匠の頂上決戦「超絶凄ワザ!」。
今宵は究極の刃物対決。
目指すは鉄を一刀両断にする夢の刃物斬鉄剣。
この世に鉄を瞬時に切断する刃物はいまだ存在しない。
現代の技術では鉄は大きなエネルギーを使わなければ切断できないのだ。
もし鉄を一刀両断にする刃物が実現すれば生産現場に革命が起きる。
その夢の刃物に挑むのは切れ味を追求し続けてきた凄ワザの持ち主たち。
日本刀の製法を受け継いだ孤高の包丁職人!対するは高い技術力を誇る工業用刃物メーカー。
これまで4万8,000種類もの刃物を生んできた。
夢の刃物斬鉄剣は実現できるのか?
(千原ジュニア)うわ〜!さあ始まりました「超絶凄ワザ!」。
MCの千原ジュニアです。
今回のこの刃物対決挑戦するのはこちらです。
鉄パイプ。
鉄パイプが刃物で切れるのかというね。
それでは究極の刃物作りに挑んで頂いた挑戦者の皆さんご紹介しましょう。
1組目こちらです。
全国から一流の料理人たちが集まった展示会。
注文から3か月待ちという包丁がここにある。
繊維が透けるほどの薄さ。
この抜群の切れ味を持つ包丁を生み出す男炎の包丁職人平泰明。
半世紀前から続く鍛冶工場。
日本刀作りから受け継がれた伝統の製法で平の包丁は鍛え上げられる。
圧倒的な切れ味と耐久性のよさには定評がある。
それでも平は満足しない。
究極の切れ味を持つ包丁を追求したいと夢の斬鉄剣に挑む!続いてはこちらの方々です。
寸分の狂いなく紙幣を裁断する刃物。
最高の切れ味を要求される究極の刃物だ。
これを手がけるメーカー。
岐阜県関市の福田刃物工業。
大量の紙を切る工業用刃物では国内トップシェア。
顧客の注文に応じてどんな刃物でも作ってきた。
鉄パイプを切るという課題は初めての挑戦。
実現できれば新たな製品開発につながると今回の挑戦を決めた。
今のV見てるだけでゾクゾクしますね。
しました?はい。
さあこの刃物対決その舞台をご紹介します。
この後ろにあります。
夢の刃物対決。
勝敗を決するのは…1.5メートルの高さから鉄パイプ目がけて刃物を落下させる。
両者の重さは一定にし切れ味を公平に判定する。
まずはこのパイプが切れるかで勝負。
両者とも切れた場合は…まずは試しに市販されている菜切り包丁を落としてみる。
どんな状態になっているのか鉄パイプを取り出してみます。
曲がっただけですね。
そういう事か。
包丁の刃は当たった瞬間無残にも砕け散った。
鉄パイプ手ごわし!両チームにはですね…皆さんの挑戦ご覧下さい。
炎の包丁職人平の挑戦が始まった。
早速頭に浮かんだ刃物のイメージを絵にする。
刃先は円を描いている。
なぜこの形に?丸い巻き寿司を切る包丁にヒントを得た。
製作開始。
平は硬い鉄パイプにも折れない刃物を目指しまずしなやかさを追求する。
そのために最も大事なのが鍛造という工程だ。
材料となる鋼をおこした炭の中にくべる。
平の視線は熱せられた鋼に一心に注がれている。
鋼の色から温度を判断。
およそ800度になったところで取り出しハンマーで打ちつけながら求める形を作っていく。
打つごとに鋼の組織が緻密で均質な構造に変化する。
すると折れにくいしなやかさが生まれるのだ。
今回平はいつもより低い温度で鍛造した。
組織がより密になり更なるしなやかさが得られると考えたのだ。
しかし温度が低い分鋼は伸びにくい。
素早く正確な打ちつけが求められる。
平はそれを見事にやってのけた。
究極のしなやかさを生む凄ワザだ!次は焼き入れ。
しなやかさを得た鋼に硬さを与える作業だ。
煮えたぎる鉛の中に鍛造を終えた鋼をつけ込む。
待つ事20分。
熱された鋼を一気に水につけ冷やす。
急速に冷やす事で組織を引き締め硬くする。
タイミングや温度を少しでも誤ると一瞬で砕ける。
