ろーかる直送便 ドラマチック関西「青春どんどこどん〜芥川高校 和太鼓部〜」 2014.12.18


そんな大会が毎年夏に開かれているのをご存じですか?
(司会者)優秀賞大阪府立芥川高等学校。
(歓声と拍手)その大会で今年大阪の高校が初の栄冠を勝ち取ったんです。
モットーは一人の落ちこぼれも出さない「全員太鼓」。
全国の強豪校を打ち破る圧巻の演奏を披露しました。
文字どおり部員全員で勝ち取った栄冠。
でもその道のりはまさに…「こころを一つにしなきゃ」と分かっていても意見をぶつけあうのは苦手なようで…。
ついつい笑いに走ってしまうのは大阪人の悲しい性か。
これには生徒の自主性を重んじる「仏のベンさん」もおきて破りの熱血指導?青春はいつだってどんどこどん。
「バラバラだった心を一つに」。
全員太鼓を日本中に響かせた高校生たちのひと夏の物語です。
この物語の舞台…おめでとう。
よく頑張った。
勉強も部活も生徒の自主性が重んじられる明るい校風が自慢です。
和太鼓部は女子34人男子23人の大所帯。
(一同)ドコンコンコドンドコドコドンドンドン!運動部顔負けの厳しい練習は毎日朝と放課後時には11時間に及びます。
おおっ鍛え抜かれた体。
はい。
顧問のベンさん。
口癖は「考えといてね」。
答えを出すのは生徒に委ねるのがベンさんの指導スタイルです。
芥川高校は全国大会の栄冠を目指して新しい曲作りに乗り出していました。
(一同)はい。
曲のモチーフに選んだのは…芥川高校は2〜3年生の部員がそろって演奏に臨む「全員太鼓」がモットーです。
たくさんの人が力を合わせて引くだんじりのイメージが「全員太鼓」にぴったりだと考えたのです。
部長の村上さん取って置きのアイデアがありました。
祭りの一日を太鼓の音の違いで表現できればこれまでにないスケールの大きな曲になると考えたのです。
早速太鼓の種類ごとに分かれて曲作りが始まりました。
低音に伸びのある長胴太鼓チームは「祭り囃子」のリズム。
躍動感のある桶胴太鼓はだんじりを引き駆け抜ける男たちの熱気を表現します。
そして繊細な音の使い分けができる…だんじり祭りの一日を表現するうえで重要な役割を果たします。
リーダーは和太鼓部一の頑張り屋さん水口さんです。
いいよ。
だんじり祭りの一日の移り変わりをどう表現すればいいのか。
一節一節試行錯誤しながら音のイメージを探ります。
もう一回いけますか?はい。
水口さんは大切なチームのリーダーを任され張り切っていました。
大会まで残り1か月半。
芥川高校は全国大会の前哨戦となる発表会に挑みました。
練習試合のない和太鼓部にとってライバルの演奏を聴く事ができる貴重な場です。
去年の全国大会で最優秀賞を受賞した…選抜メンバーを中心とした息の合った演奏に芥川高校はただただ圧倒されていました。
一方全員太鼓の芥川高校。
冒頭の朝の静けさを表現する締太鼓チーム。
僅かに腕の振りがズレてしまいました。
その後演奏はバラバラに…。
全員太鼓では僅かなズレが命取りになってしまう怖さをまざまざと感じていました。
翌日から「全員太鼓」の立て直しが始まりました。
(部員)合ってたら結構きれいやからしっかり合わせてやって下さい。
ところが部長の村上さんの表情がみるみる曇っていきます。
集中力に欠ける部員たち。
意見を求めても梨の礫。
反応がありません。
締太鼓のリーダーの水口さんも「全員太鼓」の難しさを痛感していました。
上がるのが分かるように意識してやって下さい。
もう一回同じところいけますか?はい。
ある男の子が練習をさぼって来ないのです。
花野勇二くん。
この日も朝練に遅刻です。
演奏についていけない花野くんに水口さんは付きっきりで教えます。
もう一回いけますか?トントトントトトタンタンタンタン…。
そこをしっかり合わせてやって下さい。
はい。
道具を大切にする優しい心の持ち主の花野くんですが…。
やる気があるのかないのか捕らえどころのない花野くんに水口さんは戸惑っていました。
めっちゃ俺や。
全員太鼓の成功には部員全員の実力の底上げとあうんの呼吸が欠かせないのですが…。
・「やめよう」・「ありのままの姿見せるのよ」埋めようもない意識の差を部長の村上さんは感じていました。
失礼します。
失礼します。
この日顧問のベンさんが村上さんを呼び出しました。
部員の間でコミュニケーションがうまくとれていない事を気にかけていたのです。
(山下)それはどう思ってる?何回も…みんなの心を開かせるにはまず部長の村上さんが心を開くべきだという指摘。
部の事を誰よりも考えてきたのになぜ自分だけが怒られなければならないのか。
分からない事だらけでした。
翌日村上さんはある一つの決意をしていました。
OK。
みんなが何を考えているのか「本音が聞きたい」。
聞こえてくるのは本音を言えない理由ばかり…。
「お互いに遠慮していたら心を一つにした演奏はできない」。
村上さんがそう言おうとした時でした。
みんな頑張ってんねんけど…部員に対して堂々と意見できない村上さんの弱さをつく厳しい「本音」でした。
心を一つに団結するって何だろう…。
本音をぶつけ合えばみんなでまとまれると思っていた村上さん。
でも現実は青春ドラマのようにはいかないようで…。
全員太鼓で心を一つに演奏する。
それがこんなに難しい事とは。
締太鼓リーダーの水口さんも思い詰めていました。
自分がもっとうまくなればみんながついてきてくれるに違いない。
(一同)さようなら。
そのいちずな思いが裏目に出てしまいました。
練習のしすぎで腕の肉離れが癖になっていました。
(水口)はい。
花野くんとうまく話せない事もけがが悪化している事も仲間には相談できていません。
一方花野くんはこの日も遅刻。
お前大丈夫?
(部員)怒らな。
以前にも増して気もそぞろな花野くん。
気になって声をかけてみても…。
(取材者)何で?
(取材者)大丈夫?はい。
みんなの前では言えない悩み。
それを打ち明けてくれたのはしばらくたってからの事でした。
花野くんが和太鼓部に入ったのは優柔不断で人前で話す事が苦手な自分を変えたいと思ったからでした。
でも3年生になった今も他の部員が次々と進路を決める中いつまでも迷っている自分に焦りを感じていました。
大会まで1か月を切っても部員の気持ちはバラバラ。
全員太鼓どころかチーム崩壊の危機に陥っていました。
これまで生徒たちの自主性に任せてきた顧問のベンさんがついに動きました。
自分の気持ちを表に出そうとしない生徒たちに語りかけます。
真っ先に反応したのは部長の村上さんでした。
(山下)どうですか水口さん?えっと…えっと…。
怒ったり泣いたりするとみんなから疎まれるかもしれないと何も言えなくなっていた水口さん。
締太鼓のメンバーは水口さんが何も言わないのは自分たちを信頼していないからだと思い込んでいました。
ベンさんはいいます。
考え方や意見の違いをぶつけあってこそ全員太鼓は響く。
校舎の片隅に花野くんの姿がありました。
部員全員のバチを一本一本整える花野くん。
胸には秘めたものがありました。
(太鼓を打つ音)文化系の部活の甲子園全国高校総合文化祭。
和太鼓部門には都道府県別予選を勝ち抜いた32校が集いました。
本番で使うステージでのリハーサルに臨んだ芥川高校。
冒頭の締太鼓からぴたりと合った完璧な演奏を披露しました。
ところが…リハーサルではぴたりと合っていた締太鼓チームの音がなぜか全く合いません。
芥川高校の全員太鼓を象徴する大事な一打目がバラバラです。
(締太鼓のメンバーたち)はい。
(締太鼓のメンバーたち)はい。
果たして大会本番でぴたりと合わせる事ができるのか。
(白井)百発百中にするというか…。
リーダーの水口さんはプレッシャーに今にも押し潰されそうでした。
練習の休憩時間。
一人で抱え込む水口さんに寄り添うメンバーの姿がありました。
何度も言ってるけどほんまに応援してくれてるって思ったから。
空気を変えたのは花野くんでした。
(花野)はい。
そして大会当日。
(締太鼓のメンバー)タンタカタンタカタカタンタカタンタンタカタンタカタカタン…。
芥川高校の全員太鼓の出番です。
(会場アナウンス)大阪府立芥川高等学校。
(拍手)冒頭締太鼓のしめやかな音で幕を開ける祭りの一日。
一打目。
ほんの僅かにずれましたが持ち直します。
少しずつ祭りに向けて町が動きだします。
ソーリャソーリャソーリャソーリャ!男たちの掛け声とともにだんじりが近づいてきました。
だんじりの中から聞こえてくる祭り囃子。
リードするのは村上さんが率いる長胴太鼓。
そして祭りの最高潮。
桶胴太鼓が疾走するだんじりを華麗に表現します。

