おはようございます。
柳家権太楼でございます。
本日の「演芸図鑑」でございますがよろしくお願い致します。
このごろ私ぐらいの年代の人たちで集まった時に電車の中でもって席を譲ってくれるという…。
ちょいと前まではね「いいですよ」なんて事言ってたんですけどねこのごろは「そう?ありがとう」なんて事言ってね座らせてもらうんですけどもそれよりもねショックなのは座るとね隣の人が席を立っちゃうというのが…。
どういうふうな…私が出してるオーラなんでしょうかね。
別に私隣の人にね何か悪い事しないんですけどそういう愚痴から言っちゃいけませんね。
本日の演芸でございます。
出演でございますけれども東京漫才でございましてホームランさん。
そして落語の方はと申しますと私の兄弟子でございまして六代目の柳家小さんを襲名致しましてもう今や貫禄十分でございますけれども柳家小さん師匠でございます。
本日は「初天神」です。
(拍手)ようこそいらっしゃいましてありがとうございます。
本当にようこそいらっしゃいました。
心から言いますよ。
本当にようこそいらっしゃいました。
本当に伝わりますね。
うれしい。
漫才のホームランと申します。
やっぱ僕らも頑張ってますから皆さんも頑張りましょうね。
お互いにね。
そういうもんなんですよ。
私事ではありますけどね今年もう随分過ぎましたけども今年はいろんな事あったんですよ本当の話。
お正月お正月。
ああお正月。
お正月ね我々寄席の方に出させて頂きまして。
2か所出た。
これうれしかったんですよ。
浅草の寄席と上野の寄席に出れた。
出させて頂いた。
浅草5日間上野10日間出れたんですよ。
うれしかったですね。
うれしかったですよ。
浅草なんか出番なんていうのはね9時40分ですよ。
(2人)朝の。
(笑い)9時からもう寄席はやってるんですよ。
お客さんがいると思います?いっぱいいるんですよこれが。
いや本当にそうなんですよ。
びっくりしましたね。
びっくりしたね。
それでいい正月だっていうので1月の2日の晩ごはんですよ。
いい正月だってごはん食べながらお酒飲んでたんですよ。
したらば前歯の上の差し歯が1本取れたんですよ。
そうそう一番目立つとこ。
これは驚きましたね。
さっき言いましたねお正月でしょ病院やってないんですよ。
歯医者さん休みだ。
寄席はやってるんですよ。
だからすきっ歯のまんま「いらっしゃいませ」とかやってた。
何日かしまして入れましてね普通に戻りましたよ。
それで忘れもしません2月の1日土曜日ですよ。
これ池袋の方の寄席の10日間の初日の。
これは一番大事な日ですよ。
そうそうそう。
その時に舞台でしゃべってる最中ですよ。
しゃべってる最中に同じ差し歯がまた取れたんですよ。
ええっ?それもね…。
飛んだんですしゃべってるから。
それをですね…。
キャッチしたんです私は。
お客様から「お見事!」って声が…。
太神楽じゃないんですから。
そんなすばらしいもんじゃないんですよ我々は。
さっき言ったように2月1日は土曜日です。
土日病院やってないんですよ。
歯医者さん休みだ。
寄席はやってるんですよこれが。
(笑い)5月のゴールデンウイーク。
あっまだあるか。
これ上野の寄席に10日間出れたんです。
またやっぱりお客様いっぱいでございましたからやっぱりうれしいうれしいってまたお酒飲んでました。
5月の2日の晩ごはん食べてました。
したらばまたですよ。
また同じ差し歯が取れたんですよ。
本当にそうなんですよ。
したらば今年のカレンダー5月3456とねゴールデンウイークの後半の連休なんです。
4連続でしたね。
病院やってないんですよこれが。
歯医者さん休みだ。
寄席はやってるんですよこれが。
(笑い)話変わりますけど…。
話変わっちゃうのか。
オリンピック来ますねオリンピック。
