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≫こんばんは。
池上彰です。
今回の総選挙与党が3分の2を超える326議席を獲得しました。
でも実は、選挙の前も3分の2を確保していたんですね。
一体何が変わるのか変わらないのか。
今日は皆さんとともに考えてまいります。
≫今夜は総選挙翌日ということで生放送でお送りしていきます。
池上さんならではのほかの選挙番組が伝えない裏側、真相を解説してもらいたいと思っております。
ゲストの皆さんよろしくお願いいたします。
まず、良純さんは今回の選挙結果どうご覧になっていますか?≫いきなり核心を突くような…。
なんかこれだけ、強力な権力を持つ総理大臣といいますかね。
自民党でもないし安倍内閣というものが非常に力を持ったんじゃないかと。
今までにないですから。
そうするとこの次何が起こってくるのかなというところに興味というか…。
≫良純さんにはそういうことではなくてお父さんには連絡したんですか?≫それは話すよ。
≫泣いて笑った?≫どういう感じなんですか?≫新聞を見たら遊説中に微熱が出たとかってあったんでそれはちょっと心配だったんでなにぶん、年なもので。
≫池上さんがいじめたようなことを昨日、別番組で…。
≫昨日は本当は、ご本人がお出になる予定だったのでそこでいろいろ聞こうかなと思っていたら、全部中止になってしまって。
≫楽しく語り合ってくださいよ。
≫池上さん、今、ネットで池上無双って言われてるんですよ。
≫今回も炸裂ってね。
≫今日は違う番組なんでね。
≫局が違います。
≫澤部さんはお子さんが生まれたので意識も変わってきたんじゃないですか?≫まだ20代なのでぶっちゃけ興味があまりなかったというかわからなかったところが多かったですが結婚して子どもが生まれると多少意識が変わってきましたね。
≫では今回の選挙結果をまず今日の新聞、朝刊で見てみようと思うんです。
実は、各紙によって伝え方が随分違うんですよ。
まず、こちらからいきましょう。
読売新聞ですね自公圧勝325議席。
朝日新聞自公大勝3分の2維持。
日本経済新聞自公勝利3分の2維持。
毎日新聞自民微減291議席。
これ全部、同じ結果をもとに読売は圧勝なんですよ。
朝日は大勝。
日経は普通の勝利。
毎日は自民ちょっと減った。
つまり公明党を入れれば自公でいうと自民党はちょっと減ったんですが公明党がちょっと増えたので自公の与党で言うと変わらないんですよ実は。
変わらないということをどう考えるのか。
でも、確かに勝ったことは勝ったわけですから勝ちは勝ちですよね。
それが3分の2を超えたわけですから圧勝と見るのか要するに3分の2は前もそうだったわけですから大勝ぐらいにするのかただの勝利にするのかというふうに自民党は減ったんだよというところに注目するとこちらの表現になるというわけですね。
それぞれの見方によって同じ事実であってもこのように、伝え方が違うんだと。
こうやって選挙の翌日の新聞を読み比べると面白いんですよ。
では、海外の新聞はどう伝えたのかというところですね。
東亜日報韓国の有力新聞です。
右傾化のマイウェイ加速されそう。
つまり安倍政権のことですね。
安倍政権がこれだけの議席をまた確保することができた。
一段と右傾化が進むのではないかというのが東亜日報の記事なんですね。
一方、聯合ニュース通信社です、韓国の。
各新聞やテレビなどにニュースを配信する通信社なんですが与党圧勝。
河野談話を攻撃した次世代の党座礁。
河野談話というのは日本が朝鮮半島を統治していた時代の慰安婦ですよね。
その慰安婦の存在を認めて謝罪をした河野談話を取り消すべきだといっていた次世代の党が壊滅的に減ってしまったんだよというところを注目した記事になっているということですね。
それぞれの立場によって同じ結果でも随分見方が違うんだなということです。
では今度は中国いきましょうか。
新華社通信国営の通信社なんですがここは中国共産党の方針に基づいて記事を出すものですから中国共産党の見方なんだなと思って読んでいただいていいと思うんですが野党の準備整わないうちに解散したアベノマジックが勝因であると。
つまり、決して安倍政権の政策が国民に支持されたわけではない。
野党が油断している間にこれで勝ったんだよという。
