・「鳴らすのは」J−POPの名曲に隠された秘密を解き明かす亀田音楽専門学校。
イイネ!ゲスト講師は…今回はメロディーの終わりの部分に焦点を当て最後にグッと感動が増すテクニックについて学びます。
そして今回の「亀さんぽ」の舞台は横浜。
日本で唯一のレコード工場に潜入します。
更に…それでは亀田音楽専門学校開講です。
(拍手)こんばんは。
亀田音楽専門学校校長の亀田誠治です。
どうぞよろしくお願いします。
そして助手の中村慶子です。
ピアノ演奏でお手伝い頂くのは助手の斎藤有太さんです。
(拍手)よろしくお願いします。
亀田音楽専門学校。
この番組のテーマはズバリ「J−POP」!私たちが愛してやまないJ−POPは音楽のあらゆる魅力が詰め込まれた総合芸術だと言っても過言ではないのではないでしょうか。
この番組ではJ−POPがなぜ人々の心を捉えるのか名曲を題材にその核心に迫っていきたいと思います。
さあそれでは今回のゲスト講師ご登場頂きましょう。
クレイジーケンバンドの横山剣さんです!
(拍手)イイネ!
(笑い声)・「俺の話を聞け!」ボーカルだけでなくほぼ全ての曲の作詞作曲も手がけています。
歌謡曲をはじめとするあらゆる音楽をミックスした独自のスタイルで大人のファンを魅了してきました。
横山先生は先生役ってされた事ありますか?いや〜。
逆ですね全く。
逆!?逆の世界ですね。
でもこんな先生がいてくれたらって感じが…。
もうお説教されてばっかり。
立たされたりとか…。
今日は先生役をお願いしてもいいですか?イイネ!
(笑い声)誘導されました。
ありがとうございます。
さあ横山先生をお迎えして校長今回のテーマは?いきますよ!はい!早速いきましょう。
今日は…トドメと来たら…トドメをさす?そのトドメだね。
心を打つ名曲人々の心を捉える名曲には必ずそのメロディーの終わりだったりサビの終わりだったりにこのトドメをさしてくれる。
感情をビタ〜ッと。
感情のトドメ。
感動のトドメ。
何か今日俺熱いね!グ〜ッと引き込んでトドメをさしてくれるメロディーの秘密があるんだよ。
そこはねある意味曲を作る時にアーティストの方とか歌われる方がもう一番もしかしたらこだわってる場所かもしれない。
要するにメロディーの結びの部分です。
こちらをお聴き下さい。
メロディーの最後に注目だよ。
いくよいくよ。
横山先生ちょっと口ずさんでもいらっしゃいましたがいかがでした?何かこう…ちょっと上がって下がるっていう。
お!横山先生今から僕が教える事を言っちゃった!あ!えっええ!?それが…今の終わりが印象的な曲の秘密なんですか?そうなんだよ。
これがねすごく大事な秘密なんだな。
確かに先ほど聴いた曲は全て高い音から低い音へ下がって終わります。
一体どういう事なんでしょうか?みんないいかい?着地の一番最後の音にまず注目。
ドですね?ドの音ですね。
これはねこの曲のキーの音なの。
キーの音…。
ドレミファソラシドがあったとしてこの最後のドの音っていうのはキーの音でこの曲の中で一番安定してる音なんだな。
安定してる?中心の音。
今注目したいのは最後の音の1つ前の音に注目してほしいんだ。
1つ前の音…レ?この音はレです。
この音がこの一番最後に着地した音よりも?1音高いです。
そうです!「あれ」でしょ。
ここからキーでいうところの1個上の音から下りていくんだわ。
でね必ずこのメロディーっていうのはこのキーの音に着地したがる。
引っ張られていく全ての音が。
レの音もミの音もファの音もソともラの音もシの音も戻りたがってんだけどこの1個隣っていうのがポイントなんだな。
2個離れてたら駄目なんですか?2個離れていたらドレミで…。
これじゃあ有太君ドとレをまず弾いてもらっていい?2個離れていると?まあ戻っていきはするけれどこの1個隣なのでこの距離っていうのがすごく音楽的には不安定さを感じさせるの。
このドに対してのレっていうのが。
これをナインスっていうんだけど。
ナインス…。
斎藤先生このナインスの不安定さをちょっと弾いてみましょう。
ああ不安定って事ですか?普通のドミソだと?ああ。
おっしゃるとおり安定っていうか聴きやすい。
