くらし☆解説「地球温暖化 COP20の成績表」 2014.12.18


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちはきょうのテーマはこちらです。
ペルーのリマで行われた地球温暖化防止に向けた国際会議COP20が2日間延長して12月14日に終了しました。
室山哲也解説委員です。
まずはCOP20、どんな会議だったんですか?室山⇒地球温暖化が進んで世界的に異常気象も頻発している中での会議で今まで温暖化に対する国際的な取り決めは一部の先進国だけでやってきたんですが2020年からほぼすべての国が参加した体制を作ろうということで非常に重要な土台づくりの会議でした。
きょうはその結果を私主観になりますが成績表をつけてこれから見てみたいと思います。
すべての国が温暖化対策に向き合うために3つの柱が必要だということです。
まずは温室効果ガスの削減量をそれぞれの国が提出しなければいけないこれは「△」いい動きは出てきています。
「△」かなと。
すでに温暖化の被害が出始めています。
それに対する対策、適応策といいますがこれは途上国に入りやすいということで、途上国にいろいろな先進国からの資金など支援などについての対策が必要なんですがこれはまだまだということで辛口の評価をさせていただきました。
なぜこうなったのか、後ほど詳しく伺います。
まず今の温暖化の状況はどうなっていますか。
地球の平均気温はずっと上がっていく一方です。
これからの対策のしかたで大きく未来が変わるということです。
今のままの方法で特に新しい対策をせずにいきますと2100年で地球の平均気温が最大4.8度上がってしまいます。
それからできうるかぎりの最大限のすごい努力をしまして青いところでおさまるということです。
あるラインがあって産業革命から2度というラインです。
この辺りであと1.1ぐらいのところで上昇を抑えれば大きな温暖化による深刻な被害は免れるのではないかというラインを目指して交渉が行われています。
今のままの程度の対策ならどういうことが起こりますか。
よく言われているのが地球の海面上昇が最大で82cmになります。
日本の場合は85%の砂浜が消滅してしまうとも言われています。
スーパー台風が来て高潮が起きると途上国がもろに被害を受けてしまいます。
深刻な状況です。
北極海の氷がこのままいくと今世紀半ばに夏消滅してしまいます。
異常気象ですが全体が暖かくなるので海からの蒸発量が増えます。
雨が降ると洪水が起こるぐらいに降るし降らないところ、逆に降りません。
大雨や、どか雪につながるということがどんどん深刻になります。
雨の分布が変わりますので農作物に被害がでますし、地球規模で収穫が減るということでリスクが高まってある種、紛争に近いところまで心配されるという状況です。
本当に大変なことになりますね。
先ほどのグラフで青のグラフのラインなんとかここで抑えるにはどうしたらいいですか。
IPCCというところが検査をしました。
青で抑えるためには何をすればいいかというところで地球全体で2010年ですけれども二酸化炭素の排出量を40%から70%削減するということです。
2100年には排出しない、あるいはマイナスということで、今まで出した空中の二酸化炭素を集めてどこかに閉じ込めておくということをやれば産業革命から2度というラインをキープできるというんですが大仕事です。
だけどしなければいけませんね。
改めて先ほどのCOP20の成績表、各国の削減量が「△」はどうしてですか?今後影響があるんですがまだまだ足りません。
いい動きができていますが足りません。
今までは日本やEUの一部の先進国は2008年から5年間京都議定書に基づいて国際的に削減する約束をしていました。
ところが今の数字で言いますと全体の4分の1ぐらいしかありません。
こういう国以外が頑張ってもだめだということで米中は世界全体の二酸化炭素量の排出量の4割以上を占めています。
こういうところも全部含めて全員野球をする途上国全部集めると先進国は二酸化炭素が多いんです。
全員でやらなければいけないということでこれが決まりました。
これに向かってすでに各国は目標の数値を提出しています。
前向きな数字が出ています。
EUも出ているし、米中はこないだの11月のAPECのときにそろい踏みをして世界に向かって数値を公表した、驚かせたんですね。
米中がやる気になった、特に中国は今までGDP当たり何%と言っていたんですがGDPの場合は成長すればいくらでも気になってしまいますので今回は総雨量があるピーク以降は総量を抑えると発表しました。
米中はやる気になったので大きな動きがあるぞという予感があります。
日本は原発事故の影響でエネルギーの比率が決まらないので2020年以降のものが提出できていません。
まだ足りないということで先ほどのラインに届くには足りないしかも自主的な数字で、それをチェックして、深堀していくシステムができていないということで甘い数字になりやすいということで先ほどのお話の「△」になるということですね。
岩渕⇒そのほかも2つ項目がありましたなぜ「×」ですか?室山⇒必要だということを分かっているんですが先進国が途上国の利害が対立していてそこを乗り切れない具体的には途上国側から見るとお金をもらってこういうことに対応していきたい先進国のヘルプがいる先進国からいうとお金は払いたくないんですね。
そこの折り合いをつける。
なかなか取り決めがうまくいかなくて、まだ動き出していく入り口のドアがちゃんと開いていないという状況です。
ドアの裏側で何かやっているんですが、まだ開いていないということです。
今回のCOP20、全体的な評価というとどうなりますか?もっと頑張りましょうということだと思います。
これから温暖化防止に向けたスケジュールはこの先どうなりますか?これからが大変です。
12月終わったあと2020年からすべての国の温暖化対策をやるために来年のパリで行われるCOP21これでこの内容の合意を勧告しないと間に合いません。
この間にいろいろしなければいけません。
ここで急に数字を出しても出せる国は来年の3月までに各国の削減量を提出するということです。
日本も来年の3月までにこの数字を出さなければいけないと外から言われているという状況です。
なかなか出せないと国際的に厳しいですね。
日本は選挙も終わってこれから原発再稼動のニュースが相次いでいますが再稼働がどうなるかも含めて、エネルギーの比率をどうするかが決まらないと出せないということなんですね。
そういう事情もあるのでそれをクリアして数字を出していかなければいけません。
外からの圧力もあり、中からのやることもあり板挟みの中で時間が過ぎていくのでやることがいっぱいあるという状況だと思います。
温暖化防止のために私たち市民にもできることはありますか。
こういう世界の動きをまずちゃんと知るということとそれから新しい時代に入りますので省エネは、ちゃんとやらなければならないしライフスタイルに関わりますからこういう省エネで生きていくという新しい社会のライフスタイルを身につけて新しい価値観をつけていくというようなことをしなければいけないし自分でできることを考えながら自立的に動いていく、賢い市民にならなければいけません。
楽しみながら省エネをできる価値観を持ちたいですね。
室山哲也解説委員でした。
また次回です。
2014/12/18(木) 10:10〜10:20
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「地球温暖化 COP20の成績表」[字]

NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
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情報/ワイドショー – 健康・医療

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