ねえねえ聞いてくれる?あのね電車に乗ってたらね若い女の子が私に席を譲ったのよ。
(夜明日出夫)いい話ですねぇ。
どこが!?なんでこの私が席を譲ってもらわなくちゃならないの!?そんな歳じゃありません。
あっ…そうですね。
私いくつに見える?えっ?うちの姉なんかねこの間ね四十前に間違えられたんだって。
へえ…。
姉には負けたくないの。
女の姉妹って微妙なんでしょうね。
そうなのよね。
ねえ私いくつに見える?えっ…?ほら遠慮しないで言ってみろ。
35!はあ〜…!運転手さんってば!ウフフフフ!ありがとうございます。
はい。
100円おつりです。
はい。
はい。
おつりはいいわ。
取っておいて。
ウフフフフ!ありがとうございました。
ハハハッよく言うよ俺も。
35だって…。
(バスのクラクション)
景気が回復傾向とニュースでは言ってるがタクシー業界は景気回復とまではいかない
だから我々の売り上げを脅かすライバルの交通機関は全く歓迎出来ないのだ
でかい図体しちゃって…。
(明神孝)じゃあ明日よろしくね。
(田島珠美)はい。
じゃあ。
(木下征二)田島珠美さんですね?はいそうですけど…。
田島秀彦さんの娘さんだよね?
(田島結衣)申し訳ありません。
お待たせして。
時間は守る子なんですけれどこんな大事な日に限って…。
先にメニューだけでももらいましょうか。
(携帯電話)あっ珠美からです。
ちょっと失礼致します。
(携帯電話)もしもし珠美?どこにいるの?孝さんのご両親もういらしてるわよ。
(珠美)「お姉ちゃん…」「どうしてもしなきゃいけない事が出来たの」「だから今日は行けない…」「孝さんに謝っといて。
また必ず連絡するから」
(電話が切れる音)もしもし!?珠美!あっもしもし孝さん。
あのそれが行き先が全く…。
いえいえ違います。
孝さんを嫌になったとかそういう事じゃなくて…。
きっと帰ってきます。
待っててあげてください。
はいはい。
じゃあ。
羽田。
あっはい。
ご旅行ですか?いえ…私スカイ・エア航空の客室乗務員なんです。
あの格安航空スカイ・エア?テレビでものすごいやってますよね。
けどあの料金の安さって驚きだなぁ。
あの…全社を挙げて経費削減を行ってますから。
(携帯電話)もしもし。
木下さん…。
ああその件に関しては広報を通してくださいとお願いしてたはずです。
ええ…。
よろしくお願いします。
(ため息)なんか心配事でも?いえなんでもありません。
あっありがとうございます。
お気をつけて。
(小林係長)夜明さんどこか具合でも悪いんですか?いえいえいたって健康ですよ。
あれ?じゃあどうしてこうなっちゃうのかな?先月も今月もワンメーターがほとんど。
長距離のお客様がとれないようじゃロングの夜明の名が泣いちゃいますよ。
やれる事はやってますよ。
飯食ってもすぐ乗車して仕事してるし文句言われる筋合いないと思うけどなぁ。
(野村)そうだよ。
街にはね超安い高速バスが溢れてて客はみんなそっちに行っちゃってるんだから。
それは承知してます。
でも夜明さんには活躍してもらわないと。
何しろうちの希望の星なんですから〜。
キラリーンと。
あれ?うわっ!
(パトカーのサイレン)
(馬場幸男)あっ警部補!ご苦労さまです。
おや?少しお太りになられましたか?警部補。
お〜巡査部長の国代ちゃん。
また背が伸びたんじゃないか?
(国代義明)中学生じゃあるまいし…。
馬場さんこそ縮んだんじゃないですか?それにちょっと太ってません?
(東山秀作)なあごあいさつ終わった?はい…。
行こうか。
遺体の身元は?
(馬場)木下征二43歳。
このマンションにオフィスを構えているルポライターです。
やっぱり死因はここ?頭部強打による頭蓋内出血。
恐らくは上の…あそこの踊り場で何者かと争って突き落とされたのではないかと。
で死亡推定時刻は?昨日の午後4時から7時の間。
この場所は普段入居者が出入りしない場所なので死体の発見も遅れたものと思われます。
金品の方は?奪われてた?財布は手つかずでしたが携帯がなくなってます。
(伊丹さやか)社長が死んだって本当ですか?残念ながら…。
あの…この引き出し鍵がかかってるんですけど開けられますか?
(さやか)私はただのアルバイトなんで。
社長殺されたんですよね?殺された…。
なぜそう思われるんです?
(さやか)あの男にひどい目に遭ってたから。
(畑中辰則)あいつが殺された!?木下さんのオフィスでアルバイトをしている女性の供述によるとあなたは一昨日の昼…。
話がある。
(木下)伊丹君お昼でも食べてきて。
はい。
それから小一時間ほどして彼女が戻ると…。
なんでもない。
(畑中)借りたもんは返さなきゃいけないって教えてやったのよ。
お金ですか?木下さんがあなたから借りていた金額は?500万。
相当な額ですね。
なんの金です?あいつはギャンブルにはまってやがったんだよ。
稼いだ金全部つぎ込んで借金まみれ…。
そうですか。
でおたくは昨日の午後4時から7時の間どちらで何されてました?うちのクラブはオープンが夜の8時なんだ。
それまで部屋で寝てたよ。
それを証明出来る人は?フッ疑ってんのか?
