ハートネットTV「共に 一歩〜がん患者が目指すそれぞれの頂〜」 2014.12.11


病を抱えながら富士山の山頂を目指す人たちがいました。
おはようございます。
がんの患者たちです。
富士登山を通じて新たな目標や生きがいを見つけようとしています。
すご〜い上まで見える。
珍しいねこれね。
あれ剣ヶ峰でしょ?測候所跡でしょ?このくらい見えるから簡単に登れるわと思う人が多いんだけど。
すぐそこ!みたいな?そうそうそう。
登山は静岡県東部で活動するがんの患者会一歩一歩の会が行っているもので今年で11回目を迎えました。
病に負けまいと初の登山に挑む人。
緩んでると荷物が後ろにいっちゃうもんで。
全然違うよ。
あっ本当だ。
ぴたっとこう背中に来るでしょ。
だから重たく感じない。
登る事で患者仲間を励ましたいと考えている人。
絶対ねゆっくりよ。
待ってます。
じゃあ頂上で。
うん。
山頂目指してファイト〜!
(一同)オ〜!行ってきます。
頑張れ〜!大橋さん行ってらっしゃい!登れない人は困難に立ち向かおうとする仲間を麓から支えます。
行ってらっしゃ〜い。
行ってらっしゃい。
富士登山を通じてがんと向き合う患者たち。
それぞれの道のりを見つめました。
標高3,776m。
日本一の高さを誇る富士山。
メンバーは2,400m付近の5合目を出発し8合目で1泊。
2日目に山頂を目指します。
去年血液のがんである慢性骨髄性白血病と診断された…薬で症状を抑えていますが時々めまいや手足のしびれなどが出ます。
呼吸を整えるための休憩です。
荷物は下ろさないで下さい。
はいここで深呼吸。
無理なく登る事ができるよう登山をよく知るサポーターがペースを調整します。
呼吸整えるだけの休憩です。
はいじゃあ行きます。
伊藤さんにとって今回が初めての富士登山です。
最初の頃はやっぱり副作用とかで薬合わなくてというのがあっていや仕事続けられるかなというのもあったんですけどだんだんそれも慣れてきてっていうかこのままいけば大丈夫じゃないかって思った時に自分で何がしたいっていうか目標じゃないけどその時にそういえば富士山ずっと登ってみたいと思ってたのでやっぱり1回は登っておきたいなと。
こんな感じで。
発病直後は突然あざが出来たり高熱が出たりさまざまな症状に悩まされました。
以前からの目標だった富士登山を達成する事で不安を乗り越え前向きに生きたいと思っています。
伊藤さんは生活費と治療代を得るため食品関連の会社で派遣社員として働いています。
10年ほど前に夫と離婚。
2人の娘を育て上げ今は長女と暮らしています。
箱の中にカッチカチに入ってるのでこれほぐさなきゃいけないんでそれが…これ一番きついです。
娘とは何でも話し合う仲ですががんになった事だけはまだ言えずにいます。
(伊藤)まだ言えないかな。
子どもの方がパニックになっちゃうっていうかそうなっちゃうんじゃないかなっていうのも怖いような気もして。
お互いに気を遣うっていうか変な意味でちょっと…お互いに気を遣い過ぎちゃってこう…他人行儀っていうか何かそうなっちゃうのかなっていうのが怖いっていうかそうなりたくないし…。
今のまんまで。
登り始めてから4時間余り。
標高3,000mに到達しました。
(2人)到着〜!いや〜頑張った。
すごいよ。
つらかったな。
手足のしびれやめまいを感じていました。
ボランティアで参加している理学療法士や自衛隊員たちがサポートします。
量はどう?多い?風。
いや…。
少ないぐらい?少ないぐらいですね。
失礼しました。
途中でね「持ちますか?」って言ってくれたんですけど大丈夫ですって言って。
再び登り始めましたが空気の薄さに体が慣れず思うように動きません。
数十分で立てなくなりました。
ちょっと長めの休憩。
ストレッチやろうストレッチ。
水分とって。
山頂までまだ半分以上の道のりが残っています。
体調への不安は登山を決めた時からずっと感じていました。
