えられるかどうか、当選者の真価が問われるのはこれからです。
(早苗)美紀?どうしよう。
(早苗の悲鳴)
(麗子の腰の鳴る音)
(麗子)は〜。
(影山)お嬢さまどうされました。
くの字になっておりますが。
腰今腰がグキッて。
(影山)失礼いたします。
(影山)お嬢さまこれは世にいうぎっくり腰でございます。
ぎっくり腰?まさかこんなうら若き美女がぎっくり腰なんかなるはずがないわ。
残念ながらお嬢さま20代であろうともぎっくり腰は突如として襲ってくるものでございます。
ましてや美女であろうがなかろうがまったく関係ございません。
は〜。
私は大財閥宝生グループの総帥宝生清太郎の一人娘宝生麗子
普段は財閥令嬢だという正体を隠し刑事として現場を走り回っている私も
ぎっくり腰には勝てない
はいあ〜んでございます。
あ〜ん。
今日は回復に専念するしかないか
(せき)あっ。
(風祭)そうかゆっくり休んでくれたまえ。
しかし残念だったね宝生君事件だよ。
それにね今日は警視庁広報課から密着取材が入っていてね。
君が戻る前に解決してしまうかもしれないがフッ恨まないでくれよ。
はあ。
グンナイツ。
(宗森)はい。
(宗森・江尻)完成。
んっ。
じゃ次事件現場いってみようか?大丈夫かしら警部だけで。
そう心配なさらずとも平気でございますよ。
風祭警部は時にミラクルなお力を発揮されるお方ですから。
そうかしら。
野崎伸一議員が殺害された事件では警部のファインプレーが事件解決に大いに役立ちました。
漫画家江崎建夫の事件では最初から犯人をずばり当てておりました。
そう言われればそうね。
あのお方の直観力とドタ勘は侮れません。
ただ少しだけ残念な方というだけでございます。
う〜やっぱり心配だわ。
あなたいつもみたいに現場に行って捜査の様子を見てきてよ。
ご安心くださいすでに手は打ってあります。
はいはいはいはいはいここが事件現場かね。
ちょっと何よこれ。
お嬢さまに捜査状況をご覧いただくため現場で密着取材を。
まさか広報課の密着取材って。
宝生グループの力をもってすれば造作もないこと。
(並木)神岡美紀28歳。
この部屋の住人でアパレルメーカーに勤めるOLです。
特に外傷はないようだが自然死という線もあるんじゃないのかい?
(山繁)その可能性もありますね。
死亡推定時刻は昨夜の2時前後。
けさ友人が発見したときにはチャポン顔が水に漬かっていたそうです。
溺れ死んだということか。
風呂に入る前にずいぶん酒を飲んでいたようですね。
これは事故だね。
(並木)確かに飲酒や居眠り体調の急変などが原因で入浴中に溺れるケースってのはたまにありますけど。
うん特に盗まれた物は。
それが金目の物が盗まれた形跡はまったく。
じゃ間違いない。
事故死だよアクシデンツ。
僕が捜査するほどでもないね後は任せたよお疲れちゃん。
もう終わり?
(宗森)第一発見者の久保早苗さんお連れしました。
(江尻)神岡美紀さんの会社の同僚だそうです。
(並木)捜査を担当します国立署の…。
風祭です。
ええ京一郎と呼んでもらっても構いません。
私があなたのお話をじっくりとお聞きしましょう。
がぜんやる気を出されましたね。
美人だからよ。
神岡さんと同じ職場だそうですね。
ええ洋服のデザインの仕事を。
ほうデザイナーですか。
いかがですか?このオーダーメードは。
ここで自慢?あっそう言われても。
あっうちの会社はカジュアルな服が専門ですし私たちも雇われの社員デザイナーなので。
(並木)けさはなぜここに。
あっ美紀は服をたくさん持っていて私もたまに借りてるんです。
それで今日も約束を。
(並木)この部屋で何か変わっていることは。
(早苗)あっそんなにしょっちゅう来てるわけじゃないんですけど。
(並木)神岡さんを恨んでいた人とかは。
あっ会社の後輩はよくいびってましたけどそれよりやっぱり。
やっぱり?あっ男だと思います。
いろんな男に貢がせていたみたいなので。
貢がせていた。
相手は分かりますか?あっ詳しくは分かりませんがとにかくたくさんいたようですよ。
あれ?
