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(絵里)「東京大学法学部卒。
渉外弁護士として将来を嘱望されるも平成16年独立」
(貴子)当社の顧問弁護士間宮貴子です。
(貴子)小向つや子さん。
大学時代の司法試験の予備校で一緒だったの。
(つや子)「ハンサムならくだ」って人ね。
気は優しいけど使えない助手ね。
切れモンだけど見た目ぱっとしないパラリーガルだ。
(亜紀)間宮貴子法律事務所って…。
置いてくれって頼まれたの。
大事なクライアントの娘だからって。
(絵里)弁護士の佐伯絵里です。
法廷で勝てる事実と実際の事実は違うんですよ。
ケンカはこうやるのよ。
佐伯先生。
参考にさせてもらうわ。
間宮貴子か。
わたしさ恋すると頭ん中で音楽が鳴るの。
《・『君の瞳に恋してる』》ミュージック入りましたね。
(三神)大変失礼しました。
クレームがきてる話デスクから聞いてなかったもので。
あの?すいません。
わたし今まばたき忘れてました。
まばたきはいいんですけれどご理解いただけましたでしょうか?えっ何がですか?おわびの広告を載せるということで。
こ〜んなちっちゃいやつなんですけど。
はい。
はいはい。
よろしいですか?OK牧場。
はっ?やだわたしこんなギャグなんか。
あっや…わたしって何かおちゃめ〜。
ハハハ…。
テヘ。
アハハ…。
(貴子)来たわぁ…春が。
ようやく。
(武)実際どこ行くの?
(美香)うーんやっぱりヨーロッパ?
(武)ヨーロッパねえ…。
(美香)ヨーロッパ。

(つや子)貴子ちゃん。
あっつや子…。
(つや子)何?ぼーっとしちゃって。
また肋間神経痛?別に。
ほらカップルで旅行かぁ。
いいなぁと思ってね。
あんた恋したね?当たりでしょ?いやあっ…。
わたしの勘はねオオカミ並みなのよ。
でっ何相手は?どこの人?いくつ?言えない。
な〜んでよ。
わたしが見てあげるから。
ますます言えない。
どこに勤めてるの?口チャック。
背は高い?高いかな結構。
(つや子)顔は?いい男?うんいい男。
あっ分かんない。
でも見る人によって微妙かな。
どこの人なのよ?それ言ったら分かっちゃうもん。
どうやって知り合ったの?仕事上かな。
きっかけは?あのねわたしの落とした湿布を彼が拾っ…。
ううん。
湿布?前から好きだったの?全然。
でもほら何となくね。
どこまで知ってるの?相手のこと。
全然。
ふ〜ん。
分かっちゃった。
えっ!?その人の素性わたしが調べてあげる。
ちょっとちょっと誰か分かったの?あんたのことなら何でも分かるのよ〜。
任せなさい。
悪いようにはしないから。
(武)しっかしさすがだよなぁ。
すぐにこれだけ集めるんだもん。
まっ段取り組むのが仕事みたいなとこあるもんな。
段取りだけが秘書の仕事じゃない。
アハハハ分かってる分かってる。
褒めてるんだって。
その忙しい秘書さんが休み取ってくれたんだ。
取って置きんとこ連れて行かないとな。
どうした?わたし旅行もうれしいけどそろそろきちんとしときたい。
結婚ってこと?だからそれは今の俺の仕事が一段落ついたらって…。

(絵里)上野美香さんですね?
(絵里)私弁護士の佐伯と申します。
弁護士?弁護士?こちらの中村さんの奥さん涼子さんの依頼で参りました。
奥さん!?
(絵里)涼子さんはあなたと夫武さんの不倫によって精神的苦痛を受けた。
よって共同不法行為者であるあなたに慰謝料300万円を請求したい。
そう訴えておられます。
ふっ不倫!?わたしが?
(美香)ちょっとどういうこと?ねえ一体何なの?奥さんって何?ちょっと!何とか言ってよ!ねえってば!ううっ…。
嫌な予感。

(テーマソング)弁護士のコラム?
