NHKスペシャル ジャパンブランド 第2回「日本式サービスで世界をめざす」 2014.11.25


マレーシア・クアラルンプール都心の一等地にたつ高級ショッピングモールのパビリオンに来ました。
ジャパンブランドその可能性海外で稼げる。
いや実感伴ってますよ。
だって「TOKYOSTREET」です。
ジャパンブランドやっぱり受けているじゃないか。
どんどん行くとこの行列見て下さい。
大人気です。
鍋屋さんですね。
それも食べ放題というサービス。
まさに日本で見られるサービスですよ。
フロアには和食やファッションネイルサロンなど日本式のサービスをうたうお店が軒を連ねています。
日本の看板を掲げるだけでこの人気。
これを利用しない手はありません。
戦後驚異的なスピードで経済成長を実現し世界を驚かせた日本。
その原動力となったのは自動車や家電製品といったメイド・イン・ジャパンの製品でした。
しかしグローバル競争が激しさを増す中製造業に並ぶ新たな強みが求められています。
その鍵を握るのが日本式サービス。
美容や教育外食など客の満足をとことん追求したきめ細かなサービスです。
この日本式サービスが世界で稼ぐジャパンブランドになろうとしています。
今日本式サービスを掲げるサービス産業が続々と海外へ進出しています。
香港最大のチェーンとなったヘアカットサービス。
中東ドバイでは国内最大手のコンビニエンスストアが出店準備を進めています。
更に中国では日本式美容サービスを教える講座が全土に広がろうとしています。
しかしその前に立ちはだかるのが商習慣や宗教といった異文化の壁。
それらを突破して日本式サービスを海外に広げていくためには何が必要なのか。
いらっしゃいませ!
(一同)いらっしゃいませ!格闘の末新たな市場を切り開いた企業からヒントを探ります。
製造業に並ぶ新たな日本の稼ぐ力を探るジャパンブランドです。
昨日は海外から「いいね」評価受けてますよ日本式サービス。
一体何なのか。
そしてその可能性を探りました。
見ましたね。
日本式サービス意外なところでは塾やコンビニ…。
ありましたね。
でもそこで問題になるのがこちら。
異文化の壁です。
特にサービス産業って生活に根ざしたところが多いのでこの壁高く感じますよね。
そうですね。
さあ2日目の今夜は日本式サービスで海外で稼ぐために立ちはだかる大きな壁異文化の壁。
それをどうやって乗り越えればいいのか。
先んじて海外進出をしている企業の例で探っていきます。
東京の私鉄ある駅のガード下に来ました。
いろんなお店が並んでいます。
その中に…ありますね。
さあご紹介したいのがここです。
10分間1,000円のヘアカットサービスです。
日本全国に500近いお店があるんですね。
一体どんな仕組みなんでしょうか。
こんにちは。
お〜料金の自動支払い機ですね。
レジもありません。
担当の店員さんもいません。
気になるのはそのカットですよね。
見てまいりましょう。
失礼します。
お〜バリカンですね。
かなりグイッといっています。
実はそうなんです。
できるだけバリカンを使うんです。
スタイリングのはさみは最小限。
徹底的に効率化しているんです。
切った髪の毛を機械で吸い取りシャンプーする手間も省いています。
カットの技術に磨きをかけ無駄を極限までそぎ落とす。
厳しい競争の中で生まれたこのサービスが今アジアで人気を呼んでいるんです。
日本式サービスを売りにしたこのヘアカットチェーン。
47店舗を展開しているのが香港です。
新しい店がオープンする度に朝から長い行列が出来ます。
こんにちは。
開店とともに店は満席。
香港での価格は60香港ドル。
日本円にしておよそ900円です。
日本での利用客は男性が圧倒的ですが香港では女性の姿も目立ちます。
2005年に進出し今や香港最大のヘアカットチェーンとなりました。
ほかにもシンガポールや台湾を合わせて88の店を展開。
海外部門の売り上げは24億円を超えています。
業績を伸ばしている理由は競争相手にはない特長がある事です。
安さだけなら低価格の現地の店には及びません。