(並木)どうしました?
(早苗)あっここに帽子があったはずなんですけど。
おっ。
確かにここに1カ所だけ空いてますね。
(早苗)ええ美紀は帽子が大好きで必ずこの棚を全て帽子で埋めていたんです。
(並木)しかしたまたま1つなくしたとかそういうこともあるんじゃないですか?
(早苗)あっまあそうかもしれないですけどこの棚を帽子で埋めないと落ち着かないっていつも。
では犯人が帽子を持っていったと。
はいはいはいはいはいはい。
今はっきりと見えましたよ犯人の人物像が。
犯人は帽子を持ち去った。
つまり帽子が大好きなのさ。
ハァ事件解決は絶望的ね。
捜査の様子は後ほど編集した物を送らせますので風祭警部のミラクルを信じましょう。
でもどうして帽子がなくなったのかしら。
あっ分かった。
犯人はきっとおしゃれ泥棒よ。
お嬢さま。
もう冗談に決まってるでしょ。
ちょっとは「ウケる」とか言ったらどうなの?いや「ウケる」はちょっと。
ああ何かあなたと一日中一緒にいたら余計具合が悪くなりそう。
そうだ帽子よ帽子。
帽子屋さんの藤咲さんを呼んでちょうだい。
新作の帽子を持ってきてって。
お嬢さま今日は療養に専念されませんと。
大丈夫よ帽子ならこうやって寝たまま選べるから。
しかしながら。
あなた私を誰だと思ってるの?世界屈指のお嬢さま宝生麗子よ。
どんなわがままだって許される。
帽子が欲しいって言ったら欲しいの。
今すぐ呼びつけなさい。
(幸太郎)今すぐですか。
・
(音楽)申し訳ございません。
お嬢さまがどうしてもとおっしゃっておりまして。
(幸太郎)ですがちょうど出先でして一度店に戻りませんと品揃えが。
・あら藤咲さん。
あなたまさか私のお願いが聞けないなんて言わないわよね。
(幸太郎)こっこれは麗子お嬢さま。
・今ある物だけでもいいからすぐに持ってきて。
かしこまりました。
今すぐお伺いいたします。
ああ楽しみ。
それまでに少しは楽になってるといいんだけど。
あれ?何か変な臭いがするけど。
何やってるのよ。
腰に効く特製の漢方薬でございます。
うえまずそう。
私本場中国にて国家薬剤師の資格を取得しております故ご安心ください。
そんな資格持ってたの?お飲みくださいませ楽になるはずです。
はいあ〜ん。
良薬口に苦しでございます。
寝る藤咲さんが来たら起こして。
かしこまりました。
藤咲さまでございますね?あっはい。
あっお待ちしておりました。
お久しぶりね。
影山藤咲さん私がお気に入りの帽子屋さんで季節ごとに新作を届けてもらっているの。
麗子さまが小学生のときからでございますからかれこれ15年になりますか。
昔からあなたが来る日は楽しみで仕方がなかったわ。
今日は悪かったわね急に呼び出したりして。
とんでもございません。
何といっても麗子さまはうちの店にとって一番のか…。
んっ?か?あっとにかく本日も世界中で仕入れてきたえりすぐりの帽子をお持ちいたしました。
うわ〜すてき。
あなた何仏頂面してるのよ。
これだけの帽子を目の前によくときめかずにいられるわね。
さすが麗子さま帽子の魅力をよ〜く分かっていらっしゃる。
羽根をあしらったセーラーハット。
ベロアテープの付いたクローシュ。
淡いピンクの変形ブリム。
まあこれらは正直申し上げまして持っていなくても何ら日常生活に支障は来しません。
いわば無駄の極み。
それでも人は帽子を買う。
それはなぜ?そこに帽子があるからよ。
ウィ。
理屈ではないのです。
人々の心を幸せで満たしてくれる。
それが帽子なのでございます。
ああ何て楽しいのかしら帽子選びって。
いっそ今持ってるのを全部捨ててここにあるのと総取っ換えしちゃおうかしら。
捨てるなんてとんでもありません。
帽子には職人の魂と遊び心が凝縮されているのです。
それはまさにアート。
セザンヌの絵画ロダンの彫刻まったく同じ物です。
一生大切に扱わなければなりません。
おっしゃるとおりね。
さあどんどんお買い求めください。
何せ麗子さまはうちの店にとって一番のかもでございますから。
んっ?かも?・
(ハトの鳴き声)ハト?ハトそうハトですハト。
