きょうの料理 大原千鶴のシンプル京ごはん「ひとつ鍋でできる ごちそうお煮しめ」 2014.12.16


大原千鶴です。
今日は特別に京都在住のある方をお招きして我が家特製のシンプルおせちを作りたいと思います。
師走は何かと忙しいですけれども皆さんもご一緒にいかがですか?
(テーマ音楽)あっこんにちは。
ようこそ。
こんにちは松尾翠と申します。
よろしくお願いします。
はじめまして。
今年も残り少なくなってきて気ぜわしい季節になりましたね。
年賀状も作らなきゃいけない。
大掃除の事も考えなきゃ。
でも大事なおせちさあどうしようというところで悩むんですよね。
そうですよね。
皆さんきっと頭悩ましてはるのは同じとこやと思います。
買われる方もいらっしゃいますがやっぱりおせち手作りすると気持ちもお正月らしくなりますしいいですよ。
手作りで作りたいなと思いながら子育てをしながらどれぐらいできるかなって…。
先生。
そうそうそう。
悩ましいと思いますが大丈夫です。
できます。
大丈夫ですか?今からでも大丈夫。
ほんとにパッとひと鍋でできるようなシンプルなおせちをご紹介したいと思いますし。
でもそうかっていって簡単だけれども地味じゃなくて十分華やかさがあってお正月らしいものを作っていきたいと思いますので今日はまた頑張りましょう。
(2人)よろしくお願いします。
今回はふだんのおかずとしてはもちろんおせちとしても重宝する3品です。
まずは…鶏肉と野菜をたっぷりの煮汁で煮込んだ豪華なお煮しめです。
飾り切りした野菜でお正月らしさを演出しています。
続いては…生のたらこを芯にして卵を巻きました。
赤いたらこと黄色の卵が目にも鮮やかでおせちが一層華やかになります。
そして箸休めにもなる…せん切りの大根とにんじんにグレープフルーツとくるみを加え甘酢であえました。
サッパリした酸味にくるみのコクがアクセントをつけます。
出来上がったお料理を重箱に詰めると見た目も豪華なおせちで新年を迎えられますよ。
大原さんまず1品目は…?まずは「お煮しめ」からいきたいと思いますね。
お煮しめって材料を炊いて味をしみこませようと思うと一旦冷ました方がいいんですよ。
冷めていく間にものって味がしみこんでいくのでね。
ですから段取りとしましてはお煮しめを作って炊いてそれを冷ましてる間に他の事をすると全部流れがうまい事いくと思います。
お料理は段取りもやっぱり大事ですね。
大事だと思います。
じゃあまず材料ですね。
こちらの方になりますね。
今日は…4つのステップになります。
じゃあまずは…。
切っていきましょうか。
まずれんこんですけどちょっと皮をむいてますね。
れんこんは見通しがいいといいますか向こうがね。
見えますか?あっ見えます見えます。
来年が見えますね。
ハハハハ!来年が見えましたか。
れんこんは縦半分に切り更に1cmの厚さに切ります。
にんじんは厚さ2.5cmの輪切りにし梅の型で抜きます。
これで梅のままでもいいんですがこれを「ねじり梅」っていって包丁目を入れると見た目もすごくおしゃれな感じになるのでそれをやっていきたいと思いますね。
全部5本入ったら斜めにこう三角に切り落とすんですよ。
斜めに入れて…ちょっと下に向けて包丁を。
三角に…中心に向けて三角に落とす感じですよね。
分かりますかね?ほんとこの一手間だけでよそ行きになりますね。
ちょっとかわいいですよね。
うんかわいい。
じゃあ次里芋ですね。
これは「亀甲」っていって亀の甲羅の形に…六方に切りますね。
まず里芋の上下を切り落とし皮を厚めにむいていきます。
六方にむく時は両側をむいてもらってからこうしてむくと六角形の形がとりやすいんですよ。
順番に流すようにむいていくとどうしても六角形になりにくいんです。
難しいです。
難しいこれ。
そうですか?結構簡単に見せかけていつもどおり切るとちっちゃくなっちゃうんですよね。
割と厚めにむいてもらう方がきれいに出来やすいと思いますわ。
ちょっと待って。
もう六角形じゃない。
じゃない?ハハハ!どうしよう!年々六角形になっていくのを見はるのもまたいいん違いますか?あ〜これはもう…。
大丈夫。
アウトですね。
いいですいいです。
うまいうまい。
大丈夫ですよ。
絹さやは下ゆでしたあと両端をV字形に切り取ります。
干ししいたけは水で戻し石突きを落として下さい。
戻し汁は煮汁に入れるので取っておきます。