(拍手)
(一同)ソイヤサ!
(拍手)
(一同)ありがとうございました!だんじり祭の一日を力強く打ち切りました。
おめでとう。
ありがとうございました!
(部員一同)ありがとうございました!
(拍手)ゆづよかった〜!全員太鼓で勝ち取った初の栄冠です。
おつかれさまでした!まだまだ続くけどね。
これからもお願いします。
ありがとうございました!とりあえずどいて〜。
しんど〜い。
(拍手)芥川高校和太鼓部。
一人一人が思いをぶつけあって太鼓を響かせた夏でした。
咲くやこの花。
(一同)わっしょ〜い!2014/12/18(木) 15:17〜16:00
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 ドラマチック関西「青春どんどこどん〜芥川高校 和太鼓部〜」[字]

全国高校総合文化祭で、今年の夏、最高位の賞を勝ち取った大阪府立芥川高校の和太鼓部。栄冠までの道のりにあった涙あり笑いありの2か月に密着した青春ドキュメンタリー

詳細情報
番組内容
7月末に行われた文化系の“甲子園”と呼ばれる全国高等学校総合文化祭。この大会で今年、最高位の賞を勝ち取ったのが、部員の「全員太鼓」をモットーとする大阪府立芥川高校の和太鼓部。しかし、その道のりは文字通り七転び八起き。部員たちは自分の殻に閉じこもり、こころをひとつに演奏することがなかなかできない。太鼓部の部員たちが栄冠を勝ち取るまでの2か月の道のりに密着した青春ドキュメンタリー。
出演者
【語り】平岩紙

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 中学生・高校生

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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