(宗一郎)美咲!
(岩本)今度再燃したらご本人だけではなくおなかのお子さんも命の保証はありません。
(永人)結婚しよう。
美咲のことも子供のことも俺が守るから。
(葉月)萩原さん。
(葉月)お願いがあります。
(陽平)俺たち結婚することになったんだ。
(七重)えっ!?死んだら絶対に許さないからね。
(美咲)ああー。
気持ちいいね。
でも寒暖の差には気を付けるようにって言われたからほら。
急いで帰るよ。
(美咲)えーっ。
もうちょっと寄り道しようよ。
何日ぶりの外出だと思ってんの?今日はじゅうぶん歩いてきたでしょ。
ちょっともう。
ほら。
ここ。
開いてる。
冷やしちゃ駄目。
はい。
行くよ。
(美咲)ハハハ。
何?
(美咲)店長大変だろうなと思って。
えっ?何でよ?
(美咲)だってお姉ちゃんかなり心配性なんだもん。
店長と結婚したら店長の体調管理とかかなり気ぃ使いそうだし。
子供なんて生まれたらさ超過保護になりそうだよね。
ほっといて。
そういえばさ。
返事したの?
(美咲)うん?何の?プロポーズ。
(美咲)えっ?何で知ってんの?いや。
お母さんのコート取りに戻ったら聞いちゃったのよ。
(美咲)ちょっと。
立ち聞きじゃん。
違うってば。
で?どう思ってんの?永人君のこと。
(美咲)何かさどうしたらいいのか分かんなくなっちゃったんだよね。
分かんないって?あんなにずっと一緒にいんのに?
(美咲)ずっと一緒にいるからだよ。
何かさいろんなことが複雑過ぎて自分でもどうしたらいいのか分かんなくて。
それにさこの子が将来どう思うのかなと思ったら誰とも結婚しちゃいけないような気がして。
えっ?じゃあ子持ちの人は結婚や再婚しちゃいけないってこと?
(美咲)そんなこと言ってないけど。
まあ色々複雑だけどでも結局は自分の気持ちに素直になることが一番大事なんじゃないかな。
(美咲)うん。
(記者)最近ホント勢いありますね。
(桑名)そうっすね。
永人。
(桑名)フロントサイドフリップやってよ。
(永人)はい。
(シャッター音)
(桑名)お疲れ。
(永人)お疲れさまです。
(桑名)後でもう1件入ってるから。
まあまたおんなじようなこと聞かれると思うけどスポンサーがらみだから頼むな。
(永人)全然大丈夫です。
(永人)ちょっとすいません。
(桑名)おう。
もしもし。
(美咲)もしもし。
仕事中?
(永人)うん。
(美咲)じゃああしたも仕事?
(永人)あしたは休みだよ。
(美咲)ホントに?じゃあさ引き出物買いに行かない?
(永人)えっ?引き出物って何?うん?知らないの?ほら。
あのう。
結婚式のお土産のやつ。
(永人)だって俺結婚式とか出たことないもん。
えっ。
嘘。
じゃあお姉ちゃんの初めて?
(永人)うん。
だからめっちゃ楽しみ。
えーっ。
そうなんだ?私も。
(永人)体調は?あっ。
いいよ。
あのねさっき健診行ってきて全然問題ないって言われた。
よかった。
うん。
じゃあ11時に迎え行くね。
うん。
分かった。
ところでさ…。
ねえ。
じゃあまたあしたね。
うん。
じゃあね。
バイバイ。
あのさ…。
(不通音)うん。
あった。
あそこ。
あそこ行きたかったの。
(永人)走ったら危ないよ。
あっ。
「はいあなた」こっち。
これ。
何それ?「おいお前」これ私ね。
ヤバいねこれ。
ハチに渡すねこれ。
「おいお前」つって。
(永人)どん!どーん!あ痛た。
痛っ。
痛っ。
あーっ。
もうかぶった。
・
(『星に願いを』のオルゴール)これがいい。
(永人)美咲。
(永人)んっ。
(和子)今日美咲ちゃんは?うん?永人君と引き出物の買い出し。
(和子)おお。
体調いいんだ?まあ退院してからずっとうちに閉じ込めてたからもういいかげん外に出せって暴れてさ。
私があんまり心配するもんだから結婚したら萩原さんとか子供が大変そうって言われちゃった。
(和子)フフッ。
でも私ね美咲とずっと一緒に暮らそうと思ってんの。
(和子)えっ?無事に出産できたら美咲は必要ないって言うだろうけどでも病気とは一生付き合っていかなきゃいけないだろうし。
離れて心配するぐらいならずっとそばにいたいなと思って。
(和子)何かいいな。
うん?葉月と美咲ちゃん見てたらさケンカはすっごい派手にするけど思ったり思われたり心配したり心配されたり実はめちゃめちゃ仲いいじゃん。
私一人っ子だからさ何かそういうのすっごいうらやましいんだよね。
私は和ちゃんのこと家族みたいに大事に思ってるよ。
いつも心配してるしいつも思ってる。
うん。
知ってる。
うん。
(永人)結構歩いたね。
ねえ。
(永人)疲れた?ううん。
大丈夫よ。
買い物もできたし楽しかった。
そっか。
うん。
ところでさこないだのことなんだけど。
うん。
あのう…。
ハチ。
(永一郎)おう。
(永人)親父。
あっ。
(永一郎)バカなこと言うな!
