きょうの料理 おふくろの味 定番100「マーボー豆腐・あんかけ焼きそば」 2014.12.18


(一柳)
今は懐かしい昭和の時代。
思い出しませんか?台所から聞こえる「ご飯出来たわよ」の声。
食卓を囲む家族みんなのおいしい笑顔
思い出に刻まれた心温まる家庭の味
昭和の食卓を彩った懐かしい100品を一年かけて改めて見直します
「おふくろの味定番100」。
今日のテーマは「中国料理」です。
教えて下さるのは「きょうの料理」は初めてのご出演です。
尹東福さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はじめまして。
尹さんは16歳で中国料理店で働き始めてもうその道52年になるんですね。
半世紀超えました。
その間日本でも中国料理というのは徐々に徐々に浸透してきたと思うんですがそれを全て見てこられた?そうですね。
そのいろんな変化はほんとに勉強させてもらってます。
ず〜っとそれでどんな味になったら日本の人に受け入れてもらえるかっていうのも考えながらやってこられた?そうですね。
料理の修業を始めたのはほんとに50年ほど前ですけども日本の家庭で中国料理がこれほど日常的に作って頂けるようになるとはほんとに思っていなかったですね。
これからもやっぱりず〜っと続けていけるような簡単にできるおいしい料理方法をできたらご紹介したいと思ってます。
(2人)よろしくお願いします。
それでは今日教えて頂く料理こちらです。
教えて頂くのはこの2品です。
「おふくろの味定番100」のうち74番と75番を教えて頂きます。
まずは「マーボー豆腐」です。
家庭の食卓の定番ですね。
これを優しい辛さの懐かしい味のマーボー豆腐を作ってみたいと思います。
さあ続いては「あんかけ焼きそば」です。
野菜たっぷりで栄養満点の一皿。
香ばしい麺とあんの相性抜群な料理です。
以上2品をご紹介してまいりま〜す。
さあまずはマーボー豆腐です。
目指すポイントはこちらです。
その決め手って何ですか?決め手は「肉みそ」ですね。
肉のうまみを上手に使って辛すぎずに食べやすい優しい辛さのマーボー豆腐に仕上げます。
それではまずはその肉みそからまいりましょうか。
こちら。
普通の作り方とはちょっと違うんですけども豚ひき肉です。
これはあの…。
こちらお湯ですが。
そうです。
他の調理方法と違いましてまずゆでますね。
ひき肉をゆでてしまうんですね。
なかなか普通ですと油で炒める部分が多いんですけども家庭ですとなかなか油の使い勝手が悪いみたいなんで。
いきなり入れるとはねちゃったりもしますね。
出来上がりは薄く色がつく程度でやり過ぎるとうまみが逃げてしまいますんで沸騰する寸前を目安に上げて下さい。
ちょっと色が変わってきたなと。
そうですね。
この状態で結構です。
これでもう火が…。
通ってます。
さあそうすると今度はお湯からざるに…。
ざるにあけますね。
この状態ですと脂身も抜けますしその肉のいい状態でできると思います。
よく水けをきってもらったら結構です。
水けをきって抜くと。
このままちょっとおいてもらいますね。
さあそれでは続いて味付け。
合わせ調味料をご紹介しましょう。
こちらを混ぜておきましょう。
これ甜麺醤を使うと。
それも味にはポイントになってくる?そうですね。
甜麺醤ほんとの本来のコクの深い味になりますね。
さあひき肉と合わせ調味料合わせていきましょうか。
フライパンでゆでたひき肉を合わせ調味料と一緒に入れます。
まずひき肉が入りました。
先ほど合わせた調味料ですね。
合わせ調味料が入ります。
さあフライパンに入りましたがこれはどれくらいを目安に火にかけていけばいいですか?ほとんど水分がなくなるぐらいまでじっくり炒めてもらいます。
水分が飛んだら火を止めてもらってそのまま皿に取り出しておいてもらうと結構だと思います。
皿に取り出したものがこちらです。
で今度皿に取り出したものを…尹さんこれ時間がたったもの?冷蔵庫に一晩寝かせておいたものです。