これはそういう意味なんです。
というふうに受け止めているんですね。
≫それでは与党圧勝の中で池上さんが注目したポイントとは。
≫総選挙の結果日本はどこへ向かうのか。
≫皆さんご存じのとおり昨日の総選挙で自民党と公明党が3分の2以上の議席を獲得。
与党の圧勝で結局、何も変わらないままではありません。
池上彰ならではの注目ポイント。
議席数だけではわからない選挙のからくり。
これから、日本は大きく変わる?日本の未来を大予測。
≫まず一応、結果を簡単におさらいしておきましょう。
こうなりましたね。
与党、自民党と公明党で3分の2317を超える326を獲得したわけですね。
自民党がちょっと減りました。
民主党はちょっとは増えましたけどでも、それほどではないですね。
一方で共産党が倍増どころではないですね。
21議席も獲得をしたとこういう結果が出ています。
自民党が前回と変わらず大きく勝利した結果となったんですが私が注目したのはこちらなんです。
得票数。
どういうことかといいますと実際の各党が取った得票数。
特に比例代表の得票数で考えてみようと思います。
こちら、ご覧ください。
今回、自民党が1770万票比例でこれだけとりました。
比例は、政党の名前を書きますからね。
比例で68議席。
それに小選挙区の分まで合わせると291議席となるんですがまず、この票数を見てくださいね。
ここまでは、よろしいですね。
じゃあ、これを前々回の要するに政権交代があった2009年、自民党が大敗をして民主党が政権をとったときの得票数と比較してみましょう。
ここですが自民党が119議席からこのときは119議席しか取れなかったんですね。
一方で、現在はこれだけ。
それから民主党はこのとき308議席も取りました。
現在、これだけに減ってしまっていますが得票数を見ましょう。
こちら見てください。
自民党の得票数は減っているんですよ。
もちろん、民主党が減っているのはわかりますけども。
公明党も見てください。
与党、いずれも得票数は減っているんです。
普通、選挙で勝ったというと得票数が増えたって思いますよね。
でも、実は投票率が違うものですからこういう状態になっているんですね。
じゃあ、この間の2012年も見ましょうか。
自民党は、このときから得票数を減らしてしかし議席は増えている。
ここになりますと得票は増えていますが議席はわずか減っているということですね。
こういうふうに見ますと民主党です。
このとき2980万票取ったのに今回、980万票2000万票が消えてなくなっていると。
≫自民党に入れる人は選挙に行く人だってことですか。
≫自民党には常に一定の人たちが必ず行って投票していると。
こういうのをなんとか票っていいますよね澤部さん。
≫組織票みたいなことですか。
≫そういうことですね。
自民党も公明党もそれぞれで増えたり減ったりはありますが必ず一定の票はとりますね。
≫昔は自民党は投票率が上がったほうが有利だっていわれてましたよね。
随分、30年くらい前。
だから、それがものすごい変わったというのは自民党の組織が強くなったってことなんですか。
≫いわゆる組織票自民党を支持している農協であるとかさまざまな業界団体がしっかり投票してくれるということですね。
≫昔は社会党とか共産党が強い組織票はっていっていましたよね。
≫共産党は確かに組織票でしたが社会党は風頼みでした。
≫今回、私は自民党がすごく勝ったような気がしたんですけど票数にするとそんなに大したことないんですね。
≫それほどでは実はないんですね。
確かに、2012年よりは増えていますけれどもそれほどではないということがこれで。
≫そもそも自民党だけでいうと過半数超えてるわけじゃないですか。
なのになんで公明党と一緒になってやっているんですか。
≫いい質問ですね。
もともと自民党と公明党が一緒になったのは自民党が自分だけでは単独で過半数を維持できないから公明党と一緒になったわけですね。
それによってどんどん議席を伸ばしてきたんですけど今、実際の小選挙区においては公明党、あるいは公明党を支持している創価学会の人たちのお金で自民党議員が当選できているというような実態になってるんですよ。
選挙区によっては公明党と創価学会は一切無関係で当選できますよという自民党議員もいますけれども全国でかなりの自民党議員が公明党と協力することでようやく当選できると。
