くっきりと映った筋状の雲。
新しい気象衛星ひまわり８号の画像が、きょう、初めて公開されました。
雪が降り続く北海道。
北海道有数の温泉地として知られる上川町の層雲峡では。
こちら、温泉街の中心地にある通りなんですが、このように雪に埋もれて、全く前に進むことができません。
急速に発達した低気圧による影響は、きょうも続きました。
高潮による浸水の被害は、きょうも。
満潮の時刻が近づくと。
紋別市の港です。
海水が川へ流れ込んできています。
岸壁の周辺、風があって非常に寒いです。
ちょうどこの辺りなんですが、見ていきますと、高潮の被害が今も生々しく残っています。
打ち寄せられたものが、こうしてたまっているんです。
この水産物卸売り会社では、貝の入ったタンクや、タンクに海水を送るポンプなどの機械が壊れました。
新鮮な海水が送れないと、貝が早く弱ってしまうため、従業員は、片づけをしながら出荷作業に総出で当たっていました。
急速に発達した低気圧がもたらした大荒れの天気。
地元の人からは。
こんにちは。
一方、突然押し寄せてきた海水に間一髪、家財道具などを守ることができたという人もいます。
海岸に面した根室市の温根沼地区に住む、７５歳の女性です。
きのうの朝、自宅の近くまで水が押し寄せているのに気付き、家電製品や畳などを高いところに移動させたということです。
とっさにこうした行動を取った理由は。
８年前の１０月、北海道は大荒れとなり、根室市など道東では、漁船が転覆したり、住宅が水につかったりする被害が相次いだのです。
平成１８年のときに、どこまで水、来たんですか？
ここまで来たんです。
ちょうどこの跡ついてるとこまで。
ああ。
きれいに残ってますね。
残ってます。
今回はここまで。
この。
今回のラインも残ってるんですね。
ここまでだね、これ。
大体、ライン残ってるね。
当時の天気図です。
今回と同様に、日本の南岸を進んだ低気圧が、急速に発達したのです。
女性は、家財道具を移動させたあと、高台にある娘の家に避難し、家具はぬれずに済んだということです。
きのうからきょうにかけて、高潮による浸水の被害が相次いだ北海道。
低気圧の影響で、潮位が通常より１メートル前後も上昇し、気象庁はさらに高波も重なって、浸水の被害につながったと見ています。
こんばんは。
今ご紹介した根室の女性、とっさに非常に懸命な判断をされましたが、警戒はしていても、それを超える事態が十分に起こりうるのが、自然災害です。
今回の発達した低気圧、影響が及んだのは、北海道だけではありません。
この時期、ほとんど雪が積もることがない名古屋市でも、９年ぶりの積雪量になりました。
突然の大雪となった名古屋市。
けさの積雪は最大で２３センチを観測し、９年ぶりに２０センチを超えました。
愛知県西部の稲沢市では、突然の雪に戸惑う人も。
隣の清須市。
子どもを幼稚園に送るのに使われていたのは、そりでした。
この家族は、２か月前に札幌市から引っ越してきました。
名古屋市では、雪が原因と見られるスリップ事故が相次ぐなど、混乱が。
ＪＡＦ・日本自動車連盟には、東海地方でふだんの２倍から３倍の救助依頼が寄せられました。
この男性は昨夜１１時ごろ、雪で車を動かせなくなりました。
救助されたのは、およそ６時間後でした。
岐阜県郡上市にある東海北陸自動車道のサービスエリアです。
夜を明かして、通行止めが解除されるのを待つ車がありました。
事故で、東名高速道路など幹線道路が、相次いで通行止めに。
通勤にも影響が出ました。
名古屋駅前には、バスを待つ人たちで長い列が。
慣れない雪に、階段を下りるのも一苦労です。
被害も出ています。
坂道に停車していたトラックが突然、動きだしました。
運転手がトラックと住宅の間に挟まれ、死亡しました。
路面の凍結が原因と見られています。
東海だけではありません。
各地で大雪に。
積雪が１メートルを超えた長野県の飯山市です。
けさ、８２歳の女性が雪に埋もれて死亡しているのが見つかりました。
雪かきをしていて、屋根から落ちてきた雪に巻き込まれたと見られています。
秋田県仙北市では、除雪作業をしていた６６歳の女性が、雪を流す側溝に落ちて死亡しました。