更に店の名前やスタイルもそっくりなコピー店も続々と登場。
こうした厳しい状況でも香港の人たちの支持を得ています。
その最大の強みがサービスを担う現地従業員の人材育成の違いです。
例えばこのコピー店では客を待つ間従業員が座って新聞を読んでいます。
一方本家では客の来店にすぐに気付けるよう立って待つのが基本です。
その人材育成の鍵を握るのが新人研修です。
この日入社した新人は5人。
いずれも地元のヘアサロンで働いていた経験者です。
初日は日本式サービスの基礎となる接客の心得を教えます。
日本人には当たり前でも香港の人々にとっては意識すらした事がない事ばかりです。
このチェーンの人材育成のポリシーは「習うより慣れよ」。
2日目から店で研修します。
しかし…。
客かと思って挨拶したら最年長46歳の新人ジョンさんでした。
10分の遅刻。
少々の遅刻は当たり前という感覚。
こうした人々に日本式を教えなければなりません。
早速ジョンさん少年の髪を切る事になりました。
はいはい。
ところが…。
残してくれと頼まれたもみあげにバリカンを入れています。
結局全て落としてしまいました。
そこに母親が迎えに来ました。
トラブル発生。
しかしこの時こそが人材育成のチャンスです。
日本人の技術トレーナーがフォローに入りました。
もみあげを落としてしまうという取り返しのつかない新人のミス。
これを技術トレーナーはカバーしていきます。
こうした姿を見せる事で新人たちに日本式サービスを学ばせるのがねらいです。
これまでにない髪形に仕上がりました。
しかもミスをしたジョンさんを叱りません。
なぜミスをしたのか自分で考えてもらうためです。
従業員に自信を失わせない仕組みも整えています。
10分で切る事に慣れていない新人をケアするのは現地のベテランスタッフの役割です。
一度雇ったら会社が一丸となって長い目で従業員を育てる。
香港の人たちにとって初めて経験する日本式人材育成です。
普通だったら叱責の言葉が飛び交うんじゃないかと思うんですけれどもね。
じっくりじっくりですね。
その辺り人材育成も含め今日たっぷりとお話を深めていきたいと思います。
今日ゲストはですねサービス産業の海外展開にお詳しい妹尾堅一郎さん。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
そして昨夜に引き続きまして片岡利文解説委員です。
よろしくお願いします。
人材育成も驚いたんですがまずは手ごろな価格質はいいそのサービス…。
皆さん納得する。
そうですね。
だから例えば先ほどの散髪僕も初めて実は一回先ほどのカットチェーン行ったんですがびっくりしましたよ。
あの掃除機でやられた時。
そうなんですね。
シャンプーしない。
そうですね。
そうなんですよ。
そうするとドライヤーの時間もいらない。
徹底的にそぎ落としてる。
あれすごいビジネスモデル的には面白いんですよ。
これ一種の引き算型のビジネスモデルの作り方。
商品設計のしかたっていうんですね。
日本は今までどっちかと言うと付加価値だ付加価値だって足し算をやってた。
ところがデフレの中で一番肝になる価値は何なんだって特化してしまった。
その典型例なんですねこれ。
まあカットのために行くんだからカットだけでいいと。
肩もんで頂く必要はありませんと。
まあ私はやって頂きますが。
そうしたデフレの中で鍛え上げられてきた新しい日本式サービスが今海外で人気を呼んでるんですよ。
例えばなんですが外食産業。
おふくろの味を手ごろな価格で食べられるっていう和風レストランですね。
これが既に80店舗以上展開してるんですね。
更にかつて格安のフリースで話題となった衣料量販店は世界で640店舗以上。
独自商品が人気の100円ショップは860店舗以上を展開しています。
言うとなんですが安かろう悪かろうじゃなくて安かったり値ごろ感があって「こんなアイデアのもの?」とか。
あそこのヘアカットチェーン。
実は効率的に狭い所でできるようにしようという事でエレベーターホールの端とかですね2メーター×2メーターぐらいの小さなブースでカットをやるっていうシェル型の店っていうのがあるんですよ。