(三神)ええ。
弁護士の視点から恋愛を語る…みたいな連載をお願いしたいなと思って。
恋愛?
(三神)はい。
(三神)できれば是非またお会いしてお話しさせてもらいたいなぁと思いまして。
あっはっはい。
じゃああのすぐにスケジュールを。
はい調べて。
あっじゃすぐに連絡します。
はい。
はい。
はいどうも。
では。
えっ…。
これってお誘い?誘われた?わたし!?
(つや子)恋する先生。
あっ!?ちょっと例の件調べに入りますから。
部下使うわよ。
部下?部下って誰?あとよろしくね!ちょっと!
(大介)先生。
依頼人の方いらっしゃいました。
どうぞ。
あっ。
(柳田)だから今事務所は忙しいときなんだよ。
お前の言うことも分かるけどもうちょっと…。
(通話の切れる音)もしもし?
(不通音)
(ため息)
(柳田)あっ先生は?ちょっと…忙しいのわたし。
(せきばらい)では今回の案件を私本多大介が責任をもって説明させていただきます。
上野美香さんは平成15年4月取引先である大手商社五陵商事の食品3課課長中村武さんと知り合った。
間もなく二人は交際を始め美香さんはいずれ結婚するつもりだった。
(貴子)ところが武さんには結婚して15年になる奥さんがいたことが発覚。
同時に奥さんからは共同不法行為者として300万円の慰謝料を請求する内容証明が届いた。
これを何とかしてほしいと?
(大介)共同不法行為者って?
(紀三郎)一緒に不法行為をした人。
この場合不倫をした二人ということですな。
じゃあ中村さん夫婦は離婚するということですか?ううん。
離婚はしないけど旦那の浮気相手は訴えるってわけ。
何か勝手じゃない?離婚はしたくない。
でも腹の虫が治まらないってやつね。
旦那が浮気をすると奥さんの怒りは相手の女性に向かう。
よくあるケースですな。
そんな…。
訴えたいのはわたしのほうです。
「結婚しよう」って言ってたんですよ。
あなたホントに知らなかったの?奥さんがいるって。
もちろんです。
バツイチだとは聞いてたけど独身だってはっきり。
でも2年もつきあってたんでしょ?彼の家には行かなかった?彼六本木のマンションに一人で住んでて。
別に家があるなんて全然知らなかった。
ああ…。
わたしが訴えることはできないんですか?気持ちは分かるけど。
裁判となるとあなたが現実的に何らかの被害を被ってないと難しいわ。
そんな…。
(紀三郎)それより向こうの慰謝料請求を何とかしませんとね。
不倫による慰謝料請求をはねのけるのは大変なことなのよ。
だけどわたし…。
でもあなたが奥さんのいる武さんとつきあっていたのは事実でしょ?うーん武さんが独身を偽りあなたが不倫を知らずに交際していた。
それを証明するしかありませんね。
(紀三郎)難しいですな。
(美香)わたしが証明させます!彼に言うように言います!あのねメールとか手紙とか武さんが独身だと嘘をついていた証拠が残っていればいいんですがね。
彼メールは面倒くさがったし写真とか撮るのもすごく嫌がったんです。
(大介)あっはい!はい!だとすれば奥さん側も不倫の確かな証拠を持ってない可能性もありますよね?いや証拠がなければ向こうも強気には出られません。
(大介)ねえ。
よし。
相手の出方を探ってみましょう。
またあなた?どうぞ。
(せきばらい)私の依頼人中村涼子さんです。
間宮です。
とにかく電話でもお話ししたとおり不倫をしていたというのならその証拠を見せてもらえませんか。
否定されるんですか?不倫していないと。
こちらとしては何を理由に不倫だとおっしゃるのかそれを聞いてからでないと。
しかたありませんね。
分かりました。
どうぞ。
お入りください。
(絵里)ご主人の中村武さんです。
ご主人?どうも。
(絵里)このとおりご主人にはたくさんの不倫の証拠を提出していただきました。
嘘でしょ!?不倫した旦那が奥さんに協力!?でかい声出すな。
そんなのは意外とよくあるケースなんだよ。
ちょっちょっ…。
どっどういう…どういうこと?