(永一郎)自分の子ならまだしも宗一郎の子を身ごもった人と一緒になりたいなんてどういうことだ?そんなことをしたらお前の人生は台無しだぞ。
(永人)俺はそうは思わねえ。
(永一郎)永人。
目を覚ましなさい。
こんな結婚誰も祝福しない。
みんなが不幸になるだけだ。
(永人)俺は美咲を愛してんだよ。
(永一郎)愛だけじゃ乗り越えられないことがこの世の中には山ほどあるんだ。
とにかく宗一郎と話をするのが先だ。
(永一郎)あなたはあなたで大変でしょうが親としてこんな結婚許すわけにはいきませんから。
(永人)親父!
(永一郎)お前は黙ってろ。
失礼します。
(永人)美咲。
美咲。
電話するから。
(呼び出し音)
(永一郎)何で出ないんだ?あいつは。
(陽平)どうした?ぼけーっとして。
具合でも悪いのか?みんなで寄ってたかって病人扱いしないでくれる?
(陽平)心配してやってんだろ。
(陽平)何だ。
永人君とケンカしたのか。
何で今までさハチがどうなれば幸せかってこと考えなかったんだろう?ハチは今までいっつも私のこと考えてくれてたのに。
もうホント自己中。
マジで自分が嫌になる。
(陽平)それは自己中なんじゃなくて永人君に対して友達以上の気持ちがなかったからなんじゃないの?でも今はあるんだろ?だったら今から考えればいいじゃん。
帰ろ。
(陽平)ちょっと。
人がせっかく真剣に話してんのにさスルーすんなよお前。
(統太・峻介)いらっしゃいませ。
(陽平)いらっしゃいませ。
(仁美)げっ。
壁ドン?
(優子)嘘。
あっ。
久しぶり。
(真智子)妊娠してるの?あっ。
うん。
(真智子)だからお酒飲まなかったんだ?ああ。
そうね。
うん。
(真智子)ごめん。
いいよ。
別に言ってなかったし。
(仁美)結婚してたんだ?してないよ。
(優子)シンママか。
大変やな。
まあそうでもないよ。
(真智子)一人じゃないってうらやましい。
頑張って。
ありがと。
じゃあ。
お兄ちゃん。
どうした?妹。
後で付き合って。
・
(チャイム)はーい!ああ。
永人君。
美咲帰ってますか?えっ?一緒じゃなかったの?そっか。
そんなことが。
(永人)美咲が帰ってきたら慰めてやってください。
親父が色々ひどいこと言って傷ついたと思うんで。
仕方ないよ。
言われるだけのことをしたんだから。
兄貴が離婚したのは美咲のことが原因じゃありません。
俺も兄貴の子供だってことはとっくに乗り越えてます。
それでも一緒にいたくてプロポーズしたんです。
まだ返事はもらえてないですけどね。
ありがとう。
美咲のことそんなに思ってくれて。
(永人)おお。
ハチ。
おかえり。
ただいま。
どうしたの?これ。
もうすぐ義理のお兄ちゃんになる人に頼んで付けてもらったんだ。
店長さん来てたんだ?うん。
めっちゃ奇麗。
ハチ。
ハチ。
うん?これこっちね。
あっ。
いいね。
ああ。
いいじゃん。
うん。
はい。
おお。
すげえ。
乾杯しよう。
乾杯。
ねっ。
しようしよう。
あれ?ってか飲んでいいんだっけ?うん。
これ子供用のシャンパンね。
これ子供用の?メリークリスマス!クリスマス!よっ。
カワイイ。
ピンク?じゃあ赤。
巻いて。
あっ。
いいよ。
俺後でやっとくから。
ホントに?うん。
ありがとう。
ううん。
ハチ。
うん?私もう平気だよ。
ハチがいなくても。
えっ?ハチずっとそばにいてくれたもんね。
まあ病気がひどくなったときはちょっと離れたけど。
でも入院中心細くなったときはハチのこと思い出したら元気になった。
もうハチがいなかったら私の人生ホントにつまんなかったよ。
でももう大丈夫。
考えてみたら私もう一人じゃないし。
何言ってんの?俺プロポーズしたんだよ?すっごくうれしかったよ。
ありがとう。
でもやっぱり結婚なんて無理だよ。
お父さんの言うとおり私なんかと結婚したらハチもみんなも不幸になっちゃう。
駄目だって。
親父の言うことなんか真に受けちゃ。
お父さんに言われたからじゃないの。
今日ずっと考えてた。
何がハチの幸せなのか?どうなることがハチにとって一番いいのか?少なくとも私と一緒にいることじゃない。
だってこの子無事に出産できるかどうかも私自身元気でいられるかどうかも分からないんだよ。
だから私のことは忘れて自分の幸せちゃんと探して。
私もう大丈夫だから。
美咲。
今までホントにありがとう。
最高に楽しかったよ。
じゃあね。
・
(ドアの開閉音)・
(七重)うーん。
うん。
いい味出てる。
・いい?よかった。
ただいま。
(七重)ああ。
やっと帰ってきた。
おかえり。
遅かったね。
うん。
ハチとクリスマスやってた。
そう。
(七重)ちょっとちょっと美咲。
こっち座って。
葉月も来て。
早く。
うん?何?
