NHKニュース おはよう日本 2014.11.24


おはようございます。
11月24日月曜日、朝7時になりました。
NHKニュースおはよう日本です。
おととい、震度6弱の激しい揺れを観測する地震があった長野県北部では、その後も余震が続いています。
つい1時間ほど前のけさ6時過ぎにも、震度4の揺れを観測する地震がありました。
この地震による津波の心配はありません。
長野県小谷村の村役場にいた職員によりますと、突然、大きな縦揺れを感じ、揺れは10秒から15秒ほど続いたということです。
余震が続く長野県内。
昨夜からけさにかけても300人余りが避難所の公民館などで過ごしました。
気象庁は今後1週間ほどは、強い揺れを伴う余震に警戒するとともに、雨による土砂災害などにも十分注意するよう呼びかけています。
おととい、震度5強を観測し、けが人や建物の被害が相次いだ長野県白馬村。
けさの様子です。
白馬村など4つの市と村では、昨夜からけさにかけても合わせて300人余りが避難所になっている公民館などで過ごしました。
この地震でけがをした人は、白馬村や長野市などで合わせて41人となっています。
このうち7人は足の骨を折るなどして重傷だということです。
建物の被害も相次ぎ、長野県の災害対策本部によりますと、全壊した住宅が白馬村で30棟、小谷村で4棟の合わせて34棟に上っています。
現地では専門家による調査が進められています。
きのう、東北大学の遠田晋次教授は、震源地に近い長野県白馬村で、地盤がどのようにずれ動いたか調査しました。
調査では、南北およそ2キロにわたって、活断層がずれ動いて出来たと見られる数十センチ程度の段差が断続的に確認され、段差は最大で高さ90センチに達していました。
生活への影響は続いています。
白馬村の一部の地区では、道路が崩れるなどしていて住民が孤立するおそれがあるとして、村は25世帯61人に避難指示を出し、小谷村でも住宅が壊れて、住むのが困難になっているとして、一部地区の31世帯69人に避難勧告を出しています。
また白馬村や長野市などでは、合わせて700世帯余りが断水していて、自衛隊などが給水車を派遣して対応しています。
一方、JR大糸線は、小谷村で線路の東側の斜面が崩れ、土砂が線路や村道を塞ぎました。
JRなどではきょう、現場に作業員を派遣し、復旧に向けて、本格的な作業を始めることにしています。
長野県北部では余震が続いていて、けさ6時12分ごろに起きた地震では、小谷村で震度4の揺れを観測するなど、体に感じる余震の回数は、これまでに70回を超えています。
長野県北部では今夜から所によって雨が降ると予想されています。
気象庁は、今後1週間ほどは、震度5強程度の強い揺れを伴う余震が起きるおそれがあり、揺れの強かった地域では、建物の倒壊や土砂災害などに警戒してほしい。
また地盤が緩んでいるため、今後の気象情報にも注意してほしいと呼びかけています。
東京の病院で治療を受けていた6歳未満の女の子がきのう、脳死と判定され、臓器提供に向けた準備が進められています。
このうち心臓は、大阪大学附属病院で、10歳未満の男の子に移植される予定です。
脳死と判定されたのは、東京・文京区にある順天堂大学附属順天堂医院で治療を受けていた6歳未満の女の子です。
日本臓器移植ネットワークによりますと、家族がコーディネーターから説明を受けて、脳死段階での臓器の提供を承諾し、判定が行われた結果、女の子はきのう正午、脳死と判定されたということです。
女の子の両親は、臓器提供を承諾した理由についてコメントを出しました。
女の子からは、心臓、肺、肝臓、腎臓が提供される予定で、このうち心臓は子どもの移植手術の機会を増やすという法改正の趣旨を反映して、大阪大学附属病院で、10歳未満の男の子に移植される予定です。
また、肺と肝臓は、京都大学附属病院で、それぞれ10歳未満の男の子と10代の女性に、片方の腎臓は、東邦大学医療センター大森病院で50代の男性に、またもう片方の腎臓は、東京女子医科大学病院で40代の女性にそれぞれ移植される予定です。
移植手術を行う各病院のチームはきょう午前、順天堂大学附属順天堂医院に到着し、昼前から摘出手術が始まるということです。
