関西の選択。
ここからは田中アナウンサーとお伝えします。
食による地域の活性化をテーマにした今回のシリーズ。
2回目のきょうは京都の伝統野菜京野菜です。
京都の冬の名物、千枚漬の材料になる聖護院かぶ。
こちらは、ひょうたんのような形をした鹿ヶ谷かぼちゃです。
夏に食べると病気にならないという言い伝えがあります。
このほか九条ねぎや、えびいもなど京野菜は京都の食文化を支えてきました。
さらに去年、和食の食文化がユネスコの無形文化遺産に登録されたことで食材である京野菜への関心も高まっています。
この伝統野菜の魅力を生かし販路を広げていこうと地元の大学生たちがベンチャー企業を設立しました。
京都市右京区の京北地域。
京野菜を作る農家にホテルの料理人たちが招かれました。
京野菜の魅力を知ってもらい食材として生かしてもらおうというのです。
京野菜には独特な香りがあると説明を受けた料理人たち。
じかに触れながら確かめました。
料理人たちを招いたのは京都大学に在籍する李暁星さんです。
李さんは京野菜を新たなビジネスにしようと去年、学生の仲間たち3人とベンチャー企業を設立しました。
李さんは仲間の誘いで農家を見学に訪れ京野菜の魅力に強く引かれたといいます。
今が旬の京野菜の九条ねぎ。
夏場に青い葉の一部を切り落とす独特の育て方をします。
白い根に栄養を集中させることによってより太く甘いねぎにするのです。
このため出荷に1年以上もかかります。
あまり知られてこなかった京野菜の作り方を直接、料理人たちに伝え魅力をアピールすることで販路を拡大しようと李さんたちは考えたのです。
李さんが選んだ売り込み先は首都圏の高級ホテルや料亭です。
プロの料理人であれば伝統の京料理に使われる京野菜の価値を理解してもらえると考えたのです。
この日、訪れたのは大手ホテルのちゅう房。
20種類の京野菜のリストを示しながら特徴を説明し食材として使ってもらえないか売り込みました。
会社の設立から1年半余りで関東のホテルや料理店など10か所を顧客として開拓。
売り上げは多い月で300万円までになりました。
京野菜の魅力を伝えながら1軒1軒訪ねて回る李さん。
地道な取り組みを積み重ね会社を軌道に乗せたいと考えています。
李さんは京野菜の新しい可能生を探る活動にも乗りだしました。
この日、都内で開いたのは京野菜を使った新しいメニューを料理人たちに紹介するイベントです。
えびのような形の、えびいもを油で揚げて、あんかけにした一品。
漬物に使う聖護院かぶは甘く煮込んでデザートにしました。
そして緑色のムース。
かぶの葉で色づけしました。
試食した料理人たちは。
伝統の枠を超えた手法で京野菜の魅力を引き出せば販路を、さらに広げられると手応えを感じました。
京野菜の農家とプロの料理人を直接結び付け新たな価値を生み出そうとする学生ベンチャーの取り組み。
地域の伝統野菜を全国に広げていこうとしています。
農家と料理人の間を橋渡しする李さんたちの活動は地域の伝統の価値をうまく生かせば新たなビジネスチャンスにつながる可能性を示していると感じました。
関西の選択、3回目のあすは日本のウイスキーを世界に売り込む大阪の酒造会社の戦略をリポートします。
私は先週、ある人に会うため名古屋市を訪れました。
おはようございます。
ご無沙汰しています。
坂本佳一さん、53歳。
昭和52年夏の甲子園で東邦高校を準優勝に導いた1年生エースです。
東邦高校の1年生、坂本投手の活躍が人気を集めました。
高校生になったばかりの15歳。
細い体で懸命に投げる姿からバンビと呼ばれた坂本さんの経歴は意外なものでした。
中学時代は控えの外野手でピッチャーどころか硬式野球の経験もありませんでした。
しかし遠投120メートルを超える肩には、ひそかに自信があったといいます。
進学したのは強豪、東邦高校。
愛知県きっての伝統校に野球推薦ではなく一般入試を経て、飛び込みました。
野球部を率いていたのは名将、阪口慶三監督です。
入学式を終えた坂本さんはすぐに阪口さんのもとを訪れ入部を志願しました。
ジャージー姿でキャッチボールを始めた坂本さん。
阪口監督は一風変わった1年生にブルペンに入るように指示しました。
当時のキャッチャー大矢正成さんはブルペンに入ったこの1年生の様子を今でも、はっきり覚えています。
熱意が監督を動かし100人を超える新入部員の中から経験も実績もなかった坂本さんが抜てきされることになりました。
ここからは夏の大会に向けて厳しい練習が待っていました。
毎日200球近い投げ込みに加えやったことのないけん制や連係プレーの練習。
暗くなってからも体力強化のメニューは続きました。
そして入学して3か月余りで迎えた愛知大会。
決勝を任されたのは背番号10の坂本さんでした。
高めの球、伸びがあります。
三振。
覚えたばかりのスライダーに猛練習で磨きをかけた速球。
僅か1失点で完投しチームを4年ぶりの甲子園に導いたのです。
甲子園でも気負いはありませんでした。
ジャージー姿での入部から半年もせず憧れの甲子園のマウンドに立った坂本さん。
キャッチャーのミット目がけて思い切り投げ続けました。
準決勝までの4試合すべてに完投し、僅か5失点の好投。
東邦高校は初めて決勝進出を果たします。
まだ、あどけない表情をした1年生エースの大活躍。
注目は一気に高まりました。
決勝は強豪東洋大姫路高校との対戦。
1人で投げ抜いてきた坂本さん。
これが最後の試合と気力を振り絞って投げ続けます。
1対1の同点で延長戦へ。
10回裏、ワンアウト一塁二塁。
1打サヨナラのピンチ。
4番・安井選手への4球目のスライダーが外れスリーボールに。
投げるボールがなくなり5球目でした。
大会史上初となるサヨナラホームランでの優勝決定。
その瞬間は悔しさより注目から解放される安ど感が勝りましたが年月を経て控え選手の気持ちをプレーに込めるべきだったと振り返るようになりました。
また行けると思った甲子園でしたが再び出場することはできませんでした。
栄光と、その後の挫折。
それでも坂本さんは、あの経験が自分を成長させてくれたと感じています。
続いてプロ野球です。
日本ハムからFA・フリーエージェントを宣言した小谷野栄一選手がオリックスに移籍することになりました。
小谷野選手はプロ12年目の34歳。
勝負強いバッティングが持ち味の内野手で4年前には打点王を獲得しました。
得点力アップを目指すオリックスはサードかファーストで起用するとしています。
2014/11/26(水) 18:10〜19:00
NHK総合1・神戸
ニュースKOBE発▽インタビュー・川人ゆかりさん「地域と都市を結びつけて」▽気象
▽インタビューこの人に聞く・川人ゆかりさん「都市部と地域を結ぶ活動について」 ▽関西のスポーツ ▽県内の詳しい気象情報 キャスター:田代純、荒山沙織
詳細情報
番組内容
▽インタビューこの人に聞く・川人ゆかりさん「都市部と地域を結ぶ活動について」 ▽関西のスポーツ ▽県内の詳しい気象情報 キャスター:田代純、荒山沙織
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ニュース/報道 – ローカル・地域
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