(神谷警部)ガイ者を殴った男というのはどんな人物なんだ?畑中辰則47歳。
六本木でクラブを経営してます。
その畑中ゆうべから今朝にかけて調布へ行った形跡はないか?調布?なぜです?実は被害者の木下のものと同じ携帯電話が今朝8時に調布の交番に落とし物として届けられていた。
じゃあ犯人は殺害後調布に立ち寄ったという事ですか。
最後の通話は昨日の午後5時15分。
木下は田島結衣という女性と話している。
(小林)「16461646」はい1646どうぞ。
「二子玉川3丁目で田島様がお待ちです」田島様…。
私の勘だとそろそろロングのお客様ですよね?俺は希望の星じゃありませんよ。
あああなたでした?昨日の夜明さんの応対がとても丁寧だったので指名させて頂きました。
ありがとうございます。
どちらへ?品川のスカイ・エア航空本社まで。
はい。
(西村あゆみ)あら?あらら?あゆみちゃん?なんでいつもいつもこの娘が登場するんだよ!?またまたまた嫌〜な予感だよ。
嫌な予感…。
何ブツブツ言ってるの?いや…お嬢様ここで一体何をされてるんですか?それはこっちのセリフよ!なんでいつもいつもさ私のバイト先に現れるわけ?すんごい迷惑なんだけど。
こっちもすんごい迷惑なんですけど。
おじさんたちは仕事だから!えっ…あゆみちゃん働いてる?働いてるって事は…。
(国代・東山)えっ!?そう!大空の華!知性と教養と美貌が売り物のキャビンアテンダーント!ちょっ…コラコラコラコラ。
営業の事務職のバイト。
でしょ?あっだったらひとつお尋ねしたい事があります。
田島結衣という客室乗務員どこにいますか?おかえりなさーい。
どうも。
あゆみ!結衣さんさっきから警察の方が…。
あゆみこんなところで何やってるんだ?お父さん!えっ?夜明さんとあゆみさんって…。
(あゆみ)不肖の親です。
お前スカイ・エア航空で働いてるなんて聞いてないよ。
旅行社の人に紹介してもらってバイトしてるの。
ほらほら!予感的中!やっぱり現れたよ親が…。
(国代)夜明さん!なんでここに?お前たちこそなんでここに?いやそれはこっちのセリフです。
いつもいつも我々の前に親子で現れて捜査の邪魔をな…。
ええ。
邪魔とは何!?仕事だよ。
仕事で彼女を乗っけてここまで来て…。
それを邪魔とは何?我々も仕事で話を伺いに来ました。
失礼!田島結衣さんですね?
(結衣)はい。
あなたと木下さんのご関係を教えて頂けますか?2週間ほど前羽田で声をかけられたんです。
自分は経済問題のルポを執筆していて今格安航空について原稿をまとめているので取材をさせてもらえないかって。
取材を?ええ。
携帯にもかかってきたのでどうやって調べたのか…。
社の広報を通してくださいってお願いしたんです。
昨日夜明さんのタクシーに乗ってる時にかかってきた時にも同じようにお答えしました。
なるほど。
木下さんがお亡くなりになった事は今日新千歳のフライトからこちらに到着した直後に知りました。
それで先ほどお花をお供えに…。
その木下さんが殺害されたのは電話で話をされた5時15分から7時の間です。
その間はどちらの方へ?夜明さんのタクシーで羽田に行って6時45分発の新千歳行きに搭乗しました。
そのとおり。
ちなみにその搭乗前に調布の方へ行かれたというような事はありませんか?あり得ない。
羽田に着いたのは5時40分。
調布を往復してたらフライトに間に合わない。
わかりました。
お手間とらせました。
いえ…。
(あゆみ)結衣さん。
明神孝さんっていう方がいらしてますけど。
えっ!?
(明神)田島さん!珠美さんは見つかりましたか?いえ…まだなんです。
まだって…。
じゃあまだ行方不明のまんまなんですか?いや…。
あのすいません。
行方不明?あのこちらは?私の妹の婚約者で明神さんとおっしゃいます。
こちらは警察の方です。
私の知り合いが亡くなったのでそれで…。
(明神)僕はうちに勤めている田島珠美さんと婚約しています。
昨日両親に会ってもらうために待ち合わせをしたんですが現れず…。
代わりに私に連絡が入って…。
(珠美)「お姉ちゃん…」「どうしてもしなきゃいけない事が出来たの」「だから今日は行けない…」「孝さんに謝っといて。
また必ず連絡するから」もしもし!?でもあの子は孝さんの事を本当に愛してます。
じきに帰ってきます。
孝さん…待ってやってもらえませんか?
(国代)殺された木下は大学卒業後30過ぎまで新聞社の政治部の記者として勤務していました。
ですが行きすぎた取材が原因で解雇されてそれ以来フリーでライターをしてます。
最近はギャンブルにはまり相当金には困っていたようです。
私がどうも引っかかるのは…この田島結衣だ。
その田島結衣の知り合いの木下が殺された同じ日に妹が行方不明になってます。
確かに妙ですよね。
ただ田島結衣には木下殺害時刻絶対的なアリバイがあります。
また夜明さんか…。
はい。
その絶対的なのが逆に怪しいんだ。
事件に絶対はないと考えて捜査すべきだ。
そうだろ!そうです!きたぞ〜。
当たんないんだよこの勘が。
きましたね。
本当当たんないんですよね。
何をゴチャゴチャ言ってるんだ!
(3人)何も言ってないです!ほら!お姉ちゃんのも選ぼうよ。
私はいいわよ。
花嫁さんは珠美なんだから。
お姉ちゃんずっと恋してないよね?えっ…?私はほら仕事命だから。
あとは珠美が幸せになってくれたらそれで大満足。
10年前からずっとそうだよね。
わかった!じゃあ珠美のお式が済んだら私も絶対イケメンつかまえる。
で珠美よりうんと幸せになるから。
だから孝さんのご両親に気に入られるようなのを選んで。
ねえこれは?ほら似合うじゃない!
(ため息)
(国代)これは一体…?なんの記録だ?あの〜ここ1本なくなってるようですね。
チリンチリン先輩…。
夜明さん。
起きてください。
起きてください。
ガイ者のオフィスの引き出しから大量のUSBメモリーが…。
US…?USBが発見されました!USBが何?よし!
(2人)よいしょ。
しかもそのUSBに録音されていたのは男女の密会現場!その声なんです!よし国代いこう!はい!よっしゃいくぞ!