香港とか高いでしょ?家賃が。
土地代だとか。
そうでしょ?つまりサービスの分野がその国内のデフレのプレッシャーですね。
それによっていよいよ工夫魂を発揮させ始めたんじゃないかなっていうのを僕先ほどの見てて感じましたですね。
今の先ほどのVTRで言うと…。
刈り上げちゃいました。
怒られないどころかフォローされる。
要するに叱責するではないと。
要は理由を聞いてるでしょ?「どうしてもみあげ切ったの?」。
「いや何か子どもだからいらないと思ってたんです」と言う事で「あっそうか俺ってそういう失敗したんだな」っていう事を反省できるんですよ。
確認できますね。
サービス業っていうのは店員さんがそのまま直接客と向き合う仕事じゃないですか。
そうするとその店員さんが本当にサービスの本質を分かってない限りできないんですよ。
なのでやっぱりどうやって伝えるかっていう事に関してはものすごく入念なんですね。
もう一つはねやっぱりサービス業で重要なのはトラブルが起きた時問題が起きた時にどうリカバリーショットを打つかっていう事なんです。
この時に適切なリカバリーショットを打っておけばどうなるかって言うと人はエバンジェリストになるんです。
すなわち伝道者。
「あそこちょっとちょんぼしたけどね対応すごくよかったよ」って言って先ほどのお母さんもすごい逆に喜んでね喜んで帰ってくれましたよね。
最後ありがとうございますって日本語でおっしゃってましたからね。
日本式の人材育成で売り上げを伸ばすヘアカットチェーン。
そこに立ちはだかる最大の壁が離職文化です。
この日も退職願が届きました。
会社に不満はないが独立して自分の店を持ちたいというのが理由でした。
香港では転職はキャリアアップにつながるとポジティブに捉えられているのです。
香港の離職文化はアジア展開を進める上で大きな足かせとなるおそれがあります。
調べたところ2年以内に半数が退職していました。
手塩にかけて育てても辞めていく。
日本では経験のない事態です。
どうすれば人材の流出に歯止めをかけられるのか。
このチェーンが取り組んでいる対策の一つが現地従業員の幹部社員への昇進です。
歴史的にイギリスの影響が強い香港では欧米式の人事が一般的です。
経営管理を担う幹部社員と現場で働くスタイリストは厳格に分けられどんなに優秀でも昇進できません。
一方このチェーンは日本式のたたき上げシステム。
能力が認められれば店長に抜てきされ更にエリアマネージャーに昇進できるチャンスがあります。
エリアマネージャーは地区ごとに店舗の運営や人事を任され大きな権限を持ちます。
成績次第で給料も上がり転職しなくてもキャリアアップができる仕組みです。
現場をよく知るエリアマネージャーだからこそ従業員とのコミュニケーションもスムーズです。
本人の意にそぐわない配置換えの際もやる気をそがないよう配慮ができます。
更にこのチェーンではチームワークを高める事で離職を防ごうとGANBATTA賞という社内表彰を導入しました。
優秀な成績を収めた店を表彰。
賞金は店の全員に分配されます。
従業員のモチベーションを保つイベントも用意されています。
年に1回カットの技を競い合うコンテスト。
(拍手)磨き上げた技術を披露できる晴れの舞台です。
退職者はこの1年でピーク時に比べ半減したといいます。
あの管理のしかた懐かしいなともちょっと思ったんですけどいかがですか?何かちょうど日本が何となくちょっと古いよねっていうふうに考えてるような愛社精神とかチームワークとかそういうものがアジアの国々の何かこうマネージメントにとってピタリと来るタイミングが来てるのかなっていう気もちょっとしますね。
やっぱりこういう新興国あるいは先進国でもそうなんですけども一方でアメリカン・ドリームって言い方あるでしょう?いきなりポ〜ンと上に上がってそれで全部世界を変えるみたいな世界がある。
だけど全部の人がそんな事考えてないですよね。
我々はやっぱりその中で地道に努力してちゃんと上がっていきたいっていう事がある。
