にっぽん紀行「ナイター卓球 絆のラリー〜青森 弘前〜」 2014.12.17


(出囃子)え〜案内人の三遊亭小遊三でございます。
一席おつきあいをお願いしとう存じますが。
私は今青森県は弘前市にお邪魔をしております。
津軽弘前ってえとまずもって思い浮かびますのがこちら真ん丸いリンゴでございますね。
ですが今日ご紹介致しますのは同じ丸いもんでも…。
こちらでございます。
何だかお分かりですか?ピンポ〜ン!そう卓球でございます。
どうです?ズラリと並んだ卓球台。
壮観ですね〜。
ここ弘前では大勢の皆さんが卓球を夜な夜な楽しんでいるんだそうでございます。
今日はですね落語卓球クラブヘッドコーチのこの私がその世界をご案内致します。
それでは試合開始〜。
よ〜しよしよしよしよし。
よし!津軽平野にそびえる岩木山。
その麓に広がるのが今日の舞台青森県弘前市です。
この街の自慢は栽培面積日本一を誇る特産のリンゴ。
真っ赤なリンゴがうわ〜こりゃすごい数!この市場では1箱20キロのリンゴが年間およそ500万箱も取り引きされるんだそうです。
そんなリンゴを赤〜く染めた太陽が沈む頃…。
市内の体育館に続々と人が集まってきます。
みんなこれからここで開かれる大会の選手なんです。
それが40年続く…18歳以上の老若男女が一堂に会して熱戦を繰り広げる。
その数なんと…どんなに雪が積もろうと室内で手軽にできる卓球は雪国弘前にぴったりだって訳ですね。
これだけの数1晩じゃあ決着がつかないんで週1回3か月にわたってのリーグ戦。
レベル別に8つのリーグに分かれていて地区ごとか職場ごとのチームで参加する。
こちらレベルの高いリーグ。
信用金庫チームのべっぴんさん。
相手は運転代行会社のおやっさん。
まさに美女と野獣。
おっ!野獣なかなかやるじゃねえかよ。
信金のべっぴんさん。
実は東北大会ベストエイトの腕前。
野獣健闘むなしく…。
いやいやそんな事は言ってられません。
最も易しいリーグでプレーするのは大会最年長85歳のおじいちゃん。
最終セットまでもつれ込みますが…。
ああ〜残念!
(拍手)よく頑張ったよく頑張った。
お疲れ。
よく頑張りました。
世代も職業も超えて卓球を楽しむ。
羨ましい街だねえ。
今回初めて参加するおとうちゃんがいました。
しかも50歳!気合いは十分でしたが…。
う〜ん。
治さん小学校中学校高校と卓球一筋でした。
卒業後名古屋で運送業の仕事に就いたのを機会に卓球から離れていました。
治さんが住む船沢地区。
日本一のリンゴ産地弘前の中でも生産が盛んな地区の一つです。
それまでの仕事を辞めふるさとに戻ってきた治さん。
今は妻の実家のリンゴ農家で働いています。
この日は妻のゆかりさんと収穫前の仕上げの作業です。
一年で最も忙しい時期を迎えていました。
仕事にようやく慣れてきたこの秋仲間に誘われ30年ぶりに本格的に卓球を始めたのです。
練習は仕事の合間を縫って週に4回。
相手は一人娘の弥祐さん。
中学1年生です。
小学校3年生の頃に卓球を始め昔はよく親子で練習をしていました。
練習が始まりますが…。
徐々に弥祐さんの表情がさえなくなっていきます。
ついには強引なスマッシュ。
せっかく親子で練習に来たのにもう少し仲良くできないもんかねえ。
いつもだって。
自宅にある倉庫です。
リンゴ用の木箱や収穫したリンゴを保管しています。
ここに治さんが大切にしているものがあります。
ネットつきで1万円。
4年前に買った中古の卓球台です。
この台で幼い頃の弥祐さんに夢中で卓球を教えていました。
弥祐さん手作りの得点板です。
ここは2人だけの特別な場所でした。
当時の弥祐さんです。
試合では必ず治さんがつきっきりでアドバイスをしていました。
(弥祐)何で?しかし中学生になると陸上部に入り卓球をやめました。
また昔のように2人で卓球をしたいと思う治さん。
その気持ちは分かるけどなかなかうまくはいかないねえ。
