深夜食堂 3 第6話「ロールキャベツ」 2014.11.24


(マスターナレーション)
一日が終わり人々が家路へと急ぐ頃俺の一日は始まる

営業時間は夜12時から朝7時ごろまで
人は「深夜食堂」って言ってるよ

客が来るかって?それが結構来るんだよ
ボーン
(柱時計の音)
肌寒くなってくるとロールキャベツを注文する客が多くてねあらかじめ多めに仕込んどくんだ
結構手間のかかるもんだからね
(忠さん)ああっ…もうどれぐらいになる?
(小道)3か月ちょいですか。
(忠さん)意外と続いてんなぁ。
(小道)だけど今回の人は珍しいですね。
イケメン好きのマリリンさんが。
(マリリン)男はね顔じゃないのよ。
男は心と指先。
彼キミトシ君っていうんだけどこの近くの整骨院で働いていて踊りの稽古疲れで顔を出したマリリンと出会ったらしい

(キミトシ)はいマリちゃん。
きれ〜い!さすがゴッドハンドね。
はいあ〜ん。
マリリンがキミ君を骨抜きにしてるわけね。
あの踊りでノックアウトしちゃったわけだ。
いや…。
この人私の踊り見たことないの。
嫌なんだって。
嫌っていうかその…。
(小道)確かに気持ち分かります。
勇気っていうか覚悟っていうか。
(忠さん)うん。
あの…ご覧になってるんですよね?
(忠さん)うん…お金払った分だけね。
(八郎)ちわ〜。
どもども…ども。
マスターもうあれやってる?ロールキャベツ。
あるよ。
(八郎)ふふっうまい。
ふふふっ。
はいお待ち。
(忠さん)おう。
昔母親がよく作ってくれたな。
いいおふくろさんじゃないか。
ロールキャベツはね手間と時間がかかるんだよ。
でもあんま好きじゃなかったんだよね。
どうしてだい?ロールキャベツ作る日はね男んとこ行く日だったの。
子供一人にするの後ろめたいからって手の込んだもの作るわけね。
ほれっぽくてそのくせ飽きっぽくて…。
あっごめん。
今から食べるとこなのに。
あっ私は大丈夫よ!キミちゃんひと筋なんだから。
ははっ。
ふふっ。
(忠さん)福島の実家に帰った?
(キミトシ)ええ。
郡山の近くらしいんですがどうもお母さんが急に入院することになったみたいで慌てて…。
(忠さん)そうかい。
俺はてっきりマリリンが病気にでもなったのかと思ったよ。
でおふくろさん大丈夫そうなのかい?
(キミトシ)さあそれはまだ…。
(忠さん)だけどよこないだの話じゃうまくいってる感じじゃなかったよな。
(キミトシ)それが震災がきっかけで10年ぶりにつながったらしくて。
ガラガラガラ
(戸の音)いらっしゃい。
(忠さん)あっ。
(キミトシ)マリちゃん!えっもう帰って来たの?マスター焼酎お湯割り…あっいやロックで。
あとたらこ。
ミディアムレアで。
あいよ。
(忠さん)心配したぜ。
今キミ君から話聞いてたんだよ。
そう。
(忠さん)で母ちゃん具合どうだい?どうもこうもないわよ。

(エリ)おお〜見かけによらず手が早いわい。

(患者)なんぼ忙しくたってやるごとはやるわい。
(5人)あははっ!マリ子!ああ〜あんたわざわざ来てくれたのぉ?
(小声で)「来てくれた」って…。
連絡してきたのそっちでしょ。
これ俺の娘のマリ子よ。
東京さいんの。
ダンサーよダンサー。
へえ〜!どうりでね。
あか抜けでるど思ったぁ。
そんなことより大丈夫なの?体。
ふふっ…。
あっ祐ちゃん!祐ちゃん!
(祐一)おうおう。
マリ子!見舞い来てくれたのよ。
(祐一)おお〜!あんだがマリ子さんね。
よぐ戻ってきてぐれだなぁ。