そういう道をアメリカン・ドリームとは違ういわばニュー・ジャパニーズ・ドリームみたいなものをねここでみんなが感じてくれたっていう事ですね。
一つでも頑張れば希望を持てるっていうのを幻想にしちゃっていわゆるブラックな部分に一歩間違えたら行っちゃう可能性だってある訳じゃ…。
特にそのデフレの場合徹底的にそぎ落とす。
人件費もそぎ落とす。
当然ブラック化のギリギリのリスクがありますよね。
サービス業の場合はとにかく人が人に接する仕事なんでその接する人のモチベーションが下がった状態だったら絶対に客に伝わるし客のサービスも落ちるんですよ。
そうするとその客が「もうあそこ駄目よ」とかもうそうなって結局続かなくなるっていう事なんです。
これは日本でも長続きする訳はないんですけれども海外だったらよりシビアにそれが出るっていう事でしょうね。
日本式サービスの海外進出。
成功するためのポイントがもう一つあります。
日本のサービス産業の海外進出に詳しい専門家に話を伺いました。
ジェトロでアジアを中心に500以上の日本企業の進出を支援してきた…ポイントとしてはどうしてもパートナーですよね。
いいパートナーが現地で見つかるかどうかっていうのが極めて重要な問題なんですが。
パートナーとは進出先の国でビジネスを一緒に立ち上げる現地企業の事。
現地の商習慣や流通の仕組みに精通しているため一緒に組めば効率的にビジネスを展開できます。
しかし実際にはパートナー選びに苦労するケースが相次いでいます。
そこで北川さんが挙げるよいパートナー選びのポイントは…やりたいと思うんだけども…だからやっぱり事業に対して¥マークがこの辺に見えてるのかそれとも本当に何かサービスとか商品にほれ込んでるのかっていうとこの見極めがありますね。
これ日本はついついそこで気持ちが通じたから大丈夫だとかという話になりがちなんです。
ついつい日本人って契約をやると一番最後に「これで問題あった時はお互い誠意尽くします」って書くんですよ。
ところがこんな条項は世界では全く通用しないんですね。
あっ日本だけですかその条項。
「トラブルが起きたら誠意をもって解決します」ではなくて「こういうトラブルがあった時はこうしましょうね」ってあらかじめ決めとかないといけないんです。
ところが日本人はついつい遠慮してそんなトラブルが起こるっていう事を想定する事自体相手に失礼だってこう思っちゃう訳ですよ。
何かその文化の違いが…。
でもそこは超えて「いやいや違うよ」と。
「あなたを信頼してるからこそ今この事が言えるんだよ」って言ってのけないといけないんですね。
意外とその「中国とか難しいんだよな」とかこう我々日本人特に企業経営者の方からよく聞くんですけど「難しいんだよな」っていうのは確かに相手の主張は難しいのかもしれませんけどやっぱり我々がちょっと不用意なところもあるからこそそういう結果になってしまうっていうのもあるっていう事ですかね。
そうですね。
その意味では人のよさが表れてしまって脇が甘くなるみたいな。
日本人はそこが曖昧なんだけれども日本式のマネージメントだとか人材育成人材管理「チームワークだ。
一緒にやろう」というその事とそれをちゃんと浸透させるためにもビジネスとしてのラインもしっかりっていう。
海外ではやっぱりそこをきちっとしてる方が逆に信頼を置けるんですよね。
ここまで見てきました海外の人から支持されている日本式サービスのこの数々。
この日本式サービスの海外進出の更なる成功の鍵を握っていますのがこちら。
イスラムの国々です。
現在アジアを含めてイスラム教徒の方が世界に16億人。
将来の市場規模は1,000兆円なんです。
取りたいですね。
取りたいんです。
取りたいんですがここに現れるのがやはり異文化の壁。
特に日本にとってはイスラム教徒の皆さんに対してはいろんな壁があるように思えますよね。
そこでサービス産業を生活に根ざしています。
期待がかかるショッピングモールなどの小売業。
ものを売りたいです。
外食産業。
サービス。
生活に密着したこれらが進出できるのかどうかが成功の試金石になる訳です。
