シャーロックホームズ「失礼な似顔絵の冒険」 2014.12.14


(ワトソン)君は石こう像を壊して回ってた…。
(ベッポ)ベッポ!その節はご迷惑をおかけしました。
(ホームズ)用件は?似顔絵を取り返してほしい。
似顔絵?俺特技似顔絵なの。
知らなかった?僕は君の事はほとんど知らない。
え?もう…。
はいこれがオルムシュタイン校長。
こっちがモリアーティ教頭。
うわ〜みんなよく似てるね。
確かに特徴を捉えている。
君も描いたよ。
え?プハハハ…!そっくりだ!アハハハ…!ちょっと見てこの鼻。
アハハハハ…!う…僕はこんな鼻じゃない。
すごい才能だよベッポ。
ありがとう!ちょっとちょっとこれなんか見てよ。
このぼんやりした下膨れのおっさんは誰?
(ベッポ)あんただよ。
え?アハハハ…!傑作だ!生き写しだよワトソン。
こんな顔してるかな…?一番の自信作だ。
気に入った力になるよ。
ありがとう!似顔絵を取り返してほしいって言ってたね。
誰にとられたの?ミルヴァートン先生…。
ミルヴァートン?誰?チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン。
専攻は歴史。
僕は授業を受けた事がないけど評判は最低。
あんなに怖い先生はいないよ…。
回想
(ミルヴァートン)1815年フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトは大軍を率いて戦いに出た。
それがどういう意味を持つかというと…。
(ベッポ)ほいヘヘヘ。
こうしてっと。
(ミルヴァートン)ベッポ。
え?あ!それは私の顔かね?
(ベッポ)あ…返して下さいよ!
(ミルヴァートン)席に着きたまえベッポ。
うん?ああ!あ…先生!席に着くんだ!でも似顔絵だったら何度でも描けるんじゃないの?これだ!っていうのはめったに描けるもんじゃない。
卒業までに学校中の先生の顔を描くのが俺の夢なんだ。
もう捨てられちゃったかもしれないね。
だったらその場で破り捨てたはずだ。
その方が見せしめにもなるからね。
持って帰ったという事はまだ保管している可能性が高い。
頼むよ…ホームズ。
分かった。
何とかしよう。