(国代・東山)せーのよいしょ!
(2人)エッサエッサエッサエッサエッサ…。
よいしょ。
はい。
(国代)朝ご飯出来ましたよ。
つまり木下は盗聴していたんです。
おはようございます。
アジ焼けてます。
メザシがない…。
あっメザシ…!
(馬場)はーいメザシ焼けました!お待ちどおさまです!いいですか?エステティックサロンや高級フィットネスクラブの更衣室での会話も録音されてたんです。
しかも木下の銀行口座には複数の人間から不定期の振り込みがありました。
ですからそういう事を総合して考えると木下はその盗聴したUSBメモリーを使って恐喝していたんではないかと。
たちの悪い強請り屋ですよ。
だったらさ…。
はい。
強請られてた奴が犯人だよ。
決まりじゃん。
ですが例の田島結衣木下から経済問題のルポを書くからと言って取材を申し込まれたと我々に言っていましたが木下の専門は経済ではありません。
政治です。
それにスカイ・エア航空を取材する予定なんて全く入っていなかったらしいんです。
田島結衣は木下が殺害された時刻5時15分から7時の間は先輩のタクシーに乗って羽田へ行き…。
そこから新千歳。
間違いないですか?絶対!いやでも警部が事件に絶対はないって…。
じゃあさあの神谷とこの俺とどっちを信じる?
(東山・国代)そりゃあもちろん絶対…。
(3人)夜明さんです!大体さお前たちもっと頭を使えよ。
木下には共犯者がいた。
しかも女性。
どうしてわかるんです?エステとか更衣室に男入れるか?女性じゃなきゃ無理ですね。
そうだよ。
なるほど。
(電話)はい夜明でございます。
はい。
もしもし。
ロングの夜明さんとうとう来ました!長距離のご予約が。
はい?スカイ・エア航空の田島様からなんと神戸まで…。
「往復お願いしたいと」田島さんって田島結衣さんですか?わかりました。
喜んで!ありがとうございます!
(笑い声)あの…田島結衣がどうかしたんですか?彼女の指名で神戸往復。
(2人)神戸!?ご指名ありがとうございます。
(あゆみ)遅くなりました!あゆみ…お前も一緒に行くの?そう。
ライバル会社の偵察のためにね。
あっお父さん結衣さんと2人きりだと思った?甘〜い。
地上勤務のファーストミッションなんです。
はい?
(咳払い)我が社では新規路線の開拓を考える中で深夜発着の便を検討してます。
ついては深夜帯の交通機関つまり競合異業種の特徴利点料金等を調べて比較検討するよう命じられたんです。
それでタクシーで神戸まで?はい。
うわ〜…ドライバーとして光栄です。
夜明さんが田島結衣と神戸へ?
(国代・東山)はい。
気に入らないなぁ。
(2人)はい。
よりにもよってこんなタイミングで田島結衣と!気に入らない。
静岡通過。
しょうがねえなもう…。
乗り心地がいいからですよ。
妹さん見つかりました?いえ…。
心配ですね。
ええ…。
夜明さんだけにはお話ししておきます。
実は出張先を神戸に決めたのは珠美の事があるからなんです。
(あゆみ)お待たせしましたー!
(結衣)ありがとう。
はいサンキュー。
じゃあ夜明さんは刑事さんだったんですか。
昔捜査に関わった女の人との関係を疑われて…。
余計な話するなよ…。
週刊誌にこんなに大きな記事が出てそれで辞職して母とも泥沼離婚。
泥沼なんかじゃない。
じゃああのあゆみさんと一緒に支社へ着任の報告とあいさつをしてきます。
夜明さん…。
はい。
そのあとお付き合い願えますよね?ああはい。
(田島秀彦)かつてこの辺りはね広々とした水田地帯が広がってたんだね。
で当時はオニヤンマムカシトンボそれに今我々が保護しようとしているベッコウトンボがいっぱい悠々とこう飛んでたんだね。
でも今はそのヤゴ1匹見つけるのでももうひと苦労だ。
理由は農薬の使用川の護岸工事…。
それがどんどん自然を破壊してってるんだね。
(チャイム)ボランティア活動だなんて…随分変わりましたね。
そんな嫌味を言いにわざわざここまで来たのか?恨みを晴らしに来たと言ったら満足ですか?
