(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立つ確かな情報をお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
早速今日のテーマはこちらです。
膠原病といいますのは1つの病気の名前ではなくて共通の特徴を持つ20ほどの病気の総称なんです。
ではその共通の症状というのはどのようなものなのかこちらでご覧下さい。
これは実に多彩なさまざまな症状があるんですね。
膠原病の種類によって目立つ症状というのは違うんですが早く症状に気付いて治療につなげる事が大切なんです。
それでは今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすくこの病気について教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
内科特に膠原病やリウマチの診断治療がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
さて最初にも出ましたが膠原病は女性に多いという特徴があるようですがなぜなんでしょうか?世界各地で膠原病は女性が多いんですがその理由は全く分かってはいません。
原因不明であるという事も耳にしますよね。
やっぱりそうなんですか?膠原病がどのようにして起きてくるのかいまだ明らかにされていません。
従いまして国の難病に多くは指定されています。
しかしながら最新の研究成果に伴う新しい薬あるいは難病の政策の変化により今膠原病を取り巻く環境というのは大きく変わろうとしています。
おいおいそれをお話しして頂きますがお話を進めるにあたって膠原病とはそもそもどういうものなのか基本的なところを押さえておきましょう。
久田さん。
はい。
膠原病といいますのは共通の特徴を持った病気の総称なんですがその特徴とはこの3つなんです。
まずは体のどこで病気が起こるのかという事です。
膠原病は全身にある細胞と細胞を結び付けている組織例えばコラーゲンなどがありますがそういった組織に炎症が起きるものです。
そういった炎症という異常は全身に起きるんですが特に異常が分かりやすいところとして関節皮膚血管などがあります。
そして2つ目の特徴は「どうして?」。
原因という事です。
詳しい原因は分かっていないんですが膠原病は本来自分を守ってくれるはずの免疫細胞が自分の体の中にある特定の組織を敵と見なし攻撃してしまうという自己免疫疾患でもあります。
そして3つ目はどんな症状が出るかという事です。
膠原病では関節の痛みやはれが程度の差はあれ必ず見られます。
この3つの特徴を全て持っているのが膠原病です。
今の説明の中で自己免疫疾患という言葉がありましたがつまり外敵を本来攻撃すべき自己免疫自分の免疫が自分自身を攻撃してしまうという事ですよね。
非常にやっかいですね。
そのとおりです。
免疫異常を根本的に治す治療法がありませんので非常にやっかいな病気と言う事ができます。
実際には炎症を抑えるステロイドであったりあるいは免疫を抑える免疫抑制薬が治療として使われています。
膠原病いろんな種類の病気があるという事でしたよね。
はい。
その主なものですがこちら代表的な膠原病として見ていきましょう。
関節リウマチというのはこの番組でも何度か取り上げています。
今日はその下の病気について詳しく見ていきたいと思います。
まずは全身性エリテマトーデスの代表的な例からご覧下さい。
25歳のB子さんは真夏の晴天の日にテニスを楽しみました。
その1週間後から39度の発熱が続き関節のこわばりや痛みが現れました。
顔に赤い発疹が出来脚のむくみもあります。
病院を受診したところ全身性エリテマトーデスと診断されました。
B子さんの診断病名全身性エリテマトーデス。
これはどういう病気ですか?全身性エリテマトーデスはこの字にもありますように全身の臓器に炎症が起きてさまざまな症状を起こしてくる病気であります。
発症のピークはこのB子さんのように20代30代妊娠可能な女性に多い疾患であります。
症状としては関節のこわばりや痛み。
それから発熱。
皮膚やそれから腎臓などをターゲットとした症状も見られます。
このむくみは腎臓に炎症が起きてたんぱく尿があるために出てきたものと考えられます。