(つや子)女から慰謝料取れれば奥さんの気は済む。
旦那にしても奥さん怒らせて離婚にまでなって慰謝料取られるよりひたすら謝って奥さん側について穏便に収めたほうが得ってわけ。
何だよそれ!
(柳田)結婚15年目のエリート商社マンと専業主婦。
しかも旦那はこれ相当なボンボンだぜ。
浮気の一つや二つ慣れっこになってるって。
エリートの夫婦なんて実際そんなもんだよ。
(大介)じゃあ相手の上野美香さんの立場は?だから男にとっては単なる遊び。
いちばん割り食ったの彼女だよ。
そんな〜!
(つや子)まあまあまあまあ。
はいおいしいから。
ねっ。
はいは〜い!あっ俺いいっすよ。
まめ屋のみたらし団子。
(柳田)ああっちょっと!うおっちょっと!
(つや子)でもさぁ雑誌によく載ってるじゃない。
旦那は医者で奥さんはフラワーアレンジメントが趣味ででっ週に一度は恋人に戻って二人っきりでフレンチみたいな人に幸せを見せつける夫婦。
わたし思うのよ。
ああいう旦那はねもう絶対浮気してる。
つうかしろー!何だかなぁ…。
(柳田)おいどうでもいいけどよ相手の弁護士ってこの間のヤメ検だって?そうなんすよ。
これまたやっかいな女で。
ふーん。
「ふーん」って。
(貴子)不倫した当事者が奥さん側についた以上何も反論できない。
美香さんが不倫だとは知らなかった。
つまり男が独身だとだましていたという揺るぎない証拠を集めるしかありませんな。
それに全力を尽くしましょう。
(紀三郎・大介)はい。
それじゃ僕のほうは美香さんの交友関係をあたってみます。
じゃあわたしは男の中村武のほう調べてみましょう。
お願いします。
いってきます。
(つや子)いってらっしゃいませ。
(亜紀・大介)うわーっ!あっすいません。
(亜紀)もう。
気を付けます。
すいません。
(亜紀)ただいま。
ああっちょっとちょっと。
ああーっ!ちょっちょっ…。
(亜紀)えっ?ちょっと何?
(つや子)早くちょちょ…。
(亜紀)何?どうだった?ちゃんと調べてきましたよ。
まったく。
でっ?
(つや子)貴子ちゃん!分かったわよ彼氏のこといろいろ。
(大庭)《・『君の瞳に恋してる』》・
(ドアの開く音)
(大庭)いらっしゃい。
(貴子)嘘?そうなのよ結婚してんのよ。
学生時代からのつきあいらしいわ。
31歳。
ものすごくきれいな人。
おまけに子供までいるらしい。
だってでも指輪…。
指輪なんてしない人多いわよ。
まっ部下にもうちょっと調べさすから。
また報告する。
てことはこのままいくと不倫?わたしも?
(友人)あ〜あ無理無理…。
(友人)何でよ。
あのすいません。
(友人)はい。
上野美香さんの件でちょっぴりお話聞かせてもらいたいんですけど。
(局員)お待たせしました。

(同僚)バレたんだって?例のダイニワ食品の秘書課。
奥さん大変だろ?買わされたよクロコのバーキン200万。
ハハそりゃ大変だ。
今回は高くついたぁ。
でもそれよりその秘書大丈夫かよ?あっ?お前今度新規事業のプレゼンだろ?まずいんじゃない?
(同僚)すっごいいい感じなの。
(同僚)マジで?いいねえ。
(同僚)あれ?美香どうした?ううん何でもない。
(同僚)うん。
あのねイタリアンもすごいいいとこ見つけたの。
(同僚)ホント?
