(光秀)延暦寺の一件は誠に申し訳なかった。
お主の思いを無視して勝手なことをしてしまった。
(サブロー)もう俺信長できないよ。
(光秀)サブロー。
(サブロー)あんな勝手なまねされたらもうできないって。
(光秀)これだけは分かってほしい。
延暦寺は織田のために。
(サブロー)だからってむやみに人殺すなんて間違えてるだろう!
(サブロー)みんなに何て説明すればいいんだよ?
(光秀)ではわしが皆に申し開き…。
(サブロー)もう余計なまねはしないでくれ!
(サブロー)みんなには俺が説明するから。
(ゆき)でぇと?
(帰蝶)おゆきはしてみたいと思わぬか?
(ゆき)私は帰蝶さまにお仕えお守りするのが務めでございます。
でぇとだなんてめっそうもない。
(帰蝶)何を言う?お主も年ごろの娘であろう。
よき殿方がおればもらってもらうべきじゃ。
(ゆき)しかし…。
(帰蝶)おゆき。
めおととはよいものだぞ。
大切な人がそばにいてくれるというのは大きな心の支えになるものじゃ。
(ゆき)それが帰蝶さまにとって信長さまなのでございますね?
(帰蝶)まあそうかもしれぬな。
(ゆき)アハッ。
噂をすれば。
(サブロー)延暦寺の件なんだけど。
(サブロー)俺が間違えてた。
ホントにごめん。
(恒興)殿。
(丹羽)いや。
殿。
われら家臣一同話し合い延暦寺の一件は天下を取るためには致し方なかったと。
(利家)あそこで倒しておかねばいつか必ず織田の脅威となっていたことでしょう。
(勝家)殿はその芽を摘み取るために苦渋のご決断をなされた。
(成政)それに延暦寺は森殿の敵。
成敗して当然にございます。
(サブロー)ちょっと待ってよ。
延暦寺のことは間違えてたんだって。
むやみに人殺したりだましたりひどい目に遭わせたりして天下取ったってそんなのうれしくないって。
俺は二度とこんなことはしない。
(サブロー)だからみんなも絶対しないでもらえるかな?頼むね。
(一同)ああ。
はっ。
じゃあよろしくね。
(丹羽)恒興。
いかがした?
(恒興)何故急にお考えが変わられたのでしょう?
(丹羽)うん。
(恒興)光秀殿。
これを。
(帰蝶)話してきたのか?延暦寺のことを。
うん。
色々心配かけてごめんね。
(帰蝶)わらわでよければたくさん心配かけて構わぬぞ?ありがと。
でももう大丈夫。
そうか。
なあ?うつけ。
一つよいか?うん?おゆきのことなのだが。
おゆきちゃん?
(半兵衛)こやつの素性を調べてくれ。
(重矩)秀吉殿でございますか?
(半兵衛)そこに記された里に行けば何か分かるかもしれぬ。
すぐ出立してくれ。
(重矩)かしこまりました。
(蜂須賀)これからどうする?いよいよ織田をつぶすか?うっ。
(秀吉)うかつなことを口にするな。
(蜂須賀)うっ。
すまねえ。
(秀吉)お前は黙ってついてこい。
(秀吉)面白いものを見せてやる。
・
(恒興)若。
(光秀)いかがなさいました?恒興殿。
(恒興)何故今若と呼ばれ振り返ったのです?
(光秀)とっさに呼ばれつい振り向いてしまいました。
失礼。
(恒興)誠にそれだけですか?
(恒興)あなたが信長さまだからではないのですか?
(光秀)何をお戯れを。
(恒興)あなたのですね?亡きお父上織田信秀さまから譲り受けた扇。
(恒興)信長さまですね?
(光秀)ハァー。
さすがはわが乳兄弟だ。
(光秀)久しぶりだな。
恒興。
(恒興)入れ替わった!?
(光秀)ああ。
(恒興)も…もしや延暦寺の一件はあなたさまが?
(光秀)あれは織田を守るためだったのだ。
(恒興)えっ?ではあの者はいったい?