さて写真をちょっと拝見しましょう。
こちらです。
皮膚症状ですね。
これは全身性エリテマトーデスに特徴的な皮疹であります。
鼻を越えてこのように両頬に対称性に赤い皮疹が見られます。
ちょうど蝶が羽を広げたのによく似てますので蝶形紅斑と呼ばれています。
B子さんの場合は真夏の晴天の日にテニスをしたという事がきっかけになっているように見えますね。
日光と何か関係があるのですか?日光特に紫外線がこの病気の発症に関わってるといわれています。
しかしながらそれ以外に手術によるストレスであったり妊娠・出産であるとかあるいは薬であるとか感染症なども発症の誘因になるといわれています。
治療はどんな治療になりますか?治療はステロイドが中心になります。
ステロイドが使われる前は5年生存率が50%と低かったんですがステロイドが使われだしてからは5年生存率が90%以上と改善してきています。
これによって炎症を抑えていこうという事ですね。
ステロイド単独では効かない場合には免疫抑制剤を併用致します。
更に新しい薬の開発というのもあるんですか?はい。
これは生物学的製剤の一つですが免疫細胞のB細胞をターゲットとしたベリムマブという薬であります。
これは海外ではもう認可されていますが日本では今臨床試験が進行中です。
これが使えるようになる事も期待したいですよね。
さて続いての病気こちらです。
シェーグレン症候群ですよね。
こちらもまずは典型的なケースを見ていきましょう。
48歳のC子さんは3年前から体のあちこちの関節が痛み耳の前辺りがはれていました。
半年前からは口が乾燥してパンなどが飲み込みづらくなったり目も乾いて疲れやすくなりました。
1か月前からは37度前後の微熱が続き顔や手足に十円玉くらいの発疹が見られます。
ではこのシェーグレン症候群どういう病気でしょうか?シェーグレン症候群はC子さんのように40歳から60歳ぐらいの女性に極めて多く発症する病気であります。
その症状は口の乾燥であったりあるいは目の乾燥であったりあるいは関節の痛みや支障であります。
耳下腺がはれますと耳の前のはれが出てきますしまた微熱や発疹なども認められます。
口や目が大変乾いてしまうというのは非常に不快な症状で生活の質を落とすと思いますが重大な事になる病気ではないのでしょうか?目や口が乾くのはドライマウスドライアイと申しますがこれだけでは生命の問題はないと考えています。
臓器などに影響が及んだ場合は問題は出てくる訳ですね?はい。
治療はどうなるでしょうか?治療としてはドライアイドライマウスなど乾燥症状に対しましては唾液分泌を促進する薬あるいは目に対して点眼薬を用います。
それから臓器の障害腎臓心臓肝臓等々が障害された場合にはステロイドや免疫抑制剤を使用します。
最近では生物学的製剤の一つこれはT細胞を標的としたアバタセプトでありますがこれがシェーグレン症候群に有効であるという事が報告されています。
従いまして日本でもこの臨床試験が進行中です。
これもやがて使えるようになってくるという事ですね。
さてそれでは次の病気ですが多発性筋炎・皮膚筋炎と並列して書いてありますがこれは何か関係性のある病気だという事なんでしょうか?基本的に皮膚病変を伴った多発性筋炎の事を皮膚筋炎というふうにいいます。
40歳から60歳ぐらいの女性に多い疾患であります。
どんな症状があるのかという事を教えて頂きましょう。
共通の症状として筋肉に炎症が起きますので筋力の低下それから筋肉痛が見られます。
例えば階段の上りが上がる事ができないと。
あるいはトイレでしゃがんで立ち上がれないと。
手をこう上に上げる事ができないなどであります。
間質性肺炎を合併する事が多いのでその結果息切れであったりあるいはせきが見られる事があります。
そして皮膚筋炎の場合の皮膚の症状というのはどのようなものですか?典型的な皮膚症状がこの2つでありますが一つはこのようにまぶたの上が赤紫色になります。
もう一つは手の指の関節この辺りです。
白くなっていますか?あとひじひざなどが赤くなったり粉を吹く皮疹が見られます。
これは治療方法はどうなんでしょうか?先ほどの膠原病と同様に基本はステロイド・免疫抑制薬です。
この2つが効かない場合には免疫グロブリンの大量療法が使われます。