伝書バト?「神岡美紀さんの勤めていた会社です」「まずは被害者の身辺を洗う。
捜査の鉄則ですからね」「う〜ん落ち着きますね。
これは確かショパンでしたか」
(美紀の上司)「う〜んいいえうちの会社の社歌です」「社員がもうお遊びで作った曲なんですけどねアハハハハハ」「社歌?あっいやシャカシャカしてるからね僕もそう思いましたよ」嘘つけ。
(並木)「神岡美紀さんの最近の様子は」「ああ特に変わったことは」「誰かに恨まれていたとか」「恨ま…まさかまさか」「神岡君は仕事もできるし後輩の面倒見もいい」「もうホントにもうホント…ごめんなさい」「素晴らしい人間でした」「あのこちらうちのヒット商品なんですが全て神岡君のデザインです」「彼女には期待してたんですけどね」
(並木)「まあ事故死の可能性もあります。
特に持病などは」「会社の期待が大きかった分プレッシャープレッシャー大きかったのかもしれませんね」「以前自殺してしまったデザイナーもいるくらいですからね」「自殺?」「はいはいはいはいはいはいはい」「並木君僕には事件の真相が分かってしまったよ」「えっ?」「僕の予想したとおりこれは自殺さ」さっきは事故だって言ったくせに。
「こういう交通事故の現場を見ると僕は手を合わさずにはいられないんですよ」何のアピール?
(幸太郎)この人は。
恥ずかしいけど私の上司なの。
風祭モータースの御曹司で刑事としては大先輩なんだけど推理力は小学生以下よ。
そろそろティータイムにいたしましょう。
いいわね。
せっかく帽子屋さんも来ていただいてるので。
あなた何着けてるのよ。
ウサギ?まさか帽子屋とウサギとアリス。
そうですアリスのティーパーティーでございます。
この場面を一度やってみたかったのでございますよ。
アホらしい。
懐かしいな。
小さいころ娘も読んでいました。
ほう藤咲さんにはお嬢さまが。
あっええ。
そうだったの?娘さんお幾つ?麗子さまと同じぐらいの年です。
へえ。
なのでいつも娘に似合う帽子を選んでいるようでとても楽しい仕事をさせていただいております。
カワイイの?えっ?写真ぐらい持ってるんでしょ?見せてよ。
あっいえご勘弁ください。
いいから見せて。
はい。
はい。
娘の幸代です。
カワイイわね。
私の方がカワイイけど。
まずは米山自動車整備工場社長米山昇一43歳独身。
神岡美紀が住んでいた部屋の大家だそうです。
(米山)「まさか亡くなったなんて」「美紀ちゃんは2年くらい前に車の修理でうちに来てそれで知り合ったんです」「彼女はいつからあの場所に?」「半年くらい前彼女の部屋の契約が切れたんでだったらうちの前使っていた工場の2階が空いてるけどどうって」
(並木)「失礼ですが神岡さんとはどのようなご関係で」「んっまあご想像のとおりです」「あっ」「ちなみに昨夜の2時ごろは」
(米山)「2時?」「あっそれなら家のソファで爆睡してましたよ」「深夜の1時ぐらいまでここの連中と飲んだくれてましたから」「ところで米山さん」「あなたさぞかしいろんな車を見てきたんでしょうがそんなあなたが好きな車は?」「そりゃもちろん風祭モータースですよ」「ハハハハハ…」「やはり理由はデザインですか?」「いえ何しろうちの工場に持ち込まれる故障車の中で風祭が断トツナンバーワンなんですよ」「あんなに壊れやすい車造ってくれて感謝状贈りたいぐらいですよ」「そろそろ行こうか並木君」並木さん今ツッコむところ。
続いて安田孝彦31歳現在無職。
神岡美紀の元カレですが貢いでいた男の1人にすぎないようでございます。
(安田)「死んだってそんな」「神岡さんとは最近までお付き合いをされていたそうですね」
(安田)「はい全て捧げました」「デートのために給料を全部使いプレゼントのためにボーナスをつぎ込み会社の金に手を付け揚げ句の果てに彼女とのデートのために使う車をわざわざ買わされたんです」「ほうどんな車を?」「風祭モータースの車ですよ」「彼女はさぞかし喜んだことでしょう」「いいえ彼女は別れ際にこう言ったんです」「『私風祭の車に乗ってる男って嫌いなの』って」「悔しくてね車すぐに売りましたよ」「あんたそれで彼女を恨んで昨日」「まさか。
