「ＧＡＩＡ」…それは息づく大きな生命体。
混沌の時代にも希望を見いだし再生を果たして未来へ向かう。
そこにきっと夜明けがやってくる。
この街に新しいショッピングモールが誕生しようとしていました。
オープン前のスタッフたちが集まってきました。
その数およそ４００人。
そこに現れたのはセブン＆アイ・グループのトップ鈴木敏文会長です。
おはようございます。
（一同）おはようございます。
実はセブン＆アイ・グループが総力を結集しこれまでにないショッピングモールを作ろうとしていたのです。
オープン前には平日にもかかわらずこの行列。
そして入るとすぐちょっとした違和感のようなものを感じます。
１階の食品売り場の目の前に並んでいたのは…。
そしてレストランの目の前には雑貨店が。
１階の奥には行列のできる飲食店の数々。
通常のモールではあまりない配置だといいます。
その狙いは何か？番組では１０か月も前からこのモールができるまでを独占取材してきました。
巨大流通グループが威信をかけて作った今までにないモールとは？その全容に迫ります。
今までにない売り場を作るために呼ばれた女性がいた。
その涙の訳とは？客が殺到。
大人気の地方モールがあった。
食品スーパーの前に肉魚の専門店が並んでいた。
新しいモールに謎の個室が。
これまでにないサービスが始まった。
売り場の常識が変わる。
今日はですね新しいスタイルのショッピングモールができたと聞いてここは川崎市武蔵小杉に来ています。
こちらですかね？結構大きい建物がありますけど。
ちょっとこの規模はすごいですよ。
どうもこんにちは。
いらっしゃいませ。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
いつオープンですか？いろいろ新しい試みをしてるということなんですけども。
はい。
今はいよろしくお願いします。
こちらが？ぐらんぐりんガーデン？はい。
広いですねまた。
うわ〜。
公園みたくなってるんですね。
はい。
ほんとだ。
結構奥は長いですよ。
子供と遊べるスペースということですか？そうですね。
フォトスポット？はい。
写真を撮る？そうですね。
あぁそこに立って？はい。
ここで撮るんだ。
そしてこちらが…。
これ実際に夏場なんか水が出て遊べるんですか？はい。
今は冬で寒いのであれなんですけど…。
ほんとだいいですね。
やわらかいしね。
はい。
転んでも痛くないような材質で。
はい。
あぁいいですね。
これ遊ぶには結構なかなか楽しそうじゃないですか。
そうですねはい。
え？何？ヤマモモ。
ヤマモモほんとだ。
は〜。
ちっちゃくイチジク。
ほんとだ。
こちらではクランベリー。
クランベリー。
そういう学習にもなるわけですね子供が来て。
なるほど。
それはいいですね。
憩いの場になりそうですねこれからマンションの人たちから。
そうですね。
いやいいスペースですね。
《今までにないモールを目指してるというが他にはどんな新しい仕掛けがあるのだろうか》今からさかのぼること８か月前。
この日グループの幹部たちが一堂に会していました。
そのグループが総力を挙げて取り組んできた新しいショッピングモールがいよいよ形になろうとしていたのです。
幹部たちの前に立ってプレゼンを始めたのは江口さんを案内したあのモールを作る場所はここ数年住みたい街ランキングで人気急上昇の武蔵小杉。
渋谷新宿横浜へのアクセスもよく高層マンションの建設が相次ぎ地価も急騰している街です。
３０代から４０代の子育て世代が多く移り住みムサコマダムという言葉まで生まれていました。
セブン＆アイ・グループの中にモール開発を手がける会社があります。
亀井さんはここの社員。
これまでにイオンモールやららぽーとなど全国のさまざまな商業施設を視察してきました。
そして導き出した答えは…。
そのためにある人物を外部から招へいしていました。
（一同）おはようございます。
おはようございます。
セブン＆アイ・グループの社員たちの前に現れた女性。
柴田陽子さん。
数々の商業施設の開発に携わってきたブランディングプロデューサーです。
柴田さんの事務所は東京・代官山にあります。
柴田さんはその後近年では今回の武蔵小杉のモール開発では全体のコンセプト作りから参加。
一部テナントのプロデュースや商品パッケージなどのデザイン。
更にはユニホームのデザインまで幅広く手がけることに。
なかでも特に力を入れていたのは１階にできる予定の食品売り場でした。
そこでこれまでにないさまざまなアイデアを練っていました。
これはそのイメージ案。
お客はカットする手間が省けます。
柴田さん自身も２人の子を持つ母。
あらかじめカットした野菜があれば忙しく働くママが喜ぶのではないかと考えました。
開店前カートで運ばれてきたのは…。