15歳の未満の子どもからの臓器の提供を認める改正臓器移植法が4年前に施行されていこう、脳死判定の基準がより厳しい6歳未満の子どもから臓器が提供されるのは今回で2人目です。
来月の衆議院選挙に向けた動きです。
与党側が安倍政権の経済政策・アベノミクスの推進を前面に掲げているのに対し、野党側は経済政策に加え、エネルギー政策などの政策課題も積極的に争点として取り上げる構えで、争点を巡る駆け引きが活発になっています。
先週21日の衆議院解散を受けて、与野党は、来月2日公示、14日投票の衆議院選挙に向けて、事実上の選挙戦に入り、3連休の間も、幹部らが街頭演説や集会などを通じて、支持を訴えています。
衆議院選挙では、安倍総理大臣が、この解散はアベノミクス解散だと述べたこともあって、安倍政権の経済政策・アベノミクスの是非が最大の争点となる見通しで、与党側はその推進を前面に掲げ、経済成長と財政再建をともに実現させたいと訴えています。
これに対し野党側は、アベノミクスなどの経済政策に加えて、原発の再稼働の議論も含めたエネルギー政策や、集団的自衛権の行使容認をはじめとした、安全保障政策なども積極的に争点として取り上げる構えで、争点を巡る駆け引きが活発になっています。
このうちエネルギー政策では、自民党は、電気料金の値上げなどで高くなっている電力のコストを引き下げることが必要だとして、原子力規制委員会が安全性を確認した原発は、再稼働する方針で、党としても、国民の理解を得るために、電源構成の具体的な比率について議論を進め、来年夏までに目標を示したいとしています。
公明党は、原発の再稼働は、原子力規制委員会の安全基準に厳格に照らし合わせ、住民の理解を得て判断すべきだとしたうえで、再生可能エネルギーなどの導入を積極的に進めて、将来的には原発に依存しない社会を目指すとしています。
一方、民主党は2030年代の原発ゼロを目指して、あらゆる政策資源を投入するとして、再生可能エネルギーの活用や、発送電の分離など電力システムの改革を進めるとしているほか、事故を想定した避難計画の策定に向けた、国の責任の明確化と、責任ある避難計画がなければ、原発の再稼働は認めないとしています。
維新の党は、原発は高コストで、再生可能エネルギーの導入の促進を図ることで、既存の原発は徐々に消えていくとしているほか、高レベル放射性廃棄物の最終処分場が決まらないかぎり、再稼働は認めないとしています。
次世代の党は、安全性が確認された原発は、当面は再稼働を認めるとしたうえで、原子力技術は維持しつつ、自然エネルギーを活用するなど、電力の多様化を進め、脱原発依存の体制を構築するとしています。
共産党は、原発に依存しなくても、国民の節電努力などで電力を賄うことができているとして、直ちに原発ゼロの実現を図るべきだとしています。
生活の党は、原発の再稼働や新規の建設は一切容認できず、原発をゼロにすることを国の目標にすべきだとしています。
社民党は、原発の再稼働は一切認めず、脱原発を目指すための法整備も推進していくとしています。
イランの核開発問題の解決を目指す協議は、交渉期限となる24日、ロシアと中国も加わって、外相級の全体会合で最終段階の交渉が行われると見られます。
今後の大きな方針を定め、詳細は後回しにする枠組み合意をまとめる方向で、調整を図る見通しです。
核開発問題の包括的な解決を目指すイランと欧米など関係6か国は、今月24日の交渉期限までに最終合意を実現させるため、オーストリアのウィーンで協議を続けています。
23日はアメリカとイランが4日連続となる外相会談を行ったほか、アメリカなど欧米の4か国の外相が、イランを除いて会合を開くなど、期限が翌日に迫る中、活発な交渉が行われました。
しかし、軍事利用も可能なウランの濃縮活動の規模など、主要な争点を巡る意見の隔たりは依然大きく、アメリカ国務省の高官はNHKに対し、延長も選択肢の一つだと述べ、初めて協議の延長を検討していることを認めました。
最終合意の実現は難しいという見方が強まる中、双方は交渉の決裂を避けるため、まずは今後の大きな方針を定め、詳細は後回しにする枠組み合意をまとめる方向で調整を図る見通しです。