≫言いますよね、比例は公明党でとかね。
≫不思議ですよね。
自民党候補なんですけど小選挙区では私に入れてください。
比例は公明党に入れてくださいっていう自民党議員がいたりする。
公明党は公明党で与党に入っていたほうが自分がやりたい政策を実現できるでしょ。
だから、どちらにとっても非常に都合がいい。
そこで自民党と公明党の連立政権が続いているということなんですね。
ですから、このあと例えば自民党だけで単独3分の2ということになれば公明党がなくても自民党だけでやっていけるというふうに考えるか、あるいは一方でやっぱりそれぞれの選挙区公明党の皆さんに協力していただかないとなかなか当選できないなと思っている議員は、やっぱり連立でいきましょうといったりすることもあるんです。
≫議席の数だけじゃないんですね公明の数は。
≫単に議席の数だけじゃなくてかなり自民党の議員の人たちが公明党頼り創価学会頼りになってきているところがあるんです。
≫共産党は、どうですか。
今回だいぶ躍進みたいにいわれてるじゃないですか。
これは池上さん的にはどう見ているんですか。
≫共産党の議席ってかつてもっとたくさんあったところもあるんですよ。
ところが、小選挙区になりますと1つの選挙区で当選できるのは1人だけでしょ。
昔は中選挙区だと例えば4人とか5人当選者がいるわけですよ。
そうすると1人ぐらい共産党がいてもいいよねということで気軽に共産党に入れる人たちも結構いた。
それが小選挙区になるとたった1人だけとなるとどうしようって考える人がいて共産党の議席が減ってきた。
ただし比例代表になりますと政党を選ぶわけですから。
比例代表で共産党はこれまでいつも当選者を出してきた。
ところが、なんと今回は沖縄1区で共産党の候補が当選をするという小選挙区で当選者が出るって実に18年ぶりのことなんです。
≫沖縄ではできたですけどこれだけ自民が強かったら野党で自民対そのほかって自民のところが入れる票って3つくらいにばらけちゃうのがどうして共産党って連携しないんですか。
≫そうですね。
共産党は共産党で常にマイウェイ。
独自の道を行く。
そもそも方針が違いますからね。
民主党の中でも例えば憲法を変える必要があるとか日米安保は維持すべきだって考えている人たちもいるわけでしょ。
共産党はやっぱり憲法改正は絶対許せないことだと。
≫民主党はそれで票を減らしたんじゃないんですか言うことがバラバラでグレーだから。
≫それはあるでしょうね。
それもあるでしょうしすべての選挙区で候補者を立てるということができませんでしたからね。
自民党支持者や公明党支持者はもちろんいいんですけれども自民党・公明党じゃないちょっと批判票を入れたいけど入れたい党がないよねっていう人たちが。
≫なんで自民党と公明党みたいにうまくできないんでしょうね。
≫それはやっぱり与党であることの吸引力ってあるわけですよ。
与党であるといろんなことが実現できますでしょ。
野党ってそういうことがないわけですから。
それぞれがなんとか議席を多くして自分がなんとか与党になりたいという思いがあるとなかなかまとまらないです。
≫2012年から今回民主党のこの20万票しか増えなかったというのはなんなんですかね。
≫これは特に比例だけで比較してるんですね。
小選挙区というのはこの中には入っていないんですが今回、小選挙区で立候補していない選挙区がいっぱいあるんですよね。
本当に民主党を支持している人たちが小選挙区で立候補していないからといってそもそも選挙に行かないという人がいた。
その一方で前回は減らしすぎたかなと。
あるいは、自民党にあまり大きな顔をさせたくないよねと思っている人たちは今回、行ったということなんだろうと思うんですがそれがこの程度にとどまっていたということなんでしょうね。
そして、得票数が下がっている。
そして、得票数が下がり投票率が下がっているというここで、私が注目しているもう1つの数字があるんです。
それが、自民党の得票数一方で全有権者数。
つまり全有権者の中でどれだけの人が自民党を支持しているかというのを自民党の得票数を全有権者数で割れば出てきますよね。
これは比例の場合なんですけどその結果、どれくらいとっているかというと17%なんですね。