カットされた野菜の数々。
この店でこれは人参の乱切り。
一方こちらは千切り。
同じ野菜でも料理に合わせて選べるようにカットしています。
およそ４０種類のカット野菜を並べたコーナーが出来上がりました。
お客さんは野菜を必要な分だけ容器に詰めてグラム単位で精算できます。
よろしいですか？はい。
これ欲しいなと思って。
そちらで？このお客さんが取ったのはカットされたレンコン。
炒め物に使うそうです。
そこに仕掛け人の柴田さんがやってきました。
これね。
早速自らのアイデアを試してみます。
ちょっとあると炒め物に足せるでしょ。
客の立場になって買ってみると…。
何かに気づきました。
実は野菜の種類によって値段が３種類に分かれていました。
その値段の違う野菜を同じ容器に入れていいものかどうか柴田さん自身も迷ってしまったのです。
数日後柴田さんとイトーヨーカ堂の食品担当者たちが集まり実験結果を報告し合っていました。
柴田さん客が迷わないように価格を統一したほうがいいと指摘しました。
すると現場からも大きな課題が報告されたのです。
これは１０時の開店以降野菜の鮮度の劣化を調べたもの。
例えば人参の千切りは１０時の開店から１５時まで鮮度に大きな変化はありませんでした。
しかしベビーリーフは２時間後の１２時にはしおれ始め１３時には×印が。
パック詰めに比べどうしても鮮度劣化が進みます。
新たなことに挑戦するとやはりさまざまな壁が。
ショッピングモールの外観が出来上がっていました。
その屋上には８００トンもの土が入り３００本の木々が植えられていきます。
そこに大勢の園児たちが。
いったい何が始まるのか？セブン＆アイ・グループが武蔵小杉に総力を結集して作っているショッピングモール。
そこに幼稚園の送迎バスがやってきました。
おはようございます！元気な園児たちが続々と降りてきます。
おはようございます。
そして向かった先はあの屋上公園。
（一同）おはようございます。
おはようございます。
おはようございます。
待っていたのはモール開発を担当する亀井さんたち。
（一同）は〜い！近くに住む園児たちにこの屋上に花を植えてもらおうというのです。
はいどうぞ。
子供たちが植えているのはあのフォトスポットを彩る白と黄色のパンジーです。
この子供たちとは長いつきあいになるはずです。
そして総合プロデューサーの柴田陽子さんがデザインしたカラフルで楽しげな遊び場も完成していました。
こうして首都圏最大級の屋上公園が完成したのです。
１階の食品売り場も完成を迎えようとしていました。
柴田陽子さんが最終確認にやってきました。
まず向かったのは気になっていたカット野菜のコーナー。
鮮度劣化や価格の問題はどうなったのか？劣化しやすいよりしおれやすいハーブ類は最初から小分けのパック詰めにしておくことにしました。
柴田さんが懸念していた値段の問題。
オープン時はすべて税込１００円で統一することに。
柴田さん他にこんな企画も。
子供向けの総菜を並べたコーナーです。
これはクマの顔をしたいなり寿司。
更に野菜がたっぷり入った子供サイズのあげぎょうざなど。
子供が喜んで食べてくれそうなものを並べました。
これまでにはなかったアイデア満載です。
オープンまであと６日。
ショッピングモールというと全国に系列店を持つイオンモールやららぽーとが有名ですが実は全国に３，０００ヵ所以上あるショッピングモールのうちおよそ３分の１が系列店を持たない単館のショッピングモールだそうです。
こうした単館のショッピングモールは地方に多く大手と差別化を図るためさまざまな工夫をしています。
こちらはこのモールではお客さんに何度も足を運んでもらうため年間５５０本ものイベントを企画しているそうです。
例えばこちらは盆踊り大会。
そしてこちらは市民合唱団によるクリスマスコンサート。
更に手芸を楽しむイベントなど３６５日イベントのない日はありません。
そのおかげでお客さんは平均して週に４〜５回も来店しているそうです。
一方こちらは高松市にある壱番街というモール。
一見すると普通のショッピングモールに見えますが実はこの奥に商店街がつながっているそうです。
こちらは上から見たイメージ図ですがモールと商店街が一体化しているんです。
これ全体でショッピングモールの機能を持たせて他のモールとの差別化を図っているんだそうです。
そして兵庫県・尼崎市。
ここにも独自の工夫でお客が殺到しているモールがありました。
その驚きの店作りとは？大阪市に隣接するこの街に地元で絶大な人気を誇るショッピングモールがあります。
店内をのぞくとこの日も多くの常連客で賑わっていました。
人気の秘密はなんなのか。
近所に住む主婦の森田真美さんの買い物に同行させてもらいます。
