近代化から生まれた帝国主義を推し進めるヨーロッパ列強によって大陸のほぼ全土を分割。
植民地化された。
中田敦彦です。
田中日奈子です。
今回はインドに注目です。
インドはですね…そして国土の広さが日本の約9倍の広さです。
9倍?広いですよね。
めちゃくちゃ広いですね。
日奈ちゃんがインドと聞いて思い浮かべるものは何ですか?やっぱりカレーじゃないですかね。
カレーですよね。
おいしいですよね。
おいしいです。
じゃあですねカレー占いちょっとしてもいいですか?カレー占いですか?日奈ちゃんがカレーと一緒に食べる主食は何ですか?やっぱりカレーといったら…カレーをライスで食べる人あなたは…えっそんなの分かるんですか?分かります。
じゃああと…あ〜カレーをナンで食べるなら…ライスかナンかでインドの北か南かの出身が分かってしまう。
なぜなのか?そんなインドの秘密をVTRでじっくり見てみましょう。
インドはケッペンの気候区分の熱帯から寒帯まであらゆる気候帯がある珍しい国です。
インド北部には寒帯の地域があります。
世界の屋根ともいわれるヒマラヤ山脈が連なっているからです。
夏になると標高およそ4,000mにある聖なる場所に巡礼者たちが祈りをささげに来ます。
ヒマラヤ山脈の麓にはヒンドスタン平原が広がっています。
ここにはインドの人々が聖なる川としてもく浴を行うガンジス川が流れています。
ヒンドスタン平原の東にあるメガラヤ州は世界一雨が降る所。
村人たちは山の急斜面で生活しています。
大雨が降っても水はけがよいので暮らしやすいのだそうです。
ここメガラヤ州は……という世界記録を持っています。
世界一雨が降る場所がある一方で砂漠もあります。
インド北西部にあるタール砂漠。
雨はほとんど降らず夏には40度を超える猛暑が続きます。
ここでは遊牧民がラクダと共に暮らしています。
貴重な財産でもあるラクダ。
暑さをしのぐためまた高値で売るために美しく毛を刈ります。
続いては農業に注目。
冬は乾燥し涼しい気候の北インドで栽培されているのは小麦。
緑の革命によってインドの農業生産量は飛躍的に増加。
小麦の生産量は世界第2位です。
南インドは気温が高く夏のモンスーンによって降水量が多いので米の栽培が盛んです。
栽培されているのは…田植えから3か月で収穫できます。
年に2回収穫が可能なので米も世界第2位の生産量を誇っています。
南インドでは米がたくさん取れるのでカレーは御飯と食べます。
一方北インドでは小麦の収穫が盛んなのでカレーはナンやチャパティと一緒に食べるのです。
だからさっき言ってたカレー占いっていうのが…。
そうそうそう。
あ〜そういう事なんですね。
気候が多彩だからという。
面白い国ですよね。
インドについてもっと詳しくね聞いてみましょう。
友澤和夫先生お願いします。
お願いします。
え〜っとですねインドは実に何でもある国なんですけれどもね。
先ほどの気候だけでなく言葉もたくさんあります。
このように…州なんですね。
はい。
というふうにもいわれています。
面白い話があるんですけれどもインド人が隣にいる人に何語で話しかけたらいいのか迷ってしまう。
そういう笑い話があるんです。
じゃあ国の中で言葉が通じないという事もあるんですね。
そのとおりです。
はぁ〜。
ちょっとこれを見て下さい。
はい。
あら?インドのお札ですか?1,000ルピー札ですかね。
日本円に換算しますと1,700円少々。
1万円以上の価値はあるかと思います。
こちらに英語で「ONETHOUSANDRUPEES」と書いてあります。
そして反対側にこれはヒンディー語ですけれどもこれも1,000ルピーです。
左側の細かいのも言葉ですか?これは。
15の言葉で同じく1,000ルピーと書いてる訳ですね。
言葉が違うという事は文化も違う。
すなわち……という事をこのお札は象徴してると思います。
なるほど。
その中でも英語とヒンディー語がお札の真ん中に書いてあるという事はみんなが分かる言葉だからですか?う〜んちょっとそれは残念ながら違うんですね。
全てのインド国民が等しく理解できる言葉はないといわれています。
ない。
ないんですか?そのため国が公用語を定める必要がありました。
公用語といっても4割ぐらいなんですね。
そうですね。
ヒンディー語をですね一時期国語化しようとする動きもありました。
しかしヒンディー語を使わない人たちあるいはそうした地域から猛反対にあった訳です。
なるほど。
多民族国家ならではの悩みですね。
そうなんですね。
だからそうした争いを避けるためにもかつて…たくさんの民族をまとめるためにあえて外からのものを選んだ。
そうだと思います。
もう一つインドでは宗教の違いも大きいんです。
多種多様な宗教が信仰されています。
その中でも最も多くの信者数を持つのが…有名ですね。
これはインドならではの…分かりました。
ではそのインド国内のカースト制度について見てみましょう。
インドの人口の8割を占めるヒンドゥー教徒の社会にはカーストという身分制度があります。