つまり3分の2をとった自民党が圧勝したんです。
これからも政権を続けるんだけれどもしかし、全有権者の中で自民党に入れたのは17%なんだよと。
この事実は事実として知ったうえで≫続いては今回の選挙結果お金のプロはどう見たのかということなんですか今回選挙が終わって株価が動きましたよね。
≫選挙が終わると株価が動くんですよ。
澤部さんどうしてだと思います?≫そんなのは聞いたことがありますけど…。
見くびらないでください。
全くわかりませんよ。
なぜ動くかはちょっとそこまではわからないですね。
≫2012年自民党が政権をとったとき株価が上がったんですよね。
≫ご祝儀相場なんて言葉がありましたよね。
選挙が終わるととにかくちょっと上がるという。
≫じゃあ、今回も選挙が終わりました。
今日の株価どうなったんでしょうか。
先週金曜日は1万7371円。
今日の終値は1万7099円。
下がったんですよ。
これ、今回の直接は金曜日に日本が株が終わったあとニューヨークの株式市場で株価が暴落したんです。
アメリカで株価が暴落をすると世界経済が大きな影響が出てきて日本経済にも悪い影響が出るんじゃないかなと思って株価が下がるということがあるんですが私が言うよりはプロの見解を聞きましょうか。
≫お金のプロたちはどう見たんでしょうか。
≫自公勝利の選挙結果から一夜明けてお金のプロはどう見たか。
≫証券取引所近くの証券マンたちが通ううなぎ屋さんは…。
≫株でご飯を食べている証券マンは…。
≫もしかして景気というのも多数決みたいにいいっていう人が多いと上がるもんなんですか?≫というか、あの辺りさっきの日本橋って、兜町。
証券マンたちが働いている場所、彼らが行くうなぎ屋さんなんですよ。
証券マンボーナスが増えましたと。
≫いい笑顔していましたね。
≫とにかく株価がずっと上がってきたものですからボーナスも増えて笑いが止まらない人たちがいる地域もあるということですがさっきから織り込み済みってありましたでしょ。
これ、要するに株式のときには出てくる言葉なんですね。
うわさで買って事実が出たら売るという言い方があって。
例えばどこかの企業がどうも、もうかっているらしいというところで株を買っておいて本当にその会社がこれだけ利益が出ましたというのが出たらそこで売ってしまう。
だから結構どうも、あの会社利益が上がってるらしいよというところからじりじり、じりじり株価が上がっていって利益が上がりましたって発表したとたんストンと落ちるということがあるんですね。
≫株やってるイメージの人たちがそんな感じです。
そんなことも知らないの?みたいな。
≫俺たちは知ってるけどね…。
≫例えば今回の場合でいえば急の解散・総選挙だったでしょ。
最初はみんな模様眺めだったんだけどまもなく新聞各社の予想でどうも、自公与党が圧勝しそうだと。
その予想が出たとたん株価がポンと上がったんです。
≫その予想もうわさですよね。
だから、それぞれの世論調査でそこでぽんと上がったんですよ。
だからこれは自民党・公明党が多く与党が勝つんだよということがそこで、予想に織り込まれていたということなんですね。
だから結果が出たところで勝ったからといって上がらない。
ところがたまたま前の週の金曜日にニューヨークで株式市場が下がったものだからこういうふうに下がっちゃったということなんですね。
≫織り込み済みをしていた人はもうけた人もいたということですね。
≫株価が上がると株を買ってない人たちもよくなったりするんですか?≫そこなんですね。
株を買っていない人にとっては何の変化もないよといってもちろん、アベノミクスなんかなんの効果もないよと言っている人もいるわけですね。
一方で、安倍政権にしてみれば株価が上がってとりあえず、それで利益が上がる人がいればそれが、やがてみんなのところにいずれいきますよ。
もうちょっと待ってくださいとこういう言い方をしているんですよね。
≫質問していいですか。
有権者の立場に立ったときにいずれよくなるよといわれたほうがいずれこのままじゃまずいって言われるよりいい期待のほうがしたいじゃないですか。
安倍さんは解散するときにアベノミクスの争点を問うといったけれども売られたほうの野党のほうはけんかってそのルールでけんかしないといけないんですか。
≫そうじゃないんですよね。
おっしゃるとおりですよ。