もう一回ナインス。
キーの音ナインス。
・「ラーラー」ほらこの音だろう?キーの音この譜面の場合ドから数えて9番目の音。
このレの音をナインスといいます。
これをキーのコードCと一緒に鳴らしてみると…不安定な響きになります。
一方1つ下の音はキーの音になるのでコードと一緒に鳴らすと…安定した響きです。
不安定な響きから安定した響きに流れている事が分かります。
落ち着いた感じなんですね?ここに。
そう。
ここに落ち着くためにそこに向かって1つ不安定な所から上から着地していくタイプがJ−POPの中では一番これがたくさんあるんだ。
あっこれが多いんですか?これが多い。
何でしょうね?剣さん。
剣さんの曲にも多いけど…。
まあちょっと大人っぽい感じちょっと落ち着いた感じですよね。
余裕がある感じがするんだね。
へえ〜。
あっもう最後のこの2つの音で大人っぽさを感じるって事なんですか?大人っぽさ余裕であったり…。
まああと一歩のところまで来ているっていうところがやっぱり次への達成感だったりクライマックスであったり「よかった着いた!着地した!」というものを生むんだな。
サビのメロディーにトドメをさす方法はほかにもあります。
今度は逆に下からのトドメのさし方。
こちらをお聴き下さい。
来るよ!来るよ。
これが下から着地の?はい。
横山先生いかがでした?やっぱすごいポジティブな響きと思いますね何もかも。
僕もそう思うんだ。
何かね…青春!青春感あるみたいな。
確かに「AMBITIOUSJAPAN!」とか思いっきりそうですよね。
うん。
これね「どういう下からだ?」というね。
さっきは1つ上の音から下りた。
下りました。
これもキーがCで…。
ドが安定?そうキーの音。
安定だ!この音に注目。
これは?シ。
シの音ですね。
という事は…ここに「て」があってここに「いる」。
これ着地ね。
ここの音はメジャーセブンスって音なの。
このメジャーセブンスはね横山先生も大好きなんだよ。
えっ大好きなんですか?好きですね。
パンと鍵盤弾くとなりますもんね。
え〜とね…。
(笑い声)このシの音がさっきと同じなんだ。
曲のキーであるCのコードにメジャーセブンスを加えてみると…ナインスと同じく不安定な響きになります。
一方1つ上はキーの音なのでコードと一緒に鳴らすと…安定した響きです。
この場合も不安定な響きから安定した響きに流れている事が分かります。
でも不安定から安定に行ってますけれども何か曲の印象としてはあんまり不安定な感じというよりは…。
そうだね。
ちょっと爽やかな印象があるよね。
さっきの「Beambitious!」とかっていうのはもう・「Beambitious!」って行くじゃん?あれはもうギリギリの所まで使うから声も次の高い音に行くのにグ〜ッと絞り出さなきゃいけない訳。
そこがまた若さを感じる。
エネルギーを感じさせる。
何か横山先生はちょっと大人な感じの曲が多いですがこの下から着地はお好きですか?そうですね。
本当到達感というか達成感のあるような…。
歌ってて気持ちいいのは割と上に行く方が。
へえ〜!下から上?下から上が歌ってて気持ちいい。
最後は同じ高さでトドメをさします。
こちらをお聴き下さい。
最後の音に注目!はい。
ド!1つ前の音に注目!あれ?ああド!今同じ音だから。
同じ音でしたね。
という事でめでたく今ここがこうなった訳よ。
同じドで並んだでしょ。
何かまっすぐ行く事で言葉を自然に押し出してるんだよね。
念押ししてるように。
最後の言葉が「よる」っていうふうに。
話し言葉で言ってくれてるようにピタ〜ッと収まるのがこの同じ音で行くパターンなの。
同じ事が2回繰り返されるっていうのはそれだけまっすぐ情景であったりメッセージが伝わる訳だね。
じゃあス〜ッと入っていきやすいんですか?そう。
ましてやこのキーの音安定した音に行く訳ですから安定した音が1つ前に来るって事は手を差し伸べられてるようなもんだよね。
到着でもうゴールのロープが見えててそこに入っていくような感じの…。
それが見えてるっていう事だからすごく安心感がありますよね。