緊張が強いられる工程だ。
そして仕上げは鉄に切り込む鋭い刃先を生む研ぎだ。
これまでにないしなやかさと硬さを追い求めた平。
刃が欠けぬよう全神経を研ぎ澄ます。
半日をかけようやく研ぎ上げた。
さあ刃物の実力やいかに。
自力で作った実験装置で試す。
果たして鉄パイプを一刀両断にできるのか。
実験失敗。
鉄パイプは切れなかった。
渾身の刃も欠けてしまった。
斬鉄剣への道険し。
一方刃物メーカーでも超絶刃物を作るためのプロジェクトが動き出した。
70名の社員の中からえりすぐられた精鋭たちがアイデアを出し合う。
司令塔福田恵介生産管理部長がある提案をした。
中は空洞という形状を冷静に見極め尖ったV字型の刃でまずは鉄パイプに突き刺さる事を目指す。
パワーチームの持ち味は思いついた刃物を分業体制で一気に作り上げられる事。
どんな刃物でも機械に図面を入力すればすぐに形にできる。
素材は工業用刃物に使う鋼。
一度の作業で同時に10枚。
数時間で刃物の原型が出来上がる。
そしてすぐに次の熱処理担当へ回される。
同時に複数の刃物の焼き入れができる巨大な炉。
1,000度を超える高温で熱してから急激に冷やし硬さを増す。
仕上げは機械による研磨。
パワーチームは今回刃先を鋭く尖らせる特別な手法に挑んだ。
通常は砥石で台座まで削ってしまわないよう少しはみ出た所で研磨する。
すると刃物は回転する砥石の圧力を受け刃先に僅かな変形が生じてしまう。
そこで刃物と台座の間に特製の金属板を挟んで研磨する事にした。
金属板ごと削れば刃先の先端を変形させる事なく研磨できる。
金属板と共に研磨するこの技術共研と呼ぶ。
仕上がった刃先。
1000分の1ミリの狂いもなく研ぎ上げる凄ワザだ!早速突貫工事で作り上げた実験装置で試す。
さあどうか。
せ〜の。
超絶刃物パワーチームなんと鉄パイプ切り成功!鋭く突き刺さる刃。
火花を散らしながら最後まで切り抜いた。
しかし福田たちは満足しない。
あくまで丸い形を崩さず切断する事にこだわる。
刃物メーカーのプライドを懸け究極の切れ味を追い求める。
鉄パイプ切りに失敗した平。
一から刃物を作り直していた。
一体どんな形の刃物なのか。
それはくしくもパワーチームと同じく先が尖った形状。
寿司切り包丁の丸い刃から大胆に見直した。
平もまずは穴を開ける事が先決だと考えたのだ。
刀鍛冶から脈々と受け継がれてきた鍛造技術。
平はその重みを背負って挑戦する。
己の鋼の力を信じて…いざ!鋭く尖らせた刃先が折れる事なくパイプに切り込む。
しなやかで硬い鋼の力が見事鉄を貫いた!決戦に向けて平も断面を丸に近づける事を追求する。
そのため刃を極限まで薄く鋭くする事にした。
持てるワザの全てを注ぎ込み夢の斬鉄剣を目指す平いざ勝負。
パワーチームも刃の形に変化が現れていた。
実験を重ねるうち切り口に一つの傾向がある事に気付いたのだ。
鉄パイプの切り口は刃物の形と同じだった。
切り口を丸くするには刃先も丸くした方がよいと分析。
ただ丸い刃だと最初の切り込みは難しくなる。
そのデメリットを補うためパワーチームは賭けに出た。
ダイヤに次ぐ硬さを持つ超硬合金という素材で作る事にしたのだ。
しかし硬すぎるため刃が割れてしまうリスクは格段に高まる。
さあ究極の刃物果たしてどんな形になったんでしょうか?それではまず平さんお願いします。
すごいものが出てきそうな予感がしますね。
ねえ。
その姿がいよいよ明らかになります。
おお〜。
おお〜。
オーラすら感じますね。
(平)ありがとうございます。
対する超絶刃物パワーチームの皆さんの刃物です。
こちらが福田刃物工業の皆さんが作った完成品です。
へえ〜すごい。