(ベッポ)ほいほいほいほい。
(パイク)ミルヴァートンって野郎はまじでむちゃくちゃ評判が悪いね。
そんなに厳しいんだ。
うん。
俺の聞いた話では…。
(口笛)
(パイクの声)口笛吹きながら廊下を歩いていた生徒を捕まえて…。
おい!
(ドレッバー)ええ?ひっ…ひぃ〜…。
んん!ん〜…。
ひっどいな。
(パイクの声)それからそれから…図書館で借りた本を枕にして寝ている生徒がいたら…。
(ミルヴァートン)おい。
(スタンガスン)ガスン…!
(スタンガスン)重たいよ…本…。
(パイクの声)あくまでもうわさだけどね。
とにかく生徒はみ〜んなやつを嫌ってる。
でミルヴァートンの今夜の予定は?モリアーティ教頭と会うらしいぜ。
モリアーティ…。
何か良からぬ事でも企んでるんじゃないか?ありがとう助かったよ。
ほいほいほい。
(パイク)できた?どうぞ。
へ!最高じゃん!そっくりだよ!ウフフ…!ありがとう。
ええ?格好良すぎでしょ!さてというわけで今夜は遅くなりそうだ。
どういう事?ミルヴァートンの部屋に忍び込むんだよ。
ええ?君はどうする?無理にとは言わないけど。
行かないはずがないじゃないか。
ホームズ行くところワトソンありだ!
ワトソンメモ
ビートン校で一番の嫌われ者のミルヴァートン先生
彼の部屋に忍び込むなんてホームズも大胆な事を考えたもんだ
それにしてもベッポの描く絵は本当に上手だ
僕の顔を除いては…
僕はあんなまぬけな顔じゃない!
だよね?だよね?誰かそうだと言ってくれ!
よし開いた。
早っ!行くぞ!わあちょちょ…ちょっと!ふう〜。
ふ〜ん…。
え〜っと…どこから探せば…。
引き出しを開ける時は下から順に。
え何で?上からだといちいち閉めてからじゃないと次の引き出しが開けられない。
下からなら閉める手間が省けるだろ。
君は泥棒にもなれるね。
急ごう。
よいしょ。
え〜下から下からと…。
ここにも…。
しっ!ワトソン!ああ…!
(アガサ)うん?あ!鍵が開いてる。
私閉めたよね?閉めたよね?私閉めたよね?でも開いてるよね。
うん?誰だ!そこにいるのは!と大声で言ってみる。
いるわけないよねいるわけない。
まいっか。
(アガサ)え〜っとワーテルローの戦いでイギリス軍は…。
ちんぷんかんぷんじゃ!ああお茶でも頂きましょうかね。
お茶でも飲んでゆっくりすればさぞや頭もさえる事でしょ。
えっとお茶はどこだっけ?うん?人の気配。
この裏に人がいたりして!出てこ〜い!何てまさかいるわけないよね。
いるわけないと思って開けてみたらホントにいたりして。
え〜い!あああ…ああ〜!静かに!静かに!泥棒泥棒泥棒!そうじゃないんだ違うんだ。
顔だけはやめて!僕らは決して怪しい者じゃない。
3年生のシャーロック・ホームズ。
同じくジョン・H・ワトソン。
1年生のアガサ・ライト。
あ!ホームズ?アガサ落ち着いて聞いてくれ。
僕らは探し物をしてるんだ。
ホームズ?聞いてる?君はここで何をしてる?勉強を。
何でここで?ミルヴァートン先生に言われた。
ミルヴァートンに?私こう見えてちょっと引っ込み思案なとこがあるでしょ。
周りに人がいると全然集中できなくって。
だからミルヴァートン先生がここで補習をしてくれてるわけ。
一人だからね私に向いてるの。
どう思う?う〜ん…。
ミルヴァートン先生はみんなが思ってるほど悪い人じゃないよ。
今夜だって教頭先生に会いに行ってんの。
何をしに行ったか聞いてる?この建物もいい加減古くなったでしょ。
教室に隙間風が入ってきて生徒たちがかわいそうだからそろそろリフォームしませんかってその相談をしてくるって言ってたわ。
悪い人じゃないのよ。
(ワトソンホームズ)うん…。
ホームズあんたの事何度か見かけた事あるよ。
僕も君を見かけた事がある。
回想雲は何で落っこちてこないんだ?雲は何で落っこちてこないんだ?雲は何で落っこちてこないんだよ。
(アガサの声)それは間違いなく私ね。
ホームズ。
私この部屋の事何でも知ってんの。
力になれるかもしれない。
ぜひお願いしたいな。
探し物って言ってたわよね。
ミルヴァートン先生の似顔絵。
見た事ある!どこにあるか知ってる?う〜ん教えてあげてもいいけど交換条件。
僕にできる事なら。
チューして!え?チューしたら教えてあげる。
アガサ…。
(アガサ)はい。
ホームズしてあげなよ。
…って何でだよ!私チューが大好きなの!僕は嫌いなんだ!ワトソンタッチ。
やだ!ホームズがいい!困る!う〜ん恥ずかしがってるかわいい!えい!ああ…。
アガサ。
彼らはここで何をしている?
(アガサ)お…おかえりなさい先生!
(ミルヴァートン)質問に答えなさい。
ベッポが描いた似顔絵を頂きにきました。
(ミルヴァートン)なぜ君が?依頼されたからです。
返してほしければベッポが来るべきだ。
返すつもりはないがね。
では仕方がない。
ワトソン帰ろう。
うん…。
(ミルヴァートン)待ちたまえ。
私が留守の時間を狙ったな。
忍び込んだとしたら大問題だ。
(アガサ)あの…そうじゃなくって私がここで自習してたらトントンってノックの音がして「ミルヴァートン先生はいますか」って。
あ…あのあそこの裏になんか隠れてたりしませんから!絶対絶対絶対!
(ミルヴァートン)もういい行きなさい。
失礼します。
何で生徒に厳しく当たるんです?ワトソン!それが私の仕事だからだ。
生徒はみんなあなたを嫌っています。
大いに結構。
アガサから聞きました。
あなたは本当は生徒思いの優しい先生だ。
そんな事はない!今日だって教室のリフォームの事でモリアーティ教頭に掛け合ってくれたそうじゃないですか。
アガサ。
君とはもう何も話せないね。
すいません!すいませんすいません…。
学園生活には規律が必要なのだよ。