僕は美紀とはもう関係ありません」「嘘をつけ。
おい」最後は増渕信二57歳国立市立大学の教授です。
(増渕)「神岡君は私の教え子だった」「亡くなったということはすでに聞いている」「ではなぜわれわれがあなたを訪ねて来たかも」「確かに私は彼女と何度か食事はした」「だが何もないんだ」「金を貢がせるだけ貢がせておいてあの子は」「あなたがデートに使っていた車は?」
(増渕)「んっ?風祭だが」「いい車に乗ってらっしゃいますね」「んっでも1週間前に下取りに出したがね」「下取り?」「故障が多いんだよ風祭は」「今新車を待ってるとこさ」「でもデザインは一流でしょうが」「あっと何なんだ君は」「あの1つだけ」「昨夜の2時ごろはどちらに」
(増渕)「んんっ自宅で1人で仕事をしてたよ」「あんな雨の中出掛けるわけないだろ」「ガウガウ」
(ため息)本日の捜査は以上でございます。
このまま警部に任せていたら迷宮入りは確実ね。
あのではもう遅くなりましたし私はそろそろ。
お嬢さま藤咲さんのご夕食もご用意させていただきましたが。
そうよゆっくりしていってよ。
一緒に食べましょ。
あっとんでもないそんなこと。
あら私とのディナーが嫌だっていうの?いやそういうわけじゃございませんが麗子さまの腰の具合を。
あっそれならご心配なく。
そろそろ漢方薬もじゅうぶんに効いたころでございますので。
なっ何するのよ。
腰を完治させるのでございます。
私整体師の資格も持っております故ご安心を。
待って心の準備が。
123でぐいっとやりますので。
123でぐいね。
分かったわ。
それでは参ります。
1はい。
痛〜い。
(ハトの鳴き声)一口に帽子と言ってもあのように素材も形も様々。
しかしある帽子だけが特別な機能を備えているのでございます。
そう麦わら帽子だけが。
麦わら帽子?それじゃお湯はくめないじゃない。
お湯をくむのではありません。
麦わら帽子は帽子の中では唯一お湯を切る道具すなわちざるとして使うことができるのでございます。
ざる?あの部屋のキッチンには片手鍋くらいしかありませんでした。
おそらくざるはなかったのでしょう。
そこで犯人は苦肉の策として麦わら帽子をざるの代用品として用いたものと思われます。
まあ確かにざるとして使える帽子は麦わらだけね。
でも何をしたのよ。
そばでもゆでたっていうの?いいえざるは湯切りに使うだけではありません。
液体の中から固形物のみを取り出す際にも役立ちます。
分かった犯人は湯船の中に何かを落としてしまった。
それをすくい取りたかったのね。
さようでございます。
でも問題は犯人が何を落としたかよね。
それはざるですくわなければならないような小さな物。
さらにお風呂の中では見えづらい物でございます。
お湯は乳白色だったわね。
それで見えづらいから。
もしかしてコンタクトレンズとか?ええ私もそう思います。
そうか犯人は神岡美紀を殺害する際うっかり湯船の中にコンタクトレンズを落としてしまった。
それを取り出すために麦わら帽子をざるみたいに使ったのね。
ということは犯人はコンタクトレンズ愛用者ね。
はい。
米山昇一は黒縁眼鏡安田孝彦は銀縁眼鏡だったわ。
ということはじゃやっぱり犯人は増渕信二じゃない。
影山これで事件解決ね。
ブブーでございます。
(不正解音)もう何でよ。
犯人がコンタクトレンズ愛用者であるという推理は正解だと思われます。
しかしながら増渕信二が犯人であると決め付けるのはあまりに軽率でございましょう。
そうかしら。
米山と安田は眼鏡とコンタクトを併用していたかもしれません。
また増渕は裸眼の可能性もございます。
じゃどうやって犯人を絞りこむのよ。
お嬢さま重要なのは犯人がコンタクトをしていたことではありません。
犯人が落としたコンタクトを必死で見つけようとしたことが重要なのでございます。
それは拾うのが当然でしょ。
もし私が犯人だとしても自分が落としたコンタクトレンズを警察の手に渡したくはないわ。
コンタクトが両方一度に落ちることはまれでございます。
おそらく落ちたのは片方だけ。