(ため息)珠美の行方がわからなくなったの。
お付き合いしてた人にプロポーズされて相手のご両親に会う当日姿を消したんです。
あの子の部屋にこの切り抜きが。
(結衣)この季節ここにあなたが来ているのをあの子は知ってひょっとしてあなたに会いに来たんじゃないんですか?来てない。
(結衣)それだけなの?珠美の事心配じゃないの?俺は男の子が欲しかった。
えっ?1人目も2人目も女でがっかりしたよ。
酒の相手にもならん。
ベッコウトンボの方がよほどかわいい。
(上田和子)いらっしゃいませ。
お久しぶりです叔母さん。
結衣ちゃん…?なんて事!結衣ちゃんが来てくれるなんて!本当にすっかりご無沙汰でごめんなさい。
申し訳ありません。
あの…大同交通のドライバーの夜明さん。
神戸まで連れてきてもらったの。
お世話になってます。
ねえあれよね?知ってて来てくれたのよね?兄さんがこっちに来てるって事。
(ため息)さっき会ってきました。
兄さんあんたたちと縁切って何年になる?もうそろそろ普通の親子に戻ってもいいんじゃないの?ごめんなさい。
父と仲直りしに来たんじゃないの。
ねえ叔母さん珠美ここに来なかった?珠美ちゃん?…ううん。
はあ…そうですか。
でも電話ならあったけど。
3日前に。
ちょうど今うちに寝泊まりしてるの。
(和子)「トンボの保護活動でこっちに来ていて」直接話してやって。
じきに帰るから。
私…もうダメかもしれないの。
ダメって何が?もうこれ以上頼る事出来ないの誰にも。
その電話どこからかけてきたかわかる?うーん…それは…。
ああそう…。
そういえば声と一緒に汽笛の響くような音が聞こえてたわ。
汽笛?タンファンチェ…。
先輩!「攤販街」…。
合ってます。
いらっしゃいませ。
先輩!よかったです。
捜しました。
なんでお前たちここにいるの?あゆみちゃんから聞きました。
先輩は中華街のタンファンチェというお店で仮眠をとってるって。
いやだからなんでお前たち神戸にいるの?ああ…はい。
畑中が神戸に向かったと聞いて追ってきました。
それと死んだ木下最近上野の宝石店に勤める女性をマークしていたらしいんですが…。
その女性が次の強請りのターゲットだったらしいんです。
それと田島結衣の妹田島珠美も上野の宝石店で働いていたようです。
あっ…。
はいはいはい…!あっ痛っ!お前さまさか強請りのターゲットは珠美さんだなんて思ってないだろうな?思ってます。
脅された揚げ句木下を殺したのが珠美でひょっとしたらそれが原因で姿を消してるんではないかと。
なんでそんな単細胞なんだよ。
上野の宝石屋に勤めてる女性って50人は下らないだろ?その中でなんで珠美さんをワンポイントで攻めてくるんだよ。
ですが…!怪しいのは畑中だろ。
消えたUSBの中には相当な金額になる脅しのネタが入ってたんだ。
その取り分を巡って畑中と木下は争いになって畑中が木下を殺したんだ。
先輩神谷が田島姉妹を疑ったのはそれはもちろん最初はいつもの当たらない勘です。
ですがここまで偶然が重なるとあの姉妹が木下殺しに関与した。
そう見ざるを得ません。
結衣さん…。
夜明さん…。
警察の方がなぜ?あり得ません。
珠美が人を殺したなんて。
では理由も告げずに逃走している。
これはなぜなんですか?逃げてるんじゃありません!何か大事な用があってどこかに行ってるんです。
ですからそれがどこかとお聞きしてるんです。
あの…あなたたち姉妹のふるさと大分だっておっしゃってましたよね?ええ。
あの…。
こういう事考えられませんか?珠美さんいったん神戸に来て神戸から大分に向かった。
えっ?あの…電話口で汽笛が聞こえたっておっしゃってましたよね。
神戸から大分行きのフェリーが出てます。
それじゃ珠美はそれに乗って大分へ?十分考えられます。
私も行きます大分。
神戸発大分行きのさんふらわあ号は午後7時に神戸を出航して翌朝6時に大分港に到着する
およそ11時間の船旅だ
お父さーん!お土産麦焼酎にしてねー!聞こえない!麦焼酎!お願いだよー!
(あゆみ)お願いだよー!
(汽笛)
(結衣)私の実家は大分の九重というところです。
母は小さな旅館の一人娘で父が入り婿の形で結婚して私たち姉妹が生まれました。
でも…。
珠美が大学生の時に母が亡くなりそれ以降は私が珠美の親代わりとして面倒を見てきました。
そうだったんですか。
珠美は気持ちにムラがあって…。
何かに集中したかと思うと急に投げやりになったり…。
人を驚かすような大胆な事をしたり…。
わかります。
私もあゆみに振り回されたりします。
きっと何か困った事が起きてるんです。
だけど私に頼りたくなくて姿を消したんです。
珠美は私には反発してるところがありましたから。
とおっしゃいますと?もうお話ししないといけませんね。
私たち姉妹がずっと父と会わなかったわけを。
私たちが父と疎遠になったわけは父が…殺人を犯したからです。
殺人!?10年前の事でした。
(珠美)お姉ちゃん!えっ?どうしたの?
(泣き声)警察を呼んでくれ。
溝口を殺してしまった…。
(結衣の声)父は宿泊客を殴り殺したんです。
珠美は大学を転校せざるを得なくなりました。
私も勤めていた大手の航空会社を辞めました。
母は事件の1年後過労がもとで亡くなりました。
でも孝さんはそれを承知の上でプロポーズしてくれたんです。
あの子にはこの幸せをつかんでほしい…。
だからどうしても…。
どうしても珠美を見つけ出さないといけないんです。
わかりました。
出来るだけの事はします。
(汽笛)
(ため息)誰かいないの…?
(汽笛)キャーッ!九重町にある母のお墓に行ってもらえますか?ええ。
どうぞ。
畑中だ…。
ええ。
ガイ者は六本木のクラブ経営者畑中辰則。
東京で発生した殺人事件に関わってると見て我々が追っていた人物です。
詳細を教えてもらえますか?
(小森刑事)はい。
死因は腹部を鋭利な刃物で刺された事による失血死。
死亡推定時刻は昨日の18時から21時の間です。
所持品は?こちらです。
これが宿泊していたと見られるホテルのカードキー。
これが財布。
ちなみに携帯と免許証は発見出来ませんでした。
ちょっと失礼します。
現金はある。
じゃあ何か他に奪われたという形跡はなし?はい。
これは?売店で買い物をした際のレシートのようです。
時間は20時10分となっています。
どこだ?USBメモリーはどこだ?先輩…。
先輩これ見てください。
これは…。
(結衣)このお花…。
供えられて間がないですね。
きっと珠美です。
あの子が来たんです。
畑中は10年前大分県で起きた殺人事件の事を調べていました。
ええ…筋湯温泉というところにある旅館で主と宿泊客が口論となりまあその主がカッとなって灰皿で客を殴打。
殺害に及んだという…。
その旅館の主田島秀彦こそが田島結衣珠美姉妹の父親だ。
えっ?なんですって?これで畑中と田島姉妹に繋がりがあった事が証明されたな。
我々をすぐに大分に行かせてください!