今後は。
北日本や北陸の山沿いを中心に、あす明け方にかけて断続的に雪が降り、積雪がさらに増える見込みです。
あすの夕方までに降る雪の量は、いずれも山沿いの多い所で、東北の日本海側と新潟県で４０センチ、群馬県と長野県で３０センチなどと予想されています。
また、あすの朝は厳しい冷え込みが続く見込みで、各地の最低気温は、北海道旭川市で氷点下１１度、名古屋市で氷点下３度、広島市や高知市などで氷点下２度、東京の都心や大阪市などで０度などと予想されています。
気象庁は雪や路面の凍結による交通への影響、それに雪崩、屋根からの落雪などに十分注意するよう呼びかけています。
先ほど入ってきた情報です。
新潟県や新潟県津南町役場によりますと、きょう午後６時ごろ、国道４０５号線で土砂崩れが起き、土砂が道路を塞いだということです。
この道路は冬の間はう回路がなく、先にある１９世帯４３人が住む、おおあかさわ集落と、さらに先の長野県栄村の１０９世帯２３０人ほどが、孤立した状態になっているということです。
次です。
アメリカ、そしてその南東、カリブ海に浮かぶ国、キューバ。
海を隔てて１５０キロしか離れていない両国は、５０年以上にわたり対立し、国交を断絶していましたが、今、大きな転換点が訪れました。
アメリカのオバマ大統領、キューバのカストロ国家評議会議長は、両国が国交正常化交渉を開始すると発表しました。
美しい海。
陽気な音楽。
カリブ海の真珠、キューバです。
この国が、喜びに沸いています。
社会主義国家として、半世紀以上にわたってアメリカと対立してきましたが、来月から国交正常化に向けた交渉が始まることになりました。
冷戦終結後も対立を続けてきたアメリカとキューバ。
今、歴史的な一歩を踏み出しました。
１９５９年、チェ・ゲバラと共に親米政権を倒したフィデル・カストロ氏。
１９６１年、アメリカとの国交が断絶しました。
当時は、アメリカとソビエトが対立する冷戦時代。
キューバはソビエトとの関係を強化し、アメリカとは対立を深めていきます。
そして、世界が核戦争の危機に直面した、キューバ危機。
緊張が高まりましたが、ソビエトのミサイル撤去によって、最悪の事態は回避されました。
その後、東西冷戦は終結。
１９９１年、ソビエト連邦は崩壊し、東ヨーロッパにも民主化の波が広がっていきます。
しかしアメリカは、キューバへの経済制裁を強化。
テロ支援国家に指定するなど、冷え込んだ関係は改善されないままでした。
オバマ大統領がキューバ政府との対話に乗り出すことを決断したのは、去年の春だったということです。
去年６月には、カナダで両政府の高官が、初めて直接協議を行いました。
両国の仲介に当たったのが、ローマ法王のフランシスコ法王でした。
ことし３月、バチカンを訪れたオバマ大統領と、キューバを巡って意見交換。
バチカンのローマ法王庁によりますと、その後、オバマ大統領とカストロ議長に、課題を解決することを促す書簡を送り、ことし１０月には、両国の代表団をバチカンに招き、対話の場を提供したということです。
そしてことし１１月、国交正常化交渉を開始することで合意したとしています。
アメリカ政府は来月、代表団をキューバに派遣する方針で、渡航や送金の制限を緩和するほか、数か月以内にはハバナにアメリカ大使館を設置するとしています。
一方、ソビエト時代からキューバとの友好関係を維持してきたロシア。
ロシア外務省は、歓迎する立場を表明したうえで、アメリカの大統領は、長年のキューバの孤立政策に意味がなかったことを認めたと、コメントを発表しました。
アメリカ国内では、野党・共和党のベイナー下院議長が、キューバ国民が自由を享受するまで、カストロ政権との関係を見直すべきではないとする声明を発表するなど、反発も出ています。
オバマ大統領は、残り２年の任期中に、キューバを訪問することも排除しないとしています。
では、そのキューバの首都ハバナには、小宮記者がいます。
小宮さん。
キューバの人たちは、今回の合意、非常に歓迎をしていると伝えられていますが、実際にそちらで取材していてどうでしょうか？
そうですね、おおむね好意的な意見が多いです。
テレビの特別番組の中で、国交正常化に向けて交渉を始めるという発表が流れると、市民からは、大きな拍手が沸き起こっていました。
街でインタビューをしていても、ほとんどの人が、アメリカとの関係改善への期待を口にしていました。
背景にあるのは、経済的事情です。
国民の平均月給は僅か日本円で３０００円程度といわれ、アメリカによる長年の経済制裁によって、物資は不足。
今も食料などは配給制です。
外貨の獲得手段も、ロシアや中国の観光客からの収入などに限られています。
制裁が緩和されれば、アメリカなどからの投資も見込め、経済の回復につながることに大きな期待感を抱いているようです。
小宮さん、ただ両国は長い間、国交が断絶状態にあったわけで、国民の気持ちの中には、アメリカに対する感情的なしこりのようなものはないんでしょうか？
世代によって反応はさまざまですが、キューバ革命を起こしたフィデル・カストロ氏の時代を生きた世代に比べると、若い世代を中心に感情的なしこりは感じられません。
キューバ国内には、アメリカに亡命した親戚からの送金によって、生計を立てている人が多くなっています。
今の国家評議会議長のラウル・カストロ氏が進めた経済改革によって、市場が一部自由化される動きも始まっています。
アメリカとの関係が改善されれば、こうした動きが加速するとの期待があるのだと思います。
ただ、年齢の高い世代を中心に、急速に自由化や市場の開放が進むことに、慎重な意見もあります。
格差が生まれれば、国を支えてきた社会主義体制、つまり国民の平等が揺らぎかねないという懸念があるからです。
経済の再建と、体制の維持のバランスを図りながら、キューバ政府はアメリカとの国交正常化交渉に臨むことになります。
キューバから小宮記者でした。
スタジオには国際部の高尾デスクに来てもらっています。
高尾さんはワシントン支局長、それからモスクワ特派員も経験されて、双方の立場を知る立場なんですが、まず、国交正常化交渉の開始、非常に歓迎の声は上がっている、ただなぜ、冷戦終結から２５年もたってしまったのかという思いもあるんですけれども、その点、どうでしょうか？
ようやく、機が熟してきたということなんだと思うんですよね。
ようやく？
もう実は冷戦崩壊から、ちょうどことしで２５年ということで、キューバの安全保障上における重要性というのは、もうかなり昔に、失われている。
旧東側から見たという？
あるいはアメリカにとっても、そうですね、その影響力というのは、減じてきてるんだと思うんですけれども、しかし、キューバ危機に象徴される、冷戦時代の対立の象徴としての関係、それを取り除き、その象徴としてのイメージを取り除き、現実的な選択に向かうまでに、それだけの期間が必要だったということはあるんじゃないかと思います。
キューバとの国交正常化交渉開始は、オバマ大統領が水面下で進めてきたということなんですが、オバマ大統領のねらいはどの辺りにあるんでしょうか？
まずオバマ大統領の外交の柱というのが変わってないというところはあると思うんですよね。
オバマ大統領、６年前に、いわゆるブッシュ前大統領の一国行動主義というのを否定して、協調主義を唱えて、大統領になったわけですよね。
そして１期目というのは、まず実は、ロシアとの関係の改善に踏み切ったわけですよね。
核兵器のない世界ということに代表されます、核軍縮に踏み切り、ロシアとの関係っていうのは冷戦崩壊後、最もよい関係といわれるまでになった。
ところが、メドベージェフ前大統領が去り、プーチン大統領が復活したことで、その関係、どんどん冷え込んでいると。
実はちょうどそのころから、キューバとの関係改善に向けた、水面下での交渉というのは行われていたということが明らかになってるんですね。
つまり、オバマ大統領ですね、中間選挙で惨敗したと。
いわゆる国内での要するに大きな成果、内政的には難しいという中で、外交面でレガシー・遺産を後世に残る大統領になる道を探っていたということだと思いますね。
なるほど。
ではキューバ側の思惑はどんなところにあるんでしょうか？
そうですね、キューバ側としては、いわゆる共産主義、あるいは反米主義というイデオロギーではもう食べていけないということは、もうはるか前から明らかになっていたわけですよね。
しかも、そのパトロンであった旧ソビエトの崩壊に続いて、ベネズエラからの割安の石油というのも、反米左派政権だったチャベス前大統領の死去で難しくなり、しかも、最近の原油安で不透明な状況になってきていました。
そこで現実的な選択肢として、アメリカとの国交正常化という選択肢があったと。
それからキューバ革命を起こしたフィデル・カストロ氏に代わって、弟のラウル氏が、政権のトップに就任したということも、こうした変化を容易にしたんだろうと思います。
これはロシアの立場に立ってみますと、まさにこのさっきおっしゃった米ソの、東西の対立の象徴だった、このキューバが、アメリカと国交正常化というのは、その後を継いだというか、ロシアにとっては、やや正直、ちょっと、どういういうんでしょうね、おもしろくない、心中穏やかではないところもあるんじゃないかと思うんですが。
そうですね、決してロシアにとっては、愉快な出来事ではないと思うんですね。
といいますのは、やっぱりプーチン大統領、２０００年に就任するんですけれども、まず、どこに、どんな国に外遊したかというと、北朝鮮であり、そしてキューバだったんですよね。
それで、いわゆる冷戦時代の東側の同盟国との関係を修復することで、それをロシアの外交カードに使うという外交を進めてきたんですね。
もし、このキューバが外交カードとしての効き目がなくなるとすれば、今回の合意ですね、アメリカとキューバの合意というのは、やはり損失になります。
愉快ではないということだと思います。
ただ、憂慮しないといけないのは、決して、ロシアにとっても、安全保障上に大きな打撃になるということではないと、またいえると思います。
ただロシアは今、国際的に孤立した状況にありますよね。
ウクライナのクリミアを併合したということ、編入をしたということ、それから今、ルーブルが下落をして、経済的にも厳しい。
何も今、そこまでやるかという思いは、プーチンさんにとってはあるんじゃないかと思いますし、オバマ大統領も、そこまで刺激をすると、ちょっとちゅうちょするところもあったんじゃないかと。
そうですね、ただオバマ大統領、そうしたロシアへの配慮をする必要を感じなかったんだと思うんですね。
といいますのは、それだけアメリカでの対ロ感情、そして首脳間の関係も冷え込んでるんですよね。
オバマ政権にとって、ヨーロッパではアメリカ以上に信頼があり、人気が高かった、その外交的な信頼を崩したきっかけというのは、２つあるんですけれども、そのいずれも、実はロシア、具体的には、プーチン大統領に関わった出来事だと受け止められているんですね。
なるほど。
１つは、アメリカの治安機関の職員、スノーデン氏による情報漏えい問題。
さらに、いったん決めたシリアへの空爆を撤回せざるをえなくなったということですね。
今回の決定、ロシアを追い込むことをねらったものではないんですけれども、ただロシアの立場をおもんぱかったり、あるいはちゅうちょしたりする必要を、アメリカ国民もまた、オバマ大統領自身も感じなかったということだったと思います。
今後、米ロの関係ということでいいますと、何に着目していったらいいと思いますか？
プーチン大統領の側近の中には、やっぱり欧米に歩み寄って、経済の正常化を優先すべきだという声と、あくまで強硬な安全保障政策を優先すべきだという、２つのグループがあるんですよね。
プーチン大統領、そのどちらを取るかという決断に迫られていると思うんですが、われわれ、忘れていけないのは、プーチン大統領というのは、決して欧米諸国に対して敗北を認めたり、あるいは降参したりということはできないわけですね。
そういうことをすると、やはり政治生命を失うことにつながるということがあるんだと思います。
そこで注意すべきは、ロシアを追い込み過ぎることで、クリミア編入のような、さらなる強硬政策を取らせたり、あるいは経済破綻に追い込むような事態を注意する必要があると思います。
いずれの場合もグローバル化が進む中で、その付けは、世界に回ってくるということですね。
その代償、世界の安全保障の根幹、あるいは国際社会をも揺るがすことに、国際経済を揺るがすことになりえない、そのリスクを考えつつ、ロシアとの関係も、落としどころを探る必要があると思います。
ここまで、高尾記者に伝えてもらいました。
ありがとうございました。
ロシアのプーチン大統領が、年に一度の大規模な記者会見に臨みました。
原油価格の下落を受けた通貨ルーブルの急落の影響について、克服には最悪で２年かかる可能性があるとの考えを示す一方で、いずれ回復に向かうとして、平静を呼びかけました。
日本時間のきょう午後６時過ぎから始まったプーチン大統領の記者会見。
内外から１２００人以上の記者らが集まりました。
質問が集中したのは、通貨ルーブルの急落への対応。
プーチン大統領は、通貨急落後、初めて、公の場で考えを示しました。
プーチン大統領は、中央銀行による政策金利の大幅な引き上げなど、ルーブルを防衛するための対策を擁護。
しかし食料品などの物価は上昇が続き、一部では外貨不足でルーブルからドルやユーロに両替できなくなる事態も。
ロシア経済の先行きについては。
経済が当面、低迷するのは避けられないとしながらも、いずれは回復に向かうとして、不安の解消に努めました。
そして、この２０年間検討してきた、経済の多角化を行わなければならないと述べ、原油や天然ガスの輸出に依存しないような経済構造への転換を進めていくと強調しました。
アメリカでの同時多発テロ事件以降、アフガニスタンで戦闘任務に当たってきた国際部隊の大部分が、撤退します。
こちらは、今月、首都カブールで行われた、撤退の式典です。
この国際部隊が去ったあとは、治安の維持を現地の軍や警察がほぼ一手に担うことになります。
しかし不安が広がっています。
不安の先にあるのは、イスラム過激派の台頭を招いたイラクの現状です。
アフガニスタンでは、反政府武装勢力タリバンが攻勢を強めていて、力の空白が生じることで、イラクの二の舞となるのではないかとの懸念が広がっているんです。
３か月の訓練を終え、卒業式に臨むアフガニスタンの新人警察官。
今月末に戦闘任務を終える、アメリカ軍などの国際部隊に代わって、治安維持の前線に送られます。
国際部隊は今、現地の軍や警察の育成に力を入れています。
１３年にわたった治安維持を、アフガニスタン側に託すためです。
しかし、今、厳しい現実が。
アメリカの軍事作戦で、権力の座を追われたタリバンが、反政府武装勢力として復活。
国際部隊の撤退が本格化する中、攻勢を強めているのです。
アフガニスタンの治安部隊とタリバンの戦闘が激しさを増す、南部のヘルマンド州。
ここにＮＨＫの取材班が入りました。
警戒に当たるアフガニスタン軍のヘリコプター。
ことしの春から国際部隊が撤退し、残された現地の治安部隊は、苦戦を強いられていました。
兵士や警察官は、貧しさから志願した農家の出身者が多く、急ごしらえの訓練を経て、タリバンとの戦いに投入されています。
士気も低く、統制も取れていないようでした。
軍の病院には、戦闘で負傷した兵士などが次々に運び込まれていました。
勢力を盛り返すタリバン。
復興の遅れなどへの住民の不満を取り込む一方、麻薬の原料となるけしの密売などで資金源を確保し、支配地域を広げています。
北部で活動するメンバーに接触することができました。
影響力が弱かった北部でも、タリバンは急速に勢力を伸ばしています。
入念に銃を手入れし、戦いに備える戦闘員たち。
その多くは最近、タリバンに加わったといいます。
中には、治安部隊からタリバンに身を投じた人もいました。
半年余り前まで警察官だったこの男性。
戦闘でタリバンの強さを目の当たりにし、自分の身を守るためにも仲間に加わったほうが得策だと考えたといいます。
各国が進めてきた復興支援にも、影響が出ています。
これまで、治安が安定してきた中部のゴール州では、日本の支援で学校や道路の建設などが進められてきました。
しかし去年、国際部隊が撤退し、治安が悪化。
住民の期待した診療所の１つは、建設会社が逃げ出したため、工事が中断し、放置されたままです。
いまだ、自立と安定には程遠いアフガニスタンでの厳しい現実。
国際社会が目指した国家再建とはかけ離れたものとなっています。
アフガニスタンでの戦闘任務を終えるアメリカ。
今、次々に兵士が帰還しています。
歓迎ムードの一方、議会の一部などで、戦闘任務の終了は時期尚早だという声も上がり始めています。
アメリカ軍の撤退後、イスラム過激派が台頭した、イラクの二の舞になりかねないとの懸念があるためです。
しかし、アメリカではテロとの戦いで国民が疲弊し、えん戦ムードが広がっています。
オバマ大統領はアジア重視の国防戦略を進めるうえでも、アフガニスタンからの撤退を公約どおり進め、みずからの手で、テロとの戦いに区切りをつけたいという強い決意があります。
アメリカのオバマ大統領としては、イラク、アフガニスタンでの対テロ戦争の終結を実績として残したいところですが、軍の撤退によって、アメリカとしては一区切りをつけたとしても、暴力の連鎖は止まらないのが現実です。
現地の治安部隊や軍が担う任務は、その厳しさの度合いを増しているように見えます。
中野サンプラザ。
新宿に近い東京・中野の象徴的な多目的施設ですが、近く解体されることになりました。
コンサート会場やイベントホールとしてもね、よく使われてきました。
日本武道館よりは小さいけれども、十分にステータスがあったこの施設。
ご覧のような人たちのコンサートも開かれてきました。
一時期は若者文化を代表する建物でもありましたが、４０年の歴史を閉じ、新しい施設に生まれ変わります。
地元、中野では。
中野サンプラザから芸名をつけたこの人は。
２０００席余りあるコンサートホールを備えた、中野サンプラザ。
今から４１年前、当時の労働省が所管していた特殊法人が建設。
全国勤労青少年会館としてオープンしました。
成人式や就職説明会が開かれるなど、地元の人たちが集まる場として、親しまれてきました。
現在は、中野区が実質的に所有し、運営しています。
これまで、国内外の数々のアーティストが、公演を行ってきました。
アイドルの聖地としても知られています。
１９８３年には、日本一稼働率が高いホールともいわれました。
地元商店街では、中野サンプラザが街の成長をけん引してきたと受け止めています。
中野サンプラザがある東京・中野駅周辺は、近年、大学や大手ビールメーカーが進出するなど、再開発が進んでいます。
中野サンプラザが解体された跡地には、１０年後の開業を目指し、現在と同じ程度か、より大きい規模のホールを含む、大型の複合施設が建設される予定です。
地元商店街では、新たな施設が中野の象徴から東京の象徴になることを期待しています。
そして、この人は。
全米で公開が予定されていた、北朝鮮のキム・ジョンウン第１書記の暗殺を題材にしたコメディー映画が、公開されないことになりました。
映画は、北朝鮮に入国したジャーナリストが、ＣＩＡの依頼を受けて、キム第１書記の暗殺を企てるという、コメディー映画です。
この映画を巡っては、映画館にテロ攻撃を予告する脅迫文が、ネット上に掲載され、大手映画館チェーンが相次いで上映の延期を決めるなど、波紋が広がっていました。
映画を制作したソニー・ピクチャーズエンタテインメントは、映画の配給に圧力をかける恥知らずなやり方に、深い悲しみを覚えるとコメントしています。
プロ野球・巨人のコーチ人事を巡って記者会見を開き、球団代表を解任された清武英利氏と親会社の読売新聞グループ本社が、互いを訴えていた裁判。
東京地方裁判所は、清武氏の解任には正当な理由がある。
巨人軍のコーチ人事が頓挫したうえ、読売側の社会的評価も低下したとして、清武氏に１６０万円の支払いを命じました。
東日本大震災の記憶を後世に伝える、震災遺構。
宮城県の有識者会議は、４つの遺構を、ぜひ保存すべき価値があると結論づけました。
選ばれたのは、南三陸町の防災対策庁舎、女川町の旧女川交番、石巻市の門脇小学校、仙台市の荒浜小学校と、その周辺の住宅跡地です。
有識者会議は選定にあたって、津波の破壊力を示す跡が残されているか、教訓が導けるか、発信力があるか、鎮魂の場としての性格を有するかの４つの項目で評価したとしています。
連日、雪のニュースお届けしています。
気象情報、井田さんです。
こんばんは。
こちらは金閣寺です。
きょうにかけて西日本や東海地方でも、雪の積もった所がありました。
雪や風のピークは越えていますが、各地、多くの所で平年の量を大きく上回る大雪となりました。
こちらは石川県七尾市です。
最大で４０センチの雪が積もりました。
七尾市では平年のおよそ２０倍に当たります。
最高気温は１度５分までしか上がらず、真冬並みの寒さとなる中、雪かきに追われていました。
雪崩や雪下ろし中などの事故、路面の凍結に引き続き十分注意をしてください。
あすの明け方にかけて、さらに雪の量が増える所もありそうですが、あすの日中のお天気はどうでしょうか？
日中は晴れてきそうですね。
ただ、気温、低い状態、続きますので、多くの所で雪の残る状況が続きそうです。
では天気図で見ていきましょう。
あすは高気圧の中心が本州付近に移動してくる見通しです。
詳しく見ていきます。
等圧線の間隔も開いてきますので、風も弱まりそうです。
日中は晴れる所が多くなりそうですね。
ただ冷たい空気が残りますので、朝は特に冷えそうです。
では気温の変化です。
朝の６時です。
多くの所で氷点下です。
北海道や西日本にかけての内陸では、氷点下５度を下回る所がありそうです。
午後３時です。
きょうよりも高い所が多いですが、１桁に下がる所が多いでしょう。
夜９時です。
西日本から東日本、朝よりは高い所が多いです。
ただ内陸の各地では、氷点下５度を下回る冷え込みとなりそうです。
各地の天気と気温を詳しく見ていきましょう。
あすの日中は晴れ間が広がる所も多そうですが、雪下ろし作業中の事故などに十分注意が必要ですね。
注意点をまとめました。
その雪下ろし、必ず複数で、声をかけ合って、作業してください。
路面は凍結しています。
チェーンをしたり、また革靴は滑りますので、雪用の靴を利用してください。
そして雪崩ですね。
こうして木のない所とか、亀裂の入った所は、すぐにでも雪崩が発生しやすいですから、近づかないようにしてください。
気象情報でした。
スポーツ、廣瀬さんです。
こんばんは。
東京オリンピックでのメダル獲得数の大幅アップがねらいです。
今後、新たにメダルの可能性があるとして、国が重点的に選手強化に取り組む種目に、９つの種目が選ばれました。
選ばれたのは、卓球の男子、競泳の男子自由形、陸上の男女の競歩、トライアスロンの女子、ライフル射撃の男女、テニスの男女。
６つの競技の９つの種目です。
メダル獲得数の大幅アップに向けて、文部科学省は６年後に新たにメダルが狙える種目に絞って、選手の強化や育成を進める方針を示しました。
日本スポーツ振興センターなどが、これまで多くのメダルを獲得してきた種目以外で、どの種目にメダルの可能性があるのか、検討した結果、９種目が選ばれました。
これらについて、今後、スポーツ医学や科学、さらに最新技術や情報を活用しながら、振興センターと競技団体が連携して、戦略的な育成や強化を進めることになります。
文部科学省は、東京オリンピックに向けて、金メダルの獲得数で５位以上という目標を掲げ、メダルは、金は２５から３０個程度、総数では７０から８０個程度が必要だと分析しています。
その東京オリンピック。
追加種目に何を提案するのか。
ＪＯＣ・日本オリンピック委員会は、来月にも組織委員会に推薦する見通しとなりました。
今月開かれた、ＩＯＣ・国際オリンピック委員会の臨時総会では、原則、実施種目や選手数のメドを超えない範囲で、競技数の上限を撤廃し、追加で実施する種目を開催都市が提案できるとする改革案が承認されました。
これは、６年後の東京オリンピックにも適用されることになり、国内では野球とソフトボール、空手、それにスカッシュが名乗りを上げています。
こうした中でＪＯＣは、ＩＯＣの採用基準に基づいて、競技団体の絞り込みを進め、候補の選定に向けた聞き取りを行うことになりました。
ＪＯＣは結果を踏まえて、来月にも、提案の主体となる組織委員会とも協議しながら、追加する種目を推薦するということです。
平岡英介常務理事は、透明性を保って、国民が納得できるような評価をしたいと話しています。
日本バスケットボール協会が、国際的に競技団体としての資格を停止された問題。
組織の改革に当たる国際バスケットボール連盟の専門の作業チームは、来月、最初の会合を開くことになりました。