あ〜そうだ。
2020年。
東京にオリンピック来ますよ。
6年後ですよ6年後。
6年後ですって皆さん。
6年後ですよ。
大丈夫ですか?いやいやお前が大丈夫かだよ。
俺が心配だから聞いてんじゃないか!この年齢になりますとね6年前ったらちょっと前ですよ。
「えっ?あれ6年前ですか?」という感じですよ。
これがね6年後というとね「う〜んどうかな…」という年齢になっちゃいましたね。
それぐらい1年が早いですね。
早いな。
明けましておめでとうございます。
今年の夏は暑いですね。
明けましておめでとうございます。
これぐらい早いですもんね。
そんなに早くはない。
早く感じるんだよ。
1年は早い。
そのかわり1日は長いですね。
今日なんか私3時に起きました。
えっ?これに出れるっていうんでね緊張して。
3時ですよ。
だからはっきり言いますわ。
今が一番眠いんですよ。
(笑い)何だよそれは。
オリンピックね昭和39年が1回目の東京オリンピックでしたけども。
今日お見えのお客様若いからいらっしゃらないとは思います。
私ら地方出身なんですね。
広島県と静岡県。
今日恐らくお客様はスタッフの方もそうですけど東京のお生まれの方が…ちょっと聞きますよ。
アンケート。
昭和39年の東京オリンピック生で見た方いらっしゃいます?生で見た方いらっしゃいます?よく聞くんですよ寄席でも。
いらっしゃいませんか?生で見た方いらっしゃいます?いらっしゃいませんか?皆さんやっぱり若いから。
あるいは皆さんも地方の方?いやいやいや!よく聞くんですよ寄席で。
あのね開会式閉会式やっぱ多いです。
国立競技場ですよ。
国立競技場で。
思わずね「ご苦労さまです」って。
何が「ご苦労さまです」だよ。
違うよ!世界で東京の国立競技場そこしか開会式やってないんだよ。
それを目の前で見たんだよ。
「ご苦労さまです」じゃないよ。
そういう時は「よろしかったですね」じゃねえか。
「ご苦労さまですね」って言い方は元来刑務所から出てきた人間に対して…。
「ご苦労さまです!こちら車用意しましたから。
どけどけコラ〜!」。
こういうふうにやるんだよ。
いい演技だね。
演技じゃないよ何言って…。
(2人)演技だよ!今は演技でしょ!演技だよ演技だよ。
びっくりしたよ。
歌も覚えていらっしゃいます?三波春夫さんが歌われた。
「東京五輪音頭」。
あれ景気よかったでしょ。
・「ハアー」・「あの日ローマでながめた月が」・「きょうは都の空照らす」
(手拍子)・「四年たったらまた会いましょと」・「かたい約束夢じゃない」・「ヨイショコーリャ夢じゃない」・「オリンピックの顔と顔」・「ソレトトントトトント顔と顔」
(拍手)あ〜つまんねえ。
つまんない?何で?何なんだバカヤロー!お前は。
俺は汗かいて一生懸命声からせて歌ってんのにお客さんの目線全部お前じゃねえか!カメラさんまでお前ワンショットだ!バカタレ!申し訳ない。
何なんだお前は!でもね考えたら三波春夫さんの息子さんで三波豊和さん。
この方お芝居もお上手ですけど歌もうまいんですよ。
もしかしたら6年後にね「東京五輪音頭パート2」なんて歌うかもしれないですよ。
だから皆さんも6年後頑張って歌うかどうか確認しましょうよ。
今度は皆さんも競技場行って競技見ましょうオリンピック。
頑張って見ましょうよ。
見ましょう!…という話は6年間できるんですねこれが。
おいしいんですよ。
だからねもしどこかでお会いしてねオリンピックの話が始まったなと思ったら全部同じ話ですからね。
初めて聞くような顔で聞いて下さいよ。
それでもってねさっきみたいに聞きますから「何か見ましたか?」って聞くから若い方参加して下さいよ。
そうですよね。
若い方はぴゅっと手を挙げてね「はい私は女子のソフトボール見ました」とか答えて下さい。