舞台はイスラム市場への玄関口といわれるマレーシアです。
目覚ましい経済成長を続けるマレーシア。
人口は3,000万。
去年国民1人当たりの総所得が1万ドルを突破。
空前の消費ブームが到来しています。
(祈祷)その主役となっているのが人口の6割を占めるイスラム教徒です。
このマレーシアで日本式サービスを現地の目線で徹底的に見直し業績を伸ばした企業があります。
大手総合スーパーの現地法人…さあ間もなく開店です。
皆さん待ってますよ。
開店と同時に従業員が笑顔で客を出迎えます。
まさに日本式サービス。
グッドモーニング。
グッドモーニング。
地元や欧米資本のライバル店など競争相手がひしめく中3年前から売り上げを毎年1割ずつ伸ばしています。
売り上げ向上の立て役者がメリー・チューさん。
3年前マレーシア人として初めて社長に抜てきされました。
チューさんは婦人服売り場担当からのたたき上げ。
幾度となく日本に足を運び日本式サービスのいろはを学んできました。
このスーパーがマレーシアに進出したのは30年前。
代々日本人がトップに就き日本式サービスを展開してきました。
しかしライバル店に押され長年シェアを上げる事ができませんでした。
社長に就任したチューさんは現地の人ならではの目線で日本式サービスをアレンジすればイスラム市場でも十分通用すると考えています。
現地ならではの視点でチューさんが全面改良を指示したのが客が買い物の合間に祈りをささげるための…部屋自体は進出当初からありましたがチューさんが登用されるまでは簡素な作りでした。
しかし今では足を清める洗い場は御影石風の作り。
しかも一度に3人が使えるゆったりとした広さを確保しています。
礼拝用の衣服やじゅうたんも毎日清潔なものに取り替える事にしました。
ひざまずく時臭いで不快な思いをしないようにというこまやかな心遣いです。
この日も改善点を見つけました。
現地流日本式サービスを掲げるチューさんの改革。
今日本の本社はイスラム文化の市場に対する戦略の見直しを進めています。
(一同)イオンマレーシア!日本式サービスを現地の目線で磨き上げる。
それが最も難しい分野が外食産業です。
イスラム教では豚肉やアルコールなどが含まれた食品は禁じられています。
ハラルという許されたものしか食べられません。
こうした食文化を深く理解し日本食をアレンジする必要があります。
その壁を乗り越えた外食チェーンがあります。
日本人が創業した人気のすし店があるという事で来ているんですけれども。
ここですここです。
すし金。
すし金は86店舗を展開する回転ずしチェーン。
マレーシアで知らない人はいないとまでいわれています。
食材はイスラム教徒が口にできるハラルのものを使っていますがこの会社の日本式サービスの真骨頂は現地の人の好みを追求したメニュー作りです。
コロッケずしに…。
のりの代わりにサーモンを使った軍艦巻き。
そして…。
何か面白いのがやって来ましたよ。
これは…!これは何ですか?頂きます。
うん!中これ揚げ物ですね。
エビの天ぷら。
その上にサーモン。
ひょっとしてこれパパイア。
そしてトビコも載ってます。
これはおすしと言えるんでしょうか。
いらっしゃいませ。
小西と申します。
客の満足を追求する日本式サービスにおいては常識にとらわれるべきではないと考えています。
これちなみにこれフルーツですよね。
まあ何でもいいんですよね。
何でもいい?ええ何でもいいんです。
もうそこは非常に柔軟に考えて。
しょっちゅうメニューのですねチェンジをやっておりますね。
でも逆に言うとこういうアレンジをすると現地の皆さんが喜んですしとして召し上がってるって事ですか?そうですね。
小西さんは石川県出身。
単身マレーシアに乗り込み19年前にすし店を創業しました。
最初は普通の回転ずしでしたが生の魚を食べる習慣がないマレーシアで売り上げは伸びませんでした。
そこで方針を転換。
徹底して現地の人の好みに寄り添ったメニュー作りをする事にしたのです。
マレーシア最大のすしチェーンとなった今も現地の人の視点に立つ姿勢は変わりません。
今も定期的に新メニューの開発を進めています。