一晩おかすといいんですか?はい。
一晩おく事によって肉のしっかりした味が凝縮して一体感のある仕上がりになります。
もしよかったら。
これじゃあ試食させて…。
立ったまま失礼します。
う〜ん。
おっしゃってる意味が分かります。
ひき肉の一粒一粒が小さいですけどギューッと味が詰まっている。
濃い感じですね。
でも一晩おくってなるとあらかじめたくさん作っておこうかなっていうふうに考えちゃうんですけど保存は?冷凍で保存しててもらえば大体10日前後ぐらいはもちますんで是非試してみて下さい。
さあ今度は豆腐。
使うのが…大体火が通りやすいぐらいの大きさですね。
さあそのお豆腐を今度は合わせる調味料です。
これは肉みそと一緒に火にかけてこの中に豆腐を入れていきます。
今もうこれは煮立ってる状態ですね。
この中に豆腐を入れます。
豆腐が入りました。
どれくらいこれは火にかけていけばいいですか?目安とすると1〜2分ぐらいで結構だと思います。
今日は木綿豆腐を使ってますけど木綿豆腐は崩れにくいんで絹ごしを使う時はボイルしてから使って頂くと崩れにくくなりますんでそれはお好みで使ってもらえれば結構だと思います。
今度これは豆腐が温まってきたらいいですか?ねぎを入れますね。
刻んだねぎが入ります。
沸いてきましたら水溶きかたくりですね。
かたくり粉が大さじ1水大さじ3で溶いたものです。
よくかたくりと水の相性を固めてもらうとダマになりにくいのでそこだけはちょっと気を付けるようにして下さい。
火はつけたままでもダマにならないようにしっかりと混ぜて。
さあ混ぜて火を止めたら盛りつけです。
マーボー豆腐の出来上がりです。
では立ったままですがお先に失礼します。
うん!辛くなくて「優しい」っていうのがぴったりくるようなそれでいてあとからちょっとぴりっとくるおいしいマーボー豆腐ですね。
それでは材料を復習しましょう。
肉みそは一晩おく事がポイントです。
丁寧に肉みそを作る事でうまみが凝縮したコクの深いマーボー豆腐に仕上がります。
さて今回のマーボー豆腐こちらが「きょうの料理」に初めて登場したのは昭和34年です。
当時は中国料理が日本の食卓に上る事は珍しい時代でした。
材料ねぎしょうがにんにくとうがらしみそなど日本でも手に入る材料のみを使って作られてたんですね。
尹さんにこれ当時のレシピを再現して頂いたんですね。
とうがらしの辛い料理はほとんど日本ではないと言っていいぐらいだったんですけど今と比べて辛さはほんとに控えめですね。
今日教えて頂いたのよりも更に控えめな辛さですか?そうですね。
だいぶ落ちますね辛さとしては。
さあその12年後の昭和46年。
今では日本の家庭にも常備される中国調味料豆板醤を使ったレシピが登場します。
「豆板醤とはそら豆で作ったみそにとうがらしを加えているもの」というふうに紹介されているんです。
こういうのを見ると日本の食卓にも中国料理が徐々に浸透し始めてきた事が分かりますよね。
当時の講師は尹さんの料理の師匠でもある陳建民さんだったんですね。
お若い頃の尹さん。
ほんとに入りたての時の。
このころ料理の基礎を学んでらっしゃった頃なんですね。
そんな尹さんに師匠の味を再現して頂きました。
こちら再現して頂いたものですね。
どんなようなマーボー豆腐ですか?これは。
昔豆板醤がない時に先輩たちがこの豆板醤を作ってたという。
辛みは今ほどでもない。
やっぱり食べやすい辛さおいしい。
これが基本のマーボー豆腐だと思ってるんで大変貴重なものだと思います。
いやぁほんとに時代とともに味も変わってきて私たちが食べやすい味おいしいって感じる味から今本格的になってきてますね。
そうですね。
当時昔私たちはその時代の中国料理というのは本場の中国料理を日本の人に食べてもらうようにアレンジしてたのが今いろんな調味料が入ってきてますので本場の味を日本でも楽しめるようになってきたという日本の食文化の広がりがすごい豊かになったと思いますね。
さあ今回家庭でも本格的な味を楽しめる最大のポイントが肉みそです。