私答えますから。
「その時にはまだ競技に入ってませんよ」とか言いますからね。
うまいね。
一緒になってネタを作りましょうよ。
はっきり言いましょうか。
もういっぱいいっぱいなんですよ。
(2人)ハハハハハハハ!さいなら。
(拍手)
(出囃子)
(出囃子)
(拍手)
(拍手)どうもありがとうございまして六代目柳家小さんでございます。
どうぞしばらくの間おつきあいを願っておきますがお子さんというものはね親の染めようによってどんな色にも染まるというのがこれがお子さんだそうでございまして…。
「お前さんどこ行くの?」。
「どこ行くったってちょいと天神様お参りに」。
「あらそいじゃあさうちの金坊も連れてって」。
「やだやだやだやだ。
いやいや1人で行くんだ俺は」。
「そんな事言わないでいいじゃないの金坊連れて」。
「嫌なんだよ俺はよ。
何てったってあの野郎と行くとあれ買ってくれ何買ってくれってうるさくてしょうがないんだ。
俺は1人で行くんだよ」。
「そんな事言わないで。
いいじゃないかいお前さんの子どもなんだから」。
「嫌なんだよ。
俺の子どもだって嫌なの」。
「どうしてそういう事を言うの。
連れてってよ。
ねっ?私だって置いてかれると困るんだからさ。
連れてって。
あ〜金坊金坊金坊!お父っつぁんね天神様お参りに行くんだよ。
一緒に行っといで」。
「うわ〜お父っつぁん!アタイ天神様お参りに行くの!」。
「いいんだいいんだいいんだ。
お前はついてこなくていいんだ。
今日はお父っつぁん1人で行くんだから」。
「そんな事言わないでさお父っつぁんアタイも行きたいよ。
天神様お参りにさお父っつぁん行く行く天神様お参りに」。
「いいんだよ今日はお父っつぁん1人で行くの」。
「そんな事言わないでさお前さんさ連れてってあげなよ」。
「いいんだよお前まで。
俺は1人で行くの」。
「そんな事言わないで連れてって連れてってお父っつぁん!」。
「お前さん連れてってあげな」。
「お父っつぁん連れてって」。
「うるさいなお前たちは…。
どうしてそういう事だけ気が合うんだよ。
分かった分かった。
連れてってやるよ。
そのかわりな今日はなあれ買ってくれ何買ってくれったってお父っつぁん何にも買わねえからな。
それでいいか?それでよかったらお父っつぁん連れてってやる」。
「うんうん大丈夫大丈夫!大丈夫だよ!お父っつぁんあれ買ってくれとか何買ってくれってアタイ絶対言わないから大丈夫!大丈夫だよお父っつぁん。
本当に大丈夫。
これお父っつぁん男と男の約束だから」。
「当てにならねえんだよそれが。
じゃあ連れてってやるから」。
「ウハハハハ!やっぱりいいねお父っつぁん天神様はいいね。
いっぱい人が出てんねお父っつぁん」。
「そうだな。
やっぱり天神様は御利益があるんだろ」。
「ウフフ!ねえお父っつぁん」。
「ん?何だよ?」。
「あのさアタイはさ今日はあれだろ何買ってくれとかかに買ってくれって何にもまだ言ってないね」。
「ああ言ってねえな」。
「ねえお父っつぁんアタイさいい子だよな?」。
「ああいい子だいい子だ。
それならお父っつぁんいつだって連れてきてやるんだよ」。
「ウフフフ!ねえ私あれ買ってくれ何買ってくれって言わなくていい子だよね?」。
「ああいい子だな」。
「本当にいい子だろ?」。
「ああいい子だ」。
「あのさお父っつぁんさいい子のご褒美に何か買って」。
(笑い)「この野郎始まりやがったな全く。
お父っつぁん買わねえって言ったろ」。
「そんな事言わねえでお父っつぁん買ってくれ。
そこに飴屋が出てるってんでお父っつぁん飴買ってくれよ」。
「えっ?買わないよ」。
「いいじゃねえかお父っつぁん。
飴だよ飴。
飴一つだよ買ってくれよ」。
「お父っつぁんはな買わねえって言ったんだから買わねえ」。