大原さんお次はどうしましょうか?材料を下ゆでしていきたいと思います。
里芋は水から下ゆでします。
ゆでるとぬめりが出るためれんこんとにんじんは別の鍋でゆでましょう。
れんこんは盛りつけた時に凸凹にならないよう切った時の順に並べて鍋に入れます。
大原さん煮物を作る時はこういう下ゆでって…。
大事ですね。
下ゆでしないとなかなか味が中にしみこまないんですよ。
下ゆでをしておけば実際に味の付いたおだしで炊く時間は非常に短くていいんです。
ゆでるのもかためじゃなくてしっかりちゃんとゆでておいた方が味しみがいいんですよね。
鶏肉は塩こしょうをふり皮を下にしてフライパンで焼いていきます。
もうこの音がおいしそう。
そうねおいしそうね。
焼き色がつけば大丈夫ですしね。
片面だけこのぐらいの色になったら大丈夫ですしこの状態でもう炊くまでおいて頂いたら結構ですね。
火を切っておきましょう。
じゃあ里芋のゆで加減を見ます。
盛りつけた時に目立たない所で一度竹串を刺してみてスッと通ればOKですね。
里芋はゆで上がったら水で洗い表面のぬめりを取ります。
あとから盛りつけしやすいように鍋の中では同じものを固めておきます。
だし汁としいたけの戻し汁を入れたら中火で煮込みます。
沸騰したらアクを取ってみりんを加えます。
5分たったらうす口しょうゆを加え鶏肉を入れます。
鶏肉は皮を上にして野菜の上にのせましょう。
丸ごと入れるんですね!豪快でしょ。
アハハハ!こうして下からはおだしの味が鶏肉を回っていって鶏からは鶏の脂のあるおだしが下に回っていって味がおいしくなるんですよ。
そういう秘密が隠されてるんですね。
少し開けてふたをし弱火で更に10分煮込みます。
10分たったら火を止めて完全にふたをし冷まします。
粗熱がとれている間に味がしみこみます。
そろそろですかね。
そうですね。
粗熱がとれてきたので絹さやを入れていきたいと思いますね。
おいしそう。
うわ〜!おいしそう!絹さやは色を保つために最後に入れ少しおいて味をなじませます。
これでもう完成になるんですか?これで完成なんですけれども鶏がどんなふうになってるか…。
見たいです〜。
切ってる感じがジューシー…うわ〜!おいしそう!しっとりしてますね!そうですね。
めいめい炊くよりも一緒に炊いて鶏も入る事でうまみが全体によく行き渡りますしシンプルなんですけどもごちそう感がすごく出るかなとは思いますね。
これならできそうでしょ?これできそうです!フフフ…。
次はたらこを卵焼きで巻いた「日の出巻き」っていう。
ネーミングもおめでたいですね。
そうですよ。
お正月にぴったりでしょ?ぴったり。
まず主な材料ですね。
卵とたらこだけですね。
シンプルですね今回も。
そして工程の方が…まず卵。
白身を切るように溶きましょう。
溶いたらだしかたくり粉うす口しょうゆを入れて混ぜます。
かたくり粉入れるんですか?そうなんですよ。
卵っておだし入れてそのまま焼くとどうしてもおだしがニューッとにじみ出てくるじゃないですか。
でもかたくり粉を入れるとおだしが卵の中にとまるんです。
じゃあフワーッとしただし巻きが出来るんですね。
ムチッとした食感にもなりますのでおいしいんですよ。
かたくり粉はだしで溶いて入れます。
これをこしていきたいと思います。
ざるで一度ね。
こすんですね。
やっぱりお正月ですし卵液の中に白身がちょっと白く残ったりするのもあんまり格好よくないのでね。
サッとこしてもらいます。
卵焼き器にサラダ油をひき焼いていきます。
かたくり粉が入ってますからいちいちよく混ぜて下さい。
底からね。
沈殿しないように。
卵を流し入れて全体に薄く広げましょう。
表面が柔らかいうちにたらこをのせて卵を端から巻きつけます。
最初は何となくこううまくクルクルクルクルと巻いてこちらの空いた所にまた油を。
油は1回ずつひくんですね。
巻いたら次のを足しまた巻くを繰り返します。
コロコロッと入れまして何となくだ円のような感じになってますよね。
これをおせちに入れる時にきれいな形にしようと思うとまるく仕上げたいんですよ。
でこれを巻きましてそして輪ゴムで留めましてね。
卵がまるくなるようにちょっと形を整えましてこうして立てて冷ますんです。
えっ立てるんですか?卵は冷めている間に形が整うので…。
こうしてまるくして立てておくと割とまるいのが出来やすいんです。
松尾さんも「たらこだし巻き」を作ります。
あっ大きくなってくるとやっぱり切れちゃいますね。