試食会で評価するのは現地の従業員だけ。
日本人は参加しません。
この日日本人の開発担当者が自信を持って出したメニュー。
しかし評価が芳しくなく採用されませんでした。
更に食事の戒律が厳しいイスラム教徒の心をわしづかみにするサービスがあります。
現地の従業員にすしを握らせているのです。
すしは日本人が握る方が信頼できるという常識を覆しました。
口にできない食材には触れてもいけないというイスラム教。
同じイスラム教徒が調理していればそうした食材は含まれていないという安心感が生まれます。
わ〜!基本は押さえながらもいいんですマンゴーでも。
すしです。
マンゴーでもパパイアでも大丈夫なんです。
とにかく相手が喜べばいい。
そういう事です。
でも考えてみたらそれ商売の基本中の基本ですよね。
あのね日本はついつい今は自信がすごくあるから日本のいいものは受けるはずだと持ってっちゃう訳ですよ。
まんま?まんま。
例えばある新興国というか先進国に近いとこだなそこへね子ども用の教育サービスを持ってった会社があるんですよ。
有名なところなんですけど。
そこでキャラクターを使ってやろうと思ったんだけど全部日本のコンテンツをね翻訳するだけで出そうとしたんですね。
で結局駄目だった。
駄目だった。
そして現地のスタッフがいろいろ工夫をし始めたらこれがガ〜ッと成功してったって。
実際にですね僕日本人って本当はアレンジ力アレンジする力とかですねチューニングしていく力ってあると思うんですね。
でもね後から豊かになる国々に対して合わせてものをつくったりサービスするっていうところがどうしてもあんまりやっぱりうまくいってこなかった印象があるんですね。
だってアレンジ力日本の真骨頂ですよね。
だってカレーライス。
(片岡)おお〜。
大本どこですか?インド?なおかつ今欧風カレーという。
あっ確かに。
どこが欧風なんですか?日本人にとってヨーロピアンなテイストを織り込んだカレー。
もう唯一無二ですよ。
あとナポリタンだって。
イタリアのナポリにありますか?ないですよね。
このアレンジ力。
日本人は日本人の好みにアレンジするすべをものすごく持っている。
という事はなぜ逆は真なりといかないのかという事ですよね。
実際にあの総合スーパーマーケットこのケースもですね最初に進出した時は実はこれマハティールさん当時の首相がマレーシアの流通を近代化したい。
そのために是非来てほしいという事で行ったんですよ。
だから日本の最新の流通システムを持っていきましょうと。
教えるのは我々ですよっていうその意識だったんですよね。
だから先ほどの日本人のトップの方がいやいや我々が学ぶんだよとおっしゃってた事はまさにそこのところで。
いい事おっしゃるなと思って伺ってました。
遅すぎたっていう感じの表情で。
27年という年月が。
なぜか取り入れる方は得意なんだけど出す時は何となく押しつけてしまうみたいなねこの感じになっちゃう。
ところがその押しつけという話なんですけどこれ非常に重要なポイントなんですけどクールジャパン戦略っていうのあるでしょう?これはちょっと冷静に考えなきゃならないと思うんですね。
クールジャパンという事で日本のものそのままを売りたいという気持ちがあって現地で例えば百貨店でそういうものを展示して買って下さいとやる訳ですよ。
僕は日本のものをそのまま相手国に持っていく事に意味がないとは思わないです。
それはどういう場合か。
例えば展示会とか日本見本市とかそういう場所で例えば本格的な日本のすし職人に行ってもらって見せてすばらしいな日本に行きたいなと思ってもらって日本に来て頂くためにそういうものを日本からある時期出すというのはあると思うんです。
でも今日のテーマは日本式サービスを外に出すという事ですね。
これはやっぱり相手の国の事情に合わせる相手側からビジネスを立ち上げるという事をやらないと広がらないと思うんですね。
その合わせる力こそが日本式サービスでありジャパンブランドだと思うんですよ。
今のおすしにしてもやっぱり富裕層に対するサービスと大多数の…日本の場合は中間層ですよねそこへ出すサービスボリュームが全然違うんですよね。