(光秀)素性は分からぬ。
(恒興)えっ?それでは私は今まで素性も分からぬ男に?
(光秀)全てはわしの不徳。
(恒興)私は命を懸けて信長さまをお守りしてきた。
それなのに偽者だったとは。
(光秀)申し訳なく思うておる。
このとおりだ。
(恒興)何故お逃げになったのですか?われわれを置いて。
(光秀)すまぬ。
(恒興)許せませぬ。
あなたさまもあの男も。
(光秀)この期に及んで誠に勝手だがこのことは他言無用で頼む。
家臣たちにもあの男にも。
そして…。
(恒興)帰蝶さまはご存じなのですか?
(光秀)いや。
(恒興)それでよいのですか?
(恒興)よいわけがございませぬ!
(沢彦)恒興殿に知れた以上今までどおりとはいきませぬ。
信長さま。
(沢彦)やはり織田家の扇の要はあなたさましかおりませぬ。
利家君。
デートしてらっしゃい。
(利家)でぇと?それがしが?なかなかお似合いだと思うんだよね。
利家君とおゆきちゃん。
(利家)それがしおなごにうつつを抜かす暇はございませぬ。
まあまあ。
たまには抜かしちゃいなさいよ。
うつつ。
(利家)いいえ。
それがしは徳川殿のようにはなりたくありませぬ。
家康君?
(利家)徳川殿が織田家中で何と呼ばれているかご存じですか?知らない。
脱糞おなご大名です。
(帰蝶)あっ!?
(家康)《退却じゃ!ああー》わらわなら耐えられぬ。
(利家)徳川殿は殿から頂いたエロ本なるいやらしい書物で骨抜きにされたとの噂。
やはり武士は剣術稽古を。
殿からもらったいやらしい書物?利家。
もういいぜ。
帰っていいぜ。
何でも精巧に描かれたおなごが一糸まとわぬ姿で。
利家。
ほら。
大好きな木刀振ってらっしゃい。
(利家)そのエロ本なる書物見たら天地がひっくり返るほどの代物と。
やめろ!
(帰蝶)ほう。
そのようなものを持っておったのか。
うつけは。
うつけは。
うん。
木刀でも振ってきますかね。
(帰蝶)安心せい。
わらわは怒ってなどおらぬ。
ハァー。
ただお主の顔面を野良犬が半分くらい食いちぎってくれぬかと思うておるだけじゃ。
めちゃくちゃ怒って…。
もうごめんって。
(帰蝶)知らぬ!
(利家)ではそれがしはお邪魔なようですので。
(帰蝶)利家。
どうしても頼めぬか?おゆきの事情を知るお主だから頼みたいのじゃ。
あの子は織田家のためわらわのためにと常に肩に力が入っておってな。
だからたまには肩の力を抜いておなごとしての幸せを感じてほしいのじゃ。
俺からも頼むよ。
利家君。
わ…分かりました。
・まああのう。
・
(帰蝶)勘違い?・うん。
あのね。
・帰蝶が思ってるようなそういうのじゃないの。
・全然そういう。
あの。
いやらしいとかそういう。
・
(秀吉)光秀殿。
お力をお借りしたい。
(秀吉)将軍足利義昭公がまたも大名たちに織田討伐の書状を送りつけておるようです。
ハァー。
また?
(利家)これで再び大名たちが書状に従ったら。
(勝家)われら窮地に追いやられますな。
よし。
じゃあ俺義昭さんと直接話してくるよ。
こういう書状送らないでくれって説得してくる。
(恒興)殿自ら出向くことはないのでは?えっ?