安倍さんはアベノミクスを認めるかどうかというルールをあらかじめ設定してさあ、とけんかを売ったわけでしょ。
野党、それに乗っかっちゃったでしょ。
アベノミクスの効果がある、ないという話になっちゃったでしょ。
逆に、別のルールで別の土俵で戦えばもう少しよかったかもしれないです。
安倍さんがあらかじめ設定した土俵に野党がみんな乗っかって戦ったわけですから。
≫民主党のときはマニフェストというのが争点になってそれに乗っかったってありましたよね。
≫あらかじめルールを設定するか、見事にルールを設定した側の勝ちということです。
こうやって特に証券業界株価が上がってますから。
アベノミクスで株価がどんどん上がっている。
その結果、証券業界利益が上がっているわけです。
その結果、証券会社から自民党への政治献金の額も増えているんですね。
これが2012年ある証券会社の場合は500万円だったのが今回、2800万円も。
≫政治献金昔、ちょっと問題になったこともありますよね。
だから証券会社にしてみれば社長が決めると。
≫池上さん、そもそもどうして選挙があると株価が上がるんですか。
≫そういう根本的なところを考えてなかったですね。
これは、選挙によって政権が安定する。
安定すれば経済政策などもこれからいろんなことができるだろうという安心感というのがあるんですね。
逆に政権がころころ変わってしまうと政権が変わったことによって経済政策が変わるかもしれない不安だよねということになると下がることもあるということがありまして自民党、安倍政権が継続をするということは経済政策が安定するだろうというふうに多くの投資家たちが考えたということです。
でも過去にも下がったこともあるんですよ。
民主党政権が取ったときですね。
2009年のときですね。
民主党に政権が交代したときに株価が下がりました。
一方で、自民党政権になったら株価が上がったんです。
ここは安倍政権への期待があったわけですね。
ここの部分でいいますとこれまでと政策ががらりと変わるのではないかという不安だったりあるいは、このときにコンクリートから人へというのが民主党の訴えでしたから公共事業が減るのではないか。
≫安倍さんが企業寄りだというのもあるんですか。
≫これは、企業寄りだと批判する人もいますけれども安倍さんにしてみれば企業が利益を上がればみんなにも利益が上がるだろうという考え方になるわけですが証券会社の人たちにしてみれば企業が利益が上がるということは我々にとってプラスだと考えるわけですね。
≫この数字1%ずつぐらいですね動いているのは。
これは大きい数字なんですかね。
≫これは、つまりここもかなりの部分織り込み済みだったんですね。
織り込み済みだったうえにだけれどもという部分ですがちょっと動いたと。
≫本当に織り込み済みなんですか。
あとになってから織り込み済みとかいってるんじゃないですか。
≫株価が上がる政党のほうがいいわけですか。
≫証券会社の人たちにとってはそのほうがいいということです。
≫株持っていない人には…。
≫関係ないの?≫例えば大企業によっては非常によかったり大企業って実はよその企業の株をいっぱい持っていたりするわけです。
そうするとよその会社の株が上がれば自分の会社の資産が増えるんですね。
だから、期待をするというのはあるわけですが中小企業にしてみれば必ずしもいいとは限らない。
まして、このところ円安が進んでいるとそれによって景気が悪くなったり倒産している会社もあるわけですから。
そこにとっては必ずしもよくないよということになるわけですね。
≫今後はどうなっていきそうなんですか。
≫それは教えてもらえないですか。
≫私は予想屋じゃないですから。
そんな予想ができたらこんな仕事はしていないと。
≫でも皆さん期待をして票を入れた方もいますよね。
≫そうでしょうね。
だから、これはとりあえず一般的に考えられてるということをいいますよ。
それをもとに売り買いをして損をしてもそれは自己責任ですからね。
そこはご責任を追及されても困るんですけど。
とりあえず安倍政権が信任されたということはアベノミクスをこれからもやっていくということですよね。
ということは第1の矢の金融緩和第2の矢の財政をいろんな形で投資をするという形は続いていくだろう。