規律を守ってこその自由だ。
それを私は生徒たちに教えているのだ。
そのためなら私はいくらでも嫌われようじゃないか。
ものには限度があります。
これが私のやり方なのだ。
・今日こそやってやる!・出て来い!・ミルヴァートンはいるか?何だろう…。
(ミルヴァートン)隠れなさい。
でも…。
いいから早く。
(アガサ)ちょっとだけでいいから。
チューして。
ちょっとでいいのよ。
チューチュー…。
あとにしろ…。
ミルヴァートン!覚悟しろ!
(ミルヴァートン)私を殴ればどうなるか分かってるんだろうな。
誰かがやらないといけないんだ。
それは俺たち!この〜!うりゃ〜!
(ミルヴァートン)う…。
ワトソン!ああ…。
・殴って…やる!どうだ!この!この辺に…しといてやる。
行こうぜ。
ああ…先生!先生が死んじゃった…先生が死んじゃった〜!
(ミルヴァートン)死んでない。
(アガサ)わあ!
(ミルヴァートン)ロイロット先生を呼べ急げ。
(アガサ)あああ…。
大したけがではない。
頭から血が…。
これが私のやり方なのだ…。
ずっと不思議だったんです。
なぜ先生は絵を処分しないのか。
ようやく理由が分かりました。
ああ…こんなにうまく描いてもらったのは初めてだ。
大体はもっと不気味に描かれる事が多くてね。
見事に特徴をつかんでいる。
一生の宝物にしたいところだ。
じゃあベッポにそう言えばいいのに。
そしたら彼も喜びましたよ。
私にはね長年培ってきたイメージというものがあるのだよ。
あ…!先生…。
私を襲った犯人は必ず見つけ出す。
そして厳重に処罰する。
ディーラー寮のボタンです。
犯人が落としていったんでしょう。
(ミルヴァートン)ディーラーか。
ええ。
感謝する。
では。
ああ…マスクも忘れずに持っていけ。
ああ!君らを見逃すのはアガサのためだ。
彼女を巻き込むわけにはいかんのだ。
いろいろ問題を抱えた生徒でね。
ああ見えて非常にデリケートな性格をしている。
分かるね?
(レストレード)いたぞ!あいつらか?まずい逃げよう。
逃げろ。
(レストレード)待て〜!あああ…。
(レストレード)待て〜!違う!違うって!来るな!俺が現場に駆けつけた時ちょうど犯人たちが逃げるところでさ。
1人は素早かったんだけどもう一人はどんくさかったな〜。
どんなやつだった?短足で顔は下膨れ。
目を隠していても下膨れが分かるんだからよっぽどの下膨れだなありゃ。
そうですか…。
ホームズ力を貸してくれないか。
今回は遠慮しておく。
これから授業なんだ。
被害者がミルヴァートンだからな。
気乗りしないのは分かる。
了解自力で何とかしてみるよ。
今回は僕の負けだ。
結局絵は取り戻せなかった。
ベッポにも謝らなくちゃいけないな。
たまにはそういう事もあるよ。
でも僕が落ち込んでると思わないでほしい。
むしろすがすがしい気分だ。
え?いいとこ一つもなかったのに?ああ。
ミルヴァートンの本当の気持ちを見抜けなかったのに?どうやら人間は僕が思っている以上に奇妙で複雑な生き物らしい。
それが分かっただけでも収穫はあった。
そういうもんかな〜。
(ハドソン夫人)朝御飯よ!頼んでませんよ?何かの間違いじゃ…。
残念でした。
あなたたちのじゃないの。
おっはよ〜!アガサ…。
私食堂が苦手だからいつも部屋で食べるの。
でも今日はここで頂く事にしました!勝手に決めないでくれ。
だってあんたたち気に入ったんだもん。
僕は君を気に入ってない!あら?そんな事言っていいのかな〜?あなたたちが捕まらなかったのは誰のおかげかな?これからもよろしくお願いします。
いっただきま〜す!うう〜…。
ホームズ…抑えて。
それは投げちゃ駄目でしょ。
クイズで楽しく原作を読み解く「シャーロッQ!」
嫌われ者のミルヴァートン先生
原作ではスキャンダルをネタに金を脅し取る悪人でした
ホームズは依頼人のためにミルヴァートンの屋敷に忍び込む事になったのですが…
ここでシャーロッQ!
屋敷に潜入するためにワトソンが用意した当時流行のスポーツ用品とは?
分かるかな〜?
真夜中に忍び込むため足音の立たない靴が必要だったのです
貴族の遊びだったテニスは19世紀末に庶民に広がり大流行
ウィンブルドン選手権も始まりました
さまざまなテニス用品も登場
ゴム底のテニス靴は足音も静かで潜入捜査にもぴったりだったんですね
次回はどの原作からのクイズかな。
お楽しみに
2014/12/14(日) 17:30〜17:51
NHKEテレ1大阪
シャーロックホームズ「失礼な似顔絵の冒険」[字]

三谷幸喜が推理小説の古典を学園ミステリーとして脚本化。15歳の少年・ホームズとワトソンが学園内で起こる奇妙な事件のなぞを解く。今回は似顔絵を取り戻す事件。

詳細情報
番組内容
三谷幸喜が推理小説の古典を学園ミステリーとして脚本化。15歳の少年・ホームズとワトソンが学園内で起こる奇妙な事件のなぞを解く。以前起きた石こう破壊事件の犯人ベッポがホームズとワトソンのもとにやってきた。授業中に描いているところを見つかり、取り上げられた似顔絵を取り返して欲しいという依頼だった。似顔絵を取り上げたのは、学園内一怖いと言われているミルヴァートン先生。二人は先生の部屋に侵入する。
出演者
【声】山寺宏一,高木渉,堀内敬子,岸尾だいすけ,三瓶由布子,梶原善,関智一,高泉淳子,段田安則
原作・脚本
【脚本】三谷幸喜

ジャンル :
アニメ/特撮 – 特撮
ドラマ – その他
趣味/教育 – 中学生・高校生

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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