(テーマ音楽)知っておきたい健康情報を分かりやすくお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
この2日間はこちら「睡眠12箇条」という事で最新の睡眠情報についてお伝えしていきます。
ちょっとこちらをご覧下さい。
これです。
厚生労働省から「健康づくりのための睡眠指針2014」が公表されそのポイントが睡眠12箇条としてこのようにまとめられたんです。
例えば「第3条良い睡眠は生活習慣病予防につながる」などとありますから体全体の健康と睡眠は関係するんですね。
そうなんですね。
…という事で今日のテーマはこちら。
それでは今日お迎えしている専門家をご紹介致します。
ご専門は精神神経科で特に睡眠障害の研究と診療を行っていらっしゃいます。
また内山さんは今回の睡眠指針の作成にあたり検討委員会の座長として取りまとめに当たられました。
どうぞよろしくお願い致します。
さて早速この睡眠12箇条について伺ってまいりますが12ある項目の中で色分けしてございますよね。
3つのグループがあるようですがこれはどういう意味合いなんでしょうか?まず最初の緑のところですがこれは基本的な睡眠に関する知識として皆さんに知って頂きたい事をまとめました。
次にこの青いところです。
こちらにはライフステージ別に注意したいポイントについてまとめました。
更に最後の3つですがこれについては「眠れないあなたにとって」という事で眠れないで困っている時の対処法をまとめたものです。
それではブロック別に詳しく伺ってまいりますが今日は前半の6箇条について教えて頂きたいと思いますがまずは1つ目のブロックです。
まず第1条です。
この第1条にはこの指針全体の目標。
こういったものを示しました。
つまり睡眠の病気不眠そして睡眠不足などがあるとこれは心身の健康に大きな影響がある悪い影響があるという事をきちんと示したものです。
今お話にも出ましたが私ども睡眠不足という言葉も使いますし不眠という言葉も使いますがこれは違いがあるんでしょうか?はい。
睡眠不足というのは実際に横になって眠るために休む時間が確保できないものを睡眠不足といいます。
忙しいとかいろんな事がありますね。
こういったものです。
また不眠というのは眠ろうと思っても横になっているのに眠れないで苦しむ事をいいます。
そうなんですね。
眠れないという事なんですね。
だから「眠らない」と「眠れない」というふうに分けたらいいでしょうか。
それでは第2条以降も見ていきましょうか。
はい。
第2条です。
メリハリ。
さあどういう事でしょう?日中に適度な運動を習慣づける事は睡眠を安定させてそして夜中に目が覚める事を減らす事につながるといわれています。
また朝ごはんをちゃんと食べるという事は一日の活動のスタートになるとともにまた体内時計のリズムを整えるという事もあって非常に勧められる事だと思います。
朝ごはんをしっかり食べるという事が睡眠のリズムを整える事に役立つという事なんですよね。
つまり朝食とか運動などで昼間の活動で睡眠と覚醒のメリハリをつけてあげる事が実は睡眠をよくする事につながるという事になる訳です。
忙しいから朝抜くって事はしない方が本当はいいんですがね。
さて次ですがなかなか寝つけない人はどんな原因が潜んでいるんでしょうね?よく多いのは寝る前にカフェイン飲料を飲んだりしてるという事があります。
ここにも書いてありますがカフェイン飲料のうちでは特に注意したいのは疲れた時に飲む栄養ドリンクなどにもカフェインがかなりたくさん含まれているという事です。
入ってる事知らない場合もありますもんね。
入ってる事が多いんですね。
ですからもう一つのポイントはカフェインの作用時間が意外と長くて3〜4時間続くんです。
ですから寝る前の3〜4時間以内にはカフェインを控えるというのは重要なポイントになるかと思います。
そうなんですね。
カフェインの影響を受けやすい方はもう夕食後はずっと飲まないというふうにした方がいいですね。
そしてこのカフェインのほかにも妨げになるものというのはありますか?寝酒という事も注意が必要だと思います。
寝酒というのは寝つきをよくする事はあります。
ただそのあとの睡眠に関しては不安定にさせて夜中に目を覚ましやすくするという効果がありますので注意が必要です。