(部長)すいません。
本当に失礼しました。
いやぁ今ねデイリースーパーの冷凍食品全部ダイニワさんに任せようと動いてる最中なんですよ。
邪魔されると困るんだよなぁ。
(部長)いや分かりました。
どちらにしてもこのままではほうっておけない。
善処させてもらいますよ。
よろしくお願いします。

(美香)あの!しつこいぞ。
そうなのよ結婚してんのよ
(大介)先生!美香さんが独身だってだまされてた証拠のメールです。
「結婚はいつなの」っていう問いに答えた中村武のメールです。
「今は家庭を持つことは考えられない。
当分は次のプレゼンしか頭にないからそれが終わってから話そう」
(大介)これって独身だって前提ですよね?でかした。
あの男は六本木にマンションを持っていたというんで調べてみたら親名義のものでしたがこれって独身だと偽っていたという間接的な証拠になりませんかね?
(大介)ああっあとそれに彼女の高校時代の友達で美香さんと一緒に中村武に会ったって人がいます。
何か独り身だから掃除が大変だとこぼしてたって。
証言してくれるそうです。
よし。
これで旦那中村武は…。
(貴子)明らかに独身だと偽って上野美香と交際していたことが証明できますよね?彼女は不倫だとは思わなかった。
よって彼女に非はない。
共同不法行為は成立しません。
慰謝料を払う義務はありませんね。
(涼子)そうなんですか?先生。
分かりました。
ただし今後二度と武さんと美香さんが会うことのないように。
はい。
では。
(涼子)あなた。
不倫の経験でもおありなの?
(涼子)不倫してる若い子の味方してるからてっきり。
弁護士として依頼を受けただけです。
失礼。
(チャイム)「ああ俺だ。
開けてくれ」一人暮らしだって言ってたんでしょ?ならマンションに帰れば。
「参ったなぁ。
分かったよ。
今度は1週間?2週間?」慰謝料取れなかったわよ。
どうしてくれるの?違うんだよ。
あれはあの女が勝手に言ってるだけなんだ。
「俺も付きまとわれて迷惑してたんだよ。
だからさ今度どこか遠くへ異動させるんだ。
もう近づけないように。
だからなあ分かってくれよ」とりあえずマンションに行って。
連絡はメールでするから。
「分かった。
分かったよ。
だから早めに機嫌…」慰謝料払わなくていいんですね?よかったぁ。
(部長)はい。
中村さんの言われたとおりに。
ええ。
もうこれで彼女と会うこともないです。
はい。
大丈夫…。
(美香)お待たせしました。

(つや子)貴子!貴子ーっ!アハハ…貴子ーっ!新情報。
いいわよもう。
ああまあまあまあ。
部下が報告しますから。
ほれどうぞ。
(せきばらい)
(亜紀)えーと彼の足のサイズは27半です。
そんなことはどうでもいいのよ。
もっと肝心なこと。
彼あまり家庭はうまくいってないみたいですね。
えっ。
(つや子)ねっチャンスよチャンス!向こうもその気よきっと。
ほれ次。
奥さんがもともと雑誌の編集者でキャリア志向。
でっ家事を自分だけに押しつけてる旦那に不満をもっている。
でも彼は彼で超多忙。
マスコミだもんなぁ。
それで家の中がギクシャクし始めたんです。
彼もちょっと反省して仕事を変えて家庭の時間を大切にしようかなと考えてるようです。
なら粉かけるなっつうの。
よく調べたわね。
意外とやるのよこの子。
昔男の浮気調べたことがあるんでこういうの得意なんです。
うふっ。
(つや子)だからほらこういうときにもう一気に攻めなきゃ。
うん。
(亜紀)今がチャンスですよ。
うんっ。
何だこのお茶。
あっスッポン茶。
特別に濃いやつです。
(つや子)何考えてんのよ。
ああっ飲んじゃダメ!うーっ。
わたし不倫嫌いだから。
すごい大魔神みたい。
すいません先生わざわざ。
お話ししていたコラムなんですが「恋の六法全書」ってタイトルでどうですか?来月から早速…。
わたしそういうの大っ嫌いなんです!えっ?失礼します。
さよなら。
(三神)そういうのって…コラムのこと?まったく。
家がうまくいってないからってそんなお手軽じゃないっつうの。
あっ。
はい。
はぁ?左遷?急に…秘書課から…ち…違う部署にいってくれって。
あっああそう。
何言ってるかよく分かんないけど要するに左遷になったってことですか?彼が…中村さんが指示したってこと?彼の会社は彼女の会社の大手取引先。
女の子一人異動させるぐらいわけないってことか。
どうして?万一不倫の件で騒がれでもしたらエリートである彼のキャリアに傷がつく。
事前に手を打ったってことね。
(大介)ひどいな。
独身と偽って不倫したうえに邪魔になったら左遷かよ。
わたし今の仕事大好きなのに。
(泣き声)許せにゃい。
(同僚)嘘!何で?