登りたいという思いを後押ししたのは一歩一歩の会の仲間たちの姿でした。
登山の3週間前伊藤さんは初めて会の集まりに参加しました。
会のがん患者はおよそ40人。
月に1度近況などを語り合う場を設けています。
情報交換をしたりお互いに励まし合ったりするためです。
手術は盲腸だけは経験あるんですけれどもがんの方ではもう手術できないという事でMRIを半年に1回ずつとって肺がんは脳にね転移しやすいっていうので半年に1回MRIをとってるんですけども昨日も無事に通過しまして。
(拍手)ぎっしり詰まった脳みそですと褒められました。
よかったなって思って。
現在は無治療なんですが今のところ再発もなくがんの方は順調にきています。
ただ自分のいろいろ持病がありましてそれの方があまり思わしくなくそうですね…。
先月…先日ですね障害者手帳を取得しました。
なかなか仕事をするのも難しいのかなと今考えています。
割とこう…ざっくばらんというか雰囲気的には何か温かいっていうか何かもう知ってる家族みたいな感じで。
富士山に登る人も登らない人もがんになった事を受け止め共に前向きに生きようとしている。
その姿が新鮮でした。
会の登山の目的は山頂にたどりつく事ではありません。
大切なのは目標を持って挑戦する事。
患者1人当たり5人のサポーターが付き添いそれぞれのペースで登れるところまで登ります。
去年に続き2回目の参加となる中村一雄さん62歳です。
6年前に大腸がんを患ってから肝臓や肺に4度も転移を繰り返しています。
毎月の検査が欠かせず登山の直前にも主治医と体調の確認を行いました。
じゃあもうあれですね富士登山は一応OKですね。
数値の上では引き止めるものはないので是非。
ただやっぱり山ですので大切なのは引き返す勇気ですので。
病気をする前は家族や友人と毎年のように登っていた中村さん。
がんになっても登れる事を証明しようと去年は必死でした。
今年は登れない仲間を励ましたいとメンバーの1人から杖を預かってきました。
こんにちは。
中村です。
あっどうもどうも。
どうも。
私の預かり物なんですよ。
あっそうなんだ。
楽しみですね次から次に順にね。
(中村)私が預かってここまで持ってきました。
秋山さん今年登れないからその思いをね託されて私が預かって登っていきます。
登山の1か月前。
こんにちは。
こんにちは。
お久しぶりです。
富士登山にはこれまで4回参加してきました。
(中村)今年は登らない?あの股関節がどうしても駄目なんですよ。
それで足首の関節が外れやすいんですって。
今は無理しないでまた1年かけてまた自分の体をつくれたら来年また富士山と…。
14年前に乳がんと子宮頸がんを併発。
治療が続く中患者仲間と励まし合いながら登山を続けてきました。
今回はやっぱり麓から応援隊として思いをあげますんで。
あとはね村山のあの…杖。
(中村)去年買ったんじゃない?はい大事にしてあります。
(中村)もしよかったら僕が持っていってやろうか?本当ですね!?いや途中で脱落しない限りは…。
(中村)富士山に登る事は自分の事だけで今まで来たけどもうぼつぼつそれはもう…。
自分だけ登るのはもう登れるからいいんですよ。
ああ来た。
中村さんが仲間とのつながりを強く意識するのは過去のつらい経験があるからです。
中村さんはおよそ30年間大手の証券会社に勤めていました。
多くの部下を持ち共に困難な仕事を乗り越えてきました。
しかしがんになった途端それまでの仲間たちの態度は一変したのです。
差別するんだよみんな。
がん患者って言うとさ差別するんだよ。
「あの人はもう死ぬ」イコール死だからイコール死の人は役に立たない。
ある程度の年代になったら寿命だとかそんなんでまあ…「長生きしてね」って言うけどもある程度その若い40代50代なんかだとやっぱり働いてるのが働けなくなる。
その人はもう自分たちにとってあまりプラスにならないって考え始めるんだろうな。
それで差別してくのだろうな。