片方の視力だけで十分だったのでは。
それもそうね。
片目だけだと困ることでしょ?もしかして犯人は現場に車で来てたんじゃない?それで暗い夜道を片目で運転して帰ることができなかった。
昨日は大雨が降っていたっていうし相当視界が悪かったはずよ。
どう?影山。
さすがはお嬢さま。
この影山脱帽でございます。
何だか全然うれしくない。
ていうかあなたそれがやりたかっただけでしょ?とにかく犯人は車を持っている人物ってことね?はい殺人現場に行くのに車を借りるとは思えません。
おそらく自分の車を持っている人物かと。
ああでもそんなこと分かるはずなくない。
はい車の情報については風祭警部が容疑者3人に根掘り葉掘り聞いておりました。
安田孝彦は神岡美紀に風祭モータースの車が嫌いだと言われ車を売却しております。
増渕信二は1週間前に車を下取りに出し今新車が来るのを待っていると証言しておりました。
警部のどうでもいい車トークがこんなところで役に立つなんて。
はいやはりミラクルなお方でございます。
・
(ドアの開く音)はいはいはいはいはい。
ひっ。
ということは。
犯人は米山昇一ね。
すごい犯人を当ててしまわれるなんて。
じゃこれで事件解決ってことで。
乾杯。
何するのよ。
お嬢さま事件はまだ解決しておりません。
米山昇一は犯人ではございません。
えっ?米山は犯行時刻の直前まで社員たちとへべれけになるまで飲んでおりました。
そんな状態で車運転し神岡美紀を殺害しコンタクトを捜したとはとうてい思えません。
そんなこと言ったらじゃ今までの推理は全部無駄だったってことじゃない。
いいえこれまでの推理によって3人の容疑者たち全員が犯人ではないということが分かりました。
つまり真犯人は他にいるということでございます。
じゃ捜査は振り出しってこと?ご安心くださいお嬢さま。
洞察力と推理力を働かせればこれまでに得た情報だけで真犯人にたどりつくことができるはずでございます。
分かったあの会社の上司ね。
実は不倫関係だったとか。
いいえ違います。
じゃ誰よ。
私が思いますに真犯人は。
あなたではありませんか?藤咲幸太郎さん。
まさかあなたが冗談言うと思わなかった。
ウケる。
何よあなたまさか本気で言ってるの?はい。
失礼よ影山藤咲さんに謝りなさい。
藤咲さんご無礼を承知でお話しさせていただきます。
いいかげんになさい。
あなた何言ってるのよ。
藤咲さんは神岡美紀とは何の関わりもないのよ。
いいえ1つだけはっきりとした接点がございます。
接点?藤咲さんはけさ電話でお話をしたとき神岡美紀が勤めていた会社の前におりました。
えっ?・
(音楽)あのとき一瞬だけ漏れ聞こえた曲は。
《う〜ん落ち着きますね。
これは確かショパンでしたか》
(美紀の上司)《う〜んいいえうちの会社の社歌です》会社で流れていた曲でございました。
《はっ?今すぐですか》つまりけさ藤咲さんはあの場所にいたものと。
・・
(音楽)何でそんな所に。
祈っていたのでございましょう冥福を。
冥福?この箱のマークはこれと一緒でございます。
つまり藤咲さんはけさこの場所で亡くなった方に帽子を捧げ祈っていた。
誰に祈ってたっていうのよ。
藤咲さんはこうおっしゃっておりました。
《いつも娘に似合う帽子を選んでいるようでとても楽しい仕事をさせていただいております》藤咲さんは娘の幸代さんに似合う帽子を買い求めておられました。
つまりあれは亡くなった幸代さんに捧げた帽子だったのではありませんか?そんな。
何勝手なこと言ってるのよ。
お嬢さま神岡美紀の上司の言葉覚えてらっしゃいますか?《以前自殺してしまったデザイナーもいるくらいですから…》藤咲さんあなたが帽子を捧げたあの場所は亡くなった幸代さんが会社から飛び降りた場所だったのではありませんか?待って。
幸代さんがあの会社に勤めていた証拠なんてないじゃない。
その証拠ならございます。
神岡美紀がデザインした洋服でございます。
洋服?《こちらうちのヒット商品なんですが…》あの服は幸代さんのデザインと全て一緒でございました。
それって。