横山先生は上からと下からと同じ音とではどれがお好みですか?今これが好みになりましたね。
今これが好みになりました?でもそういう事ですよね!これ深いなと今思いました。
悲しみとかやるせなさとか搭載しながらも立ち止まってそれから行くみたいなそんな感じが僕はしますね。
あ〜でも最後の2つの音で曲の印象がそんなに決まる変わるっていうのがすごい発見です。
これねみんな本当に毎日の生活の中で曲聴く時とか自分で歌う時に考えながらとか気にして聴いてみるとすごく面白いこれ。
何か曲への理解も深まりそうですね。
そう。
あっこの人は…例えば横山剣さんがこういう気持ちでこのメロディーを曲を作ったんだという事が分かるようになってきて…。
うわ〜聴き方変わりますね。
はい。
上下真ん中。
まあそんなね曲のキモ…キモともいってもいいね。
さっきからトドメと言ってますけど着地ですけれどもこの着地の違いがね…。
今例題をとって比べてみたけどどう変わるのか実際のおなじみの実験コーナーでちょっと試してみましょうよ。
という事でこの曲で実験してみます。
来ました。
え〜っと最後に注目するとこれはまさに上からの着地のパターンですね。
レからド。
そう。
上から着地。
これ歌って頂いてもいいですか?はい。
ちょっとキーが違うんですけど歌のキー僕のキー。
かっこいい!
(拍手)やっぱこの「な」にその力強さと余裕であったり包容力みたいなのを感じますよね。
これ剣さん早速ですけどこちらを下から若さほとばしる青春の下からのパターンで。
(拍手)でも印象変わりますね。
全然違う。
何だ?今のは。
でもある意味青空が見えたりなんかね。
確かに。
ちょっと爽快な感じっていうか。
そう。
爽快が中村君から入りました。
爽快マークが。
上からは余裕?大人?余裕。
余裕。
はあ〜こんなに違うんだね。
しかも同じ人で歌って頂くと。
より分かりますね違いが。
という事は横山先生上からやって…何かお約束みたいな事言った。
下からやってそしたら真ん中。
これをまっすぐ?難しい?難しそうですねこれ。
何か気持ち悪いというか。
行きにくいですよね?歌いにくいですよね。
力点がどこ持ってっていいのか。
力点が…。
どこに力を入れていいか心を込めていいかが分からなくなる。
でも不思議なんですけど例えばさっきの「上を向いて歩こう」とか「あずさ2号」は同じ音でいい曲だったじゃないですか。
バッチリはまってもうこれしかないという着地だったよね。
「あずさ2号」と「上を向いて歩こう」の場合は。
何でこれの場合は気持ち悪い感じっていうか…。
やっぱりこの「あなた」の「な」に長さが必要なんだ。
やっぱり歌い手としてはまっすぐ・「なーたー」という訳にはいかないので。
持て余しちゃうんですよね。
そう持て余しちゃうんですよ。
この表情をつけるためには上からの余裕で行くという表現を使うとか下から頑張って持ち上がっていくという事にするのか。
そういう選択をメロディーの流れ着地…。
着地の形としては3つでいいんだけれども曲がやっぱり求めてきてしまうこの長さがね。
合う合わないがあるんですね。
という事だね。
曲によってその1個前の音の長さ歌詞っていうのはすごく重要になってくるという事ですね。
横山先生は曲を作られる時に着地ってどういうふうに決めてらっしゃるんですか?着地はもうその手前のメロディーから割とどう行くかが…。
要するにこれも前のメロディーが違ったら真ん中で行っても上で行っても下で行ってもいいのかもしれない。
その手前のメロディーが既に伏線になってるというか。
もうここから始まってるという事ですね。
始まってるんですね。
…という気がしますね。
歌い手さんにとっては作り手にとってもここからストーリーが始まってて…。
そうか!僕は今日トドメトドメなんて最後と1個前に注目だよなんて言ってたけどその前のトドメに至るストーリーというのが大事なんだね。
まあそうですよね。
いきなり現れてトドメさしたら映画のワンシーン終わりですもんね。
そうですね。
何だったんだって話だもんね。
トドメに至るストーリーか。
横山先生さすがです!なるほど。
それがあってのトドメなんですね。
はい。
