NHK高校講座 生物基礎「生態系における植物の役割」 2014.12.16


風が吹くと桶屋が儲かる。
(アリスウサギ)もう訳分かんない。
楽しくて役に立つ「生物基礎」の世界へようこそ。
私たちの身の回りには多様な生物が生息している。
その中で植物はどのような役割を果たしているのだろうか。
今日のテーマは…こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく「生物基礎」を勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
アシスタントの東京アヴァンギャルド丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森のイケメンミドリ君です。
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿はミドリムシ。
綾マルですよろしくお願いします。
あ…よろしくお願いします。
さあ今日のテーマは…「生態系における植物の役割」ですか…。
このテーマもうひとつピンと来ないっていうかよく分からないっていうか。
ねえ。
うん。
ではまず生態系という言葉じゃがどんな意味だか知っておるかな?生態系ですか。
う〜ん…生物に関係がありそうだけどどんな意味かっていうと…。
よく分かりません。
はい。
うん…。
分かったような。
でもまだピンと来ないような。
それでは今日はじっくりとその生態系の話をしようかのう。
丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン。
(丸)「生態系それは命のつながり」ですか。
はい。
今日はその生態系について特に植物にスポットを当てて考えていきたいと思います。
ではこちらを見て下さい。
(丸マルタ)はい。
自然の中に丸君とマルタさんがいますよね。
ここで2人がいるこの環境の要素を2つに分ける事にしましょう。
まず1つ目は…この生物的環境というのはある生物に影響を与えるほかの生物の事です。
この図でいうと例えばカエルはこの昆虫を食べますがこのヘビには食べられてしまいますよね。
(丸)ああ確かにカエルにとって昆虫やヘビの存在は大きいですよね。
そうですよね。
そしてもう一つは…これは……などの事です。
つまり今この絵に描かれた環境ではカエルやヘビ昆虫などの生物的環境と水や空気などの非生物的環境が互いに関係して一つの生態系をつくっているといえるんです。
お〜生態系だいぶ分かってきたぞ。
うん。
さてこんな水槽を用意しました。
これも一つの生態系なんです。
へぇ〜。
こんなに小さくても一つの生態系ですか。
はい。
この水槽の中にもさまざまな生物がいますよね。
はい。
はい。
では2人に質問です。
この水槽の中の生物たちを支えているものつまり…
(マルタ)う〜ん何だろうな?丸君何だと思う?フフフ。
これね答え簡単ですよ。
何?何?それは餌をあげるヒトです。
この水槽を世話するヒトですよ。
もうこれ間違いない。
(マルタ)「丸君『生物基礎』の番組だよ」…ああそうか。
答えは水草です。
(丸)えっ水草ですか?はい……と水槽という生態系の中でさまざまな生物たちが生きていける訳です。
(マルタ)なるほど…そういう事です。
つまり…食物の網と書いて…何か初めて聞く言葉ですねぇ。
亜矢子さん食物網ってどういう意味なんですか?はい。
2人がよく知っている言葉でいうと…あっ食物連鎖。
それ知ってる。
中学校で習ったもん。
じゃあわざわざ…はい。
それは「食うか・食われるか」という生物同士の関係が一本の鎖のように単純なものでなくて…だから食物網とも呼ぶようになったんです。
よいしょ〜。
イェ〜イ!イェイイェイ!はい。
ではこちらを見て下さい。
この図にはたくさんの生物が描かれていますがこれで一つの生態系です。
そしてこの矢印はこの生態系の中で基本的に「食べる・食べられる」の関係を表しています。
(丸)ああなるほど。
例えばウサギは草を食べるけどヘビや大型の鳥には食べられますよね。
はいそうです。