平さんいかがですか?刃物メーカーが作られたっていう象徴的な刃物になってるような…。
一方どうでしょう?いやもうかっこいいですね。
ねえ!本当にあの〜欲しいです。
薄くしなやかな平の刃物と超硬合金の丸い刃を持つパワーチームの刃物。
両者の対決やいかに!まずは平さんの刃物の挑戦にまいりたいと思います。
すげえなあこの緊張感。
今の心境いかがですか?まさに頑張ってる我が子を見守るような心境です。
本当ですよね。
頑張ってほしいですね!ねえ!炎の包丁職人平泰明さんの挑戦です!それではお願いします!うわ〜!うわ〜!真っ二つ!では平さん実際に切れました鉄パイプを手に取って頂いてもよろしいですか?形状などどうでしょう?切れ具合は。
形状としては満足のいく形状ですね。
ギリギリまで薄くした平の刃物。
切り込む瞬間刃の先端が欠けたものの切り抜いた。
刃物の持つしなやかさが衝撃に耐えたのだ。
対戦相手の福田さんいかがですか?いい勝負になると思います。
さあ118年の歴史を持つ工業用刃物メーカーの皆さん今回の対決のために社内で特別にチームを作って製作に当たってきました。
工業界に革新をもたらすかもしれないそんな刃物で鉄パイプに挑みます。
それではお願いします。
こちらも鉄パイプ真っ二つになりました!割れるおそれのあった超硬合金の刃は鉄パイプをほぼ一直線に切り抜いた。
「超硬合金では鉄を一刀両断にできない」とされてきた常識を覆したのだ。
両者切りました。
ここからは画像判定に入ります。
切り口がより円に近いのはどちらか。
物を切る研究の第一人者が判定する。
鉄パイプの切り口を拡大した画像でより詳細に分析。
縦と横の比を割り出す。
この値が1に近い方が勝ちだ。
それでは映像判定によってその丸みにどちらが近いのか数値化して判定をして頂きました。
炎の包丁職人…勝者は包丁職人平泰明さんの作った刃物です!おめでとうございます!本当にもう僅差。
平の方が鉄パイプの丸い形を保っていた。
ただし切り口を見てほしい。
パワーチームの方が滑らかだ。
まさに紙一重の勝負だったのだ。
握手でも…。
(頭をぶつける音)痛い痛い。
(拍手)うそみたいな…うそみたいなぶつかり合い。
前人未到の切れ味に挑んだ男たち。
更なる高みを目指す飽くなき戦いは続く。
「超絶凄ワザ!」挑戦者募集!そこは技術者が限界に挑む大舞台。
主な任務は磨いてきたワザでかつてないものを作る事。
生字幕放送でお伝えします2014/12/15(月) 16:30〜16:55
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!「名勝負再び!前人未到の“切れ味”を目指せ」[字][再]
鉄パイプを一刀両断にする刃物を目指し包丁職人と工業用刃物メーカーが激突!アンコールに応え、刃物の頂上決戦を再びお届けする。神ワザで夢の斬鉄剣なるか!衝撃の結末は
詳細情報
番組内容
鉄パイプを一刀両断にする刃物を目指し、包丁職人と工業用刃物メーカーが激突!アンコールに応え、刃物の頂上決戦を再びお届けする。両者プライドをかけて臨んだ究極の刃物作りに1か月間、密着。包丁職人は、鉄を貫く刃物を生み出すために日本刀の製法から受け継いだ「凄ワザ」を披露。工業用刃物メーカーは「ある秘策」を使って刃先を極限まで鋭くすることに成功。刃物のプロが神ワザを繰り出し、夢の斬鉄剣に挑む!衝撃の結末は
出演者
【出演】挑戦者…盛弘鍛冶工場,福田刃物工業,専門家…永澤茂,【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】福島泰樹
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:28657(0x6FF1)