まず向かったのはモールの中にある森田さん最初から買おうと決めていたカットフルーツをかごに入れました。
次ににんじんを手に取りますが…。
戻しました。
３本入りで１５５円。
スーパーを出ると目の前に次の目的地が。
更には青果店など専門店が並んでいました。
森田さん青果店の奥であるものを見つけました。
人参が６本入って１００円。
思わずかごへ。
森田さんは買い物のとき必ずスーパーと専門店の商品を見比べてから買うようにしているといいます。
つかしんには大きな食品スーパーが２店舗入っています。
更にその間に食品を扱う専門店が数多く並んでいるのが特徴です。
スーパーと専門店が目と鼻の先にあることで当然互いに値段や鮮度で競い合うことになります。
専門店は毎朝直接市場から仕入れた新鮮な商品を対面で販売するのが売り。
はいどうぞ。
一方のスーパーは大量仕入れができることから特売をうって対抗しています。
その効果もありこちらも売り上げは好調なのだそうです。
この仕組みを作ったのが地元出身の深山さんにはモールを作るときに参考にした商店街がありました。
そこは昔も今も活気に溢れています。
はいいらっしゃいいらっしゃ〜い。
どんどん来てくださ〜い。
オープンセールで安くしてま〜す！いかがですか〜！庶民の街尼崎の原点のような商店街です。
深山さん商店街をモールの中に再現しようと考えたのです。
モールに入る専門店は近隣の街から選りすぐりました。
威勢のよい掛け声と鮮度のよさが売りの人気店ばかりです。
深山さんがこの戦略を導入したのには訳がありました。
この地域はショッピングモールの激戦区。
５ｋｍ圏内に２つのイオンモールを含む４つが競い合い生き残るには差別化が必要だったのです。
しかしこのやり方には副作用も。
深山さんがある場所へ案内してくれました。
そこは囲いに覆われていました。
モール内の競合が激しい分撤退をよぎなくされるテナントもあります。
およそ２００あるうち毎年１０〜２０の店が入れ替わるそうです。
深山さんは新しい店舗をどのようにして選んでいるのでしょうか？最も参考にしているものを見せてくれました。
この束です。
これは「お客様の声」といってモールに対してお客さんがさまざまな意見を書いてくれたものです。
毎月およそ６０枚集まるこの用紙には大きなヒントが隠されているそうです。
他にも「年配の人達も多いので甘党の店なども流行るのでは？」という意見や和菓子の店を要望する声も。
つかしんにはスターバックスやタリーズをはじめカフェや喫茶店がすでに６店舗競い合っていますが甘味処のようなものはなかったのです。
そこで深山さんが動き出しました。
やってきたのは大阪駅前にある阪急百貨店。
その９階にある梅田と西宮に３店舗展開している人気店です。
評判を聞きつけ試食をしにやってきたのです。
この店のいちばん人気がこれ。
生地と餡と生クリームが別々に出てきました。
餡を生地で挟んだよく知るどら焼きとはだいぶ違います。
深山さんまずはスフレのような生地だけ食べてみます。
次に餡と一緒に食べます。
この店比較的年齢が高めの客に受けているようです。
深山さん早速出店してもらえないか交渉に入りました。
対応してくれたのはこよりカフェを運営するつかしんの客層は５０歳以上のシニア層が４０％以上を占めます。
この層が甘味処のターゲットと見事に重なるというのです。
しかし…。
競合店の話をすると大嶋さんの表情が曇りました。
一瞬躊躇した大嶋さんですがこのあと驚きの行動に出たのです。
テナント同士が値段や鮮度を競い合うことで客から大人気のモールです。
カフェや喫茶店もすでに６つ競合しています。
そんななか新たな店が出来ていました。
あのこよりカフェの姉妹店です。
この店を運営するハートダイニングの大嶋さん。
なぜ出店を決めたのか？更にカップを小さくすることでコーヒーの値段を５４０円から３５０円に値下げしていました。
来店客数が多ければ十分元はとれるだろうとにらんだのです。
コーヒーの値下げによりどら焼きセットも９７０円から８２０円に。
これを武器に戦っていきます。
これなら毎日とは言いませんけども…。
オープンしてみると狙いどおり店は盛況です。
看板商品のどら焼きセットに注文が入りました。
お願いします！この方初めて食べます。
店内ではお客さんたちがゆっくりと甘いものを楽しんでいました。
この様子を見ていた仕掛け人の深山さん。
満足げです。
テナント同士が切磋琢磨する。
それがこのモールの人気の秘密なのです。
一方セブン＆アイ・グループが武蔵小杉に総力を結集して作ったモールがいよいよオープン。
果たして今までにないモールは出来たのか？セブン＆アイ・グループのショッピングモール…。
いよいよオープンの日を迎えました。
４階建ての店内はすぐに客でいっぱいになりました。