切れてきた切れてきた…あ〜!切れてきた!ハハハハ!じゃあちょっと先生が助け船を出します。
何で切れちゃったんだろ。
少し分厚かったかな。
あ〜そっか。
厚すぎても駄目なんですね。
割れるんですよね今みたいに。
人前でだし巻き巻くのって緊張するでしょ?緊張します!しかも破けたもんだからもう冷や汗。
ハハハハ!無事に2つ出来ましたね。
はい出来ましたね。
でも中どんなんなってるかしら。
気になります〜。
一回切ってみましょうか。
お願いします。
外して…あ〜おいしそう。
あ〜おいしそう!この卵についた巻きすの形もいいですね。
きれいですね。
ちょっと手間がかかった感じがしますよね。
うわ〜!かわいい!きれい!あ〜いいですね〜。
たらこの生の食感っていうのが味わえますしうまみもそこにたっぷり入ってますのでそういうところも味わって頂いたらいいと思います。
今すぐ食べたいです。
アハハハ!色がきれいだからかわいいと思います。
今日はお正月を彩る小道具をご紹介したいと思います。
なにかと物入りなこの時期手近にあるものでお正月らしい演出をしてみましょう。
用意するのは…まずはこちら。
ちょっとした松のお飾りなんですけれども実は…内側はデザートなんかの入っていたプラスチックのカップなんです。
そちらの方のまわりにお懐紙を巻きつけまして水引を結びます。
こちらの方にこのように松を入れて頂きます。
お玄関やテーブルの上などちょっとしたお飾りにとっても便利なんですよ。
続いては祝い箸を入れる箸袋です。
懐紙を半分に折ったあともう一度折り筒状にします。
片方の端を内側へ折り曲げたら出来上がり。
「寿」の文字や家族の名前を書いて使いましょう。
お客様が大勢見えた時重宝しますよ。
最後は重箱を飾る紙です。
半紙を半分に折り色のついたマスキングテープを半紙より長く貼ります。
重箱に貼る時に持ちやすいようテープの端を折っておきます。
はんこなどでお正月らしさを出しましょう。
テープで重箱に貼ると完成です。
身近にあるものをちょっと工夫してお正月を演出すると新年を迎える気分が一層高まりますよ。
次は…まず材料ですね。
グレープフルーツとくるみを入れて爽やかさとコクを加えたいと思います。
2つが珍しいですね。
そうですね。
とってもサッパリしておいしいんですよ。
へえ〜。
2つの工程だけになりますのであっという間に出来ます。
まずはくるみを粗く刻みます。
煎ったものを使うとより香ばしさが引き立ちます。
にんじんは薄く切ってからずらして並べせん切りにします。
厚いとこやら薄いとこがあるとすごく切りにくいですけどねこうしてスライドさせていくと順番に切っていけば同じ調子で全部切れますのでね。
これをせん切りした大根と合わせます。
なますを作る時のコツは大体お大根が5〜6ぐらいの分量に対して…目分量でですよ。
大体それに対して1ぐらいだからこんなぐらい。
そんなぐらいにしとくと大体きれいに出来ると思います。
塩を加えて混ぜ合わせしんなりするまでもんでいきます。
しばらくおいてなじんできたら水をひたひたに入れて余分な塩を洗い流して下さい。
手で絞って水けをきりましょう。
じゃあもう絞れたので甘酢であえていきましょうかね。
甘酢の材料砂糖と酢塩を入れて味をなじませます。
食べやすい大きさにしたグレープフルーツと先ほど刻んだくるみを入れてあえると完成です。
はいこれ混ぜてしまいます。
はいおいしそう。
爽やかね。
おいしそう!グレープフルーツが入るだけでちょっと見た目の豪華さが違いますね。
お味の上でもグレープフルーツのあっさりしたお味とそれからくるみのコクと奥行きのある香ばしい味がとても合うと思います。
さあ料理が全てそろいました。
あっという間でしたね。
はい。
出来ましたので出来た料理をお正月らしく美しく盛りつけていきましょう。
盛りつけは大事ですね。
はい大事です。
重箱に経木を敷き更に裏白を載せます。
汁けの多いなますは器に入れて盛りつけましょう。
これをどこに置くんでしょうか?一番ポイントになる所ですので大体真ん中に置くつもりで今日盛りつけてみましたね。
お煮しめは味が移らないように紙タオルで余分な汁を取ってから盛って下さい。
盛りつける時っていうのはこの高さお重の高さを指なんかで測って頂くと…。
この高さは大体私の第2関節のこの辺までになるわけですからそれよりも少し低く2/3〜1/4ぐらいの高さに食べ物がくるといいますか盛りつけたものがくるとやっぱりきれいに見えるんですよ。