その肉みそがこんなレシピでも使われています。
豆腐を春雨に替えて作るというとってもアレンジのしやすいメニューになっています。
さあそれでは簡単に作り方をご紹介してまいりましょう。
まずこの春雨。
食べやすい大きさにカットしてもらって水けをきっておいておいて下さい。
60gを今戻してあります。
さあその春雨をマーボー豆腐と同じように…。
入れてきますね。
肉みそと合わせ調味料が入ったところに強火で…。
強火でかけてもらいます。
これはどれくらいを目安に火にかけていったらいいですか?これ沸いたらスープが少し残るぐらいまで。
大体時間にして2〜3分ぐらい煮て頂ければ。
肉のうまみを春雨に吸ってもらえればそのままで上等ですので。
2〜3分をやって…。
どんどん調節していかないと水分吸っちゃいそうですね。
この水分をうまく春雨が吸ってくれる事によって春雨がおいしくアップするという事ですね。
それがちょうどいいのが2〜3分くらいという事ですかね。
さあそして…。
これを煮込みましてこの状態になりましたらねぎを加えて…。
「マーボー春雨」が完成ですね。
これまたマーボー豆腐とは違うおいしさが味わえそうですね。
そうですね。
マーボー豆腐と同じ肉みそで作るマーボー春雨の出来上がりです。
春雨は戻してから肉みそと合わせていきます。
しっかり肉のうまみを吸わせるのがポイントです。
さあ続いては…麺は中華麺を使いますけどもフライパンにサラダ油を入れながら焼き色をつけます。
今片面焼いている状態ですね。
これは油で焼く事で香ばしさを引き出します。
これひっくり返して両面ですね。
ひっくり返すのも…ああ!「さすが」としか言えないですがこれ素人がやるとバラバラになっちゃうんですよね。
一つの余興として見て下さい。
(笑い声)わあきれいな焦げ目がついてますね。
これを両面焼きましたら取り出して皿に盛りつけます。
その野菜今日使うお野菜ですが…この具材というのは今回はこれでご紹介しましたが…。
野菜であれば冷蔵庫にあるもの残り物でも何でも構いませんのでお好みで使って頂ければ同じ味にできるんで。
材料的に簡単にできるように細切りにしてもらうとより時間が短く調理できると思います。
それこそいろいろなお野菜組み合わせていいってなると家庭の味というのがこういうところで出てきますよね。
ほんとに残り物と言ったらあれですけど冷蔵庫にあるものでゆっくり作ってもらえれば。
さあそれではこちら火にかけていきましょう。
フライパンは先ほど麺を焼いていた物と同じでいいんですね?はい。
もうこのままある程度ざっくり入れてもらって構わないですから。
一気にお野菜が入っていきます。
尹さん火は強火でいいですか?そうですね。
ほとんど生でも食べれるような食材なのでこの場合は。
ある程度炒まったら今度はキャベツ。
キャベツが入ります。
そしてもやしも入ります。
ある程度これに火が通りましたら先ほどのスープですね。
これは野菜たっぷりですね。
フライパンに入っている野菜が。
これどれくらいまで火を通していきましょうか?お野菜は。
ちょっと火が通った状態であまり炒め過ぎると野菜が柔らかくなり過ぎるので水っぽくなってしまうんでこのままこの状態でスープを入れます。
続いて合わせ調味料を作っていきます。
こちら合わせ調味料。
ご紹介しましょう。
でここでポイントが。
あのちょっと珍しいかも分かんないですけどここでコーヒーフレッシュこれを入れる事によって少しまろやかな味と色の変化が出てきます。
おいしい色に変わりますので是非使ってみて下さい。
これがなければ牛乳とかそういうのでも構いません。
これだけ色が変わります。
だいぶ色が変わりましたね合わせ調味料の。
さあこの合わせ調味料を持ってこちら。
お野菜に…。
このまま。
わ〜。
これだけでおいしそうですね。
もうほんとにこのままでも…。
ある程度もう火が通ってますんでこの状態でかたくり粉でとじます。
マーボー豆腐と同じようにダマにならないように。