だから、そういう意味では大きく下がる要素はとりあえずは、ないんだけれども問題は第3の矢ですよね。
いろんな規制を改革したりして経済を、産業を発展させていくんだというところがまだまだ、なかなか見えない。
ここが見えてくれば株価にもいい影響があるかもしれないしそれがなかなか見えないとちょっとどうかなというところが大方の見方ですね。
≫それでは続いて、政治のプロはどう見たんでしょうか。
≫今ニュースでよく見る数字3分の2。
自民党と公明党合わせて全議席の3分の2以上を獲得したわけですがそれは、選挙の前から同じこと。
ということは、結局何も変わらないまま私たちの暮らしも変わらない。
と、思ったあなたそれは大間違い。
今回の選挙の結果私たちの生活は大きく変わるかも…。
日本の未来はどうなる?ややこしい政治の話をわかりやすく解説。
≫テレビ朝日政治部の足立直紀記者です。
よろしくお願いします。
≫足立さん、今回の結果をどう見ていますか。
≫与党が勝敗ラインとしていたのが絶対安定多数といわれる266議席だったんですけれどもこれをはるかに超えちゃって3分の2与党で取りました。
再び。
これでもう永田町は安倍ペースですね。
安倍さんの目指す政策がズバズバと進んでいくということになります。
まず年内は、人事と経済政策。
これを進めていきます。
そして、年明けなんですが特にゴールデンウイークを過ぎてからなんですが集団的自衛権の行使を容認する安保法制を進めていくことになります。
≫ここまでのところで説明わかりましたか?≫266の話ですよね。
≫絶対安定多数という。
澤部さんわかります?≫はいはい…とか嘘ついちゃいました。
すいません、お願いします。
≫大体、大人ってなんとなく、はい、はいとうなずいちゃいますよね。
プロの見方、今お話いただいているんですがそこの部分を少しずつ考えてみましょう。
絶対安定多数って何か。
3分の2とは違うんですよね。
どういうことかといいますと国会というのはいろんな委員会があるんだということなんですがちょっとこちらを見てください。
本会議場で大勢の人たちが集まってやってるように思うでしょ。
実は、1つ1つの法案についてあれだけ大勢の人でみんなで話し合うということやっていないんですよ。
例えば総理大臣が演説をしたり財務大臣が演説をしたりということはあるんですけどじゃあ、具体的に予算案をどうするかとか新しい法律案をどうするかというのはそれぞれ専門の委員会というのがたくさんあって、そこでそれぞれ議論をするんですよ。
少人数でじっくりと話をしましょうということなんですね。
そうするとそれぞれのところで予算委員会の委員長のポストをどこかの政党がとっておくと自分たちもうまい具合に話を進めることができるでしょ。
そうするとそれぞれの委員長のポストをとる。
なおかつ更に残った委員の中で普段、多数決で決めますからここでも過半数いる。
委員会の中で過半数更に委員長まで取っていれば全部の委員会で自分の思い通りに法案を作ることができ予算も通すことができる。
それだけの人数を確保すること、この人数が絶対安定多数ということになるんです。
この分を今回与党が取ったということになるわけですね。
だから安倍さんが、これからどんどんいろんなことがやれますというのはこの数字のことを意味しているということです。
それから人事という話がありました。
これは具体的にはどういうことでしょうか。
≫人事というのは2つありますね。
自民党内の人事と第3次安倍政権が発足したあとの組閣の人事と2つあるんですけれどもまず自民党内の人事については今のメンバーでやっていくというのを今日はっきりと表明しました。
≫自民党の人事というのは幹事長がいて政調会長がいて総務会長がいてというあれですね。
そういう人たちはそのままと。
≫24日にまた、安倍総理が総理大臣指名選挙で選ばれたあとに今度、組閣をするんですけれどもここのメンバーも政権の幹部の1人はここで、まだ9月に代えたばかりなのでそのままいったほうがいいだろうということで多分、全員そのままいくんじゃないかという見方をしています。
≫これまでどおりの大臣がそのままやるであろうと。
≫言えないということですね。
俺に大臣やらせてくれよとか。
でないと言うこと聞かないぞとか言えないってことですね。
≫それはもう選挙で勝ったばかりの安倍さんにほかの人たちに何も言えないんですね。