あと寝る前に一服するとフ〜…とするという方は?これは寝る前のたばこもよくありません。
たばこに含まれるニコチンの覚醒作用でやはり寝つきが妨げられたり睡眠を浅くするという事が知られています。
覚えておきたいですね。
寝る前の喫煙・飲酒は眠りにとってはよくないという事なんですね。
では続いて第3条です。
どんな病気かな?睡眠が適切でないと高血圧や糖尿病を起こしやすくなるという事が分かりましたしまた太りやすくなるという事も分かってきました。
睡眠時無呼吸という病気が生活習慣病に大きく影響する事は知られている訳ですが睡眠不足や不眠があるだけでも生活習慣病の危険性が高まるという事が分かってきたんです。
それはまた一体どういう事なんでしょうか?例えばこの図をご覧下さい。
これはアメリカで睡眠時間と糖尿病発症の関係を17年間まで追跡した調査です。
糖尿病にかかっていない男性を追跡調査したところ7時間の人を1としますと…。
これを基準1としますと…。
5時間以下では2.6倍。
そしてまた8時間以上では約3倍も糖尿病にかかった危険性が高かったという事になります。
こうやって見ますと長いのもよくないんですね。
たっぷり寝てる方は糖尿病との関係が悪い訳ですね。
たっぷり寝てるというよりすごく長いという人は実は何か病気に既にかかっていてなかなかまだ分かっていないけれども潜在的に病気があって調子が悪いという事を表してるのかもしれないと考えられてます。
それでは睡眠時間が逆に短いと糖尿病にとってよくないよというのはどういう事でしょう?睡眠不足になるといろいろな体のメカニズムが働き始めます。
これを補おうとしていろんな事が起こるんです。
睡眠不足があるとまずインスリンが効きにくくなります。
体の中で血糖値のコントロールをしているホルモンですが…。
そのために血糖値が下がりにくくなります。
このために糖尿病リスクが高まるという事。
あともう一つは睡眠不足になるとどこかで私たちの体が食べて補おうとするんです。
ですから食欲を増進させるホルモンが増えてきてこのために体重増加が起こるという事です。
またもう一つこれは非常に日常的な事ですが睡眠不足でだるかったりするとつい動くのが嫌になって運動不足になりがちという事でこれも肥満につながるという事でこういった事でやはり睡眠不足が肥満を起こしやすくしたりとか糖尿病になりやすいような体の条件を作ってしまうという事になる訳です。
ダイレクトに来ましたね。
睡眠不足が糖尿病リスクを高めるという事分かりましたね。
では続いて第4条見ていきましょう。
心の健康に重要…。
睡眠は実際に私たちの精神的な状態にかなり影響を及ぼします。
この事が分かってきた訳です。
不眠の症状がある人はどうもうつ病にかかりやすいという事が分かってきたんです。
例えば日本で行われた調査から紹介しますと65歳以上で寝つきの悪い人は3年後にうつの症状を持っている確率が非常に高くなると。
こんな事が報告されています。
それでこういった事を考えますと不眠で悩んでる人や不眠で困ってる人はやはり何らかの形でこれに対する対処生活の見直しなどをまず始めてみてはどうかという事になる訳です。
はい。
さあどんどんまいりましょう。
第5条です。
これはどういう事でしょうか?まず自分で分かる睡眠不足のサインとしては日中の強い眠気を感じるかどうかという事を目安にしてもらう事が大切です。
ただ「年齢や季節に応じて」。
わざわざついているのはどういう意味合いでしょうか?季節によって睡眠時間というのは若干変わるんです。
これは私たちの睡眠は日が長い時には短くなってくという。
…で日が短くなってつまり冬になってくるとどちらかというと長くなりやすいという事が分かっている訳です。
またこれに加えて年を取ってくるとだんだん朝型になってきて朝起きるのは得意だけど早くから眠くなってしまうとか。
こういった事が起こってくるのでこれも注意が必要です。
知っておく事が大切ですね。
実際に睡眠時間というのはどのくらいあるとよいものなんでしょうかね?このグラフを見て頂くと分かりますがこれは横に年齢を示してあります。
そして縦には睡眠時間の時間が示してあります。
これは健康な人をたくさん集めて世界中からのデータを4,000人近く集めたものをまとめたものですがよくいわれる8時間というのはちょうど14〜15歳のところにあたります。
若い人たちですね。