俺がしたもん自分が。
だから分かるの。
自分が丈夫な時に病気でない時に俺はがんになる前のやつを病気する前のやつを採用したんだ会社に。
ところが採用したあとにがんになっちゃった。
で手術した。
何でこんな病気になったやつを俺は採用して一緒に仕事しなきゃいけねえんだと。
そんなリスク抱えながらって気持ちがあるじゃん。
ねえ。
俺自身経験したからああみんなそうなんだろうな。
登山の1週間前。
中村さんは秋山さんの案内で今年1月に亡くなった会のメンバーの家族を訪ねました。
富士山と関わってきた仲間の事をもっと知りたいと考えたからです。
なかなか来れなくて…。
いやいやそんな事とんでもありません。
うちにいるとやっぱり暗くなってしまうものですから。
出かけるとですねやっぱり非常に生きがいになっていました。
(中村)それいつですか?おととしじゃん。
(秋山)もう2人で泣いたのここ。
毎回私ここで泣くのよ。
肺への転移が見つかり余命は長くないと言われていた渡辺さん。
「一度は富士山に登ってみたい」その一心で秋山さんと共に山頂を目指しました。
(中村)すごいよ肺が1つだったんでしょ?
(秋山)そう。
そうですね1つですね。
歩く時は普通の一般の方の2倍から3倍時間がかかったと思うんですけれどもね登る速度は。
だから私が元気もらったし2人で泣いちゃった。
うれしくて。
上がれたねって登れたねって。
富士登山を通じて強く結び付いている仲間たち。
どうすれば自分にもそんなつながりが持てるのか中村さんは分からないでいました。
彼らが彼女たちが本当に体の調子が実際ほかの人に比べたら大変な状態なのに登っていったっていう事…これは正直言うと驚きですよね。
そうはいっても体が具合がよくなったから登ったんだよみたいに僕は理解してたんだけどそうじゃないんだっていう事。
僕にはもう一つその純真さっていうのが欠けてたのかなって。
多少なりともそういう仲間がいるんであればそこで何か別の意味で自分にとってプラスになるようなもの?利害関係の経済的なものじゃないんだけどそのプラスになるようなものが何かもうちょっとこう…純粋じゃなく求めていったのかなっていう気がして…。
秋山さ〜ん。
中村さんは登山の前に秋山さんともう一度話したいと思いました。
この間渡辺さんのところに行った時のあの写真を見てねああ俺考え方違ってたわって思ったんですよ。
僕なんかどちらかというとスポーツやってきたタイプだから常に完成達成しないと満足しないっていう事でやってきてるから頂上まで行かなきゃ富士登山じゃないわみたいな気持ちがある。
(秋山)でもいいんじゃないですか?一つ一つそうやってさ発見があって。
うんそうだからすごいある。
あれからプレッシャーが…。
(秋山)プレッシャーなの?めちゃくちゃプレッシャー。
中村さんもいろんな事感じて登ってくれたら私らも楽しいしうれしいしそこであの時には去年は感じられなかったものとか何気なく見てた景色が去年とはまた違く楽しい景色になってくれればいいなと思うのね。
今自分がいるのはこうやって富士山に登れて幸せだなって感じてくれるとその笑顔が私たちにねすごい楽しみとかああ中村さんみたいに笑顔になれるんだっていうね励みになるんだから何にもいらないんですよ。
一番は中村さんが楽しんでくれればいい。
了解しました分かりました。
楽になりました。
(秋山)顔が変わったもん。
ハハハハハ。
(秋山)そうではないと言いながらも言葉でプレッシャーってなると待ってる私たちはそんなに大変な思いさせるのは私たちは本意じゃないのにねってなってしまうのでできるだけプレッシャーっていうのじゃなくて楽しんで下さい。
みんなと楽しんで下さい。
1人で登らないで下さいね。
私はそこにいませんけど一緒に登ってるつもりではいつもいますから。
7合目を過ぎた頃中村さんは急に足に違和感を感じマッサージを受けていました。
重いですよ。
大丈夫ですよ多分多分。
大丈夫です。
俺のより全然軽いです。
