(ナレーション)
平安の時代からかれることなく湧き続ける水
今なお人々の暮らしを伝統を文化を支えている京の地下水
鴨川が流れる古都京都
四条通にある京菓子の老舗…
創業は享和3年西暦1803年
当時から商う看板商品の烏羽玉
200年以上の年月を経て今なお当時の姿を残す銘菓である
老舗の銘菓を生み出すのは地下からくみ上げている醒ヶ井の水
1年を通して水温が15度と変わらぬ地下水にこだわり初代はこの場所で創業した
お菓子作りに良質な水は欠かせない
素材の味が引き出されるっていうのがありますね。
和菓子は豆とお砂糖とお米の粉が基本的な原料なんで豆も香りがよくなりますしでお米の粉…まあご飯を炊いたときにいちばん分かるんですけど香りがすごく立ちますね。
京の地下水は程よくミネラル分を含み繊細な素材の味を引き出す
職人の手が和菓子に命を吹き込む
無色透明な水は四季折々の京菓子の味色食感を支える
その昔暴れ川として恐れられた鴨川
この世の栄華を極めた白河法皇でさえ…
と嘆いた
しかし幾多の氾濫によって形成された砂礫層砂の層が豊富な水をため込むことになるのである
京都の水の研究を続けている関西大学の学長楠見晴重さん
大概四大文明…世界の四大文明っていうのは川の所に…大きな川があった。
例えばエジプト文明だったらナイル川の所に文明が発達して。
ただ京都は1200年の長い歴史っていうか都を置いてるんですけどもそういう大きな川っていうのはないんですね。
ただしそういう豊富な地下水があったと。
というのも平安時代の井戸の遺跡っていうのは何万と京都のとこにありましてねそれが僅か1メートル2メートルぐらいの深さで容易にその新鮮な水が得られたということが分かっておりますので。
その容易に新鮮な水が得られるっていうことがやはり文明が発達する一つの原因やと思っております。
市内に残る井戸の跡
絶世の美女とうたわれた常盤御前は化粧に用いそして源義経の産湯として使われた京の水
時代と町並みは変われど人々の思いは昔と変わらない
見る者を圧倒する染織美京友禅
かつて水辺の風物詩だった友禅流しは今地下水を使って行われている
京友禅の仕上げ工程蒸しと洗いを手がける工房「広海」
環境への配慮から今は河川での洗いではなく地下水を使って室内で仕上げている
(澁谷さん)染め物っていうのはまあ生き物ですしいい水じゃなかったら色が変わってしまうんです。
死んでしまうんですね。
だからきれいな色を出すためにはきれいな水がないと染められないので京都で友禅が発達したんだと思います。
鉄分とかは染料がくすみますし色もくすみます。
そして年月がたてばだんだんこう色も鮮やかさがなくなりますよね。
井戸水でも京都の水やからいいんです。
はい。
色あせることのない繊細かつ華麗な伝統工芸
人と水が織り成す変わらぬ営み
鴨川の西京都御所の隣に位置する梨木神社
境内にある茶室
(茶を点てる音)
ここで使われるのは京都三名水の一つ染井の水
身と心を清める手水としても使われ1000年以上の昔から今も湧き続ける染井の水
かつて宮中でも使われたというそのまろやかな水は茶の湯にも適しているとされ京の伝統を支え続けている
平安時代からかれることのない京都の地下水
神社の一つの命だと思います。
やっぱり井戸は使わなければかれてしまいますんで。
ここはたまたま神社の敷地に入ったということでずっと使い続けてきたということだからこれからも大事に守っていこうと思っております。
人々の営みを支えてきた京の水
その源は…
関西大学の楠見学長は驚くべき研究結果を発表した
京都盆地の地下にはですねほぼ琵琶湖に匹敵するほどの地下水が蓄えられております。
まあ盆地には大概大なり小なり地下水があるんですけども京都盆地はやはり日本でも非常に大きな盆地ですし天王山と男山っていう深さが約30メートル程度のとこしか出口がないと。
まあたまりやすい構造になっております。
京都は結構地下水との結び付きが非常に強い町ですね。
伝統に彩りを添える命の水
からすことなく守り続けることが京都の美を支えていくことになる
石庭で名高い龍安寺の四季をご紹介します
2014/12/14(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]
「京の水」
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)
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