交渉期限となる24日には、欧米の外相にロシアと中国の外相が加わって、今回の協議では初めてとなる外相級の全体会合を開き、最終段階の交渉を行うものと見られます。
中東で最大の火種となってきたこのイランの核開発を巡る問題。
イランと長年、対立してきたアメリカは、解決に強い意欲を示しています。
そこにどんな思惑があるのでしょうか。
大詰めを迎えるイランとの交渉。
アメリカのケリー国務長官は、今月だけで中東やヨーロッパ各国を飛び回り、関係国とぎりぎりの交渉を続けています。
イランの核施設に対し、敵対するイスラエルは軍事攻撃を警告。
中東全域を巻き込む戦争も懸念される中、イスラエルの同盟国でもあるアメリカは、これまででは考えられないペースでイランとの交渉を続けてきました。
1979年、イランの首都テヘランのアメリカ大使館占拠事件などをきっかけに、両国は国交を断絶。
35年間、激しく対立してきた両者ですが、核開発問題の解決には別のねらいもあるのです。
それはイスラム国への対応です。
イスラム国はイスラム教スンニ派を中心とした過激派組織。
イランは対立するシーア派の大国で、イラクやシリアの政権に影響力があります。
イランと連携できれば、アメリカはイスラム国に対する軍事作戦を有利に進めることにつなげられると考えています。
実際にオバマ大統領は先月、イランの最高指導者、ハメネイ師に極秘の書簡を送り、核開発問題で合意できれば、イスラム国に対し、両国は協力できると訴えたとされます。
しかし、今月行われた議会の中間選挙で、イランに対し厳しい姿勢の野党・共和党が、上下両院で多数派に躍進。
イランに妥協しないよう、圧力を強めています。
それでもイランとの合意に向け、強い意欲を示すオバマ大統領。
そこには残り2年の任期中に、外交で歴史的な成果を上げたいという思惑があると見られています。
イランとの交渉を成功に導き、中東戦略で新たな一歩を踏み出したいオバマ大統領。
国内から厳しい圧力も突きつけられる中、正念場を迎えています。
では次です。
民間の調査会社などが、今年度の経済成長率の見通しを下方修正しました。
ことし4月に消費税率が引き上げられた影響で、7月から9月のGDP・国内総生産の速報値の伸び率が、2期連続のマイナスとなったことから、5年ぶりのマイナスになると予測しています。
民間の調査会社や金融機関合わせて10社は、今年度の経済成長率の最新の予測を発表しました。
それによりますと、物価の変動を除いた実質で、最も高い予測が前の年度と比べてマイナス0.4%、最も低い予測がマイナス0.9%で、全社が5年ぶりのマイナスを予測しています。
これは4月に消費税率が引き上げられた影響で、7月から9月のGDPの速報値が、2期連続のマイナスとなったためで、各社が9月の時点の予測から成長率の見通しを下方修正しました。
一方、来年度については、安倍総理大臣が消費税率の10%への引き上げを1年半先送りすることを表明したことなどから、10社中7社が成長率の見通しを上方修正し、前の年度と比べて0.7%から2.5%のプラスに回復すると予測しています。
スポーツは筒井アナウンサーとお伝えします。
おはようございます。
まずは大相撲ですね。
横綱・白鵬、大横綱と呼ばれる大鵬に並ぶ、歴代最多32回目の優勝を果たしました。
九州場所は千秋楽、1敗の白鵬と、2敗の鶴竜が対戦しました。
厳しい攻めだ、白鵬。
寄り切りました、白鵬が勝ちました。
優勝32回。
ついに、昭和の大横綱に肩を並べました。
上位陣の結果です。
逸ノ城は新関脇の場所を8勝7敗で終えました。
三賞です。
横綱2人を破った高安が殊勲賞を受賞。
旭天鵬と栃ノ心が敢闘賞です。
日本の父、角界の父と慕ってきた大鵬に並んだ白鵬、本当に涙が印象的でしたよね。
現在、白鵬は29歳。
これからは前人未到の記録に挑んでいくということになります。
次は海外サッカーの速報です。
本田選手に長友選手ですね。
本田選手のミランと、長友選手のインテルが、イタリア1部リーグ第12節で対戦。
本拠地は同じくミラノにあるということで、ミラノダービーになります。
長友は2試合連続の先発。
本田は今シーズン初のベンチスタート。
前半に1点をリードされたインテルは後半16分、長友から。