(結衣)ここが私と珠美が生まれ育った旅館です。
私たちもめったに来ないので隣の人に時々風を入れてもらってるんです。
(古賀裕二)結衣ちゃんじゃねえかい。
(結衣)あっ古賀のおじさん!ご無沙汰してます。
お世話になってるのに連絡もしないですみません。
いやいやいやそんな事はいいよ。
そうか姉妹2人で九重帰ってきたんね。
じゃああの…珠美もここに来てるんですか?ああ。
3日前の夕方ここで会うたよ。
なんでも旅館で大事にしちょる掛け軸を取りにきたんだとか。
どうしてもあれが必要なんです。
あああれは私も覚えちょるよ。
随分高価なものだった。
しかしあれは確かお母さんが入院した時に治療費にするために売ったって聞いちょるよ。
そんな…!珠美が今どこにいるかわかりますか?悠々亭に泊まってると話してたよ。
田島珠美がこちらに泊まってるはずなんですが。
今朝チェックアウトされておりますけれども。
どこに行くか言ってましたか?さあ…。
何もおっしゃっておりませんでしたけれども。
掛け軸が欲しくてここへ戻ったんだとしたら珠美はお金が必要だったんだと思います。
そのようですね。
(携帯電話)すいません。
(携帯電話)はい。
田島です。
はい。
あの夜明さん…。
夜明さんにです。
はい?あっすいません。
もしもし?東山です。
例の畑中辰則神戸で殺されました。
なんだって?先輩その様子だと当分は田島結衣と一緒ですか?うん…。
「でしたら今いる場所を…」絶対に動かないでください。
我々すぐに向かいますから。
いいですか?民間人は絶対に動かないように!うお〜!うわ〜立派だね。
(鳴き声)
(2人)うわっ!知りません。
会った事のない方です。
昨夜8時10分から9時の間あなたは神戸発大分行きのフェリーに乗船していた。
間違いないですか?ええ。
俺も一緒。
はあ…。
それで珠美さんの居所は?今朝までこのホテルにいた事はわかりましたがそのあとの事はわかりません。
そうですか…。
地元警察の協力を得て妹さんの足取りだ。
はい。
東山…。
はい。
お前さまだ珠美さんを疑ってるの?その疑ってる理由は?これは捜査上の機密ですから民間人の前でそう軽々しく話すわけにはいきません!東山…。
はい。
国代…ちょっといい?ちょっといい?いやお前たちさ困った時はなんでも相談に来るくせに都合が悪くなると民間人に言えないとか言うのさどの口だよ?
(国代・東山)えっ?この口か!痛い痛い痛い…!国代喋って…。
えっなんで…。
よしよしよしよしよし…。
お前たち今夜ここへ泊まるんだろ?はっ?俺もお前たちの話ゆっくり聞きたいから泊まる。
で請求書は神谷な当然。
(国代・東山)えっ?最悪だよ…。
今度は神谷につねられる!え〜っ!?お父さんねえ嘘でしょ?違うって言ってよ。
(刑事)ダメです。
お父さんお父さん…。
お父さん…!
(北村刑事)ああ10年前の事件ですね。
よく覚えてます。
(北村の声)あの時この九重の街には民政党の代議士浜本正が来てました。
殺された溝口は当時収賄容疑で騒がれていたその浜本の秘書をしてました。
浜本は取材攻勢から逃れるためにここ九重の悠々亭に身を隠したんです。
溝口の方は高校の同級生だった田島の旅館に宿泊して代議士をつかず離れず見守っていたわけです。
(田島)野依新池はベッコウトンボの日本でも数少ない生息地なんだ。
あそこを開拓したらトンボがすめなくなるよ。
(溝口善三)何がトンボだ。
いいか?地元の経済発展がなかったら若い連中はみんな都会に出て行ってしまうんだぞ。
公共工事は地場産業の少ないこの土地を活性化させる最後の手段なんだ!
(北村の声)酒が入っていたせいもあり溝口も腹を立て…。
なんだと?うらぶれた旅館の入り婿風情に説教されたくないんだよ!なんだその言い方は…!この…!
(溝口)うわっ!
(北村)田島は出所したあとこの家で一人暮らしでした。
2人の娘とも没交渉になっていたようですし近所付き合いもほとんどありませんでした。
(汽笛)先輩!起きてください!
(国代)起きてください!先輩!起きてください。
大変なんです!
(国代・東山)せーのよいしょ!わあーっ。
先輩!今回の2つの事件思わぬ方向に動き出しました。
田島結衣珠美姉妹の叔母にあたる上田和子が血痕の付着しているナイフをゴミ箱に捨てているのを目撃されました。
上田さんって神戸の?
(国代・東山)はい。
ナイフと一緒に殺された畑中辰則の免許証も発見されました。
つまりそのナイフは畑中殺害の凶器だと思われます。
(国代)さらに!そのナイフから出た指紋マエがありました。
まさか…。
田島結衣の父親田島秀彦の指紋です。
あのナイフからはあんたの兄さんの指紋が出てるんや。
そ…それは…。
それ…。
俺今日中にここを出る。
どうして急に?これ始末しといてくれ。
残念ですが状況から見て畑中辰則を殺害したのはあなたのお父さん田島秀彦だと思われます。
違います!あ…あの…確かにあの…父には前科があります。
でもまた事件を起こすなんてそんな…本当…。
まあまあまあ落ち着いて。
なんかの間違いだと思います。
万一田島さんの犯行だとして動機は?畑中は10年前の事件をネタに木下同様田島珠美を強請ろうとした。
珠美さんはその事を父親の田島に打ち明けた。
娘から助けを求められ黙っていられなくなった父親の田島は娘を守るために畑中を殺害した。
違います。
違うんです…。
(携帯電話)
(結衣)珠美!?もしもし珠美どこにいるの?珠美!よかった無事で!この人は知りません。
この人は…。
木下征二というルポライターです。
ひょっとしてあなたこの男に脅されてたんじゃないですか?田島秀彦さんの娘さんだよね?お金をよこせって。
やっぱり!最初お金をつくるために叔母さんに借りようと思って新幹線で神戸まで行きました。
でも頼めなくて…。
それから大分までフェリーで…。
それが6日ですか?はい。
でも当てにしてた掛け軸はもう売られてて同級生に頼もうかとも思ったけど適当な人が見つからなくて…。
大丈夫よもう。
私がついてるから。
珠美さんそれであなたは神戸でお父さんにその事実を伝えたんですか?いえ。
父には何も話してません。
(馬場)田島秀彦が畑中を殺害した動機はなんなんでしょうか?娘の珠美が強請られているのを田島は知らなかったんですよね?そこなんだよ問題は。
その動機に関わるかもしれんものがここにある。
木下の部屋から押収されたデータの1本ですね。
ああ。
聞いてみてくれ。
(木下の声)「4月29日議員宿舎前で浜本に収賄問題を問いただす」
(木下)代議士は北九州の建設業者が作っている団体から金を受け取ってたんですよね?