(恒興)他の者に任せた方がよいかと。
恒ちゃん?その役目それがしにお任せくだされ。
光秀殿に義昭公をご紹介いただき必ずや説き伏せてご覧に入れまする。
いや。
やっぱり俺が行くよ。
大丈夫。
俺が何とかしてくるって。
ミッチーは行かなくていいから。
俺と猿君で。
(秀吉)お言葉ですが義昭公は殿に大層お怒りのご様子。
かえって気分を逆なですることに。
(丹羽)確かにここは義昭公をご紹介いただいた光秀殿にお任せするのが得策かと。
じゃあ恒ちゃんも一緒に行ってくれる?えっ?恒ちゃんが一緒なら安心だからさ。
頼むよ。
はい。
・ミッチー。
分かってると思うけど。
くれぐれも余計なことしないでね。
(光秀)ああ。
信長は俺だからさ。
(光秀)分かっておる。
(義昭)それは…。
(光秀)これ以上書状を送り続けることは義昭さま自らその御首を絞めていることと同じでございます。
(義昭)ふん。
織田など恐るるに足りずじゃ。
あんな田舎大名この足利義昭の敵ではないわ。
(光秀)しかしその田舎大名が今川を破り美濃を取り天を味方に付けあの武田信玄の死をも呼び起こした。
その織田信長さまにまたかようなことをなされてはどのような末路になるか。
(光秀)義昭さまならばお分かりのはず。
(義昭)くそ。
細川。
書状を全て捨てよ。
(細川)はっ。
(恒興)以前の若を見ているようでした。
今も聡明であられるのですね。
信長さま。
(光秀)わしはもう信長ではない。
恒興。
(光秀)お主はこれまでどおりあの男を支えてやってくれ。
(恒興)あの者は私たちをだましておったのです。
今までどおりになど。
だからといって私たちを置いて出ていったあなたさまにお仕えすることも。
(光秀)恒興。
悪いのは全てこのわし。
お主はこれからもあやつを信長として支えてやってくれ。
頼む。
光秀め将軍に向かって偉そうな口を。
(細川)しかし織田が天を味方に付けているのは事実。
(義昭)ああ。
うるさい!ああ。
何じゃ!?お主は。
共に織田を討つじゃと?それがし先の延暦寺焼き討ち。
信長の神をも恐れぬ傍若無人の振る舞い。
ほとほと腹に据えかねておりました。
ここは義昭さまとともに織田討伐を。
将軍御自ら動けば必ずや諸大名たちもお味方されまする。
(秀吉)義昭さま。
共に信長を討ちましょう。
分かってくれたか。
よかったよかった。
(光秀)これで義昭公も静かにされるかと。
ご苦労さまでした。
恒ちゃんもありがとね。
(恒興)はい。
・
(長可)殿!大変にございます!
(長可)義昭公が!どしたの?
(勝家)挙兵しただと!?
(丹羽)恒興。
しかと説き伏せたのではないのか?
(恒興)いや。
義昭公のあのご様子からは挙兵などとても。
(勝家)ならば何故じゃ?みんな落ち着けって。
(半兵衛)殿の言うとおりです。
義昭公の挙兵に他国が応えれば敵勢力は強大になってしまいます。
(勝家)ならば他国が加勢する前に討ってしまおう。
(利家)しかし相手は将軍家。
討てばわれらが逆賊になってしまうのでは?
(半兵衛)いや。
戦を仕掛けてきたのは向こう。
将軍家を討つ大義名分はあります。
(半兵衛)殿。
他国が動く前に決着を。
よし。
じゃあ出陣の準備を。
(一同)はっ!
(秀吉)お待ちください。
殿。
それがしに先鋒をお任せください。
(丹羽)何を申すか?お主が調略し損ねた故かような事態になっとるんじゃろうが。
(秀吉)その責任必ずや取ってみせます!この羽柴秀吉に挽回の機会を。
分かった。
ここは猿君に任せるよ。
(秀吉)ありがたき幸せ。
(家臣)義昭さま!織田軍勢がこちらに進軍中とのこと!
(義昭)そうか。
自分の家臣に攻められるとも知らずに。
ハハハ。
これで他国も加勢すれば鬼に金棒。
信長もこれまでよ。
(半兵衛)いまだ他国は加勢していないようです。
(丹羽)猿だけに任せて大丈夫じゃろうかのう?
(勝家)諸大名が動く前にけりをつけてくれればよいが。
(秀吉)行くぞ。
(蜂須賀)これで織田も終わりだな。
者ども!出陣じゃ!