「何だよお父っつぁんそんな事言わないで飴買って飴買って飴買ってよお父っつぁん!ねえ一つだよお父っつぁん一つだよ。
何だよお父っつぁんさかわいい我が子が飴買ってくれって言ってんじゃないかよ〜。
一つなんだよお父っつぁん!100個も200個も買ってくれって言ってんじゃないんだよ。
お父っつぁん買って買って買って買って飴買って飴買って!」。
「うるさいなもう!これだから俺はお前を連れてくんのは嫌だったんだよ。
お前何つったんだよ?何も買わねえ男と男の約束ってそう言ったろうよ」。
「うんうんそうなんだよそうなんだよ。
だから飴を買ってもらったそのあとが男と男の約束で」。
「何言ってやがんだ。
分かった分かった分かったよ。
飴屋こんなとこ店出しやがって全く…。
いくらだ?飴!その一つよ」。
「へえ一つね1円でございまして」。
「1円だ?何だよこのごろ飴も随分高くなったんじゃねえか。
一つ1円か…飴屋」。
「へえ何でしょう?」。
「その一つ1円って飴はよ一ついくらなんだよ?」。
「何か訳の分からない事言わないで下さいよ。
だから一つ1円なんです」。
「分かった分かった。
今お父っつぁんが取ってやるよ。
ほらほら。
えっ?何だよ?『赤い色は嫌だ。
女の子みたいで』?バカだなお前は。
色なんかどうだっていいんだ。
何だよ赤だって何だって…。
どうだ?えっ?この黄色。
えっ?『黄色も嫌だ』?バカだなお前は。
これ色なんか同じなんだよ何だって。
味なんか変わんねえんだから。
じゃあこれどうだ?このハッカ。
えっ?『ハッカはスースーするから嫌だ』?うるさいねお前」。
「ちょっとちょっと!お客さんいちいち指なめるのやめて下さいよ。
坊ちゃんどれ?あっこれですか。
じゃあね口開けて」。
「飴が…」。
「うるさいなお前は。
そんな上向いて何か言ってるんじゃねえんだよ。
お前飴を歯にあてるんじゃないよ飴を歯にあてるんじゃないよ。
飴を歯にあてるってえと虫歯になって毒だから」。
「飴を歯にあてると虫歯になって毒だって言うけど本当はお父っつぁんそうじゃないんだよ。
飴をね歯にあてるとねすぐ無くなっちゃうからそういう事を言って…」。
「お前はぐずぐずぐずぐず言ってんじゃないよ。
そんななって上向いて歩いてんじゃないよ。
危ない危ない。
そこの下に水たまり…。
下に水たまりがあるだろ!」。
「ウエエエ〜ン!つまんねえ事言ってる!下に水たまりがある下に水たまりがあるって当たり前じゃねえか。
上に水たまりがあったら世の中逆さまだ」。
「つまんねえ事言ってやがんなこいつは。
ちょっと何か殴られたぐらいでよそんなんなっていつまでもピーピーピーピー泣いてんじゃねえや」。
「何言ってんでえ。
殴られたから泣くんじゃねえや。
お父っつぁん殴った拍子に飴落っことしちゃった…」。
「飴落っことした?おい冗談じゃないよ。
うかつに殴れねえな。
どこだいどこだいどこだい?飴どこへ落としたんだよ?えっ?何が?うん腹ん中?何言ってやがんだ。
食っちゃったんじゃねえかよ」。
「ねえお父っつぁんお父っつぁんねえお父っつぁん!」。
「ああもういい。
もうお前と話ししない。
おめえと話しするともう銭が出てくばかりだからもう話ししない」。
「そんな事言わないで。
お父っつぁんお父っつぁん!」。
「うるせえな。
何だよ?」。
「ねえお父っつぁんたこ買っとくれよたこ!」。
「何だ?たこだ?そうか。
たこ買って何だ?一杯飲むのか?」。
「そうじゃないよ。
お父っつぁん揚げるたこだよ。
お父っつぁんたこ買っとくれよ」。
「何言ってやがんだい全く。
いいよたこなんか買ったってしょうがねえだろ」。
「そんな事言わないでさねえたこ買っとくれよ。
ねえたこ買ってお父っつぁんお父っつぁんたこ!」。
「お前言ったろ?男と男の約束で何にも買わない」。