あってのトドメパーツ。
面白いですね。
面白いです!僕らが本当に一番気持ちよく歌ってた所にこんな…。
しかもこんな短い距離の間にこんなにいろんなドラマが入っているという事なんですよ。
・「さー」これも楽曲自体がかなり変わっていてAメロBCとかじゃなくてどんどん展開していって結局一回も元に戻らないまま・「夢の世界さ」までず〜っと変わりっ放しなんですね。
そこで本当はトドメを…。
さしてる?さす。
取りとめもないストーリーが繰り広げられていて最後の・「夢の世界さー」で…。
・「さー」でエクスタシーに至る。
なるほど!トドメイコールエクスタシー?エクスタシー。
剣さんワーズ出ました!大人な感じですね。
これ僕ねその前の・「ナイトクラブ」でメロディー何か僕的には着地した感があるんですよいつも。
あるけどそのあとに・「夢の世界さー」って来て…。
なので一回着地したかなというふうに思わせておいてダブルでトドメをさされる。
ダブルでさされてるんですか。
これはどうしてこの曲を選んだんですか?これも上がる系なんですけど…。
今も最後こうやってやってらっしゃいましたね。
はい。
ジャンジャンで締めるみたいな。
あ〜なるほど。
トドメが空に向かって飛んでいくようにさされていく中で最後にジャンジャンジャンで締めるっていう?あの時代高度成長期ですよね。
そのど真ん中の何かこれから更にっていう上昇感みたいなのがですね…。
歌に乗ってるんだ?そんな感じもします。
時代も反映されるんですね曲に。
そういう事なんですね。
さあ最後はこちらの曲です。
あっ歌えてる人がいる!・「かなしーみがー」剣さんこれ好きですよね。
基本ここまで行くんですね。
そうですね。
どっちかっていうとキーが割と低いんで憧れるんですよ高いハイトーンの出る人。
何か大気圏を突き抜ける感じ。
突き抜け感が…。
でもそんな感じがする。
この松崎さんのロングトーンがさ何かもう力業なんですよね。
力業でグイ〜ッと行ってもう本当に大気圏を突き抜けて銀河特急行ってしまうみたいな。
ロケットみたいな。
ロケット飛んじゃうみたいな。
肉食感でもって。
肉食感!肉食感ですね。
今日いろんな言葉出ますね。
そうですね。
横山先生すごいな!横山先生らしいお言葉…。
お楽しみに!全てのアーティストの憧れの場所!J−POPの聖地を訪ねる課外授業「亀さんぽ」。
これまでに数々のJ−POPゆかりの地を紹介してきました。
さて今回訪れたのは?横浜市鶴見区の工場地帯にやって来ましたけれども校長今日はどこ行くんですか?今日はね音楽にとって大事なあるものを作っている工場に来てるんだよ。
音楽にとって大事なものを作っている所?しかも日本唯一ここでしか作っていない。
えっ日本唯一!?そう。
それはここだよ!という訳で早速工場の中にお邪魔しました。
あっどうも。
どうもこんにちは。
いらっしゃいませ。
こちらが今回工場を案内してくれる…西谷さんについて奥に進むと…。
ほら!そう。
レコード作ってる!あっすごいすごい!今まさに出来てる!今回お邪魔したのは1961年から今も変わらずレコードを製造し続けている日本でたった一つの工場です。
今日も亀カメ片手に亀田校長がさまざまなシーンを切り取っていきます。
熱いですからね。
マジマジ!マジ熱いよ!マジ熱いよ!あっ熱〜!本当だ。
熱〜い。
こちらの熱した材料を…100トン!はい。
プレス機にはレコードの溝が彫られた金属の型が上下に取り付けられています。
そこに紙のレーベルで挟まれた材料が送り込まれ加熱しながら100トンの力でプレスし冷却してレコードが形づくられます。
プレスされたあと周りのバリの部分を次のプレス上がって出てくるこちらですね。
あっ本当だ!端というか周りに何か…。
何かウロコみたいについてたね。
あ〜取った取った取った!取れた取れた!うわ〜すごい!こちらの方はレコードの外周部分なんですけどもこれを周りきれいに切り取ってですね…。
あっまだこれも熱いよ!熱い!熱い!ホカホカだ!ホカホカ!塩化ビニルってビニール袋の部分?そうですね。
レコードの材料となる塩化ビニルはもともと透明ですが硬さを出すために炭素を配合しているため黒くなるのです。