カースト制度にはヴァルナという生まれながらに決まっている4つの身分があります。
一番上から…更にその下には4つの身分に入らないダリットという全ての面で差別されてきた人たちがいます。
しかし今もなお差別は根強く残っています。
ダリットのこの男性は水を頼んでもコップではもらえません。
自分の手で飲むしかないのです。
本当に気分が悪いです。
最悪です。
結婚もカーストの影響を受けます。
恋愛結婚はまれ。
お見合い結婚がほとんどです。
多くの場合結婚は同じカースト内でします。
結婚相手を募集するにはお見合い専門の新聞に掲載するのが一般的。
そこにはバラモンクシャトリヤなど自分のカーストを記入します。
お見合いサイトもあります。
ここでもカーストが記されています。
もちろん法律では結婚も離婚も自由。
しかし実際には配偶者は同じカーストでなければならないと多くの人が考えているのです。
インドって自由に恋愛して結婚っていうふうにはできないんですね。
そうみたいですね。
先生憲法ではカースト制度による差別を禁止してますけどカースト制度は否定してないんですね。
はいそうなんですね。
こちらを見て下さい。
ヒンドゥー教徒の人たちはヴァルナによる身分関係と共にもう一つ生まれながらにしてジャーティという職業を同じくする集団に所属しているんですね。
ヴァルナとジャーティを組み合わせた社会制度がインド固有の身分制度であるカースト制度なんです。
インドでは決められた職業は一生変えられないものなんですか?少し違ってきてますね。
まずですねインドの経済発展が重要かと思います。
特にIT産業など新しい産業の成長が鍵です。
なぜかと申しますとITエンジニアこれは伝統的なカーストの枠組みがない職業ですよね。
今までなかったですね。
そうなんですね。
ですので…なるほど。
IT産業がカースト制度を乗り越える鍵になったんですね。
そうですね。
インドは今発展途上国の中でも急成長している国の一つです。
経済成長率も5%を超えており好調です。
その…インドはITによるサービスを輸出して成長しています。
その輸出先の80%近くは英語圏の国。
2010年には世界最大のITサービスの輸出国となりました。
けん引役となっているのが南部にあるバンガロールとその周辺地域。
インドのシリコンバレーとも呼ばれ欧米の大企業が拠点を置いています。
アメリカのIT大手企業では社員のほとんどがインド人です。
およそ3,300人が技術者としてソフトウエアなどの開発に関わっています。
もはやインドの頭脳なくして我が社は一日も成り立ちません。
こちらはインドを代表するIT企業です。
現在世界73か所に拠点を広げ従業員はおよそ16万人。
その多くがIT技術者です。
幸いにしてソフトウエアの開発なら多額の投資はいりません。
必要なのは頭脳だけです。
インドには25歳以下の若者がおよそ5億8,000万人います。
今多くの若者たちは頭脳だけで未来を切り開こうとしています。
インドの頭脳なくして我が社は一日も成り立たないっていうあの人の発言がすごいなって思いました。
大企業のITを支えてるのは今インドなんだね。
インド人の人たちもみんなITにチャンスがあると…すごいですよね。
さあ先生インドの顧客にアメリカなどの英語圏の企業が多いというのが英語は共通だった事が役立ってるという事ですよね。
はいそのとおりですね。
インドの強みの一つは間違いなく英語です。
1947年にインドがイギリスから独立した際には大きな産業と呼べるものはありませんでした。
そこでですね……は何かと考えたんです。
しかし数学などの高等教育を受けられるのは富裕層だけではないんですか?インドは自由と平等を憲法にも掲げている民主主義の国家です。
なるほど。
このように頭脳で国を興そうとしてきた戦略がIT産業の成功となって現在花開いている訳です。
それが今全ての成功に向かってるというのはすごい事ですよね。
教育というものはすぐに結果が出てこないものでもあります。
そんな教育に対してインドは根気よく力を注いで推進しています。
欧米人あるいは日本人が脅威に感じているほどですね。
へぇ〜すごい。
そんなインドの人がどんな教育を受けてるのかちょっと興味深いですね。
私調べてきました。
あっきました?インド行ってきた訳じゃないよね。
いやいやいや東京にあるインドです。
トリプルGが…江戸川区の西葛西にやって来ました。
(田中)
江戸川区には2,000人以上のインドの人が住んでいてここ西葛西にはインドの子供たちが通う学校があります。
生徒数は352人。
2歳から15歳までがインドの教育委員会が定めたカリキュラムで学んでいます
今日は7年生のクラスで一緒に数学を勉強したいと思います。
7年生は11歳から12歳です。
数学の授業は毎日あって一日2回の日もあるそうですよ
数字の規則性から式を導き出すという問題
みんなあっという間に解けちゃった。
すごい
えっと突然なんですけど数学好きな人手を挙げて下さい。
えっ全員じゃん。
何で?何で?