(一同)おう!
(細川)秀吉軍が動きだしたとのことです。
よし。
して他国の加勢はどうなっておる?これは?
(細川)他国から加勢はできぬと返答が。
(義昭)何じゃと!?
(細川)延暦寺の一件で信長の所業に恐れをなしたのです。
腰抜けどもが。
ああ。
まあよい。
これで秀吉が信長の首を取ってくれば大名どもはこの足利に。
・
(家臣)申し上げます!羽柴秀吉軍が。
(義昭)信長をやったか!?
(家臣)攻めてきました!何?・
(一同)うわー!
(一同)うわー!
(義昭)うわー!ああー!ああ!お主まさか初めから余をはめるつもりで?謀ったな?秀吉!
(秀吉)足利の時代はこれで終わり。
これからは織田の時代だ。
(丹羽)足利幕府が崩壊し新たな時代の幕開けにございますな。
(勝家)これからは織田の時代じゃ!ワハハ。
(利家)朝廷から元号をつける了承も頂きましたしね。
(成政)殿。
元号はいかがなさいますか?元号ってあれだよね?平成とか昭和とか。
俺がつけていいのか。
どうしよう?
(半兵衛)殿がどんな世をつくりたいか。
その思いを込めてみては?なるほどね。
そっか。
考えてみようかな。
(勝家)いや。
それにつけてもこたびは全て猿の手柄じゃ。
(丹羽)さよう。
口車に乗せ足利義昭を挙兵させるとはのう。
おう。
まったく弁の立つ男よ。
(秀吉)敵を欺くにはまず味方から。
(丹羽)さようなことを申して褒美を独り占めしたかったんじゃろうが?うん?
(秀吉)気付かれましたか?
(丹羽)気付くわい!
(一同)ハハハ。
ちょっと待ってよ。
何だよ?それ。
えっ?義昭さんだまして挙兵させたの?俺言ったよな?だましたりひどい目に遭わせて天下取ってもうれしくないって。
そういうのやめようって。
(秀吉)申し訳ございません!織田を守りたいその一心で。
それがし敵をだますも策略のうちと思いついかようなまねを。
お許しください!敵倒すためならどんな手使ってもいいのかよ?そんなんおかしいだろ!
(秀吉)ごもっとも。
しかしながら殿。
今幕府を討たねばわれわれは日の本中から狙われ続けておりました!
(勝家)確かに猿の言うことにも一理ある。
(丹羽)ああでもせねば幕府を倒す大義名分はできなんだ故。
だからって。
だからってこんなん間違ってるだろ!俺はもう延暦寺みたいなことはしたくないんだよ!延暦寺は森殿の敵!こたびの勝利は延暦寺の一件があればこそにございます。
えっ?
(秀吉)あの一件のおかげで他国は織田を恐れ加勢しなかったのです!
(勝家)なるほど。
延暦寺の一件が功を奏したというわけか。
(秀吉)もし諸大名が幕府に加勢していたらわれわれは敗れていたでしょう。
殿。
やはり延暦寺のご采配は正しかったのでございます。
違うだろ。
絶対違うって。
そのおかげで織田の時代が来たのです!
(一同)そうじゃ。
そうじゃ。
そうじゃ。
そうじゃ。
そうじゃ。
そのとおりじゃ。
そうじゃ。
殿は正しい。
殿は間違っておりませぬ。
(蜂須賀)お前何考えてんだ?織田に復讐するんじゃなかったのか?なのに足利将軍倒して。
織田が天下取っちまうぞ?
(秀吉)それでいい。
(蜂須賀)あっ?どういうことだ?わしは織田に天下を取らせる。
フフフ。
フフフ。
フフフ。
(光秀)《これからもあやつを信長として支えてやってくれ》《頼む》・恒ちゃん。
俺もうよく分かんなくなっちゃったよ。
義昭さんとのことみんなは正しいっていうけどさ。
どうしても納得できないんだ。
延暦寺のことも。
俺の感覚やっぱ戦国の常識からずれてんのかなぁ。
恒ちゃん?私には分かりかねます。
えっ?そのようなこと考えなくてよろしいのではございませぬか?でも…。
では。
(利家)あっ。
えい!はっ!