去年も一緒に登ったサポーターにザックを持ってもらう事にしました。
あっもういいですよ。
大丈夫です?よかった佐々木さんに甘えられて。
8合目にある宿までは3時間余り。
長い道のりです。
ズルッて滑るからね。
はい。
うわ〜すごい。
去年積み残している事があるんですよね。
特に佐々木さんには。
荷物を持ってもらわなかったという。
ハハハハ。
頼りたくなかったもんね去年ね。
意地。
でも今年はもう意地張らない。
もう決めた。
俺も人の世話になる。
今まで意地張ってきたけどもうやめ。
秋山さんにも言われたし。
ねえ秋山さん?一時は体調がすぐれなかった伊藤さん。
やっと体が慣れ始め一歩ずつ確実に登ってきました。
8合目標高3,300mにようやく到着しました。
やった…やった。
おめでとうおめでとう。
やったやった。
一番つらかったよね。
よう頑張った。
OKOK。
足に違和感を感じていた中村さんも無事に到着し明日に備えていました。
今日は今日ですごい。
ちょっと目に焼き付けておこうかなと。
フフフ。
これで明日はまた山頂になるとまたちょっと違うんだろうなってそれを期待してます。
(取材者)思いは変わらず山頂なんですか?そうです山頂です。
いよいよ山頂に向けて出発です。
およそ3時間の険しい道のり。
一歩ずつゆっくりと。
ついに山頂にたどりつきました。
やった〜!はあ〜…ありがとうございます!やったね。
やった〜!やった〜…。
お疲れ〜。
ああありがとうございます!中村さんも仲間と共に楽しく登り切りました。
頑張った頑張った。
よしよしよしよし。
ありがとうございます。
ありがとうございました。
ありがとう。
お帰りなさ〜い!ただいま。
お帰りなさ〜い!すごい日焼け。
麓では秋山さんがみんなの帰りを待っていました。
どうでした?楽しかったですよ。
楽しかったでしょ?うん。
どんなにつらい時も一緒に歩む仲間がいる。
その思いを共有する事ができました。
登頂を果たした伊藤さん。
まだがんの事を娘に伝える決心はつきませんが新たな目標を見つけていました。
今回は本当に登る…登るっていうか頂上まで行くのが一番だったので来年は助言できるくらいの余裕があったらいいなと。
来年も御来光見て去年はこうだったよみたいなのが言えるのかなと。
今回みんな聞く一方だったんですけど言ってあげられたらなと。
去年はこうだったよねっていう会話をしたいなと。
もらった分を返せれたらなっていうか。
もらうばかりじゃなくて。
より来年は共感できて言えたらなと…思いますね。
来年もまた一歩。
がんと仲間と共に歩む道のりです。

(テーマ音楽)2014/12/11(木) 13:05〜13:35
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ハートネットTV「共に 一歩〜がん患者が目指すそれぞれの頂〜」[字][再]

静岡県東部のがんの患者会では、夏、富士山への登山を行う。がんに負けまいと山に挑む人。仲間を励まそうと登る人。山頂を目指す中、彼らが何をつかんでいくのか見つめる。

詳細情報
番組内容
静岡県東部を中心に活動する、がんの患者会「一歩一歩の会」では、夏になると富士山への登山を行います。新たな目標や生きがいを見つけるためです。11回目を迎えた今年は7名が挑戦しました。がんに負けまいと、富士登山に挑む人。仲間をはげまそうと登る人。そして、登れない人たちは、麓から仲間を応援します。登山を通じてがんと向き合う患者たち。山頂を目指す中で、彼らが何をつかんでいくのか、見つめます。
出演者
【語り】河野多紀

ジャンル :
福祉 – その他
福祉 – 高齢者
福祉 – 障害者

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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