皆さ〜んこんにちは!日笠陽子で〜す。
皆さんふだん何か作るって事してますか?私はですねこの間鶏ハムを作ってみましたよ。
鶏肉からハムを作れるんですよ。
皆さんも是非やってみて下さい。
今度は創作ダンスとかもやってみようかな…なんつって。
という訳で今回の書道はずばり…それでは皆さんいきますよ!創作!創作!創作ダンス!これまで漢字のさまざまな書体を学んできましたがどんなものがあったでしょうか?え〜っと…。
篆書や楷書や行書。
あと…それに草書や隷書も習いました。
お〜すばらしい!全部覚えてますねぇ。
ホホホホ…。
そりゃあもうその気になればできますよ〜。
今日はですねこれまで学んだ古典の書体を使いながら好きな言葉の書を創作していくんです。
創作か。
できるかな〜?いやいや大丈夫。
その気になればできますよ。
こりゃ一本取られましたな。
よし!それでは今日も頑張ります!舞台は…9名の高校生が参加します。
今日は作品を自分なりに作っていきたいなと思っています。
自由に書きなさいって言われて自由に書こうと思ってもやっぱり何かよりどころを一つね参考になるものを素材となるものを持ってた方が表現はしやすい訳なので…。
何か古典を参考にしながら創作活動をやってみようかなと思っています。
今回の創作で皆さんが参考にする古典は今までの演習で使ってきたこの3つの作品です。
行書で書いてみたいなぁなんていう人はこの中から取ってみたらいかがでしょう。
これは王羲之の書いた「蘭亭序」という作品になります。
次に楷書体で書いてみたいなぁっていう人はこんなのを参考にしてみたいなと思います。
北魏の時代の龍門石窟にあります彫られた文字なんですね。
切れ味の鋭いノミで石にカンカンカンっと彫っていったようなのが特徴です。
隷書。
その代表的な例としてこの「曹全碑」。
後漢の時代に書かれた「曹全碑」という作品を少し用意してきてますからこんな所から文字をチョイスしてですね。
じゃあ早速ですけどもどれにするか選んでみて下さい。
はいどうぞ。
まずはそれぞれ書いてみたい書体の古典を選びます。
その古典に書かれている文字を組み合わせて自分の好きな言葉を作るという訳です。
さて皆さんはどんな文字を選ぶのでしょうか。
この辺に広げて見てみてもいいかな。
筆順いろいろあるけれど…今日は「左右」です。
えっ楽勝ですって?じゃまずは「左」からいってみましょう。
1いって…2345。
ねっそうですよね。
じゃ「右」は?さあ1画目は…。
1…そっちから!?で2345…と。
ねっ意外と間違えやすいでしょ。
皆さんそれぞれが選んだ古典をじっくり見てどんな言葉を書くのか考えています。
どんな熟語が作れるのかもしくはこんな言葉書きたいな。
その字が出てくるかな?古典に出ている文字から発想して「長旅」や「和風」など。
お〜いろいろなイメージが広がっているようですね。
こちらは「人生放浪」ですか。
渋いな。
なるほど古典の中にも「人」…「生」。
そして「放浪」も確かにありますね。
おっ「未来」。
いけますねこれねちょうど。
ここ見えないね。
…って事はどうするかね?右払いのを…。
この「天」。
ああなるほどね。
こんなのも使ってもいいよね。
好きな言葉が決まったら創作の参考にする資料を作ります。
今回その資料作りに使ったのがコンピューター。
拓本などをあらかじめコンピューターに取り込んでおきます。
そして画像ソフトを使って使用したい文字を切り取り並べます。
これを印刷する事で自分だけのオリジナルの資料を作りました。
なかなか書きたい字が見つからない場合もありますよね。
そんな時はこんな辞書がありますので。
「国破れて山河あり」の「破」という文字が古典では見つからなかったので字典で参考になる文字を探しています。
ここでいうとどれが合うか。
まあ隷書だからこの中で「破」ってどれが隷書かね?