このかたくり粉というのもかたさというか柔らかさは?かたさですね。
このとろみなんか見ながらちょっと調整してもらったらいいと思います。
野菜の水分の出方によってかたくり粉の分量も変わると思いますけどもその辺は加減しながらかたくり使って下さい。
最後の仕上げにごま油を2〜3滴入れてもらうと風味と香りが増しますんで。
うん。
いい香りが立ってきましたね。
ごま油が適量入りました。
はいこれで出来上がりですね。
さあこれで火を止めて盛りつけして完成です。
わ〜この照りもきれいですねぇ。
それでは材料の復習にまいりましょう。
コクの深い本格的な味に仕上げるポイントは麺をこんがり焼く事とあんにコーヒーフレッシュを加える事でした。
野菜がたっぷりとれてこれですといくらでも食べられそうですね。
さあ今日は「おふくろの味定番100」のうちマーボー豆腐とあんかけ焼きそばを教えて頂きました。
いやほんとにこう…日本に入ってきた味っていうのが変わってきたというのも今日よく分かりましたし。
今言ったように調味料の時代の流れとその料理が全部変わってきましたんで私なりに工夫を変えてご紹介させて頂きました。
家庭でも少しでもこうやって作りやすくなってると思いますんで是非試してもらえればうれしいと思います。
マーボー豆腐ですとかこういうあんかけ焼きそばおふくろの味っていうと私にとってはね中国料理っていうイメージありますけれど尹さんにとってはまさに修業していた時に教わった味?修業の味ですね。
ほんとに懐かしい昔を思い出してほんとに今日は自分の師匠の料理を作らせてもらってすごい幸せな時間ですね。
こういうものをもう一回味わうとその時代の事も思い出しますか?はい。
先ほどの写真16歳のあの時を見てもう一回戻れたらもっと勉強できたんかなというふうには思いますけども。
そしてあの肉みそ。
今日マーボー豆腐とマーボー春雨で使いましたがやっぱり一晩おいておくという。
ほんとにこれはポイントであってそれによってまだまだいろんなアレンジの料理ができますんで是非家庭で試してもらいたいですね。
肉みそが保存利くというのもやっぱりこう作る上ではとてもいいところですよね。
それも今ほんとにいろんな調理器具とかそういう保存方法がありますんでそういうのうまく活用してもらった方が楽しい料理ができると思いますけどもね。
今日は「おふくろの味定番100」のうち74番75番を教えて頂きました。
さあ今日ご紹介した料理の作り方「きょうの料理」のテキスト12月号に載っています。
どうぞそちらの方も参考になさって下さい。
さあ今日は中国料理尹東福さんに教えて頂きました。
尹さんどうもありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。

(テーマ音楽)2014/12/18(木) 11:00〜11:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 おふくろの味 定番100「マーボー豆腐・あんかけ焼きそば」[字]

定番料理100品を一年かけて極める!今回は中国料理「マーボー豆腐」と「あんかけ焼きそば」。陳建民さんの弟子で大阪・宗右衛門町の中国料理店店主・尹東福さんが伝授。

詳細情報
番組内容
定番料理100品の「おいしく仕上げるポイント」を1年かけて極める!今回は中国料理の「マーボー豆腐」と「あんかけ焼きそば」。今回の「マーボー豆腐」は日本の家庭料理として「肉のうまみをからめて やさしい辛さに」、「あんかけ焼きそば」は「コクのある本格的な味」に仕上げるのが目標。陳建民さんの直弟子で大阪・宗右衛門町で店を開く中国料理店店主・尹東福さんが伝授。
出演者
【講師】中国料理店店主…尹東福,【司会】一柳亜矢子

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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