「いいじゃないかいお父っつぁんたこ買ってくれよ。
一つでいいんだよお父っつぁんさかわいい我が子が頼んでんだよ。
お父っつぁん!100個も200個も買ってくれってんじゃねえんだ。
たこ買ってたこ買ってたこ買って…」。
「うるさいねおめえは。
買わねえってそう言ってんだろ」。
「だってさお父っつぁんさアタイたこ揚げた事ないんだよ」。
「えっ?そうか。
おめえたこ揚げた事ねえのか。
それ知らなかった。
お父っつぁん買ってやろう。
おうおうすまねえんだけどもねそこの一番小せえたこ」。
「お父っつぁんお父っつぁん大きいのがいい」。
「何言ってんだ大きいのったっておめえ初めて揚げるんだろ?そんな大きいのが揚がる訳ねえじゃねえか」。
「お父っつぁんさその大きいの大きいの買っとくれよ」。
「坊ちゃん坊ちゃん。
大きい方がいいですよ大きい方が。
もしお父っつぁんがね買ってくんないったらねその辺のね水たまりでも何でも座り込んで…」。
「この野郎!つまんねえ事教えんじゃないよ。
小さいのでいいんだ小さいので。
全部糸もうなりもつけて。
ほらほら持ってけ持ってけ」。
「フフフフ!お父っつぁんこれどっかで揚げよう!ねえお父っつぁんどっかで揚げよう!」。
「え〜?どっかで揚げようったってなこの辺揚げるとこ…あっ!この裏行きゃあな確か空き地があった。
そこ行ってみるか。
お〜ここならいいだろう」。
「うわ〜!お父っつぁんそれどうすんの?どうすんの?」。
「いいからそのままずっとずっとずっと。
よしよし。
いいからもっともっと。
もう少しこっち」。
「どっち?こっちこっち?こっち?どっち?」。
「どっちって…こっちだって言ってんだろうよ」。
「どっち?こっち?こっち?こっち?」。
「あっ痛い!痛い!何だよ…。
何だってたこでもっておじさんつつくんだよ全く!たこ…破いてやるから!」。
「う…お父っつぁんこのおじさんたこ破いちゃうって」。
「全くしょうがねえな酔っ払いにぶつかって。
あっどうも相すいません。
それうちのせがれなんですよ。
そそっかしいもんでね相すいません。
おじさん酔っ払ってんだから謝りな謝りな。
全く…泣くんじゃないよ。
お父っつぁんがついてんだから。
分からねえ野郎だ。
こっちだって言ってんじゃねえか!」。
「この野郎!何だ?おめえたちは親子で俺を突き飛ばすのか?」。
「あら〜今度はお父っつぁんがやられてるよ。
どうもすいません。
それうちのおやじなんです。
そそっかしいもんでねお父っつぁんほら謝まんな。
泣くんじゃないよアタイがついてる」。
「何を言ってやがんだ全く。
いいか?イチニのサンだぞ。
イチニのサンと!よ〜しよ〜しよ〜し!ほらほら!ほ〜ら風乗った風乗った!い〜よ〜。
どうだどうだどうだどうだ?エヘヘお父っつぁん子どもん時からなたこだけは揚げるのうまかったんだよ。
もっと糸買ってくりゃよかった」。
「お父っつぁんお父っつぁんねえお父っつぁんお父っつぁんアタイにやらせてアタイにやらせて!」。
「待て待て待て待て。
い〜よ〜!」。
「お父っつぁんお父っつぁんお父っつぁんお父っつぁん!アタイにやらせてアタイにやらせて!お父っつぁんアタイにやらせて!」。
「うるさいな!こんなものは子どものやるもんじゃねんだ!」。
「何だよ〜!そんならお父っつぁんなんか連れてくんじゃなかった」。
(笑い)
(拍手)本日のスペシャルゲストでございましてまずはちょいとこの猫ちゃんの写真を見て頂きたいと思うんですけどこの猫ちゃんと十何年間の間放浪の旅をしたという訳でございましてお分かりにならなかったらばもう一回やってみましょうかね。
こういうふうな感じでもって世間様に登場しているという訳でございますけどね。
ちょいとちょいとやりましょう。
こういう形でね。
こういう形でございます。
こういうふうな形でございまして。