(同僚)秘書の仕事頑張ってたのに。
(同僚)急だよね随分。
(同僚)秘書課から商品管理に異動なんて聞いたことないよ。
ですからね左遷とかっていうんじゃないんですよ。
だけどおかしいじゃないですかこの時期に。
しかも入社3年目で異動なんて普通ありえないって誰もが口をそろえてますよ。
上野さんはねよく気がつくし評判もいいんです。
そんな優秀な人材を秘書課にだけ置いとくのはもったいないでしょ。
それはそういう話じゃないでしょ?これ明らかに中村さんから圧力が…。
失礼します。
ごめんください。
あっ。
(泣き声)何だそんなことか。
そんなこと?すてきな間宮先生が会いたいって言うもんだから何を差し置いても飛んで来たってのにそんな用件じゃがっかりだな。
依頼人のことでなければ会いになど来ません。
まあいいや。
わたしはあの会社の人間じゃない。
よその会社の人事に口出しなどできるはずがないでしょう。
それは…。
わたしは忙しいんだこれで。
失礼。
(武)おおマユミちゃん。
(涼子)すいません。
これ食品3課の中村に届けておいてほしいんですが。
家内です。
(受付)お呼びしましょうか?
(涼子)いえ。
渡してもらえれば結構です。
では。
(涼子)今はね一時的に別居状態。
家にあった書類を届けてあげたの。
(貴子)離婚されるんですか?しないわよ。
すると思う?結婚15年目。
浮気の一つや二つで今の生活を捨てるほどバカじゃないわ。
専業主婦はねしぶといの。
愛の代わりにエルメス買ってくれたら満足なのよ。
あの…。
彼女の左遷の話?ご存じなんですか?何か問題が?ご主人武さんが何らかの関与をされてると思わざるをえません。
タイミングが合いすぎます。
証拠はあるの?なら出しゃばらないで。
会社に弁護士が来たなんて悪い噂が立ちかねないわ。
一応ご主人のこと気にされてるんですね。
当然でしょ。
主人に何かあったらエルメス買ってもらえないじゃない。
わたしも聞いていい?慰謝料の話はもう終わったでしょ?なのに何でこんなことでムキになってるの?ご主人に関係することでわたしの依頼人が困ったことになっています。
問題は完全に解決したわけじゃない。
最後まで責任を持つのは弁護士として当然のことです。
プロなのね。
さてと。
暇をつぶすしか能のない主婦はジムにでも行ってきます。
ごめんください。
(つや子)そりゃ無理よ。
ダイニワ食品だって大事な取引先の中村さんをチクるわけないじゃない。
ねえそれよりさここホントに料理ないの?はい不器用ですから。
うんダメだよもう。
今どき男だって料理ぐらいできなきゃ。
料理ができる男に女は弱いわよ。
ねえ貴子。
うん…。
あっ今ね男とコレなのよ。
男!?