(生徒)これとか。
それは紛れもない隷書だよね。
自分の資料が完成したらいよいよ創作を始めます。
作品の鑑賞や保存のためにきれや紙を使って巻物や掛け軸に仕立てる事を表装といいます。
今日は掛け軸の巻き方について見てみましょう。
基本は作品を落としてしまってはいけないのでとにかくいつもこう軸をつかんで落とさないように作品主体で軸を丁寧に取り扱う。
それが一番大事な事ですね。
まず…手が届く所まで巻いたら…残りの部分は手で巻きます。
そして巻緒を巻きます。
この時一部分だけに負荷がかからないようにするため…最後に巻緒がほどけないように結びます。
達人を目指し今日も一歩一歩頑張りま〜す!頼もう!ひよっちこんにちは。
先生今日もよろしくお願いします。
あっえ…先生これはすばらしい作品ですね。
はい。
松井如流という書家の作品を用意しました。
「心外無法青山目に満つ」…というふうに読めると思います。
今日の「基本のキ」は…巻き方ですか?はい。
日笠さんやってみましょう。
やってみます!何だかドキドキします。
あっ作品はですね…直接なるべく持たない。
この軸先軸の所だけを両手で持って巻いてってみましょう。
分かりました。
それが掛け軸を巻く「基本のキ」です。
さささささっ…。
ゆっくりでいいですから。
何かひゅってやってました。
ささささささ…。
そんな感じです。
はいいいです。
先生きれいに出来た気がします。
そのぐらいになったら左手で持って…。
こう持ってこの棒で…。
や〜。
もしかしたらチンパンジーの方がうまく使える?あっ取れました先生。
じゃあそのまんま机の上に。
先生これぎりぎりです。
大丈夫大丈夫。
そのまま机の所に持っていって作品を静かに置いて。
静かに置いて…。
はいこれを外して。
先生…。
大体巻いていけば。
あとは調整…。
そうですそうです。
巻けました。
じゃあ先ほどのような形で。
少し右端から巻いていくと真ん中に巻けると思います。
ぎゅっ。
あんまりぎゅっとしない方が?いいですよ大丈夫ですよ。
こうこう…。
これをこちらだけを。
ここをこう?そうですそうです。
ちょっとぶきっちょですが…。
出来ました。
出来ました!また一歩達人に近づけました!先生ありがとうござい…。
もうちょっと巻いて。
「書の実践」の後半。
まずは自分で作った資料を参考にどんな作品にするかを考えながら練習します。
半紙の上にそれをどのくらいの大きさで書いていったら作品になるかというところも含めて創作活動なのでね。
ただそれをその大きさで書けばいいってもんじゃないっていう事だけ理解してやってみようかなと思います。
隷書体で「長旅」。
隷書独特のへん平な文字をうまく書けるかな?例えばこれなんかすごく長いのが特徴なんだからこの長さに比べて随分とこっちに飛び出てるでしょ。
この長さに比べてちょこっとしか出てないじゃん。
それをもう少し極端にやってやればいいんじゃない。
こちらは楷書体で「太陽」ですか。
刀で彫ったような力強い文字にするのがポイントですね。
こういう所に波打つじゃない。
ここも波打つじゃない。
穂先が線のあとについてくるような筆使いにすると…筆を立ててね。
これなんかうまくいってるよね。
割かしうまく線が引けてると思う。
そしてこちらはなんと「不老不死」。
行書体で書いています。
もう少し字を小さく書かないと。
これを入れるにはちょっと難しいかなっていう感じがする。
「人」っていう字はぐ〜っとこう広がってねっ。
全部字広げてもつまんないし。
ここは広がりここはすっと縦長になり。
これ見ると「人」も「生」も同じような太さで書いちゃってるから作品としてちょっとつまらない感じになっちゃうから。
みんな頑張ってよ。
おっ!床に座って大きな紙に書いてますよ。
自分で作った資料と字典を参考にしながらダイナミックな作品に仕上げるようです。
練習を繰り返す事で創作のイメージがだんだん固まってきたみたいです。
漢字といえば四字熟語や…。
四字熟語といえばあの言葉しかない!出来ました!相手に求める事は安定収入です。
さあ創作もいよいよ大詰め。
清書していきます。
どんな作品に仕上がるでしょうか。
一番隷書で躍動感のあるところはどういうところだろう?この波磔。
そうだよねこれだよね。
これとかこれとかやっぱり見せたいでしょ長く。
長く見せるには長くないとこ作んなきゃ駄目なんだよね。
どうしてもそこをやりたいがために全体が大きくなり過ぎちゃうからもっと一字一字少しずつセーブしたらどう?おっどうやら「不老不死」は縦長の紙で仕上げる事にしたようですね。
ぱっと見た時の雰囲気がすごくいいかなって…。