子育て中のムサコマダムたちもこの日を待ちかねていたようです。
このモール１階の配置に特徴が。
食品売り場の目の前には通常はフロアを分ける衣料品の売り場が。
他にもレストランの前に雑貨店があったりとちょっと変わった配置になっています。
その狙いとは？エスカレーターで２階に上がるとそこには売り場面積は６６０坪。
普通の百貨店に比べるとスペースに限りがあります。
そのためしかし売り場が狭いという問題を解消する秘策が。
カバンを見にきたお客さんをある場所に案内しました。
そこは豪華な個室。
サカキさん。
はいスギタさん。
目の前のモニターに映っていたのは実は横浜そごうの売り場です。
これはライブショッピングサービスというもの。
そごう横浜店と西武渋谷店に中継カメラを設置。
客は武蔵小杉の店舗で生中継の映像を見ながら横浜や渋谷の商品を購入することができるという新しいサービスです。
お客さんが事前予約の際に希望を伝えておくと販売員が売り場からいくつか選んでおいてくれるのです。
いいお色のブルーのショルダーにもストラップが…。
この新しいサービスの責任者會田さん。
どんな手応えを感じたのでしょうか？一方１階にある食品売り場にも大勢の客が詰めかけていました。
あのカット野菜のコーナーに主婦たちが興味を示しています。
そして料理に使いたい野菜を思いおもいに容器に詰めていきます。
その様子を間近で見ていたこのコーナーの発案者の柴田陽子さん。
プロジェクトに携わって２年半。
思わず涙が…。
一方施設の目玉あの屋上公園も多くの人で賑わっていました。
そこにベビーカーを押して訪れた女性が。
目の前のタワーマンションに住む親子でした。
ずっとできるのを楽しみにしていたそうです。
小野香織さん。
１歳になる隼人ちゃんを連れて遊びにきたのです。
この屋上公園の仕掛け人亀井さん。
長年思い描いていた光景が目の前に広がります。
来年にはモール内に保育園もできます。
今後も進化を続けていきたいといいます。
拡大を続けてきたショッピングモール。
今や３，０００ヵ所を超えそれぞれの独自性が必要な時代になってきてるようです。
地域の人たちが何を求めているか？どんな店作りなら訪れたいと思ってもらえるのか？そうした点を徹底的に研究する。
そんな姿勢が今後求められていくのではないでしょうか？2014/11/25(火) 22:00〜22:54
テレビ大阪１
ガイアの夜明け【今までにない“モール”を作れ！】[字]
客が殺到！スーパーの目の前に精肉店・鮮魚店・青果店…鮮度と安さを競い合う！驚きの地域密着モール▽セブン＆アイ・グループの悲願!?新型モールの開発を独占取材10ヵ月！
詳細情報
番組内容
現在、全国にあるショッピングモールは、3000カ所以上。毎年50以上のショッピングモールがオープンするなど、競争は激化している。そこで、どうやって他と差別化を図るかが、生き残りのカギとなっている。
そんな中、11月21日、セブン＆アイ・グループが総力を結集したショッピングモールがオープンする。今までにないモールで、新たな売り方を模索するというが、果たしてそれはどんなものなのか？その裏側を独占取材。
番組内容続き
一方、全国のショッピングモールのうち、系列店を持たない「単館ショッピングモール」は約35%、約1000カ所もある。こうした独立系のモールは、近隣に大手フランチャイズの巨大ショッピングモールが出来ると、客を奪われ売り上げが低迷するケースが多い。そんな中、兵庫県尼崎市に、地元から圧倒的な支持を受けているショッピングモールがあった。その秘密は、徹底的なお客目線と地域密着…。その驚きの戦略に迫る。
出演者
【案内人】江口洋介
【ナレーター】杉本哲太
音楽
【音楽】
新井誠志
【テーマ曲】
◆オープニング曲
「鼓動〜ガイアの夜明け」(作曲/岸利至)
◆エンディング曲
「夜空の花」(作曲/新井誠志)
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウイリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア＝地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで２１世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生＝「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
関連情報
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◆公式Twitter
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