大阪市立大学の八代正和准教授らは25日、胃がんの新しい治療法を開発し、マウスを使った動物実験で効果を確認したと発表した。特定のたんぱく質を投与することで、がん細胞の増殖を抑え、腫瘍が大きくなるのを防ぐ。共同研究を希望する製薬企業を募り、実用化を進める。
研究グループは、がん細胞の増殖を抑える働きを持つ物質を、がん細胞自身が出していることに注目した。研究用で市販されるたんぱく質を与えれば、この物質がたくさん出るようになり、がんの増殖を抑えられるとみて研究を進めた。
人の胃がん細胞をマウスに移植して腫瘍の変化を調べた。通常のマウスは2週間後には腫瘍の大きさが約3倍になったのに対し、たんぱく質を投与したマウスの腫瘍は大きくならなかった。実験では出血などの副作用は観察されなかった。今後、大きな動物でも実験を進めて実用化を目指す。
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