(2人)あははっ!
(祐一)なあ。
あははっ!電話じゃ頼る人もないみたいなこと言うから慌てて行ったのにさ男だよ。
(忠さん)とにかく元気でよかったじゃないか。
神経性の胃炎だって。
ストレスため込むってガラでもないのにさ。
キミ君肩もんで〜。
(キミトシ)うん。
ああ〜…。
んん…あぁ…。
んん〜…。
すみませんね。
すぐ終わりますから。
マリリン故郷に帰る
でもあんまりいい筋書きじゃなかったようだ
(忠さん)ねえさん。
ここねえさんが見るような踊りやってねぇよ。
(3人)あははっ!こんばんは〜。
おっいらっしゃい。
あははっ…。
マリ子!遅かったじゃない。
何やってんのよ!?何やってるって退院祝の観光ついでにあんたの顔見に来たのよ。
そんな急な…。
うち用意してないよ。
ちゃんとホテル取ってある〜。
ずっとステージ入ってるから相手する暇もないし。
今日もレイトショーあるし。
忠さんが案内してくれるって。
(忠さん)任せておきなよ。
ふふふっ。
ホテル奮発してダブルベッドの部屋取ったんだけどさやっぱり一人で寝るの寂しいなぁ。
(忠さん)俺ぁよ塩っ気と色気には弱ぇんだよ。
ふふふっ…。
あははっ。
これでいいかな。
ああ〜!マスターありがとう。
あれ?彼氏?
(キミトシ)あっ…。
あんた〜東京でわざわざこんな田舎くさいのつかまえなくたってほかにもっといたんじゃねぇの?風船みたいに男と男の間ふわふわ飛び回ってるあんたにね男の善し悪し語る資格なんかないわよ!キミ君行こう。
(キミトシ)えっ…。
(忠さん)マリリン!ガラガラバン!
(戸が閉まる音)いつぶりかなぁ東京来んの。
修学旅行のときかな高校の。
面影なくなったね。
(忠さん)東京が変わりすぎたんだよ。
マリ子もねぇ会わない間にすっかり変わっちまって。
こっちが苦労して育ててもみんな東京さ行っちまうんだから。
マリリンほんとに客思いでさ。
どんだけ体調が悪くても周りが止めても客が待ってるからってステージに立つんだ。
穴空けたのはエリさんあんたを見舞うために里帰りしたこないだの一回きりだよ。
そうだ忠さん今から見に行こうよマリ子の踊り。
レイトショー。
えっ…えっ?女の人が見ちゃいけないの?いやいやそんなことはねぇけどよ。
母親が娘のあれを…。
マスターお勘定。
あいよ。
ストリップっつったってまさか全部見せるわけじゃないでしょ。
えっあっ…。
あっどう?ちょっと抜けられない?ん?いやなんでもいいよ。
とにかく来てくれよ頼む。
なっ俺一人じゃ心臓が持たねぇんだよ。
なっ!忠さんこっち?あっあっ…。
あ〜ん!もうほら行こう行こう行こう。
なっチラリズムだっけ?でしょ?
(忠さん)いやどっちかっていったらリアリズムだな。

(客)よっマリリン!・
(客)マリリン!
(拍手と歓声)
(場内BGM)
(場内BGM)これは…。
これはさすがにきついわ私には。

(キミトシ)やめてくれ〜!!
(キミトシ)マリちゃんもうやめてくれよ!
(観客たち)おお〜っ!・
(客)おっ?・
(客)そういうこと?
(拍手と歓声)恥かかせないでよ。
(キミトシ)やっぱり耐えられないよ。
たとえストリップでも踊りは私の天職なの。
二度とやんないで。
(キミトシ)だけど俺も男だから…。
男だったら受け止めてよ私の全部。
コンコン
(ノック)ガチャ
(ドアの音)ごめんなさいよ〜。
あら彼氏!さっきのよかったわよ。
最初仕込みだと思っちゃった。
ごめんなさいよ。
はぁ〜…。
娘の裸おもしろかった?気づいてた?客席ってよく見えるのよ分かんないでしょうけど。
親子で似るのって顔だけじゃない。
あんたのおっぱい私の若い頃と一緒だわ。
だけどいつまでこっただこと続けるつもり?ほんとに…いつだって私がやること認めてくれたことないよね。
病院でも何よあれ。
「娘ダンサーなの」って。
ちゃんとストリッパーって紹介してくれてもいいのよ。
私はばあさんになっても踊るから。
そうやってまた意地張って。
童の頃と全然変わってねぇんだもん。
帰ってよ。
次のステージが始まるの。
ごちそうさま。
それから数日が経った
(小道)そうですか明日のバスで。
うん。
(忠さん)だけどいいのかい?マリリンとその…。
いいのよどうせまた会ってもケンカの続きになっちゃうんだから…。
ひとまず結婚のことも伝えられたし。
(忠さん・小道)えっ!?
(忠さん)結婚?私ね今の人にプロポーズされてんだ。
いろんな男とつきあってきたけどこれが最後かな…。
(忠さん)そうかい。
そうなのかい。
(小道)どんな人なんですか?今まででいちばん地味な人。
だけど…祐ちゃんなんかほかの男と違ってたんだよね。
(忠さん)祐ちゃんなんか違った…。
ふふっ。
祐ちゃん物好きだよこっただ病人嫁にしたいだなんてさ。
(忠さん)病人?うん。
実はね東京には検査しに来たの。
(忠さん)検査?
(小道)なんのですか?もう終わったのこっち来てすぐ。
(忠さん)それで?あとは家で結果待ち。
転移さえ見つからなきゃ抗ガン剤治療しなくてすむの。
(小道)そんな大事なことちゃんとマリリンに話さなくちゃダメですよ。
今まで自分勝手に生きてきたんだもん今更頼りたくないわ。
はい。
これ…。
マリリンこれ見てさ子供の頃母親によく作ってもらったって懐かしがってたよ。
味っていうのはいつまでも忘れないもんなんだな。
あの…マリちゃん来ましたか?いや。
そうですか…。
俺マリちゃんに謝んなきゃいけないことがあって。
ああ…。
エリさんならさっきまでいたけどね。
今日帰るって駅に向かったよ。
そうですか…。
(忠さん)エリさん俺…。
忠さんほんとにありがとね。
ふふっ。
マリ子にも会えたしちゃんとやってることも分かったし全部忠さんのおかげ。
(忠さん)俺ぁ…酔っ払ってただけだよ。
(小道)お元気で。
そうだ今度うちさ遊びに来てよ。
・タッタッタッ…
(足音)あっ…。
(小道)キミ君!コンコンガチャマリリンさ〜んお花届いてます。
えっ?へえ…そこ置いといて。
じゃ10分前になりますんでよろしくお願いします。
は〜い。
なんなの?あれ。
お母さんから…。
分かってるわよ。
今朝お母さん帰るって「めしや」のマスターに教えてもらって…。
それで俺見送りに行ったんだ。
余計なことしないでよもう。
お母さん本当は大学病院で精密検査受けるために東京来てたんだって。
(キミトシ)でもマリちゃんに迷惑かけたくないからって観光なんてうそついて。
それで俺にお金渡して花届けてくれって…。
お母さん俺に頭下げてさ。
マリ子のことよろしく頼むって何度も頭下げてさ。
バカね母さん…。
俺受け止めます…マリちゃんのこと全部。