製品の方出来上がってきますので。
1枚30秒で出来るんですか?はい。
1枚30秒って事は…こちら1台のプレスで…。
へえ〜。
続いて工場の奥にある別のプレス機を見せてもらいました。
これまた年代物の機械じゃないですか?こちらは先ほどの自動プレス機が入る前まで稼働していた…レコード全盛期にはこの機械に人が付きっきりになってレコードをプレスしていました。
数々のヒット曲を世に送り出してきた裏には知られざる苦労があったそうです。
これ当時1976年の発売で…450万枚…。
24時間!不眠不休?はい。
たい焼きを焼いてる鉄板の作業で…当時の作業員たちの間でやはり似ていると。
たい焼きを作るのとレコードを作るのと…。
「いやになっちゃうよ」って?まさかレコードとたい焼きに共通点があったとは驚きました!最後にこちらの工場で作ってきたレコードを見せてもらいました。
あっこれは…知ってる?え〜校長の手なんですか!?手タレもやったの。
うっふ〜!実は今レコードが再び注目を集めておりこの工場もここ数年で生産量が1.5倍に伸びたそうです。
やはりCDが出る前のメディアで…もう一回レコードで聴いてみたいなというふうに思うんだよね。
やっぱりレコードの音の…。
まあひと言で言うと温かい音だと思うんですけども。
あと若い世代で…はい。
なるほど。
西谷さんここへ来て一つお願いがありまして…。
何でしょう?今それはCDでデータで持ってきてます。
これをですね今日ここで…やって頂けますか?はい。
やった〜!という事で次回は…レコード盤に音が刻み込まれる様子をご紹介します。
完成です!お楽しみに!ここからはねこのトドメを更に…更によ?トドメさしてんのに更にドラマチックに盛り上げていく技仕掛けをちょっとみんなと一緒に勉強していきたいと思います。
実はその仕掛けがねさっきも横山先生に歌って頂いた「あの鐘を鳴らすのはあなた」に含まれてるんです。
盛り込まれてるんです。
とりあえず一回これを聴いてみて下さい。
ベースなんかこうだよ。
本当にこの時代の…。
今聴いて頂いたのは「あの鐘を鳴らすのはあなた」の一番最後のサビ。
まさに曲のクライマックスの部分なんですけどこの最後のサビってこれまで聴いたサビとちょっと構造が違うんですね。
何か違う印象はしたでしょ?何となく…お芝居とかの最後でキャストがみんな出てきましたみたいな。
何となくですけど。
大団円?そんな印象が…。
するする。
何かゴージャスな感じ。
ゴージャスでしょ。
ゴージャスなんですよ。
あっ来てるし譜面が!こちらですね。
まずこれ1サビの出口なんですけどこれが普通の「あの鐘を鳴らすのはあなた」のサビの出口。
トドメのさし方。
これちょっと一回横山先生と一緒に斎藤先生お願いします。
(拍手)はい。
いいですね。
ここに向けてね1個上の音からこれが伸びてんのが効いてますよね。
もう大人の余裕っていう感じ。
最後のサビはこれがどうなっているのか。
ゴージャスな感じっていうのがね。
やってみて頂いてもいいですか?バ〜ン!
(拍手)何か迫力が違いますね。
はい。
まずね大きな違い。
1サビのパターンはノーマルパターンはさっきの1個上の音から上から着地。
上から着地してますね。
レからド。
そう上から着地です。
最後サビのパターンももちろん上から着地。
レからドですね。
はい。
上から着地は変わんないんだけどここに注目。
「あなた」の「た」。
ここが1番の時は先に伴奏はこの着地のコードに行っちゃってるの。
「な」が伸びてここで「た」に着地する。
ちょっとじらしているっていうか。
じらしてんですか?そうじらしている。
ここは…。
あ!ほらドミソの伴奏が鳴った瞬間に「た」が同時に行く。
これが全部一緒って事ですね?そう。
全員が一緒。
全員が一丸となって着地。
一丸となってトドメをさしてるんだよ。
だからゴージャス感大団円感。
全員が一丸となってここに着地する。
トドメをさすっていうところが曲の一番最後で来る事によって圧倒的なクライマックス感。
横山先生の言葉で言うところのエクスタシー感がここで起きる訳。
しかも!