(ゆき)精が出ますね。
(利家)ああ。
えい!えい!待て!おゆき殿!えい!えい!
(ゆき)えっ?呼びましたか?
(利家)いやー。
(利家)その。
そのう。
おゆき。
髪をとかしてくれぬか?
(帰蝶)おゆき。
(ゆき)あっ。
失礼いたしました。
いかがしたのじゃ?
(ゆき)そのう。
利家殿にでぇとに誘われました。
それはよかったなぁ。
わらわはそなたには人並みの幸せを感じてほしいと思うておるぞ。
(ゆき)人並みの幸せ?でぇとはいつなのじゃ?
(ゆき)あしたにございます。
そうか。
あっ。
ではあの着物を着ていけばよい。
はい!
(秀吉)《殿。
やはり延暦寺のご采配は正しかったのでございます》《そのようなこと考えなくてよろしいのではございませぬか?》あっ。
殿。
ああ。
おゆきちゃん。
どしたの?前に頂いたお着物をあした着ていくことになりました。
へえー。
えっ?どっか行くの?ああ。
実はそのう。
でぇとに。
よかったね。
絶対似合うよ。
着たら見せてね。
楽しみだね。
はい!何かを楽しみに思うなんて生まれて初めてにございます。
こんな気持ちになれるのも殿があのとき許してくださったおかげです。
大げさだよ。
いいえ。
本来なら裏切り者は殺される定め。
しかし殿は世の習いを顧みず私を助けてくださいました。
今ここにこうしていられて私は幸せにございます。
おゆきちゃん。
殿。
誠にありがとうございます。
(帰蝶)何をしておるのじゃ?元号考えてたんだ。
(帰蝶)よき元号は思い付いたのか?これ。
どうかな?それはよい。
お主らしい元号じゃな。
新しい元号を発表します。
天正です。
(一同)おおー。
どうかな?
(半兵衛)天下を正しき方へ導く。
殿にふさわしい元号です。
(勝家)いや。
素晴らしきかな。
まさに織田の時代ですな。
殿。
(一同)お見事。
天正。
ハハハ。
天正。
天正。
(沢彦)偽者と知りながらあの男に仕えるのはおつらいでしょう。
家臣の方々も命を懸けてお守りしていたお方が偽者だと知ったらさぞや心を痛めることでしょう。
皆には口が裂けても言えませぬ。
(沢彦)偽者はしょせん偽者。
あの男のために誰かが血を流すことなどあってはなりませぬぞ?
(長政)天正か。
信長殿らしい年号だ。
(市)兄上ならきっと天を正しい方へ導いてくれます。
殿もそう思ってらっしゃるのですよね?
(市)長政殿。
もう戦などやめて兄上とともに。
・
(久政)織田の時代など認めん。
われわれは最後まで戦うぞ。
(久政)長政。
(家臣)武田延暦寺の一件以降形勢は一気に傾き今や織田方に付く大名は後を絶ちませぬ。
(家臣)わが朝倉においても前波吉継。
富田長繁。
次々と織田に寝返ってございます!
(義景)くそ。
(義景)裏切り者は許すな。
信長め調子づきおって。
・
(ゆき)お待たせしました。
どういたしました?
(利家)いやー。
まあそのう。
馬子にも衣装だなと思うてな。
ハハッ。
(ゆき)どうせ私は馬子にございます。
(利家)ああ。
冗談じゃ。
あっ。
待て。
おゆき殿。
待て。
(門兵)何者じゃ?
(小泉)織田信長さまにお目通り願いたい。
また寝返り?
(半兵衛)刺客かもしれませぬ故くれぐれもご注意を。
ありがとう。
(勝家)この勝家が命に代えてもお守りいたします。
(成政)わしもおります。
この小泉景邦織田信長さまにお仕えしたく参上つかまつりました。
どうして寝返ろうと思ったんですか?