(つや子)何どうした?上野さん。
(絵里)中村さんの会社にアポもなしに乗り込んできたんです。
幸いガードマンに押さえられて騒ぎにはならなかったんですが。
幼稚ねやることが。
(絵里)法的な措置も考えられますが奥さまはそれはされないということです。
彼女のやったことは問題ですがそちらにも原因があるんじゃないでしょうか?なぜ?中村さんが不倫の口封じのために異動をさせたからです。
想像の話はやめましょう。
ご主人ももう見えます。
騒ぎのとき会社におられなかったのでよかったですが。
(泣き声)・
(武)何やってんだよ!何したのか自分で分かってるんだろうな!ちょっと!慰謝料払わねえんだからそれでいいだろうが!
(美香)何で!何で異動までしなきゃいけないの?だから何なんだよ!俺は大事なプレゼン控えてるんだ。
騒ぎを起こされたら困るんだよ。
(美香)わたしだってやりかけの仕事が…。
(武)ふざけんな!俺の仕事とお前の仕事一緒にするんじゃない!待ってくださいそんな言い方…。
たかが秘書風情が何言ってるんだ。
どうせ男を捕まえるまでの腰掛けだろうが!こっちは男の仕事してるんだ。
お気楽主婦目指すしか能がない腰掛けと一緒にするんじゃない!いいかげんにしなさい!失礼するわ。
ばかばかしい。
(武)おいちょっと待ってくれ。
(絵里)とにかくこれで話は終わりですね。
今後一切涼子さんを煩わすようなマネはしないように。
何か言いたそうですね。
「こんなことでいいの」とでも?別に。
「六法全書に恋はない」法的には旦那さんには問題ありませんよ。
わたしは奥さんの代理人だから関係ありませんが。
(美香の泣き声)
(貴子)旦那の指示を証明できなきゃどうにもならない。
でも会社の人間は口を割らない。
ああ。
先生。
これで…これで何とかなるかもしれません。
(貴子)夜分にすいません。
あのお電話でもお話ししたんですがこれ。
是非持ってきてくれ見てみたいとおっしゃったので。
あの…ご主人武さんが上野美香さん以外にも浮気していたという証拠です。
ウチのパラリーガルが調べました。
というか会社の人に尋ねたらいくらでも出てきたそうです。
出過ぎたことだと思ってます。
だけど奥さまは非常に聡明な方だとお見受けしました。
だから知ってほしかったんです。
ご主人はわたしの依頼人を左遷させました。
そのことを証言できるのは奥さまだけだと思ってます。
協力していただけませんか?上野さんは秘書という仕事をとても大事に思ってます。
(涼子)「花の命は短くて…」えっ?
(涼子)「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」か。
奥さん?知ってたわ。
そんなこととっくに。
だけどわたしはあの人を支えていこうと思ったの。
何があっても。
結婚した15年前にね。
だから好きだった仕事も犠牲にした。
それがわたしのプライドだったの。
だからわたしはわたしの道を全うしただけ。
それはあなたの意地ではないですか?それがあなたのホントのプライドですか?許せなかった。
あのひと言だけは許せなかった。
わたしも秘書だったの。
(武)たかが秘書風情が何言ってるんだ!どうせ男捕まえるまでの腰掛けだろうが。
こっちは男の仕事してるんだ。
お気楽主婦を目指すしか能のない腰掛けと一緒にするんじゃない!仕事を辞めて俺を支えてくれって言ったのは彼のほうだったのよ。
もう覚えてもいないだろうけどね。
あの人にとって女は男を支えるただの道具。
うすうす分かってはいたけどね。
奥さん。
先ほど「それがわたしのプライドだった」っておっしゃいましたよね。
あなたのホントのプライド取り戻しませんか?