(マルタ)カエルの場合だとミミズやケラそしてその他の昆虫なんかを食べますがヘビに食べられます。
はいそうですね。
ではこの生態系の中で…この「食べられる」の矢印を反対の方向にたどっていってみましょう。
例えばウサギは草を食べてますよね。
(丸)はいはい。
え〜っとカエルの場合はカエルミミズ落ち葉ですかね。
はい。
(マルタ)あっそれだけじゃないですよ。
カエル昆虫葉や実もありますよ。
(丸)なるほど。
じゃあ小鳥だったらどうだろうか。
小鳥クモ昆虫草。
なるほど。
それに小鳥昆虫葉や実もあるなぁ。
ああ。
(マルタ)まだまだあるよ。
小鳥昆虫草。
それに小鳥葉や実。
こっちもあるんじゃないかな。
(丸)ああ確かに。
いろいろと絡み合ってますね。
うん本当。
食物網ってこういう事なんだね。
はい。
でも2人とも気が付きましたか?えっ?はい?複雑に絡み合ってはいるけれど最後はみんなここにたどりつきましたよね。
(丸)ああ!葉や草や落ち葉。
(マルタ)どれも植物にたどりつくんですね。
そうなんです。
実はこの生態系の「食べられる」のおおもとほかの生き物たちを支えているものは植物なんです。
(丸)ふ〜ん。
そして…えっ…だって「食べる・食べられる」でつながってるんだから…う〜ん実はそう単純ではないんです。
例えばもしこのウサギがこの生態系からいなくなったとしたらどうなるでしょうか?
(丸)えっウサギがいなくなったらですか?ヘビはウサギを食べるからウサギがいなくなったら餌がなくなるのでヘビがいなくなっちゃうかもしれない。
でウサギやヘビが減るからそれを餌にしてる大型の鳥もいなくなっちゃうかもよ。
(マルタ)あっ…。
いやちょっと待って。
でもウサギがいなくなると草は増えるからそしたら昆虫が増えてで更にそれを食べる小鳥も増えるんじゃないかな。
(丸)おお。
はい。
そしてそれだけではありませんよ。
草が増えれば落ち葉も増えてそれを食べるミミズも増えるかもしれません。
更にそのミミズを食べるカエルやネズミも増えるかもしれませんよね。
(丸)おっ確かに。
ほかにもたくさんつながりがありそうですよ。
はいそうですよね。
そして……といえるんです。
ふ〜ん。
ふ〜ん。
単純なものよりは複雑な方がいいって…。
何か逆のような気もしますけど。
そうですか?多様な生物が暮らしていればもしある生物がいなくなったとしても残った生物が代わりを果たしてくれるのでつながりが修復されやすいんです。
なるほどね。
そうかそうか。
カエルが増えるとヘビが戻ってくるかもしれないですもんね。
(丸)という事はそれを餌にしてる大型の鳥も戻ってくるかもしれない。
(マルタ)そうだよね。
うわ〜これ考えだすと切りがないよ。
(丸)確かに。
生態系の安定にとって複雑がとっても大切だという事分かってもらえましたか?
(丸マルタ)はい。
ではこちらを見て下さい。
(丸)左側は森林で…。
(マルタ)右側は草原ですね。
では…えっ?う〜ん…。
多くの種類の生物が暮らしてるっていうのが生物の多様性でしたよね。
うん。
だったら森林かな。
まあそう思うけど。
でも草原にもヘビとかネズミとか昆虫とかいっぱいいるんじゃないかな。
あ〜そうか。
そうですね。
答えは丸君の言うように森林です。
わ〜やった〜!森林か〜。
亜矢子さんどうして森林なんですか?それではこちらを見て下さい。
豊かな森林にはさまざまな高さの木があります。
更に地面にも植物があってつける葉や果実の種類や量が草原より圧倒的に多くなるからです。
こうした環境ではそこに多くの種類の生物が暮らせるようになるんです。
(マルタ)あ〜本当だ。
(丸)すごい!いっぱいいる。
ああなるほど。
確かに…
(マルタ)うん…
(マルタ)だからいろんな生物が住めるんだ。
そうなんです。
よく発達した森林ではいろいろな高さの植物が層をつくっているのでこの構造を…ふ〜ん。
ふ〜ん。
つまり……という事ですね。
はいそういう事です。
更に豊かな森林では土壌も落ち葉などによっていくつもの層が出来ています。
ここにも生物の多様性を生み出す秘密があるんです。
森林の落ち葉に注目してみよう。
地面には落ち葉が幾重にも積もっている。