(浜本正)全く思い当たりませんな。
浜本さん…!
(国代)随分荒れた雰囲気ですね。
大分出身の浜本代議士は野依新池の問題で建設業者との癒着を以前から噂されていたからな。
ですが警部この音声と田島一体なんの関係が?そのあと浜本はマスコミの前から姿を消した。
はい。
大分県九重町にある旅館に身を隠した。
ジャーナリストなら浜本のあとを追いかけたはずじゃないか?しかし警備が厳重で浜本への接近が不可能だったとしたら…。
(馬場の声)まずは秘書の溝口に接近した?そうだ。
木下は田島の経営する旅館へ行った。
そして溝口の部屋に盗聴器を仕掛けた。
そうか。
木下は溝口と浜本の会話を録音しようとしたんだ。
しかし実際に録音されたのは…。
うらぶれた旅館の入り婿風情に説教されたくないんだよ!なんだと…!うわっ!田島による溝口殺害の一部始終。
おたくそこで何やってるのかな?お前…田島だな?世田谷西署の馬場ですが。
(馬場)うおっ!待て!
(馬場)待てー!田島!一緒に来てもらうぞ。
全てを正直に話してみろ。
(田島)木下という男と畑中という男私が殺しました。
2人を殺害した理由はなんですか?木下という男から溝口殺しの現場の音声を持ってる。
返してほしければ金をよこせと。
(田島の声)畑中という男も木下を殺したのはお前だろうと脅してきた。
それが全てです。
待て。
お前は木下殺害現場付近で木下の所持していたUSBメモリーを拾ったはずだ。
いや。
そんなものは知りません。
なんですって?知りません。
田島!ただいま。
(小林)あっ夜明さん!
(一同)おかえりなさい。
ロングの夜明さん。
いやあしかし大分まで行くんだもん。
やっぱり夜明さんはすごいや。
いやいや。
たまたまだよ。
(潮美)おかえりなさいませ。
はいお土産〜。
えっお土産まで?嬉しいなあ。
はいあとでね。
皆さんもねチンタラ走ってないで夜明さんのように売り上げ向上目指してください。
エンジェルくんエンジェルくんヘヘヘ…。
ひと言多いんだよな。
あの係長。
そう愚痴らな〜い。
早く開けてくださいよ。
(小林)きれいに開けたいんですよ。
(潮美)あっすいません。
じゃあ俺帰って寝るわ。
(一同)はいごゆっくり。
結衣さん休職願い?そうなの。
体調がよくないからしばらく休職するって突然。
休職願いってよっぽど体調悪いのかな?お父さんお見舞い行ってあげれば?距離を縮めるちょうどいいチャンスじゃない。
何?ちょうどいいチャンスって。
お父さんだってさ独り身のまま老後を迎えるの心配でしょ?痛っ!親をからかう娘がいるか。
(ノック)はい。
結衣さん。
(あゆみ)えっ!突然お邪魔してごめんなさい。
営業所でこちらの住所を聞いて…。
まあとにかくどうぞ。
あ〜私用があったんだった!お父さん帰るね。
結衣さんどうぞごゆっくり。
チャンスだよ頑張れ〜。
結婚話なかった事に?明神さんにそう伝えたそうです。
私珠美の幸せだけを考えて生きてきました。
もうどうしたらいいのかわからなくなってしまって…。
本当は出来たらお父さんに相談したいんじゃないんですか?とんでもないです。
父に相談なんて…。
けどあなたお父さんに気を使ってらっしゃる。
大分の家にありましたよね。
日持ちのする食品とか薬とか。
憎んでたんじゃないのかっておっしゃりたいんですよね。
父が刑務所にいた時は憎くて憎くて…。
でも3年前出所した時はやっぱり嬉しくて…。
お父さん。
お前たちとは縁を切る。
もう親でも子でもない。
どうして?7年間自由のない時間を過ごした。
これからは勝手にやらしてもらう。
なんなの!それ。
私たちがこれまでどんな思いで暮らしてきたと思ってるの?うるさい!出てけ!もう昔の父じゃない父はもう死んでしまったんだと思う事にしました。
なのにふとした時に体は大丈夫かちゃんと食べてるかしらなんて心が揺れて…。
あんな…ついあんなものを送ったりして。
今度の事件だって父が起こしたとは思えなくて…。
つらかったでしょう。
え?心の中に揺れるものを抱えてると苦しいもんです。
それに親子の感情って好き嫌いを超えた特殊なもんです。
そんなふうに言ってもらえると…。
父との事はずっと誰にも理解してもらえないと思ってたんで…。
あっ体調どうですか?大丈夫ですか?
(ため息)あの…私…。
すいません。
急にお邪魔してつまらないお喋りして。
もう失礼します。
(ドアの開閉音)
(田島)ほらほら。
あそこにいるぞ。
ほらいっぱいいるねえ。
ほらほれほれほらしっかり。
ほら。
よいしょ。
ほらよしよし。
こっちにも…よっ!ほらしっかり捕れよ。
しっかりしっかり…よっ!捕れた!