数学を好きになる秘密を知るため4歳から5歳児のクラスをのぞいてみました
うん?足し算?インドでは幼児期から徹底的に数字に慣れ親しんでいきます
今度は2桁。
まずは最初の数字34を覚えて残りを数えながら足していくんですね
(児童たち)サーティーフォーサーティーファイブサーティーシックスサーティーセブンサーティーエイトサーティーナイン。
(先生)ベリーグッド。
生徒の一人ロヒット君のお宅にお邪魔しました。
ロヒット君は世界中から1万人以上が参加する世界数学デーコンテストで7歳と10歳の時2回も優勝。
ロヒット君の計算の速さや正確さはまるで人間計算機並みなんだそうです
ロヒット君に将来の夢を聞いてみました
ソフトウエアエンジニアになりたいですね。
パパもソフトエンジニアと…。
僕も算数は好きですからコンピューターも好きですからパパもソフトエンジニアですから…そうしたいです。
エンジニアになりたいってもう夢が決まってるっていうのも…。
そうなんですよ。
教育のしかたとかあと教育を受けてる生徒たちのその熱意?ちょっと目をみはるものがありましたよね。
はいはいはい!みたいな感じで答えたい答えたいっていう。
では先生インドを学ぶ事で何を見つけていけばいいか高校生にひと言お願いします。
多様な価値観や異なる文化を持つ人々が一つの国の中で共存しているインドはそうした懐の深さを持った国だという事ではないでしょうか。
先生ありがとうございました。
ありがとうございました。
カレーとか映画とかで親しんでるけれどもあれだけ勢いがあるんだって…。
初めて知りました。
ちょっとびっくりしましたよね。
しました。
英語もあってITもあったらもうかなわないですよ。
ずっとああいう授業みたいな顔してなきゃいけない。
置いてかれちゃいますからね。
やばい頑張ります。
勉強していきましょうね。
はい。
という事でこれからも世界中のあんな事…。
こんな事…。
(2人)いっぱい知っちゃおう!インドにはあらゆる気候があります。
世界一雨が降る場所があり砂漠もある。
そんな…差別も根強く残っています。
近年は経済成長を背景に職業選択などでカースト制度を乗り越える人々が増えています。
経済成長を支えているのはIT産業です。
インドは頭脳立国を目指し教育に力を入れてきました。
それが今IT産業の成功となって花開いています。
2014/12/12(金) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地理「ここに注目!インド」[字]
人・モノ・情報が地球規模で行き交う現代。国や地域を越え、多様な社会や文化を理解し合うことが不可欠。“世界の今”を読み解く「地理」は、未来を切り開く力となる。
詳細情報
番組内容
それぞれの国や地域ごとに掘り下げて現代世界を考察する。自然環境や民族、文化、産業、経済など、さまざまな視点で学ぼう! 「ここに注目!インド」(1)多様な自然と生活文化 (2)ヒンドゥー社会と人々の生活 (3)急成長するIT産業
出演者
【講師】広島大学教授…友澤和夫,【出演】中田敦彦,田中日奈子,【語り】安元洋貴
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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