大体成人して25歳になると7時間くらい。
そして45歳になるとちょっと短くなって6.5時間くらい。
そして65歳になると6時間くらいという事でだんだん健康な人が健康に年を取ると少しずつ短くなってくるという事が分かっています。
なるほどね。
「3時間ぐらいで私は大丈夫だよ」という人が時々いますがこれはどう考えますか?これは眠っているという事に対しての感じ方が違うんじゃないかなと思います。
例えばうとうとしていた時間を睡眠に入れる人もいれば入れない人もいるという。
こういった個人差があります。
実際うとうとした時間というのは脳波を取ると浅い睡眠できちんと眠ってるんです。
ですからこれを除いてしまって熟睡だけをとると3〜4時間という方もいらっしゃるしそういった事が結構影響するんです。
それから眠り始める時間ですが例えば夜10時から夜中の2時くらいはお肌に…寝ているとよいというような説がありますがどうなんでしょうか?これはあんまり気にする必要はないと思います。
成長ホルモンが寝つき際に出るんですがこれは時刻と関係して出る訳じゃないんです。
寝つき際の深い睡眠で成長ホルモンが出やすいという事と関係して出たうわさだと思いますがただ大人にとって成長ホルモンと美肌の関係というのはあんまり確かなものではありません。
あんまり根拠がないんですね。
そうですね。
では次にいきましょう。
第6条ですね。
寝室照明や温度そして入浴の影響などについての項目です。
これは…。
特に大切なのは温度についてです。
よい睡眠のためには私たちの寝間着とふとんと室温という。
このいろんな環境を総合的に考える必要があるという事です。
室温だけを気にする訳ではなくて大切なのは寝床に入ってる状態で大体皮膚の周りの温度が33度前後になってるというのが快適な睡眠としては大切なポイントだといわれています。
音や明かりなどはどうですか?気にした方がいいですか?はい。
あまり真っ暗にするとか無音にしなければいけないとかあまり思い込まずに自分が快適に過ごせる状態を作っていくのが一番大切かと思います。
しかし睡眠は心と体に大きな影響があるという事今日分かりましたがたかが睡眠と侮ってはいけませんね。
大事ですね。
そうですね。
睡眠というのはやはり「もったいない。
もっと活動していたい」なんていう人もいらっしゃいますがやはり私たちには休む事も大切なので適切な睡眠時間を確保して気持ちよく眠る事が大切です。
こうした内容というのは基本的に医学的な根拠に基づいたものをまとめたものです。
よい睡眠をとって健康づくりに役立てるためにこうした事を知って頂くのが非常に大切かと思います。
今日印象的だったのはあんまり思い込んで気にし過ぎない方がいいですね。
個人個人自分の年とかいろんな面で状況をよく見てそれに合った気持ちのよい睡眠をとる事が大切かと思います。
さて今日はこの12箇条のうちの前半を見ました。
明日はこの半分後半ですね。
お伝えしていきます。
後半についてもいろんなポイントがありますので明日も是非どうぞご覧頂きたいと思います。
いろいろとお話ありがとうございました。
明日もどうぞよろしくお願い致します。
ありがとうございました。
2014/12/13(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「睡眠12箇条 たかが睡眠 されど睡眠」[解][字][再]
2014年3月に厚労省から公表された「健康づくりのための睡眠指針2014」。そのポイントが「睡眠12箇条」として示されている。研究で分かった睡眠の常識とは?
詳細情報
番組内容
2014年3月に厚労省から公表された「健康づくりのための睡眠指針2014」。さまざまな研究によって、睡眠の質や時間が心身の健康に影響を与えることが分かり、そのポイントが「睡眠12箇条」としてまとめられた。特に注目したいのが、睡眠と生活習慣病や心の健康との関係。また、若年世代、勤労世代、ライフステージ別に睡眠のとり方の注意が示されている。まず前半6箇条を詳しく紹介。生活習慣病との関連などについて。
出演者
【講師】日本大学教授…内山真,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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