長友のクロスボールが相手守備のミスを誘い同点ゴールが生まれました。
これで入る、見事な同点ゴールでしたね。
本田は後半28分から途中出場。
すぐにドリブルで仕掛けます。
惜しいですね。
本当、惜しかったんですよ。
伝統の一戦は両者譲らず、1対1の引き分けでした。
お互い見せ場を作りましたね。
そうですね。
次はゴルフです。
松山英樹選手ですね。
4か月ぶりの国内ツアーで、プレーオフを制しまして、優勝しました。
松山は首位と2打差で迎えた17番。
絶対に決めると打ったバーディーパット。
18番もバーディーとして、プレーオフに持ち込みます。
その1ホール目、松山の第3打。
確実にグリーンを捉えました。
落ちついてますね。
勝負強さを発揮した松山。
プレーオフを制して優勝です。
国内の女子は、来年、アメリカツアーに挑戦する横峯が今シーズン初優勝。
通算23勝目で、生涯獲得賞金は10億円を突破。
4月に結婚しすべての試合に同行する夫と、喜びに浸りました。
また韓国のアン・ソンジュが3年ぶり3回目の賞金女王に決まりました。
スポーツでした。
さて、連休最終日のきょうも、日中は穏やかな陽気になりそうですね。
気象情報、南さんです。
おはようございます。
きょうも日中は晴れる所が多くなりそうですが、天気はゆっくりと下り坂に向かう見込みです。
午前3時の天気です。
本州に高気圧の中心があって、晴れている所が多くなっていますが、北海道の西に低気圧、また九州の西に前線があって、この低気圧や前線が近づいてくる見込みです。
夜になると、高気圧の中心は東の海上に移って、北の低気圧は北海道を通過、そして南の前線上には低気圧が発生して、前線が九州にかかってくる見込みです。
北海道や九州から天気は下り坂に向かっていく見込みです。
昨夜からの雲の移り変わりです。
気圧の谷に伴う雲が東へ進み、日本海や黄海付近にその雲が広がっています。
きょうの天気の移り変わりです。
きょうの午前中は晴れる所が多いでしょう。
午後になると、北海道は日本海側から雨が降り始め、内陸部は雪に変わる見込みです。
そして九州も夕方前後から次第に雨の降る所が多くなり、中国、四国も夜になると雨、また東北も夜になると雨が降りだして、北陸や長野なども日付が変わるころから、雨に変わってきそうです。
ではきょうの各地の予報です。
あるじを失い、手付かずになっていた畑の手入れを始めた家族がいます。
御嶽山の噴火で、夫を亡くした女性です。
畑には夫が大切に育てていた野菜が、収穫されることなく、残されたままです。
2か月前、突然噴火した御嶽山。
自然を求めて訪れた大勢の登山者の命が失われました。
これですね。
家族は、今も亡くなった人の足跡を探し続けています。
突然の自然災害に大切な命を奪われた家族。
悲しみとどう向き合おうとしているのか。
その思いを見つめました。
戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火から、まもなく2か月となります。
11月も下旬を迎えて、御嶽山の山頂付近、雪に覆われています。
噴火が起きた9月27日は、御嶽山の紅葉が、最も美しい時期でした。
週末の土曜日、自然を求めて訪れた大勢の人たちを襲った突然の噴火。
57人が亡くなり、今も6人が行方不明のままとなっています。
豊かな恵みをもたらしてくれるはずの自然に、なぜ、掛けがえのない命が奪われなければならなかったのか。
大切な人の死と向き合う2組の家族を取材しました。
愛知県に住む所清和さん、喜代美さん夫妻です。
御嶽山の噴火で、息子の祐樹さんを亡くしました。
祐樹さんは、自分が好きな御嶽山に、交際していた丹羽由紀さんを初めて連れていきました。
美しい紅葉を楽しみにしていた息子たちのあまりにも突然の死。
現実を受け止めきれない夫妻は、今も噴火当日の息子たちの足跡を、探し続けています。
御嶽山が噴火した直後。
警察から息子が巻き込まれた可能性があると連絡を受けた所さんは、すぐに現地に駆けつけました。
しかし、安否に関する情報はなかなか入ってきませんでした。
所さんは、メディアの前で、息子たちの写真を見せながら、情報提供を呼びかけました。