≫自民党内に次にまた大臣になれるんじゃないかと思ってた人もいたかもしれないんですけれどもまだ変えないという方向がいろいろ出ていますのでちょっと今回がっかりしている人も多いんじゃないかと思います。
≫例えば第2次安倍内閣があって第2次改造内閣があったわけですよね。
選挙があると数字が増えるんですか?≫今度は第3次安倍内閣。
≫でも第2次改造内閣と第3次内閣は一緒かもしれないということですね。
≫先ほど、足立記者が組閣つまり新しい内閣を作るのが12月24日の見込みだとお話してました。
今日、12月15日でしょ。
新しい内閣ができるまで随分時間がかかると思いません?それはどうしてでしょうか。
≫まず、今週1週間は議員の新しく当選した人の引っ越しですとかそういうので1週間かかっちゃうんですね。
ですから、特別国会の召集というのが大体翌週になるんです。
ただ、翌週を見ますと天皇誕生日が23日にありますよね。
ですからそのあとに召集しましょうということで今日ちょうど与党が、確認したんですが24日から3日間の日程で特別国会を召集しましょうと。
≫身体検査とかも相当やってんじゃないですか。
出てくるから…。
≫今の大臣をそのままという話だから身体検査する必要がない。
≫もう一度!≫結構いろいろ出てきたからね。
≫あるかもしれないということですが。
それにしても選挙の前も3分の2でした。
今回も3分の2。
一見、同じように見えますよね。
何が違うんでしょう。
≫ちょうどなんですけれども自民党と公明党選挙の前も326議席。
今回も足して326議席と全く変わっていないんです。
何が変わったかといいますとまず1つは安倍政権の寿命が延びた。
向こう4年間、好きに運営できるそれだけのフリーハンドを得ることができたということです。
それともう1つ選挙をやってなかったらどうなってたかというのを想像してみますと消費税の10%の増税を延期しましたけれどもそれだけで選挙していなかったら今ごろ多分、自民党の中は大論争になってたと思うんです。
上げたほうがよかったいや、やっぱり上げないほうがよかったという。
これで自民党が増税派と延期派で真っ二つになってた可能性があるんですね。
それを選挙をやることで封じ込めたという意味合いがあると思います。
≫政治の番組がどんどん少なくニュースでも扱う時間が少なくなってきていると思うんですけれどもいろんな法案がこれだけ安倍さんの力が強くなるともうあまり話し合いもなされないで、するすると次々、決まっていったりするんですかね。
≫まず3分の2とってしまったのでそれは安倍政権のほうで法案審議とかはどんどん進めることができます。
≫私たちは話し合いを見てどういうことであるかということを判断したりしなきゃいけないと思うんですけどそういうことはちゃんとできるんですか?≫もちろん、野党がしっかり国会で論戦してくれれば我々もきちんと報道していきますからぜひニュースを見ていただきたいと。
≫つまり、3分の2あるからなんでもできるんだなんでもどんどん、といえばそれはそれで野党を無視してるとか反対している国民の意見を聞いていないという批判が出ますから…。
≫出ますかね?だって選挙行かない人がこれだけ多くて野党もこれだけ…。
≫それは、だから、これから声を出していけばいいわけでそうなると、いくらなんでも全部次々にとはいかないんです。
これは、それなりの時間を取って審議をしてもらいましょう。
でもそこで野党の迫力が不足しているといいでしょ、やったから決めちゃいましょうみたいなことになりがちだというところはあるんです。
それから3分の2といいますと憲法改正を衆議院、参議院で発議できるのが3分の2。
そこはどうなのかという話も出てきますよね。
≫475議席になったのでその3分の2というのは317議席なんですけれども今回、自民党291、そして公明党が35議席ということで326議席。
3分の2を9議席超えましたね。
≫ということは、衆議院はその気になれば憲法改正ができると。
参議院はどうなんですか。
≫参議院は自民党と公明党を足しますと自民党が今115公明党が20ですので135議席ということで3分の2には27議席今、足りない状況です。
≫つまり今の与党の体制では憲法改正を国民に問うというわけにはいかないということになるわけですね。