(田島)捕まえた。
震えてる。
生きてる。
そうだね。
逃がしてやろうね。
(珠美・結衣)うん。
ねえお父さん大好き!お父さんもねお前たちを大好きだよ。
かわいいお父さんの宝物だ。
お父さんとずっと一緒にいたいんだったらお嫁さんいっちゃダメだよ。
(結衣・珠美)うん。
ねっ。
ハハハ…!
(田島の声)かわいいお父さんの宝物だ。
(田島の声)かわいいお父さんの宝物だ。
(田島の声)かわいいお父さんの宝物だ。
結衣さんは私に何かを伝えようとしてためらっていた
あの…私…。
すいません。
それがなんだったのか…
早晩田島は処分保留で釈放する事になるでしょう。
ひとつ引っかかってる事があります。
何?田島結衣ですよ。
あの女も木下の死体が発見されたその日花束を持って事件現場に行ってたそうじゃありませんか。
実は木下を殺したのは田島じゃなくて結衣なんじゃありませんかね?結衣こそがUSBメモリーをなくして現場に拾いに行ってた。
何を言い出すかと思えば…お前正気かよ?もちろんです。
田島は父親ですからね娘の犯罪をかばってるとしても不思議じゃありません。
あり得ない。
あの親子この10年会話らしい会話してない。
しかし…。
結衣さんには絶対的なアリバイがある。
木下殺害時は5時5分に俺のタクシーに乗って羽田に行ってそこから新千歳。
で畑中が殺害された時は大分行きのフェリーに俺も乗ってたの。
一緒に。
お前の妄想に付き合ってられないよ。
いや妄想なんかじゃないですよ。
あの女の言ってるアリバイにはきっと何かカラクリがあるんですよ。
夜明さんのタクシーに乗っていた時に木下から電話が入ったっていうのだって実は自分のと木下のと2台の携帯を持っていてこっそり自分で自分にかけたのかもしれないじゃないですか。
あり得ないよ。
第一木下の携帯は事件の次の日の朝8時調布で発見されたんだよ。
その時間彼女は新千歳にいた。
どうやって調布行くんだよ。
う〜ん…。
結衣さんはシロ。
夜明さん彼女に気があるんじゃありませんか?何?だからかばいたい気分なんでしょう。
わかりますよ長い付き合いですからね。
わかってないのはお前だよ。
事件の関係者に美女がいるとねちねちねちねちねちねち絡んで。
冗談じゃない。
私はこう見えても正直なのと真っすぐなのが取りえなんです。
ハハハ…。
わあ〜気持ち悪い。
何が取りえだ。
その歳で真っすぐなんてハハ…気持ち悪い。
それにお前のは推理じゃない。
ただのヤマ勘。
それも当たった事のないヤマ勘。
だから偉くもなれない。
あーっもう!ああ言えばこう言う。
夜明さんになんて会いになんか来るんじゃありませんでした!帰って帰って。
安い酒持って。
(ため息)
神谷の指摘に一点だけもっともだと思えるところがあった
木下は結衣さんに格安航空の取材を申し込んでいた
だがそれだけの関係で結衣さんがわざわざ花を手向けに来たというのはやはり不自然だ
木下さんああ…ですからその件は広報を通してくださらないと。
もしもあの時彼女が2台の携帯を操作していたとしたら…
ここで木下の携帯は発見された
よし…。
あっすいません。
ああっ!落ちた。
(潮美)あっすいません。
5時15分から7時の間と思われた死亡推定時刻
だがそれがそもそも間違っていたとしたら…
木下さん。
ええですからその件に関しては広報を通してくださらないと。
あの時刻すでに木下が…殺害されていたとしたら…
昔は今の俺と同じぐらいの歳の男見てあ〜大人だなあって思ったもんだ。
けど実際自分がこの歳になってよ〜くわかった。
いくら歳を食っても中身はガキん時と同じ。
人間なんてさ成長なんてしないもんよ。
うん。
ねえ聞いてるの?ああ聞いてる…。
なんだか落ち込んでるみたいだね。
そんな事ないよ。
まあそういう時はさ下を向くのをやめてさ上を向いて歩こうよ上を向いて。
そうすればさ気も楽になるからさ。
上を…。
上!そうだよ!ええ田島秀彦は釈放しましたよ。
決定的な事は何も喋らずです。
例のUSBメモリーまだ見つかってないんだよな?至急調べてもらいたいとこがある。
えっ!?お休みのところを急に呼び出してすいません。
お父さん処分保留のまま釈放されました。
本当ですか?ああよかった…。
お父さん大分に戻られるって聞きました。
あなたももう一度ふるさとにお帰りになったらどうですか?えっ?そこでゆっくり2人で話されたら…。
家族3人のために。
ちょっと立ち寄ってもらいたいところがあるんですけど…。
はい。
私や珠美が小さい時よく父がここに連れてきてくれました。
蝶を捕ったりトンボ捕りしたり…。
家族にとって思い出の場所ですね。
もうバラバラになってしまいましたけど…。
10年前に九重で起きた殺人事件についてあなたいくつか嘘ついてますよね。
あなただけじゃない。
あなたのお父さんも妹さんも。
その嘘のせいで2つの殺人事件が起きた。
私そう思ってます。
木下並びに畑中を殺害したのは…あなたですよね?結衣さん。
あなたのアリバイ工作に私も警察も騙されました。
あなたが私のタクシーに乗ってきたのが5時5分。
木下から電話があったのが5時15分。
木下さん。
ええですからその件に関しては広報を通してくださらないと。
警察は木下は5時15分から7時の間に殺害されたそう考えました。
木下が殺害されたのは5時15分よりもっと早く。
恐らく4時過ぎでしょう。
あなたはその上で私のタクシーから木下の携帯を使って自分の携帯に電話をかけた。
もしもし?あっ木下さん。
問題は木下の携帯の処理です。
羽田近辺で捨てたらあなたへの疑いが強くなる。
そこであなたは賭けに出た。
そうしておけばケースを運び出される時に携帯が地面に落ちる。
ドライバーに気がつかれたら全て終わりです。
けど幸いな事にサラリーマンに携帯を拾われてあなたのアリバイは成立した。
いえ違います。
それは全て夜明さんの想像です。
10年前の事件の全容を録音したUSBメモリー警察が発見しました。
(馬場)待てー!警察はUSBを回収し10年前の録音を確認しました。
(ため息)最初…木下は珠美のところに現れました。
きっかけになったのは高校生がトンボの保護活動をしているという新聞記事でした。
そこに生徒と一緒に父も写真に写ってたんです。
木下はそれを見て強請りの材料を思い出したんです。
ここに10年前の事件の記録が録音されて残ってる。
これが公になったらあんたは結婚どころじゃなくなるんじゃないのか?珠美はお金を作るために九重に向かいました。
それを知らず珠美を捜していた私は珠美のアパートへ行き…。
(電話)
(アナウンス)「ただ今留守にしております」「ピーという音のあとにお名前とご用件をお話しください」
(電子音)「俺だ木下だ。
約束のものはどうなった?」あなた誰?珠美になんの用ですか?