特別ゲストでございます。
私大ファンなんでございます。
吉田類さんでございます。
どうぞお入り下さいませ。
どうもこんにちはお邪魔します。
何となく雰囲気がちょっと急に変わった感じですけど…。
どうぞお座り下さい。
足投げ出しちゃって下さい。
お茶でも飲んで下さいませ。
ちょいと…ちょっと取らせて頂きます私。
でもハンチングお似合いですよ。
いや〜似合わないです私。
どっちかって言うとニット帽の方が。
あっそうですか。
この…。
これからしという僕の飼ってた猫なんですけど子どもの頃ですね酔っ払っていつの間にかポケットに入れてたんですね。
朝起きたらこの辺でミャーミャー鳴くんで見たら…。
本当は飼っちゃいけないマンションだったんですけど普通に持って帰りましてちっちゃかったんで全然離れる事ができなかったんですよ。
そのままず〜っと一緒だったんですね。
一応17年。
17年も!生きましたが旅に一緒に出たのは十数年ですね。
だからもう片ときも離れなかったんで猫のためだけに生きてたような時代がありまして…。
もう一つ実の事を言ってねお写真がございましてねこれでございますけどね。
これは僕が登山家といいますか登山ずっとやってた時の写真でしてこの上に乗っかっているのがこのからしという…。
そうなの。
この上にちょこっと乗っかっているんですよね。
いろんなとこへそういうふうな旅をしながらという事をしてたんですか?このからしと一緒に?そうです延々と旅。
それでこの猫ちゃんですけど寿命ですから…。
そうですね17年ですね。
どうなすったんですか?亡くなっちゃった時。
亡くなった時はもう5年間は立ち上がれませんでしたね。
やっぱり。
身内ですからね。
家族ですから。
もう全然変わらないですね。
僕が人生の中で一番長く生きた生き物が猫だった。
一緒にいたの。
母親よりも長いですかね。
心に大きな穴が開きますよね。
そうするとそれを埋めるのはやっぱり旅という事なんですね。
でも旅は絶えず出会いと別れ出会いと別れですからまあ次から次へと旅を通すしかないってそんな感じだったんですねそんな人生だったんですね。
私なんかはいつもねテレビでもって見させて頂いてるのはただ単に酔っ払ってるおじさんというね吉田類というイメージがあったんでございますけどもあっいるよこういうおじさんという雰囲気が類さんの中にあるじゃないですか。
オーラがすごいですね。
だからみんなああこの人なら許せるという。
そういう事だったらすごいありがたいと思いますね。
僕最後が好きなの。
舌が回ってなかったり…。
そうそうろれつ回らない。
千鳥足になってねちょっと腕をこうやって組んでね次を見せようというふうな形で本当にこの人は行っちゃうんじゃないかという…。
実は行っておりますね。
そうですか。
多い時はね何軒行ったか覚えてないぐらい行ってますんで。
勢いついちゃうんですよね。
そうなんですか。
だからね本当に勢いついた時に何軒行ったかって14軒回ってましたからね。
はしご酒だ。
本質的にはしご酒なんですか?そうです。
1軒じゃとどまらない?とどまらないですね。
ただ本業は物書きなのでその間にやってるという感じですかね。
私もよく行くんですけどもそういういい店。
いい店はですね表に立てばもう分かりますね。
だからそれはもう経験としか言いようがないでしょうけどやっぱり読めてくるというか感じてきますね。
だからまあ忙しいんですよねそういういい店というのは。
必ず厨房も人の回転も多いから気温が高いと思いますね2〜3度は。
2〜3度いくかどうか分かりませんけど2度ぐらいは周りよりは高い。
それが外から見るとね一種揺らぎのように見えるんでないかなと。
勝手に思ってるんですけど。
それが酒飲みの独特の感覚なんですね。
そうですね。