活動期が終わった場合には今度は筋力アップするためにリハビリをする事があります。
治療が一段落して落ち着きが出たら筋力の回復に努めるという意味ですね?そうです。
リハビリですね。
それでは次にまいりましょう。
強皮症という病気です。
これはどういう病気でしょうか?これは字のとおりでありまして皮が硬くなる病気であります。
皮膚だけが硬くなるのではなくて臓器も全て硬くなってきます。
早期には冷たいものに触れると指が白くなるこれはレイノー現象と申しますがそのような症状が見られます。
皮膚に線維化が起きて硬くなってきますと手のむくみそれから硬くなってくると。
臓器病変というふうに申し上げましたが食道や肺が硬くなる。
それから心臓や腎臓の機能の低下も見られる病気であります。
この病気の方の写真を拝見しましょう。
こちら手ですね。
これは強皮症の患者さんの典型的な手の写真ですが指が硬くなってまいりますのでこのように突っ張った感じでしわも見られなくなります。
またこのように色が紫色に変色してます。
これは血流障害がある事を示しています。
またこの部分には血流障害に伴った潰瘍が見られています。
治療はどうしていくんでしょうか?これも他の膠原病と同じくステロイド・免疫抑制薬が中心となります。
この病気におきましては血流障害が多く見られますので血管を広げる血管拡張薬が使われます。
例えばプロスタグランジン製剤などが使用されます。
ここまでさまざまな膠原病について教えて頂きましたがこれらは病気のサインに早く気付く事が大事だろうと思いますがどうですか?そのとおりです。
今日お話ししてまいりました症状が出てきた場合には早めに専門医を受診して頂いて自分の正確な診断そして的確な治療を受ける事が必要だろうと思います。
特にどういう人に注意が必要だという事はありますか?膠原病の発症に関わる要因としては紫外線などの環境因子ばかりじゃなく遺伝子が関与しています。
従いまして近い親戚に膠原病の方がいらっしゃった方などは非常に注意が必要だろうと思います。
膠原病の治療この分野では今後どういう進歩が見られまたどういう事に期待していいでしょうか?今後の膠原病治療の展望という事になりますと免疫異常を是正するような新しい薬が今開発されていますのでそれに大いに期待したいと思います。
もう一つは治療の政策に関してですがこちらは国の難病政策は来年の1月から大きく変わろうとしてます。
医療費の補助を受ける事のできる指定難病。
これ膠原病には10疾患含まれていますがそれが多分倍になるだろうと考えられます。
一方で同じ膠原病であってもその助成を受けれる人と受けれない人が重症度によって差別化されてまいります。
従いまして詳しい情報に関しましては掛かりつけ医あるいは自治体の保健所でご確認して頂ければと思います。
治療については専門医を探すという事が大事という事とそれからこれに対する国の施策も今変わりつつあるところなのでそういった情報をよく集めるという事が大事だという事ですね。
どうもお話ありがとうございました。
ありがとうございました。
2014/11/22(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「続く発熱・関節痛 女性に多い膠(こう)原病」[解][字][再]
発熱や関節痛などよくある症状で始まることの多い膠(こう)原病。早期発見のための典型的症状を中心に、全身性エリテマトーデスや強皮症など代表的な4つの膠原病を紹介。
詳細情報
番組内容
熱が続いて関節が痛い…こんな症状があれば原因不明の難病・膠(こう)原病のサインかもしれない。女性に圧倒的に多いのが特徴だ。病気の進行を遅らせ、生活の質を維持していくためには、早期発見・早期治療が欠かせない。関節リウマチを除く、代表的な膠原病の全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性筋炎・皮膚筋炎、強皮症を取り上げ、典型的症状や現在研究中の薬も含めた最新情報、国の難病政策について紹介。
出演者
【講師】筑波大学教授…住田孝之,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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