これはちょっと…少し大きいかな。
だからこれは半分に切って盛りつけましょうというふうに思うわけなんですね。
なるほど。
そしてこちらの方に盛りつけていきましょうかね。
切った口を上にしとけばきれいですか?自分が見た時にきれいになる面をお客様に見えるようにするとすごくきれいに仕上がりやすいですね。
だし巻きは切り口が乾燥するので盛りつける直前に切りましょう。
高さのバランスもいいですね。
ばっちり合ってると思いますね。
これも高さを出して縦なんですね。
縦にちょっと入れますと少し青みが出るかと思います。
おしゃれになりますね。
はい!いかがでしょう。
完成でございま〜す。
(拍手)私も初めてのおせちを盛りつけたいんですけれどまだ家におせちのお重がなくて。
あ〜そうですか。
今年どんな感じのを買おうかなと悩んでるんですよね。
お重にお詰めになるのもいいんですけどそんな方のために…。
ジャジャーンと。
あっ大きいお皿!そうそう。
こういう大きいお皿に盛りつけて頂くのもすてきなんじゃないかなと思って。
オードブルみたいでね。
すてき!これありですか?ありですありです。
大皿の場合は裏白だけを敷きなますは重箱同様器に入れて盛りつけます。
お皿の場合は高さはどうやってそろえたらいいんですか?今この器がありますよね。
流れるように。
これがこうくると不自然な感じになって奥が高い方がきれいに出来ますのでね。
大皿では具材同士をうまく重ねて高さを出していきます。
あらかわいい。
いいじゃないですか。
これも斜めにちょっと置いて。
だし巻きはこのように2段に積んで高くしました。
とうがらしやゆずなどを添えると一層彩り豊かに仕上がります。
こうしてのせるとね華やかな感じになりますよね。
ちょっとこういうものが使えますよって思っとくとまた…。
なるほど。
いいんじゃないですかこんな感じでね。
見て頂きましょう皆さんにね。
こんな感じに完成しました〜。
お重がなくても十分に楽しめますね。
いいと思います。
これはおすすめです。
(2人)出来ましたね〜。
達成感ですもう。
アハハハよかったです。
頑張って下さっていいのが出来ましたね。
こうやって入れ物を並べてみるとかなり見た目も変わりますね。
違うお料理に見えるぐらい違いますよね。
いつものお重ももちろんすてきですしこうやって大きいお皿に盛ると華やかで。
いいですねもうこれでばっちり。
いつお正月が来ても怖くないですね。
そうですね。
早くに準備が出来てしまいました。
はいそうですね。
でもやっぱりおせち料理ってちょっとハードルが高いかなって思っていたんですけれどよく思い返してみるとふだんのスーパーで手に入る食材で出来ますし手順もそんなになかったですし。
そうですね簡単だと思いますよ。
これは作らないと損ですね。
そうですね。
この番組ご覧になってからでも十分間に合って作って頂けるものばかりですので是非皆さんに挑戦して頂きたいと思います。
今日はほんとにありがとうございました。
今回のレシピは「きょうの料理」テキスト12月号にも載っています。

(テーマ音楽)2014/12/16(火) 11:00〜11:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 大原千鶴のシンプル京ごはん「ひとつ鍋でできる ごちそうお煮しめ」[字]

料理研究家として大忙しの大原千鶴さんが作る「シンプルでも美味で美しい」旬のレシピ。12月は「お節」になる「お煮しめ」「たらこだし巻き」「くるみ入りなます」。

詳細情報
番組内容
料理研究家として大忙しの大原千鶴さんが、夫と二男一女の家族に作る「食材と手順をシンプルに、素材の持ち味をストレートに、美しく、おいしく、楽しい」旬の食材レシピ。12月は「お節」になる「ごちそうお煮しめ」「たらこだし巻き」「くるみ入りなます」を、京都在住で子育て中のフリーアナウンサー・松尾翠さんが習う。美しいお重の詰め方、お重が無くても「お節」を楽しめる「大皿盛り」も教わる。
出演者
【ゲスト】松尾翠,【講師】料理研究家…大原千鶴,【語り】一柳亜矢子

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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