(小泉)朝倉義景は信長さまのお力の前になすすべもなく家臣たちの心は離れております。
もう先はございませぬ。
しかしそうやすやすと信じることはできますまい。
二心なきことを示せるのですかな?
(小泉)ならば。
(勝家)それは?
(小泉)朝倉家重臣魚住景忠の首にございます。
(勝家)な…何!?
(小泉)これをもって信長さまへの忠誠を示したく存じまする。
(丹羽)失礼。
(丹羽)確かに魚住殿に相違ありませぬ。
(一同)おおー。
(小泉)これで信じていただけましたでしょうか?信長さま。
分かりました。
じゃあ織田家で働いてください。
(小泉)ありがたき幸せ。
でもこれからはむやみに人を殺したりするのやめてください。
俺嫌なんです。
約束してください。
はっ!
(勝家)ではこよいは小泉殿の歓迎の宴じゃ。
(一同)おう!
(利家)それでな殿は少ない手勢で今川を討ったんだ。
ハハッ。
あのときわしは殿のような勇ましい武士になろうと思った。
(ゆき)ウフフ。
フフッ。
(利家)ど…どうしたのだ?
(ゆき)フフッ。
利家殿は誠に殿がお好きなのですね。
(利家)あっ。
いやー。
ハハハ。
(ゆき)ウフフ。
(利家)あっ。
今度はおゆき殿の話を聞かせてくれ。
(ゆき)私の?
(利家)ああ。
(ゆき)私は夢ができたのです。
(利家)夢?
(ゆき)はい。
私はどこにでもいる人並みのおなごになりとうございます。
(ゆき)風を気持ちいいと感じたり。
フフッ。
今日のこの夕焼けを美しいと思ったり。
そんなことを幸せに感じられる人並みのおなごに。
約束しないか?わしは殿をお支えする日の本一の家臣になる。
そなたは人並みのおなごになる。
約束しよう。
・
(ゆき)ゆきでございます。
(帰蝶)でぇとはいかがであったか?
(ゆき)はい。
楽しゅうございました。
(帰蝶)それは何よりじゃったな。
おゆき。
いかがした?
(ゆき)いえ。
何でもありません。
新当流の使い手?
(ゆき)はい。
朝倉にいたとき何度か会ったことがございます。
しかし小泉殿は朝倉を見限って寝返ったそうだが。
(ゆき)それはありませぬ!あの男は義景に心酔しております。
裏切るなど断じて!
(利家)分かった。
落ち着け。
わしが小泉の動きに目を光らせておく。
何も案ずることはない。
(ゆき)しかし…。
任せておけ。
(一同)飲め飲め。
ハハハ。
おう。
(一同)ハハハ。
飲め飲め。
おう。
(小泉)お一ついかがでございますか?どうもどうも。
失礼。
フフフ。
ハハハ。
フフフ。
ハハハ。
フフフ。
おおー。
おっ!?殿!
(刺す音)・うっ。
ゆき!
(女性)ううっ!
(帰蝶)おゆき!おゆきちゃん!
(女性)放せ!
(帰蝶)おゆき!誰か早く医者呼んで!しっかりしろ!おゆき!殿。
ご無事で?何で?何で俺のことなんかかばったんだ!?信長さまをお守りすることが帰蝶さまをお守りすること。
帰蝶さまの幸せは信長さま。
(帰蝶)おゆき。
帰蝶さま。
こんな私に優しくしてくださりあり…。
あり…。
ありがとうございました。
何を言うておる?これからもそうであろう?ずっとずっとそうであろう!?帰蝶さま。
お…おゆきちゃん?嘘であろう?目を開けろ。
おゆき!おゆき。
(帰蝶)どうして?どうして目を開けてくれぬのじゃ!?どうして?
(帰蝶)どうして?おゆき!おゆき!
(一同)うわー!
(利家)ああー!
(小泉)うっ。
うん。
(切る音)
(小泉)うわっ。
(利家)くそ。
くそ!