(司会者)次のステージは・マリリンさんの…。

(観客たち)おお〜っ!マリリンさ〜ん出番です。
はい。

(観客たち)フゥ〜フゥ〜!バタン・
(客)マリリン!・
(客)よっマリリン!
精密検査の結果ガンの転移は見つからなかったそうだ
それからひと月後エリさんは結婚式を挙げた
式と言っても新郎新婦とマリリンたちだけだったそうだけどエリさんすごく喜んでたらしい
(忠さん)なんだいマリリンめでたい席でこんなぶすっとしてさ〜。
(キミトシ)またケンカしちゃったんですよ。
人の服装にケチつけるからよ。
(キミトシ)脱ぐのはうまいくせにってお母さんが。
(3人)あははっ!お待ちどお。
いただきま〜す。
懐かしいかい?お母さんが味付け教えてくれたんだよ。
また食べたくなっちゃったな母さんのロールキャベツ。
あらかじめこのようにしておくと巻きやすくなりますよ。
気持ちを込めて繊細にね。
女性を扱うようにしてくれないとダメ。
スープに入れて煮込むときはあまり触らないようにしてください。
崩れるといけないので。
じゃおやすみなさい。
いらっしゃい。
噂してたんですよいいご夫婦だなって。
囲碁お好きなんですか?よっちゃん優しすぎるけぇ。
愚かな選択してみるかのう。
チャンスくれないか。
いらっしゃい。
いいことなんて一つもないって思ってたけどなんかふっきれそう。
2014/11/24(月) 00:50〜01:20
MBS毎日放送
深夜食堂 3 [多][字]第6話「ロールキャベツ」

繁華街の片隅の小さな食堂。営業時間は夜の十二時から朝の七時頃まで。人呼んで『深夜食堂』▽小林薫 安藤玉恵 柴田理恵 高橋周平ほか

詳細情報
お知らせ
【解説放送あり】

繁華街の片隅の小さな食堂。営業時間は夜の十二時から朝の七時頃まで。人呼んで「深夜食堂」。メニューは豚汁定食にビール、酒、焼酎、それだけ。あとは勝手に注文すれば、できるものならマスター(小林薫)が出してくれる。
今夜も、小寿々(綾田俊樹)や忠さん(不破万作)たち、お馴染みの面々が、めしやで話に花を咲かせている。
番組内容
肌寒くなってきたある日、マスター(小林薫)はロールキャベツを多めに仕込んでいる。喜ぶ常連客たちだったが、キミトシ(高橋周平)と店にきていたストリッパーのマリリン(安藤玉恵)だけは「母親がロールキャベツを作る日は、男のところに出かける日だった」と気が乗らない。
その母、エリ(柴田理恵)が入院する、見舞うために実家に戻る。だが母に「ダンサー」として患者仲間に紹介され、マリリンはショックをうける…。
出演者
マスター…小林薫
マリリン…安藤玉恵
エリ…柴田理恵
キミトシ…高橋周平
ほか
原作・脚本
【原作】
安倍夜郎「深夜食堂」(小学館「ビッグコミックオリジナル」連載中)

【脚本】
向井康介
監督・演出
【監督】
松岡錠司
音楽
【主題歌】
高橋優「ヤキモチ」(ワーナーミュージック・ジャパン)
制作
【番組HP】
http://www.meshiya.tv/
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【Twitter】@meshiya
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