幸代さんは神岡美紀と同じ会社で働いていたのです。
そして神岡美紀は幸代さんのデザインを盗作した。
(幸代)《美紀さんどういうことですか?》《これ私のデザインですよね》
(美紀)《あんたよくそんなことが言えるわね》
(幸代)《美紀さん》
(美紀)《皆さん聞いてください》《この子私がデザインしたのを自分のだって言うんですよ》《ひどくないですか?》同僚の久保早苗の証言によれば神岡美紀は会社内で執拗に後輩をいじめていた。
幸代さんも執拗な嫌がらせを受けていたのかもしれません。
それを苦に幸代さんは。
そして藤咲さんは神岡美紀を。
嘘よ。
そんなの全部でっち上げよ。
私は小学校のときからずっと藤咲さんのことを知ってるの。
帽子が大好きでいつも笑顔で優しくって。
影山あなたの間違いよ。
藤咲さんが犯人だっていう決め手はどこにもないわ。
はい確かに全て私の想像でございます。
しかしながらもしもこの想像が全て正しいとするならば決定的な証拠が残されているはずでございます。
えっ?犯人はぬれた麦わら帽子を持ち帰りました。
しかしもしも犯人が帽子への並々ならぬ愛着を持っている人物だとするならば果たしてその帽子をどうしたでしょうか。
そんなの捨てるなり焼くなり。
いいえお嬢さま犯人は帽子をセザンヌの絵画やロダンの彫刻と同じ芸術作品だと捉えている人物でございます。
だから彼には帽子を始末することができなかった。
何を言ってるの?そんなときです。
とあるご令嬢から急いで来てくれないかという依頼を受けます。
彼は困ったはずです。
《かしこまりました。
今すぐお伺いいたします》何しろ証拠の品を車に載せたままだったのですから。
そこで違う帽子が入っていた箱に麦わら帽子を隠した。
しかし結局この屋敷に持ち運ぶことになってしまったのでございます。
でもここには麦わら帽子なんてないじゃない。
はいあのとき台車には1つ箱に入っていない帽子がございました。
つまり本来なら箱の数よりも帽子が1つだけ多いはずなのです。
しかし今ここには箱の数だけしか帽子は出ておりません。
それって。
はいまだ1つ箱の中に隠されたままだということでございます。
この証拠となる麦わら帽子が。
いつからですか?いつから私が怪しいと。
初めてお会いしたときです。
一流の帽子を扱っていらっしゃるあなたが1つだけ商品を箱に入れていないのはおかしいと思い。
《あっそれは》《急でしたので麗子さまにはそぐわない物も》《それはお見せするほどの物ではありません》《お気になさらず》《お嬢さまはより多くの帽子があった方が喜ばれますので》残っていたあの箱に興味を持ったのでございます。
じゃ私は最初っからあなたの手のひらの上で踊らされていただけだったんですね。
幸代は昔からおしゃれが大好きな子でした。
洋服のデザイナーになりたいと言いだしまして2人でよく話をしたんです。
娘がデザインした服と私が選んだ帽子でお客さまをトータルコーディネートできたらいいね。
それで知り合いのつてを頼って私があの会社を紹介したんです。
(幸太郎)《はいコーヒー》
(幸代)《あっありがとう》
(幸太郎)《大丈夫か?大変だったら辞めてもいいんだぞ》《大丈夫だって》《お父さんのおかげで入れた会社なんだから》《私絶対頑張るね》《そっかハハハ》
(幸太郎)《ふ〜んフフ》
(幸太郎)私はバカでした。
そのとき娘が会社でいじめられてることなんてまったく気付かずに。
《幸代》
(幸太郎)それから娘がなぜ自殺をしたのかを調べました。
それであの女が幸代に嫌がらせを続けていたことを知ったんです。
私は昨日の夜彼女が帰宅してきたところで話をしました。
《知らないわよ私は》《あなたが殺したとは言いません》《でもお願いします》《せめて娘の前で謝ってくれませんか》《だから知らないって》《もう帰ってよあした仕事なんだから》《警察呼ぶわよ》
(幸太郎)それは幸代がデザインした服でした。
(幸太郎)それで初めて知ったんです。
(幸太郎)彼女が幸代のデザインを盗んでいたということ。
(幸太郎)あの女は娘の命を奪っただけじゃなく私たち親子の夢を盗んでいた。