細い所と太い所を極端に書いてる辺りは非常に作品としてはなかなか面白いですね。
満足のいく作品を書き終えたら自分の名前を書き印を押して作品を完成させます。
ある程度古典を参考にする事によって自分の表現の幅っていうのをこうやって広げていく事ができる訳です。
ですからほかにもいろんな古典を知っていると皆さんの引き出しにたくさん道具が詰め込んだ状態にどんどんなる…と。
この引き出し開けたらはいこれ出てくるこの引き出し開けたらこれが出てくるというような感じにね自由に表現を広げていってほしいなと思いました。
ありがとうございました。
(生徒たち)ありがとうございました。
皆さん個性豊かな作品が仕上がりました。
古典をよく観察しその技を学び生かす事で創作の幅もぐっと広がるんですね。
(生徒たち)上手に出来ました!書を鑑賞するために用いられる…では掛け軸が作られる様子を見てみましょう。
掛け軸作りで重要なのが裏打ちという工程です。
まず薄めた糊を塗った…これを板に貼って乾かします。
この裏打ちは2回行います。
作品の大きさに合わせて切ったきれや一文字という装飾にも同じように裏打ちします。
次に作品の左右に柱と呼ばれるきれを貼ります。
この時上下につけるきれと柄がつながるように貼る位置を調整します。
上下と呼ばれるきれも柄のつながりを見ながら貼りつけていきます。
そして上下左右の不要な部分を切り落として掛け軸の形が出来上がります。
更にもう一度全体に裏打ちをします。
掛け軸を巻いた時に一番外側になる部分には耐久性を持たせるために和紙ではなく薄い絹を貼ります。
これを十分乾燥させたあと…掛け軸が完成します。
あれっ先生何かいつもと違いません?今日はですねちょっといつもと違いましてここに文字を並べてしまったんですけども。
「コロコロココロココロコロコロ」。
実は漢字の形になってるんですね。
あっもしかして…。
こうでこうで。
漢字で「心」ですか?「心」です。
あ〜すごい!じゃあこれをですね日笠さんの感覚でいいですから…。
ちょっと硬い感じですので少し柔らかい…。
柔らかくですか。
もう少し行書っぽくっていうんですかね。
行書っぽくですか?行書っぽくこう形を…。
動かしてもいいですからやってみましょう。
分かりました。
心は広くないといけないと思うんですよ。
ちょっと乱れた感じとか。
ああいいですよ。
間隔をあんまり空けないように。
間隔を空けない。
ええいいですよ。
だんだん柔らかい感じになってきました。
何だか全体を見れないと難しいです。
これ最後の点ですから。
動かしてきていいんじゃないですか?これ。
先生いかがですか?ココロコロコロコロコロココロ。
「心」という字が行書になりましたから私サイン入れます。
はい。
ほ〜う!雅号の「竹軒」を入れて。
「竹軒かく」と。
はい。
出来上がりました。
すごいです!ちょっと動きを変えるだけでも全然違う文字にも。
こういうふうに一文字一文字をいろいろ工夫してそして大きな文字にしてしまうという。
まあこれもお遊びかもしれませんけどこうやって書を楽しむという事もあっていいと思います。
自由ですね。
漢字には楷書や行書隷書などさまざまな書体がありますが書体が持つイメージを創作にうまく生かす事も大切です。
文字の大きさや配置余白の取り方など全体の構成を考えて書く事が美しい作品に仕上げるポイントになります。
作品の鑑賞や保存のためにきれや紙を使い掛け軸などに仕立てる事を表装といいます。
掛け軸を取り扱う時はできるだけ軸先を持ち作品に直接触れないようにします。
2014/12/11(木) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 芸術「書道 漢字の書・創作〜古典を生かす〜」[字]
美術と書道の2本柱で芸術に親しみます。第一線の作家とともに楽しむ創作ワークショップや鑑賞のヒントを満載したアニメなどを通して、美術や書道の魅力を伝えます。
詳細情報
番組内容
これまで学んできた漢字のさまざまな書体を生かして、漢字の書を自由に書いてみる。実践の場所はNHK学園高等学校。川合広太郎、蒲池真純先生の指導のもと、古典を生かした作品づくりに取り組む。
出演者
【講師】東京学芸大学教授…長野秀章,NHK学園高等学校教諭…川合広太郎,NHK学園高等学校講師…蒲池真純,【司会】日笠陽子,【語り】西脇保
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
ドキュメンタリー/教養 – その他
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:24834(0x6102)