はいお疲れさまです。
(一同)かんぱ〜い!なっ!OK。
寒いな。
うん?リンゴ農家の治さん親子。
この日も卓球の練習です。
寒い。
何持ったの?ファイル。
ナイター大会は間もなく最終日。
治さんはここまで3勝9敗。
練習に一段と熱が入ります。
厳しいコース。
弥祐さんには取れません。
自分のペースで練習を続ける治さんに弥祐さんだんだんいらだちます。
もうほとんどラリーになりません。
これでは練習にならないとついに治さんが声をかけました。
何?治さんほかの中学生と練習を始めます。
練習ができるなら誰でもいいのか。
弥祐さんもこれじゃあ面白くねえよなあ。
ぎくしゃくした雰囲気のまま練習は終わりました。
(取材者)今日何かちょっといつもと雰囲気が違いましたけど。
あ〜焦った〜。
なあ治さんよ。
弥祐さんの態度は年頃のせいじゃないんじゃないか?「このところ弥祐さんは卓球の楽しさを思い出してきた。
だから練習についてくるんだ」。
治さんはそう思ってました。
弥祐の気持ちはママの方がよく知ってるんじゃない?端から見てるはんでだよ。
しかし2人の様子をそばで見てきた妻ゆかりさんは違う受け止め方をしていました。
弥祐さんが練習に行くのは卓球が好きだからではなくお父さんと一緒にいたいからなんだ。
治さんは自分と一緒に卓球をしていた頃の弥祐さんの笑顔を思い出していました。
今シーズンのナイター大会いよいよ治さんの最終戦の日がやって来た。
この日の治さんはいつもと違う態度で弥祐さんと接していました。
小学生の頃は弥祐さんにゼッケンをつけていた治さん。
今日は弥祐さんにゼッケンをつけてもらいます。
2試合を戦う治さん。
間もなく試合が始まります。
ちょっとだけいい?怒るよ。
弥祐さん積極的にアドバイスを始めました。
いつも攻撃してミスをする治さんに焦らずじっくり守れと言ったのです。
駄目だよ絶対。
終わったら来てね。
治さん頑張れよ〜!弥祐さんのアドバイスどおり守りに徹します。
弥祐さんも応援で後押し。
攻めたくてしかたがない治さん。
結局…。
攻撃して負けちゃいました。
もう〜あんなに言われたのに。
でも弥祐監督怒りません。
次の試合に向けて励まします。
2試合目今大会最後の試合です。
おお〜!強えな。
(弥祐)わあ〜!まぐれまぐれ。
うわ〜!残念ながら結果はこの試合も負け。
それでも親子2人で臨んだ試合を笑顔で終えました。
11月。
治さんちの倉庫ではリンゴの出荷作業が大詰めを迎えていました。
そして久々にあの卓球台を広げます。
離れたりくっついたり怒ったり笑ったり。
親子ってえなあ面白えもんだね。
あ〜負けたくない!あ〜っ!人と人とをつなぐナイター卓球。
絆のラリーはまだまだ続きます。
負けてもいいよ。
2014/12/17(水) 19:32〜19:57
NHK総合1・神戸
にっぽん紀行「ナイター卓球 絆のラリー〜青森 弘前〜」[字]

津軽平野に陽が沈む頃、りんごの街・弘前には卓球の音が響き始める—。夜な夜な体育館に集まって汗を流す“ナイター卓球”。ラリーを通じ絆を深め合う人々の姿を見つめる。

詳細情報
番組内容
豪雪地帯の青森県弘前市では、室内でいつでも手軽に楽しめる卓球が長年親しまれてきた。老若男女が夜な夜な体育館に集い、卓球を楽しむ“ナイター卓球”は、弘前ではおなじみの光景だ。なかでも、木曜の夜、9週間にわたって開かれる「ナイター卓球大会」には、18〜85歳の500人以上が参加し、熱戦を繰り広げる。世代や性別、職業や地域を越え、卓球が人々をつなぐ街・弘前。卓球を通して、絆を深め合う人々の姿を見つめる。
出演者
【出演】三遊亭小遊三

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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