一口に落ち葉といってもいろいろだ。
下の層ほど形が崩れてボロボロになり小さくなっていく。
そして色も黒っぽくなる。
落ち葉の下にはそこに暮らす生物たちがいる。
これらの生物と落ち葉にはどんな関係があるのだろう。
枯れ葉の下にいたダンゴムシを枯れ葉の周りに置いてみる。
枯れ葉はあっという間に食べ尽くされてしまった。
ダンゴムシがおなかの中に入れた枯れ葉を追跡してみよう。
ダンゴムシがふんをしている。
四角い形のふん。
そのふんを調べてみると…。
そのふんを食べるダンゴムシより更に小さな生物がいる。
次はカビやバクテリアが植物の根が吸収できる大きさまで細かくしていく。
森林の中のまだ小さな一本の芽。
その根が土壌に暮らす生物たちが落ち葉からつくった栄養分を吸い上げる。
落ち葉がつくり出す栄養分が森林のさまざまな植物の新しい若葉を育てるのだ。
先生こんにちは。
(山藤)八田さんこんにちは。
どうぞ。
はい。
ありがとうございます。
今日は「生態系における植物の役割」を学びましたね。
はい。
もっと知りたい事ありますか?はい。
森や林の落ち葉の下はとっても豊かな土壌でたくさんの小さな生き物たちがいる事を学びました。
一体…ではこちらを見て下さい。
豊かな森林の地面にヒトが片足を置いた時にその下の土壌にどんな生き物がどのくらいいるのかという事を実際に調べた研究者がいるんですよ。
う〜ん。
片足といってもせいぜい二十数センチですからかなり僅かな面積ですよね。
そうですね。
その足の下数十センチの土壌の中にはなんとこうなふうにですね…合わせて約8万匹の生物が生きていたというんです。
片足の下だけで8万匹ですか!?そうなんです。
更にはですね……もいたというんです。
そんなにたくさんの生物が土壌にはいるんですか!?そうなんです。
学びましたが…また土壌は落ち葉が主な栄養源である生態系とも見る事ができるんですよ。
う〜ん。
森林は地上部もそして土壌の中もすばらしく豊かな生態系なんですね。
そうですね。
生態系における植物の重要性よく分かりました。
はい。
では亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら。
(丸マルタ)「生態系は植物が支えている」。
生物と生物そして生物と環境がつながりを持って一つの生態系がつくられています。
その生態系を支えているのは光合成で有機物をつくり出す植物です。
更に豊かな森林では階層構造や豊かな土壌があるため生物の多様性が高く実に多くの生き物が生きているんです。
生態系を支える植物にささげます。
・「縁の下の力持ち」それ!
(丸マルタ)植物植物!植物植物!・「植物」2014/12/16(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「生態系における植物の役割」[字]

生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。

詳細情報
番組内容
生物は、そこに生きる他の生物や、まわりの環境の影響を受けて生きています。陸上に生きる動物は、食べることで他の動物や植物との「つながり」がうまれ、そこに相互作用が生じています。この相互作用の総体を生態系といいます。陸上の生態系において、「つながり」のおおもとをたどると植物に行き着きます。陸上の生態系を支えているものは植物なのです。【出演】八田亜矢子・東京アヴァンギャルド【講師】山藤旅聞
出演者
【解説】都立両国高等学校・付属中学校教諭…山藤旅聞,【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【語り】増谷康紀

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他

映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:29283(0x7263)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: