二階堂祐介、斉藤佑介
2014年12月25日21時52分
ペヤングからゴキブリ出てきた――。発端は都内の男性が2日、ツイッターに投稿したこんな言葉と1枚の画像だった。誰もが知る人気商品。画像は一気に拡散、ヒートアップした。
まるか食品(群馬県伊勢崎市)の即席麺「ペヤング ハーフ&ハーフ激辛やきそば」の麺にめり込むゴキブリの写真。ネット上では驚きと画像を疑問視する声が入り乱れて広がった。
男性から連絡を受けた同社は3日、男性に会って商品を回収し、画像の削除も依頼した。「原因は不確かで、インターネットの影響力を考えてお願いした」(広報担当)。このやりとりがツイッターで明かされると、今度は同社の隠蔽(いんぺい)だとする批判が相次いだ。
伊勢崎保健福祉事務所は3日、本社工場に食品衛生法に基づく立ち入り調査を実施。県は行政処分にあたる回収命令も出せる立場だが、今回は、健康被害が確認されていない▽混入が頻発していない▽製造過程で混入したか不明確――などの理由で、衛生管理面などの社内調査とその結果報告を求めるだけにとどめた。
これは、昨年12月に同県のアクリフーズ(現マルハニチロ)の冷凍食品から農薬が検出され、刑事事件に発展した時とほぼ同様の対応といい、県の担当者は「虫などの異物混入事案としては通常の対応だ」という。
まるか食品は4日、「製造過程での混入は考えられない」とする一方、混入が指摘された商品など2商品計約4万6千個の自主回収を決定。さらに11日、社内調査の結果、「混入の可能性は否定できない」としてペヤング全24商品の製造・販売を休止し、残りの22商品も返品・返金に応じると発表した。
東大大学院の橋元良明教授(コミュニケーション論)は「オーバーリアクションだ」と指摘する。多くの消費者が知る人気商品に加え、画像のインパクトもあって、ネット上で騒ぎを大きくしたとみる。
確かに、米クリムゾンヘキサゴン社の分析ツール「ForSight」でツイッターを調べると、24日までの「ペヤング」「ゴキブリ」を含む投稿は62万件超。うち、自主回収を決めた4日は6万4千件、全商品の製造休止を決めた日の翌12日は、5万件を超えた。
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朝日新聞社会部
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