私にはどうしてもそれが許せなかった。
(幸太郎)その後麦わら帽子を使ってコンタクトを拾い。
(幸太郎)入浴中に事故で死んだように見せ掛けるために彼女をお風呂に入れたんです。
(幸太郎)それから朝までどこをどう走ったのか覚えていません。
でもやっぱり娘に報告しておこうと思いまして。
そのとき電話が鳴ったんです。
これが事件の全てです。
藤咲さん。
今回私は帽子を殺人事件の道具に使ってしまいました。
これは帽子への冒とく。
帽子を愛する者としてあるまじき行為です。
だから最後くらい正しい帽子の使い方をさせていただきます。
時に帽子は意思伝達の手段としても使われます。
こうすれば相手に対し最大の敬意を表すこともできます。
申し訳ございませんでした。
ええそうですか。
・宝生君僕が最初に推理したとおりの結果だったよ。
犯人なんだがねやっぱり帽子が大好…。
藤咲さんさっき国立署に出頭したって。
そうでございますか。
今でも信じられない。
何であの藤咲さんが。
帽子と一緒でございましょう。
親が子供思う気持ちに理屈などございません。
無償の愛というものはそれほどまでに人を強く突き動かすものだということをお忘れなきよう。
でもどんな事情があっても罪を見逃すわけにはいかないわよね。
私逮捕しないで自首を勧めちゃったけれど刑事としては甘かったかしら。
名裁きでございましたよ保安官殿。
(泣き声)2014/12/15(月) 14:57〜15:53
関西テレビ1
謎解きはディナーのあとで #07[再][字]
「殺しの際には帽子をお忘れなく!!」
櫻井翔 北川景子 椎名桔平 田山涼成 塚地武雅 我修院達也
詳細情報
番組内容
影山(櫻井翔)が部屋に行くと、宝生麗子(北川景子)が妙な形で固まっている。ギックリ腰になってしまったのだ。麗子は休むことを風祭京一郎警部(椎名桔平)に報告する。風祭は事件が起きたとなぜか上機嫌。何やら警視庁広報課から風祭の密着取材が入っていることに浮かれている様子。
風祭の軽いノリに、麗子は捜査への不安が募る。麗子は捜査の様子をそっと探ってくるよう影山に頼む。すると影山は、すでに手は
番組内容2
打ってあるとテレビモニターを麗子に見せると、モニターには風祭たちが映し出される。広報課の密着取材とは、宝生家の力を使って影山が手配した撮影隊だった。
事件は廃工場の2階を住居に改装した部屋で起きた。浴室で若い女性の死体が発見されたのだ。被害者は神岡美紀(桂亜沙美)。第一発見者は会社の同僚、久保早苗(佐藤めぐみ)。風祭は死体に目立った外傷がないことから、早々と自然死で片付けようとする。
番組内容3
だが早苗から、美紀が複数の男に貢がせていたと聞いたことなどから捜査は続行。また、美紀の部屋から帽子がひとつだけ無くなっていた。
モニターを見ていた麗子は、映像を見るだけの1日ではつまらないと馴染みの帽子屋、藤咲幸太郎(田山涼成)を呼び寄せた。藤咲を交えてのディナーで、麗子は影山に捜査から推測される犯人を挙げるが…。
「お嬢様は冗談をおっしゃっているのでございますか?」
影山の毒舌が爆発する!
出演者
影山: 櫻井翔
宝生麗子: 北川景子
並木誠一: 野間口徹
山繁悟: 中村靖日
宗森あずみ: 岡本杏理
江尻由香: 田中こなつ
風祭京一郎: 椎名桔平
藤咲幸太郎: 田山涼成
米山昇一: 塚地武雅
安田孝彦: 弓削智久
増渕信二: 我修院達也
ほか
原作・脚本
【原作】
東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」(小学館刊)
【脚本】
黒岩勉
監督・演出
【演出】
石川淳一
【プロデュース】
永井麗子
音楽
菅野祐悟
【主題歌】
嵐「迷宮ラブソング」
【オープニングテーマ】
倖田來未「Love Me Back」
制作
フジテレビ
【制作著作】
共同テレビ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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