国際バスケットボール連盟は、日本の男子リーグが分裂しているのは、日本バスケットボール協会の組織運営に原因があるとして、先月、協会に対して、競技団体の資格を止める制裁を科しました。
制裁が続けば、日本は、来年夏のオリンピック予選に代表チームを派遣できなくなるおそれがあります。
バウマン事務総長は、協会の改革に着手するために来日し、関係者との会談を重ねました。
専門の作業チームが改革の提言を出すメドは来年６月。
来月、最初の会合を開くことを明らかにしました。
バウマン事務総長は、国内リーグの選手会の代表とも会談し、積極的に意見を述べていくよう求めました。
日本バスケットボール協会は臨時の理事会を開き、国際連盟が主導する協会の改革に全面的に協力していくことを確認しました。
ゴルフの国内女子ツアー。
人気を保つための研修制度の取り組み、きのうお伝えしました。
来シーズンは、賞金総額が３３億円を超えて、史上最高額となりました。
日本女子プロゴルフ協会によりますと、来シーズンの国内女子ツアーは、３月６日から沖縄で行われる大会で開幕し、１１月下旬までに今シーズンと同じ３７試合が行われます。
賞金総額は、これまでで最も多かった今シーズンより、およそ５７００万円増えて３３億３３００万円。
史上最高額となりました。
オリンピックに向けた選手強化の一環で、７月下旬に行われるプロテストの日程が、これまでの３日間からツアーの主要大会と同じ４日間に変更されることになりました。
プロ野球です。
３８歳の岡島秀樹投手。
日本一、そして大リーグのワールドシリーズ制覇も経験したベテランが、ＤｅＮＡに入団。
会見で、まだまだできると話しました。
岡島投手はことし、ソフトバンクで４４試合に登板しましたが、しーずんしゅうりょうごに自由契約となりました。
若いピッチャーの手本にもなると期待される３８歳。
ＤｅＮＡときょう契約を結び、来シーズンへの意気込みを示しました。
サッカー日本代表のアギーレ監督が、八百長の疑いで、スペインの検察当局から告発を受けたことについて、日本サッカー協会は、推移を見守る考えを明らかにしました。
告発後、初めてのサッカー協会の理事会。
大仁邦彌会長が、多くのサッカー関係者に心配をかけ、申し訳ないと陳謝しました。
サッカー日本代表のアギーレ監督は、スペインのチームの監督をしていた３年前に、八百長に関わった疑いで、スペインの検察当局から告発されました。
サッカー協会はきのうも改めて話を聞き、アギーレ監督は一切関与していないと、疑惑を否定したということです。
バドミントン、１７歳の山口茜選手が、オリンピックの銀メダリストを破りました。
世界のトップ選手で争うスーパーシリーズファイナルが開幕。
山口選手は１次リーグの初戦で、ロンドンオリンピックで銀メダルを獲得した中国のオウギカン選手と対戦。
ゲームカウント２対１で勝ちました。
たった今、ニュースが入ってきました。
アフリカのナイジェリアで、イスラム過激派組織ボコ・ハラムと見られる武装集団が、１４日、北東部の町を襲撃し、住民３０人以上を殺害し、女性や子どもなどおよそ１００人を連れ去りました。
2014/12/18(木) 21:00〜22:00
ＮＨＫ総合１・神戸
ニュースウオッチ９▽平年大きく上回る大雪に…各地で被害相次ぐ▽あす以降は？[二][字]
▽各地で平年大きく上回る大雪に…被害相次ぐ・交通も混乱▽あす以降の降雪や寒さは？▽歴史的和解へ…米がキューバと国交正常化交渉▽アフガニスタンで攻勢強めるタリバン
詳細情報
番組内容
【キャスター】大越健介，井上あさひ，【スポーツキャスター】廣瀬智美，【気象キャスター】井田寛子
出演者
【キャスター】大越健介，井上あさひ，【スポーツキャスター】廣瀬智美，【気象キャスター】井田寛子
ジャンル :
ニュース／報道 – 定時・総合
ニュース／報道 – 天気
スポーツ – スポーツニュース
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日本語
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