(男)よろしくお願いいたします。
(武)お願いします。
(男)期待してますんで。
(武)ありがとうございます。
(男)失礼します。
何だ?お話があります。
上野美香さんはあなたによって左遷されたことおよび独身と偽って交際されたことへの精神的苦痛として800万円を慰謝料として請求します。
はあ?何言ってんの。
あれ?内容証明ご自宅にもお送りしましたよ。
(武)ばかばかしい。
左遷だなんて証拠はあるのかよ?あなたは今奥さまと別居されていて連絡はもっぱらメールでされてるそうですね?そのメールのプリントアウトです。
「上野美香なら心配はいらない。
ダイニワ食品の商品管理部に異動させた」と書いてあります。
日付も入っちゃってますね。
ふざけんな!こんなもん偽造に決まってるだろうが!大体こんなもんお前…。

(涼子)本物よ。
わたしが出したの。
お前。
あなたとは別れるわ。
離婚よ。
何?もう一度腰掛け秘書に戻るわ。
まあ雇ってくれるかどうかは分からないけどね。
バカな。
(絵里)つきましては涼子さんは不倫による精神的苦痛の慰謝料その他財産分与武さんの収入とご夫婦の資産から換算して…。
計7,000万円を要求します。
なおこの不倫について必要であれば上野美香さんが証言します。
では。
(涼子・美香)さようなら。
ありがとうございました。
頑張ってね。
花の命はね…。
はい?花の命は長いのよ最近は。
これからは慰謝料で悠々自適の職探しよ。
じゃ。
いろいろとありがとうございました。
あらららら〜。
六法全書に恋はあったねこれ。
どうかしら。
少なくともわたしはそう信じてるわ。
(紀三郎)いやぁよかったですな。
ホントねえ。
(大介)やっぱり不倫はよくないよなぁ。
先生。
当たり前です。
また思い出しちゃった。
(大庭)あの…。
これよかったら。
頼んでませんよ。
試しに作ったのでお代は…。
そう?いわゆるひじきです。
いただきます。
まずっ。
おはよ。
おはようございます。
(一同)おはようございます。
おはようございます。
あっ先生。
ちょっとちょっと新情報。
何よもういいわよ。
うんほらもう早く。
彼氏いよいよ辞表を提出する気ですね。
ああそう。
ちょっといいかな?
(亜紀)えっダメ。
(つや子)彼氏。
(亜紀)ちょっとダメですよ。
今報告してるんだから。
(つや子)ダメダメあとあとあとあとねっ。
ちょっと待って?
(亜紀)はい?今「彼氏」って言わなかった?はい言いましたけど。
はい彼氏。
先生好きなんでしょう?大丈夫。
ここだけの話にしてあるから。
ちょっと来てください。
(つや子・亜紀)あれ?ちょっと来てください。
(つや子・亜紀)あれ?あれ?バッカじゃないの!?何でキャメル柳田にほれなきゃいけないの!だってさ仕事で知り合って頭がよくてで顔は微妙で見ようによってはかっこいいって言ったら柳田さんしかいないじゃない。
何でキャメル柳田を調べなきゃいけないの?そもそも隣にいるでしょう隣に。
やっぱりおかしいなぁと思ったのよね。
ちょいとお尋ねします。
あなた方そのために2週間動いてたんですか?テヘ。
テヘじゃないテヘじゃ。
奥さんもいて子供もいてってみんな知ってるっちゅうのみんな。
やっぱそうよね。
まったくもうすっとぼけて…。
そうだ。
こんなことはしてられない。
ええ。
僕は一人で暮らしてますけど。
やっぱり。
それで「恋の六法全書」やってもらえるんですか?もちろん!ああでもコラムお嫌いなんじゃ?とんでもない。
好きです好き大好物。
アハハそれじゃあ来月号から早速ということで。
よろしくお願いします。
ウフッ楽しみやだぁもう。
ウフフン。
何がキャメル柳田よ。
ホントに…。
(亜紀)彼氏いよいよ辞表を提出する気ですよ辞表…辞表?辞表!?ただいま。
(つや子)あっ貴子!大変大変。
事務所が乗っ取られた。
えっ?・『EVERY』2014/11/25(火) 15:53〜16:48
関西テレビ1
離婚弁護士

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