同じ日に御嶽山に登った人たちが、所さんの訴えに応えました。
島根県に住む千々和豊さんです。
登山愛好家の千々和さん。
噴火前、下山する途中で、祐樹さんと由紀さんの2人を見かけていました。
山に不慣れな由紀さんを支えながら上がっていく、祐樹さんの姿が印象的だったといいます。
噴火の被害は免れた千々和さん。
自宅のテレビで目にしたのが、情報提供を求める所さんの姿でした。
自分に何かできることはないか。
千々和さんは、インターネットを通じて、あの日、御嶽山に登っていた人たちから、目撃情報を募りました。
そして得られた情報を自分が撮影した写真の一枚一枚に書き添えて、所さん夫妻に送りました。
10時過ぎ、ここでお2人は2、30分くらい休憩したと思います。
11時20分ごろ、お2人も最後にこの景色を見たと思います。
あの日の頂上は、本当にきれいだったです。
写真には、手紙も添えました。
由紀さんを思いやる本当に優しい人でした。
祐樹さんの山での姿、同じ山から生きて帰った自分に伝えられることだと考えました。
噴火に遭う直前の2人の写真を、所さんに送った人もいます。
愛知県に住む、日系ブラジル人の安達・エドアルド・ユキオさんです。
家族がいるブラジルへ帰国する前に、日本の紅葉を一目見たいと、御嶽山に登りました。
山頂付近で撮った写真には、由紀さんを気遣うように階段を下りる、祐樹さんの姿が偶然写っていました。
噴火の30分前に山頂に着いた安達さん。
そこで記念写真の撮影をお願いした相手が由紀さんでした。
しかし、その直後に御嶽山が噴火。
これをこう回っていくしかない。
安達さんは、急いで山小屋に避難しました。
考えていたのは、帰りを待つ妻と娘のことでした。
なんとか下山することができた安達さん。
しかし、その後、報道で祐樹さんと由紀さんが亡くなったことを知りました。
所さんの自宅には、今、写真や手紙がいくつも届けられています。
山頂を目指す祐樹さんと由紀さん。
さりげない会話の様子。
山を愛する人たちから届いた息子のあの日の姿です。
大切な人を突然亡くした家族。
これまで知らなかった夫の生き方を知ることで、深い悲しみに向き合おうとしている人もいます。
長野県に住む伊藤ひろ美さんです。
御嶽山の噴火で、夫の保男さんを亡くしました。
噴火から4日後、家族のもとに戻ったリュックサックです。
中からは、保男さんが自分で作ったサンドイッチが見つかりました。
最期の別れの朝。
ひろ美さんは、見つかったサンドイッチをひつぎに入れて、夫を見送りました。
あの日、保男さんは、自然ボランティアの仲間と御嶽山に登りました。
そのとき身につけていたカメラには、噴火当日の様子が記録されていました。
自然が大好きだった保男さん。
御嶽山の雄大な景色や草花、60枚の写真を残していました。
そしてカメラは噴火直後の様子も捉えていました。
この写真に写った2人の仲間と保男さんは亡くなったのです。
気さくな人柄と責任感の強さで職場での信頼が厚かった保男さん。
しかし、50代を迎え、心のバランスを崩し、会社を退職。
この春から、嘱託職員として第二の人生を歩み始めたばかりでした。
苦しい時期に保男さんが通い始めたのが、自宅近くの山々でした。
この5月からは、豊かな自然で知られる美ヶ原高原に毎週のように通い、自然保護のボランティアに参加。
植物の保護や自然観察を行っていました。
そして、研修のために初めて登った御嶽山で、噴火に遭ったのです。
保男さんが自然に何を求めていたのかを知りたい。
すみません、失礼します。
どうぞ。
ひろ美さんは、美ヶ原高原にあるボランティア活動の拠点を訪ねました。
日誌を出していただいているんですけれど。
職員から手渡されたのは、夫の日誌です。
そこにはひろ美さんが知らなかった夫の思いがつづられていました。
初めて参加した日の日誌には、すばらしい天気で、自然観察はよかったという喜び。
初めて観光客を連れてガイドをした日の日誌には、これからも勉強しますという、決意が記されていました。
この日、ひろ美さんは保男さんがガイドを目指していたことを初めて知りました。
今、ひろ美さんの心の支えになっているのは、御嶽山で同じように大切な人を亡くした家族とのつながりです。