(半兵衛)朝倉が刺客を差し向けたようです。
(丹羽)しかし殿がご無事で何よりでした。
(勝家)おゆき殿は殿のために命を懸けてくれたのですな。
(利家)うわっ!・
(恒興)利家。
(利家)おゆき殿はただ。
ただ人並みのおなごになりたかっただけなのです。
(利家)それなのにどうして死なねばならない!
(ゆき)《信長さまをお守りすることが帰蝶さまをお守りすること》
(勝家)《おゆき殿は殿のために命を懸けてくれたのですな》俺のせいだ。
(沢彦)《偽者はしょせん偽者。
あの男のために誰かが血を流すことなどあってはなりませぬぞ?》・
(恒興)殿。
お話がございます。
兄上。
木下藤吉郎のことが分かりました。
どうであった?
(重矩)木下藤吉郎はすでに死んでおりました。
あの男は偽者です。
やはりそうか。
(重矩)さすればやつは何者?
(恒興)私は織田を守るためにここにいます。
(恒興)いや。
私だけでなく全ての家臣たちは織田信長さまをお支えするためここにいるのです。
偽者を守るためではない。
おゆき。
髪をとかして…。
おゆき。
今の殿では帰蝶さまを支えきれぬのかもしれませぬな。
延暦寺のときのような勇ましい殿に戻られれば。
(恒興)ずっと私たちをだましておられたのですね?恒ちゃん。
でも俺…。
偽者はしょせん偽者!偽者のために織田の者が死んでいくのはもう耐えられませぬ。
森殿もおゆきも皆偽者であるあなたのために死んでいったのです。
そのようなことあってはなりませぬ。
そうだね。
間違ってるよね。
この城から去ってください。
織田から出ていけ!2014/12/15(月) 21:00〜21:54
関西テレビ1
信長協奏曲 #10[字]【ニセモノの信長vsホンモノの信長!衝撃のクライマックス!】
「ニセモノは追放せよ!殿のために死んでいった者たちへ…」ついに偽物の信長であることがバレたサブロー(小栗旬)。そのとき帰蝶(柴咲コウ)は…。感動のクライマックス
詳細情報
番組内容
延暦寺の一件で、サブロー(小栗旬)はもう信長を続けられないと明智光秀(小栗旬・二役)に話す。家臣たちにどう説明すればよいのかと訴えるサブローに、光秀は代わりに自分が申し開きをすると言う。しかし、サブローは光秀にこれ以上余計なマネはしないで欲しいと遮り、説明は自分が行うと決意した。
家臣たちを前にしたサブローは、延暦寺攻めが間違っていたと頭を下げる。だが家臣たちは織田家を守るためには仕方なかった
番組内容2
という見解で一致していた。それでもサブローは、二度と同じ行為はしないと誓い、家臣たちにも念を押す。サブローが大広間を後にすると、光秀も出て行った。その時、池田恒興(向井理)は光秀が忘れた扇子に気づく。拾い上げて開いた扇子の柄は、恒興を驚かせた。
羽柴秀吉(山田孝之)に疑いを抱く竹中半兵衛(藤木直人)は、重矩(上山竜治)に木下藤吉郎の素性を調べるよう命令する。藤吉郎は秀吉が改名する前に名乗っていた
番組内容3
名前。一方、秀吉は蜂須賀小六(勝矢)に、面白いものを見せてやると不気味な予告をしていた。
帰蝶(柴咲コウ)は、ゆき(夏帆)の将来を憂い、サブローに相談。サブローは前田利家(藤ヶ谷太輔)に、ゆきとデートするよう薦める。だが、サブローは他人の心配をしている場合ではなかった。信頼していた恒興が、光秀が本当の信長ではないかと気づいたのだ。恒興は、光秀、沢彦(でんでん)と密談。ついに恒興は真実を知る。
出演者
サブロー/織田信長(一人二役): 小栗旬
帰蝶: 柴咲コウ
池田恒興: 向井理
前田犬千代: 藤ヶ谷太輔(Kis−My−Ft2)
ゆき: 夏帆
段蔵: 早乙女太一
竹中半兵衛: 藤木直人
徳川家康: 濱田岳
柴田勝家: