シリーズ世界遺産100「シュパイヤー大聖堂〜ドイツ〜」 2014.11.24


(テーマ音楽)
(江守徹)ドイツ南西ライン川沿いの町シュパイヤーは10〜11世紀にかけて交易都市として発展しました。
時の皇帝は国で最も栄えていたこの町に4本の塔を持つ大聖堂を建設します。
全長133m。
世界最大のロマネスク様式の建物でドイツ・ロマネスクの先駆けとなりました。
ロマネスクとはローマ風という意味で回廊のアーチにも新たなロマネスクの空間が見られます。
皇帝は自らの権威を示すためにこの大聖堂を造らせたのです。
そのため聖堂は「カイザードーム」とも呼ばれてきました。
入り口に立つ神聖ローマ帝国皇帝コンラート2世です。
建設を命じたのは1030年。
完成は80年後でした。
皇帝の威信を示す大伽藍です。
皇帝はさまざまな要求を出し建築上の新たな展開がここから始まりました。
礼拝堂にステンドグラスは使わず窓からさし込む自然光が荘厳な雰囲気をつくっています。
壁は石でも屋根は木造だった当時ヨーロッパで初めて完全な石造りの聖堂が実現したのです。
石の天井を支えるため柱は1本ごとに半円柱を添え補強されています。
この柱の形式が構造とデザインの両面でドイツ・ロマネスクの特色になりました。
大聖堂の地下です。
ここにもドイツ最大といわれる地下空間があり幾つもの祭壇が設けられています。
コンラート2世はここに歴代皇帝の柩を置き大聖堂の権威をさらに高めようとしたのです。
葬られた皇帝は4人。
そして皇后が3人。
その真ん中にコンラート2世が永遠の眠りについています。
シュパイヤー大聖堂はその後幾度もの破壊と再建の歴史をたどります。
1689年シュパイヤーの町はフランス王ルイ14世の侵略を受けました。
町と大聖堂は三日三晩紅蓮の炎に包まれ大破されてしまいます。
大聖堂の東側部分は焼け残りましたがそのまま10年放置され崩れた西側は取り壊されて姿を消してしまいました。
炎上から80年を経て西側が再建されますが姿が変わってしまいました。
東側と対になっていた2本の塔もなくなってしまいました。
ロマネスクの時代は終わりバロックの時代を迎えていたのです。
しかし1800年代にはやはり元の姿に戻そうということになり再び改築されて4本の塔もそろいます。
文化財は歴史の積み重ねなのかそれともオリジナルが大切なのか。
破壊と再建を繰り返したシュパイヤー大聖堂は我々に一つの問いを投げかけています。
2014/11/24(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「シュパイヤー大聖堂〜ドイツ〜」[字]

ドイツ・ロマネスク ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲

詳細情報
番組内容
ドイツ・ロマネスク ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

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