例えば農産物で日本はすごくいいよねいいお米もあるよねっていうんだけれどもこれは一種の手作りの「農芸品」って私は呼ぶんです。
工芸品に対して農芸品なんですよ。
だから工芸品ってすごく本当にいいものがありますよね。
でも工芸品だけだったら日本の産業やってける?無理ですよね。
これは工業品がなきゃいけない。
同じく農芸品があるだけでも駄目。
農産業品がなきゃいけない。
で今回のこれっていうのはいわば一番高級なところへの手作りの部分と食産業が入っていくところのその中間をちゃんと担ってくれるような形になってきてる。
そこが私は極めて重要だろうと思うんですね。
そうですね。
日本式サービス精神相手に合わせるというサービス精神も持っている。
あとは現地をどういうふうに見て整えていって合わせていって。
その時に必要なのが威張らずおごらずそして同時にこびずへつらわず。
妙にこうなってもいけないし妙にこうなってもいけない。
そういうところなんだろうと思いますね。
やっぱり相手と対等に向き合う時代が来たってそういう事だと思うんですね。
今世界が注目する日本式サービス。
そこにお家芸のものづくりが加わり新たな展開が始まっています。
舞台は再びマレーシア。
回転ずしチェーンの本社を一人のビジネスマンが訪れました。
取り出したのは九州の中堅メーカーが作ったしょうゆです。
これをイスラム仕様に改良して使ってみてはどうかと提案しました。
今この回転ずしチェーンはほかのイスラム市場への進出を検討しています。
しかし壁となっているのがハラル認証の取得です。
食材はもちろん工場の設備流通の安定性に至るまで事細かに審査されます。
しかしこの回転ずしチェーンのハラルに対応したしょうゆの仕入れ先は僅かに1社。
ハラル認証は取得できていません。
そこで高槻さんはある構想を描きました。
地方銀行と組んでしょうゆメーカーなど海外展開をねらう中堅企業のハラル対応を支援。
出来た商品を回転ずしチェーンに供給します。
ハラル認証が取れれば共に手を携えイスラム市場への進出を図る事ができるというものです。
小西さんの協力を取り付けた高槻さんは九州のしょうゆメーカーを訪ねました。
この日はハラル認証に詳しいマレーシア政府関係の専門家に同行してもらいました。
この工場でしょうゆを改良するにあたって設備のどこに問題があるのかあぶり出すためです。
このメーカーは創業153年。
最近の減塩志向や人口の減少によってしょうゆの売り上げは伸び悩みイスラム市場の進出に活路を見いだそうとしています。
専門家から問題を指摘されたのはしょうゆの味を調える最終工程でした。
アルコールを使う工場ではハラルの認証は受けられません。
そこで高槻さんは用意していた提案を専門家にぶつけました。
高槻さんはこの会社の技術者を現地に派遣し最終工程をマレーシアで行う事にしました。
16億人というマーケットですからね。
サービス産業からスタートしてそれが製造業というか裾野が広がってそれが日本国内の地域の製造業に…。
それを模型にしてみたんですがこちらご覧下さい。
先ほどの回転ずしチェーンのようにイスラム市場を熟知した外食チェーンがある訳ですよね。
そこにですねイスラムのハラルに対応した調味料を出します。
でお米を出してみてはどうか。
お米とくればお茶はどうだろう。
そしてそういうものを扱う食器そしてこれいわゆるハラルに対応した流通システムというのがあるんですよ。
そういうのも一緒に出ていける。
つまり日本式サービスを船頭にして日本のものづくりが支える形で共にイスラム市場に出ていけるんじゃないかという事なんですよ。
このマレーシアやインドネシアという東南アジアのイスラム関係の国だけじゃなくて中東それからアフリカと。
この光っている…。
所ですね。
はい。
(片岡)そこにも展開できる可能性がある。
まさに16億人という事ですね。
(片岡)そうです。
16億人。
しかもそれはサービスとものづくりのタッグでやる。
チームでやるという事なんですね。
これ従来はサービス業製造業ものとサービスって分断してたんですね。