夫と一緒に亡くなったボランティア仲間の若林和男さんです。
ひろ美さんはこの日、若林さんの妻、けい子さんに、遺品のカメラに残されていた写真を手渡しました。
写真の中には、若林さんの最後の姿もありました。
すごいね。
けい子さんも夫のカメラに残されていた写真を用意してくれていました。
初めて見る、御嶽山に登る保男さんの姿です。
さらに、けい子さんは美ヶ原高原で活動する保男さんの写真を見せてくれました。
頂上の雄大な自然を前に、楽しそうに跳びはねる保男さん。
得意げにポーズを取る保男さん。
ひろ美さんも見たことがない、生き生きとした夫の姿でした。
夫の自然への思いに触れたひろ美さん。
保男さんが好きだった美ヶ原高原の景色を一目見たいと、車を走らせました。
保男さんが空に向かって跳びはねていた頂上です。
御嶽山のほうを見ると、夫が愛した雄大な自然が広がっていました。
伊藤さんは、自然に支えられてきた夫の姿を知ることができましたが、一方で、突然夫を失った悲しみは、2か月を迎える今も癒えていません。
自然は人の心を癒やしてくれます。
と同時に、命を奪う危険もあるということを改めて知らされた今回の噴火でした。
今回の悲劇を繰り返さないために、噴火のような自然災害にどう向き合っていくのか、考える必要があると感じます。
今も行方不明になっている6人の捜索は、来年春以降に再開される予定です。
御嶽山噴火から2か月。
残された家族の思いについてお伝えしました。
では次です。
心筋梗塞などで心停止状態になった患者に、水素ガスを吸わせると、生存率が高まり、脳へのダメージも減らせる可能性があるとする研究成果を、慶応大学のグループが発表しました。
慶応大学の佐野元昭准教授らのグループは、水素ガスに体の細胞が死ぬのを抑える働きがあることに注目し、心停止状態に陥ったネズミに蘇生の直後、水素ガスを吸わせる実験を行いました。
その結果、水素ガスを吸わせなかったねずみでは、1週間後の生存率が38%だったのに対し、水素ガスを吸わせたネズミでは71%に上り、脳の神経細胞のダメージも少なかったということです。
救急医療の現場では現在、心停止した患者の体の温度を下げる低体温療法で脳のダメージを防いでいますが、水素ガスの吸入は、低体温療法に比べ、簡単にできるということで、研究グループでは、今後、臨床試験でヒトでの効果を確認したいとしています。
では今週の主な動きです。
25日、インドネシアの首都ジャカルタで、東南アジア産のウナギの資源管理について議論するシンポジウムが開かれます。
ニホンウナギの生息数が激減する中、インドネシアでは、ビカーラ種と呼ばれる地元のウナギの養殖が近年、盛んに行われて、日本に輸出されています。
シンポジウムには、日本の専門家なども参加して、稚魚の乱獲などを規制する必要性などについて議論される予定です。
(政春)・「ああ安芸のヨーホイ」2014/11/24(月) 07:00〜08:00
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]

▼震度6弱の激しい揺れを観測した長野県北部。被害の全容は?▼御嶽山の噴火から2か月。大切な命を奪われた家族は悲しみとどう向き合おうとしているのか。特集で。

詳細情報
番組内容
▼震度6弱の激しい揺れを観測した長野県北部。被害の全容は?余震は?最新情報をくわしく。▼戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火から、まもなく2か月。突然の自然災害に大切な命を奪われた家族は、悲しみとどう向き合おうとしているのでしょうか。残された家族の思いや被災した人たちとの交流を特集でお伝えします。
出演者
【キャスター】近田雄一,和久田麻由子,【スポーツキャスター】筒井亮太郎,【気象キャスター】南利幸

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ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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