(木下)「あんた珠美の姉さんだな?」
(結衣の声)珠美の代わりに払うものを払えと言われました。
珠美がなぜ脅されているのかなぜ姿を消したのか疑問だらけのまま木下のオフィスに行きました。
珠美の結婚だけは絶対邪魔されてはいけない。
そう思いました。
ところが…。
殺してないんだなあんたの父親は溝口を。
え…?これに事件の真犯人の声が入ってる。
父が犯人じゃないって…。
(結衣の声)一瞬大きな期待をしました。
父が無実だったとしたら父との溝もなくなるかもしれない。
でも…。
(溝口)「随分美人のお母さんに似てきたな」
(珠美)「私はお父さん似なんです…」珠美…?
(結衣の声)聞こえてきたのは珠美の声でした。
ちょっとついでくれないかな。
私これから出かけなきゃならないんで…。
そんな事言わないで。
一杯だけ。
ねえ。
ちょっと…やめて…!そう暴れるな!ああーっ!もしもしお父さん?来て…。
助けて!
(田島)あ…!
(田島)溝口!溝口!珠美…。
(珠美のすすり泣く声)はっ…!
(木下)犯人はあんたの妹だったのさ。
これであんたも金を払う気になっただろ?
(USBメモリーが落ちる音)
(木下)うわあーっ!
(結衣の声)必死でUSBメモリーを捜しましたが見つかりませんでした。
(結衣の声)それにフライトの時間が迫ってました。
(結衣の声)私は急いで自宅に戻り支度をしてから夜明さんのタクシーを捕まえました。
それから羽田へ行き新千歳に向かったんです。
あとは夜明さんのおっしゃるとおりです。
そして私のタクシーで神戸に行きお父さんと会った。
(ため息)夜明さんが仮眠を取っている間私はもう一度父と話をしました。
お父さん…珠美のために7年間も刑務所に…。
私…お父さんの事誤解してて…。
いや!いや…いいんだ。
(携帯電話)もしもし?
(畑中)「田島結衣さんだな?」どちら様ですか?
(畑中)「木下の知り合いなんだ」「あんただろ?奴を殺したのは」
(結衣の声)それ以上父と話をしている時間はありませんでした。
こちらからかけ直しますから少し待ってください。
ごめんなさい。
ちょっと急用が出来て…。
今度ゆっくり…。
(結衣の声)老いた父を労わる時間もないのが悔しかった。
だから胸の中で父に訴えました。
お父さんあなたが犠牲にした7年間を私は決して無駄にはしない。
(汽笛)
(結衣の声)今度は珠美を私が守ります。
畑中さんですか?事情は木下から聞いてる。
1千万で手を打とうか。
(結衣の声)無我夢中でした…。
うぅ…!あ…。
ば…馬鹿者…。
貸せ!俺がやったんだ!嫌…ダメ!結衣!お前も珠美も俺にとってはかけがえのない大事な娘だ!行け…。
行け!お父さん…。
(田島)ここから離れろ!お父さんはフェリーの出航を見送ったあと南京町に戻り買い物をしてレシートを手に入れ再び空き地に戻った。
こうやってあなたのアリバイは作り上げられた。
そのとおりです。
でもこれでよかったんです。
2度も父を刑務所に行かせるわけにはいきませんでしたから。
(田島)結衣…。
お父さん…。
お前を守りきれなかった。
すまん。
そんな事…望んでない。
珠美は?東京で身柄を確保されました。
10年前の事件について自供を始めています。
珠美が…。
あなた3年前に結衣さんたちとの縁を切るっておっしゃいましたよね。
あれ本当は珠美さんのためですよね?刑務所を出て初めて珠美の顔を見た時…。
お父さん…。
(田島の声)あいつは後ろめたさでいっぱいの顔でした。
私はこれ以上珠美を追い詰めないためにも娘たちには二度と会うまいと決めたんです。
珠美さんを罪の意識から解放するために?ええ。
それ間違ってると思います私は。
あなた珠美さんをかばうべきじゃなかった。
警察に行って正直にありのままを話すべきでした。
夜明さんお願いです。
父を責めるような言い方は…。
いや…いいんだ結衣。
父は珠美のために途方もない時間を犠牲にしたんです。
なんの見返りも求めず。
結衣さん私も父親です。
田島さんの立場になったら娘をかばうかもしれません。
だからなおさらそう思うんです。
私はあの時あれ以外の方法を思いつかなかった。
(泣き声)警察を呼んでくれ。
珠美を守ろう守ろうと必死だった。
2014/11/24(月) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
タクシードライバーの推理日誌[再][字]
神戸〜九州大分、逃げた花嫁!!引き出しの中の脅迫者が父娘を狙う!!疑惑の乗客に死者からのアリバイ電話!?
詳細情報
◇出演者
渡瀬恒彦、平田満、若村麻由美、石橋蓮司、馬渕英俚可、山口果林、風見しんご、小林健、正名僕蔵、林美穂
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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