これが組み合わさってきた。
どういう事かって言うとモノへのサービス支援とサービスへのモノ支援という言い方。
お互いに支え合っている。
支え合う。
ものづくりが今元気ないというような状況なので逆にサービスがものづくりをけん引してくれるという可能性があると。
(片岡)何を作ればいいかという事をサービスが教えてくれる可能性がある訳ですね。
ニーズをつかめないニーズをつかめないというふうにずっと日本のものづくりはいってましたがこのサービスと組む事でサービス産業と組む事でまさに新たな展開の可能性があるという事ですね。
日本式サービスとものづくりの協力が進んでいるのが美容業界です。
並んでいるのは中国で美容院を営むオーナーたち。
目当ては日本を代表するカリスマスタイリストが流行のヘアスタイルを披露する美容ショーです。
世界最先端の美容ビジネスを学ぼうと訪れたのです。
更に日本式のヘアサロンの経営を指南するセミナーにも参加。
実はこうしたイベントを主催しているのは美容院向けのシャンプーを製造販売するメーカーです。
メーカーは美容ショーやセミナーなど日本式サービスを学べる機会を提供します。
それを売りに取り引きする美容院を増やそうというねらいです。
2夜連続で見てきました。
カビラさん今回のジャパンブランド。
驚いた事にですねVTRにも登場頂いた高槻さん。
投資会社の。
投資会社。
ファンド。
空港でこういうものを渡されたんです。
お菓子です。
どこかで見たなという感じがすると思うんですけど。
これMckyなんですよね。
これよく見ると…ここ見て下さい。
本当だ!「日本の技術」ってありますよね。
日本の技術です。
でここにはカタカナで「ビスケットスティック」。
高槻さんいわく漢字のみの表記だと中国製品と思われる可能性があるのでわざわざカタカナを使っています。
で日本製ではありません。
日本資本の会社でもありません。
でもなぜにこういう表現をするのか。
圧倒的な日本の製品の信頼感があるから。
この信頼感が当然サービスにも及んでくるとこれは大変な可能性があると思ってるんですよね。
日本式サービスの。
そうですよ。
ビッグチャンスこれからです。
マレーシアを足掛かりにオールジャパンでイスラム市場進出をもくろむ投資会社の高槻さん。
この日九州のメーカーのしょうゆをハラル対応に改良する計画を小西さんに説明しました。
小西さんは細心の注意を払って計画を進めるようアドバイスしました。
イスラムのビジネスを知り尽くした小西さんならではの指摘でした。
客の満足をとことん追求する日本式サービス。
異文化の壁を乗り越え日本の新たな力にできるのか。
挑戦者たちの格闘は続きます。
2014/11/25(火) 02:15〜03:15
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル ジャパンブランド 第2回「日本式サービスで世界をめざす」[字][再]

客の満足をとことん追求し、世界が注目する「日本式サービス」。海外進出する際に大きな障害となる文化や習慣などの「異文化の壁」をどう乗り越えるのか?先進事例に学ぶ。

詳細情報
番組内容
外食、美容、コンビニなど、客の満足をとことん追求し、世界が注目する「日本式サービス」。しかし、海外で成功するには文化や習慣、宗教といった「異文化の壁」をどう乗り越えるかが課題となっている。「従業員に優しい人事管理」で香港最大チェーンに成長した「10分1000円カット」やイスラムの人々の好みにメニューを大胆にアレンジしたマレーシアの回転寿司チェーンなど、先進事例にヒントを探る。司会はジョン・カビラ。
出演者
【ゲスト】産学連携推進機構理事長…妹尾堅一郎,【解説】片岡利文,【キャスター】ジョン・カビラ,上田早苗,【語り】山本耕史

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 報道特番

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