それを一応酒場オーラというふうに呼んでます。
生まれ育った所がそういう酒の場所なんですか?そうなんですよ高知県の…。
土佐ですよね。
もう子どもの頃から産湯とまでは言いませんがそれに近いような…。
神祭という氏神様のお祭りがあるんですけどねそのお祭りの時には子どももやっぱりちょっとにおいを嗅ぐ。
お神酒という形で?そうお神酒なんで。
それで二日酔いで来なかった小学生もいましたけど…。
「土佐のいごっそ黒潮育ち」というのがありますもんね。
今やもう土佐といったらば坂本龍馬か吉田類といわれるぐらい…。
そうかもしれませんが…。
そうでしょ?これ別にヨイショで言ってる訳じゃなくて本当にそうじゃないですか。
そうですか。
大抵の土佐の人たちの居酒屋というのは陽気に飲ませますね。
それでお薦め推しますね。
そうですね。
多分自由民権運動の発祥の地なので恐らくそのせいでお酒の席ではみんな平等だという。
「酒は人の上に人を造らず」というね。
「人の下に人を造らず」という冗談を言ってましたら福沢諭吉の時代より前のですね色町のお座敷の歌の中にですね入ってんですよそれが。
そういうふうに。
福沢諭吉はそれを見てから?どっちが先か分かりませんが芸者さんからそれを教わったんですね。
新しい発見というかちょっとびっくりしましたけどね。
私ねずっと東京生まれでもって大学まで行っちゃった人間だから噺家の先輩たちが言ってるようなモツを食いながら煮込みを食いながらねカウンターでもってこうやってやってるというのがちょっと恐ろしかったんですけどもね独特の雰囲気が…あれはあれなりの酒場?そうですね大衆酒場ですね。
赤提灯。
ええ赤提灯もありまして。
東京の場合は独特でして…。
独特なんですか?大衆酒場のあの作りコの字型の作り。
あれ自体が全国にあった訳ではなくてやっぱり東京独特…戦後の復興期にたくさんの人たちが単身赴任で来ちゃってるんでとにかく食事とそれに合わせるお酒を手早く出すために真ん中の賄い場が広いんですね。
それで皆さんカウンターのとこにずら〜っと座っててどの方も初めての人も顔を合わせられるようになってるんですね。
あの作りは東京独特ですね。
あ〜そうですか。
しかも東京行くと下町に行くと「大衆酒場」というふうに全部書いてありますので。
大塚にねそういう店があるんですよ。
ありますね。
ありますあります。
駅前ですけども。
おかあさんがちょいと和服を着て小粋にやりながら干物だったりくさやだったりを焼いてくれて…。
おいしいんですよね。
くさやね。
いけるでしょ?いけますねあれ日本酒いくらでも飲めますね。
何か…。
行きたくなりますね。
行きたくなってきましたね。
お茶をやめてもらいたいような心持ちが今私の中にふつふつとわいております。
2014/11/23(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
柳家権太楼の演芸図鑑「ホームラン、柳家小さん、吉田類」[字]
落語家・柳家権太楼が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、ホームランの漫才、柳家小さんの落語「初天神」。対談のゲストは吉田類
詳細情報
番組内容
落語家・柳家権太楼が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、ホームランの漫才、柳家小さんの落語「初天神」。対談のゲストは吉田類
出演者
【出演】ホームラン,柳家小さん,吉田類,【ナビゲーター】柳家権太楼
ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他
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