(2人)しかも…。
しかもなんです!パンパンしましたよね?ここにブレイクお休み。
ブレイクが入るんです。
すぐここみたいに「あなた」に行かない。
「ならすのは」でパンパン。
「あなた」って…。
この「あな」は全員で一丸となってトドメをさすためのここはもう準備期間。
ジャンプ台ですよ。
ジャンプ台!もうみんなが一斉にゴールを狙ってる訳。
「行くぜ!」といって全員でバンって行くための「あなた」になってる訳。
このワンツーでその呼吸を整えてる訳。
「みんな行くよ!」って?そう。
「行くよ!」って。
だから歌ってる方もパンパンってやりたくなって気持ちがいいし待ってる方も「うわ〜たまった!来たな!ダ〜ッ!」みたいな。
だからロングトーンができるって分かりました。
ここで息がたっぷり吸える?ええ。
ブレスできるんですよ。
パンパンないとこっちできないですね。
今発見しました。
いろんな発見がありますね。
何年もたってるんですけど。
要するに全員が一丸となって着地するためにはトドメをさすためにはやっぱり手続きっていうか順番。
段取りが必要なんだよ。
だからバケツでいうと水が入ったのを一旦こうやる。
あっまくためにこうやって?ザバ〜ン!ピッチャーは振りかぶる?振りかぶって投げました!弓を一回後ろに引く?ああそういう。
…でパンパン。
これ使えますね。
(笑い声)技として…。
技としてね。
弓引いてトドメさすんだやっぱり。
なるほど。
引き具合で決まりますもんね。
どんだけ引いてるかっていう事だもんね。
分かりました。
それではこれから横山剣先生と校長率いるバンドの皆さんに生演奏を披露して頂きます。
曲はやはり「あの鐘を鳴らすのはあなた」です。
さあ校長どんなところに注目して聴くといいでしょうか?横山先生がいかに横山流にトドメをさしていくかっていうのを是非注目してもらいたいと思います。
横山先生は…イイネ?どんなところが聴きどころでしょうかね?そうですね。
やっぱり「町は今」って所ですかね。
割と悩みとか自分の限りをブワ〜ッと振り切って力強く「でもやるんだよ!」みたいなそういう感情を感じながら…。
何か今すごくポジティブな広がる話ですけどでも最後にはしっかりトドメをさしてる。
トドメさしてらっしゃるんですね。
トドメ!じゃあそのトドメにも注目して聴きたいと思います。
それではお聴き下さい。
「あの鐘を鳴らすのはあなた」。
亀田音楽専門学校。
今回は「トドメのメロディー学」と題してお送りしてきました。
横山先生いかがでしたか?割と「考えるな感じろ」であまりフィーリングでやってきた訳ですけれどもそれをこうやってひもとくのはすばらしい事だなと。
音楽がますます楽しくなりましたね。
すばらしい。
いろんな発見もされて2014/12/11(木) 23:00〜23:45
NHKEテレ1大阪
亀田音楽専門学校 第11回「トドメのメロディー学」[字]
時代の先端を走る音楽プロデューサー・亀田誠治がJ−POPのヒット曲に隠された音楽の秘密を解き明かす亀田音楽専門学校。ゲストにクレイジーケンバンドの横山剣が登場!
詳細情報
番組内容
ゲスト講師はクレイジーケンバンドのボーカル横山剣さん。今回のテーマは、「トドメのメロディー学」。J−POPのメロディーの最後の2つの音に注目。上から下りてくる終わり方、下から上がってゆく終わり方などに分け、なぜ感動に結びつくのかを考察する。さらにロケ企画「亀さんぽ」では日本唯一のレコードプレス工場を訪ねる。また横山剣さんは和田アキ子さんの名曲「あの鐘を鳴らすのはあなた」をカバーする。
出演者
【ゲスト】横山剣,【出演】亀田誠治,中村慶子
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
音楽 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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