ということは、2年後に参議院選挙がありますね。
その2年後の参議院選挙で与党が3分の2を取れば衆議院と参議院両方で憲法改正を発議し、そうしますとそこから先は国民投票ということです。
国民投票で過半数の賛成があれば憲法を変えることができる。
そして、今回、今度の国民投票とここからは、満18歳以上が投票できるようになるんです。
これまでは二十歳20歳ですけど国民投票は18歳からということになります。
≫憲法改正してどうしたいんですか。
自衛隊の…どうにかしたいんですか。
≫安倍さんにしてみれば憲法9条を変えて自衛隊を軍隊として位置づけたいという思いが安倍さんにはありますけれども与党の中にもいろんな考え方があるので憲法改正しようという勢力はいっぱいあるんですがその中では憲法のどこをどう変えるのというところでは実はいろんな意見があるので安倍さんはそこも含めてこれから議論をしながら整理していこうというそういうコメントを昨日発表しています。
≫2年後の選挙が結構国民はどう思うかこのことについてって≫今回の選挙で安倍さんの安倍内閣がこれだけ3分の2を確保したわけですよね。
となりますと来年、自民党の総裁選挙があるんですね。
ところが安倍さんこれだけ勝っていると来年の総裁選挙、自民党安倍さんでいこうよということに恐らくなりますよね。
となりますとそこから更に3年先に安倍さんが総裁を続けるという可能性が非常に高くなってくるとなると安倍政権長期政権の兆しを見せつつあるということです。
≫でも長期政権であるということはそんなに悪いことでもないですよね。
今までは短いから相手にされないみたいなことがありましたよね。
≫特に外交においては長期政権というのは有利ですよね。
例えばロシアにしても中国にしても韓国にしてもこれから日本の総理大臣と話し合おうというときにこれからしばらくの間は安倍総理大臣が続くんだと思えば無視できないですよね。
安倍政権と交渉しようということになればこれから外交交渉が前に進んでいく可能性が高くなってくるというところはあるでしょうね。
更にいえば安倍政権もっと長くなりますと韓国の朴槿惠大統領の任期よりも先にいくかもしれない。
朴槿惠大統領にしてみれば安倍政権と話すしかないんだということになれば向こうも覚悟を決めて話し合いに乗ってくる可能性もある。
≫それで具体的にどう変わるんですか?≫そこがまたわからないところ…。
相手があることですからね。
ですが、それぞれのロシアにしても中国にしても韓国にしてもこの選挙結果を今ごろ一生懸命分析しているはずですよ。
これだけ政権が3分の2を確保した。
政権が安定しただけどその一方で得票数は決して必ずしも多いわけではない。
あるいは、みんながみんな支持をしたわけでもないんだよという中でどうするかということを。
≫そんな細かいところまで各国見てるものなんですか。
≫当然情報機関も含めて分析した結果を2014/12/15(月) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
ここがポイント!!池上彰解説塾[字]
総選挙で与党が引き続き3分の2議席を確保!一体何のための選挙だった?池上彰がこれからの日本を鋭く生解説!
詳細情報
◇番組内容
総選挙の結果、与党が引き続き3分の2議席を確保。なぜ3分の2を取ることが大事なの?そしてこれまでと同じ結果なら、どうして安倍さんは選挙をやったの?池上彰がこれからの日本を徹底生解説!今だからこそ知っておくべきポイントを解説します!
◇出演者
【ニュース解説】池上彰
【進行】宇賀なつみ(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】石原良純・室井佑月・澤部佑(ハライチ)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/ikegami/
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ニュース/報道 – 解説
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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