。
膵臓の痛みに関する内臓神経を目指してこのように針を刺していくんですが…。
これはどちら側から見てますか?これは患者さんの背中からレントゲンを当てているという感じであの四角いのが背骨になる訳なんです。
2本の針が入ってるようですね。
そうです。
今これは横から見たところに画面が変わってるんですがこれは背骨と背骨の間に2本の針が深く内臓神経の層まで行っております。
なるほど。
そして…。
これがこのあとにお薬を入れるんですがこれによって痛みを作っている内臓神経の興奮を抑えていくというような治療です。
つまりこの薬を注射する事によって治療が終了するという形になります。
これはかなり専門的な技術を要する治療という事なんでしょうか?はい。
この神経ブロックは主に内臓のがんによる痛みに対して行う事が非常に多いんですが実際体の中には筋肉とか肺とかほかの内臓とか血管とか脊髄さまざまな組織とか器官がある訳なんです。
それらを傷つけずに深くまで針を刺していくという事になりますとかなり専門的な知識と技術が必要となります。
この神経ブロックをする事で痛みというのはかなり取れるんでしょうか?そうです。
ブロックを行いますとすぐに痛みが軽くなるケースが多いですね。
それによりましてできなかったお仕事であるとか家の用事ができるようになったりしますしまた使っていた鎮痛薬の量も減らしたりという事ができます。
これによって患者さんの生活の質を随分上げる事ができます。
例えば先ほどの患者さんですと痛みがかなり楽になりまして自宅で時間を過ごす事ができるようになりました。
痛みのケアの事について今ご説明頂きましたがもう一つ精神的な悩みやつらさを担当するスタッフがいるという事でこれは大事なんですね。
そうですね。
では実際に緩和ケアチームが患者の精神的な悩みにどう対応しているのか見てみましょう。
週に1回行われる会議にはチームに所属するさまざまなメンバーが参加します。
体の痛みや心の悩みで難しい問題を抱えている患者などについて全員で話し合います
各診療科の主治医からチームに依頼が入るとまず吉岡さんが患者と話し合います
それでこの人はごはんを食べてトイレにも行けてたし…。
チームが担当している60代の…
乳がんが骨に転移しています
抗がん剤の治療を受けましたが吐き気やだるさなどの副作用が強く出たため現在は治療を中止しています。
治療をしないとがんが進行しますが治療をすると再び副作用に苦しむ事が心配です。
これから治療をどうしたらよいのか田中さんは深い悩みを抱えています
看護師の吉岡さんは田中さんにはより専門的なケアが必要だと考え主治医と相談して緩和ケアチームの一員である精神科医に田中さんを紹介しました
心の落ち着きが出てくるという事ですね。
がんそのものの治療が大事なのはもちろんですがこうした看護師さんやあるいはこうしたスタッフによって心のケアというのは大事なんですね。
同時に…。
全くそのとおりです。
実はがんの患者さんが抱えるつらさには先ほどの痛みでありますとか吐き気というのは身体的なものももちろんあるんですが実は精神的なつらさ眠れないとかいろいろな不安ですね。
それから社会的。
つまり経済的な事もありますよね。
それから仕事の事とかいろんな不安が出てまいります。
更にスピリチュアルペインといわれるような「死んだら一体どこへ行くの?」とかそれから「私の人生は一体何だったんだ」とかそういった事を考えるというような事をスピリチュアルというんですがそういったものをいろいろみんながんの患者さんは抱える訳ですから緩和ケアチームはまず看護師が患者さんからそういった話を聞きましてそれぞれの専門家に対応していく訳なんです。
その結果さまざまなつらさが楽になって前向きにがんと向き合える状況を作っていけるという事です。
なるほどね。
こうしたさまざまなつらさ痛みに対応するこの緩和ケアチームの治療ですが今どこでも受けられるようになっているんでしょうか?今全国にがん診療拠点病院というのは407施設あるんですが全てに実はこの緩和ケアチームというのがあるんです。
そこでいつでも緩和ケアを受ける事ができます。
また現在ではがん診療連携拠点病院以外の病院でも緩和ケアチームが活動してるとこは多くあります。
しかし現状まだまだ全ての施設で万全の緩和ケアチーム医療が受けられるという訳ではありません。
今後更に多くの人に当たり前のように高度な緩和ケアチーム医療を受けて頂けると。
そういった環境を作るために日本緩和医療学会やその関連学会でそのための組織作りや人材育成に現在頑張っているところです。
がんの治療という事はがんの病巣そのものの治療と同時に非常に多様な対応…。
緩和ケアチームの果たす役割は大きい訳ですね。
そのとおりです。
これまで緩和ケアというのはがんの終末期のケアというイメージが非常に強かったのです。
しかし現在ではがんの療養中の痛みやつらさを軽減させるためにはがんと診断された時から行うべきと考えられています。
つまりがんの告知後から積極的に取り入れていくんです。
そういった時にもしもの時患者さん一人もしくはそのご家族だけでがんの悩みを抱え込むんではなく緩和ケアチームによるケアを利用できるような施設を探して頂きましてそれと一緒にがんと立ち向かうと。
それによりましてきっとがんと立ち向かう際に心強い味方になってくれると考えております。
また緩和ケアチームの治療を受けたいという事を希望を言った方がいいですよね。
どうもお話ありがとうございました。
2014/12/16(火) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 がんのチーム医療「緩和ケアチーム」[解][字]

緩和ケアチームには体の痛みをとる緩和ケア医とともに精神科医などが参加して患者の心の悩みを受け止めている。つらい場合には緩和ケアチームを頼りにすることができる。

詳細情報
番組内容
緩和ケアはがんと診断されて早期から受けることが望ましい。なぜなら、がんと診断されると、肉体の痛みだけでなく、仕事・家庭に関する社会的な悩みや、生死についての精神的な悩みなどが生まれるからだ。緩和ケアチームには、体の痛みをとる緩和ケア医とともに精神科医やソーシャルワーカーが参加することが多く、患者の心の悩みを受け止めている。痛みがあったり精神的につらい場合には緩和ケアチームを頼りにすることができる。
出演者
【講師】京都府立医科大学病院教授…細川豊史,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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