(七重)いいから早く。
何よ?よっ。
(七重)はい。
これが葉月。
こっちが美咲ね。
何これ?
(七重)葉月には結婚のお祝い。
美咲には出産のお祝い。
ぼけっとしてないで。
ちょっとちょっと中見てよ見てよ。
早く。
えっ?えっ!?
(七重)葉月の方には渋川さんから返してもらった100万も足してあるからちょっと大きな金額になってるけど。
それにしたってどうやってこんな金額…。
(七重)これはねあんたたちが生まれてから毎月1万ずつ積み立ててきたものなの。
どんなに苦しくてもこれだけは意地でもやめなかった。
今まで入学とか就職とか誕生日すらろくに祝ってあげなかったでしょ?正直そんな余裕はなかったんだけどさ。
けど将来あんたたちが独り立ちするときの準備金だけはどうしても出してやりたくて。
受け取れないよ。
(七重)えっ?私も。
(七重)何でよ?受け取ってくれなきゃ何のために今日まで頑張って働いてきたか分かんないじゃない。
(七重)前にも言ったでしょ?私はあんたたちがいたから生きてこれたの。
どんなにつらくても苦しくても今日の日を夢見て頑張ってきたの。
こんな母親っぽいことできるのこれで最初で最後だから。
もう。
気持ちよく受け取ってよ。
ねえ。
うん。
分かった。
ありがとう。
お母さん。
どういたしまして。
さあじゃあご飯食べよう。
うん。
今日は鍋よ。
美咲?おいしそう。
えっと。
器ここだった?うん。
・
(ドアの開く音)ハァ。
疲れてるから寝るね。
大丈夫?うん。
大丈夫。
あっ。
待って。
これね今日永人君が昼間持ってきてくれたんだけど。
はい。
これ。
美咲にクリスマスプレゼントだって。
ありがとう。
おやすみ。
おやすみ。
・
(すすり泣く声)あのう。
すいません。
永人君のお父さまでいらっしゃいますか?
(永一郎)そうですが。
突然すいません。
あのう。
私深沢美咲の姉の深沢葉月と申します。
櫻庭先生にこちらにいらっしゃると聞いて伺いました。
永人君と妹の結婚認めていただくわけにはいかないでしょうか?申し訳ないが失礼するよ。
(永一郎)ちょっと君。
お願いします。
むちゃくちゃなこと言ってるのは重々承知してます。
でも2人は真剣に思い合ってるんです。
どうか許してやってください。
お願いします。
(高橋)母子共に順調ですよ。
(永一郎)お前たちはいったいどうなってんだ?
(宗一郎)どうって?俺の育て方が悪かったんだな。
(宗一郎)何言ってんの?親父はそもそも子育てなんてしてないじゃない。
何?
(宗一郎)いや。
だって母さんに全部任せっきりで母さん死んだ後は聡子さんに任せっきりだったじゃない。
それはお前仕事が忙しかったから。
だから親父が怒ってる理由がさっぱり分かんないんだよ。
再婚して聡子さんうちに来たの何歳のときよ?あの若さでくそ生意気な赤の他人の子供の面倒よく文句も言わず見てくれたと思わない?それなのに何で永人のしようとしてることに口出しすんの?親父が聡子さんにしてもらったことを永人は自らしようとしてんだよ?自分の責任はどうなるんだ?お前いいのか?自分の子供を手放したくないとは思わないのか?そりゃ思ったよ。
でも今の俺には誰かを幸せにする資格はないんだ。
まずは自分が過去にしたことを償わないと前には進めないってやっと分かったんだ。
(永一郎)俺の育て方が悪かったんだな。
(宗一郎)俺も永人も親父には感謝してる。
でも頼むよ。
永人の人生なんだからそろそろ永人の好きにさせてやってよ。
もしもし?お姉ちゃん?うん。
忘れ物?手袋?机の横の袋?えっ?これ?これ手袋かな?あっ。
これ手袋だ。
これね持ってけばいいのね?うん。
分かった分かった。
後は?忘れ物ない?うん。
うん。
大丈夫ね?分かった分かった。
うん。
タクシー呼んでる。
大丈夫。
うん。
もう分かってるってば。
うん。
はいはい。
じゃあね。
後ほど。
バイバイ。
はい。
フフフ。
お姉ちゃん。
あーっ!ドレス。
カワイイ。
ああ…。
奇麗。
わあ。
うーん。
・
(ドアの開く音)・美咲。
お姉ちゃん!ドレス見てくれた?見てる見てる見てる。
めちゃめちゃカワイイよ。
ああ…。
えっ?着替えなくて大丈夫?あれ?メークとか。
ほら。
髪の毛とかふわふわっとしないの?っていうかあと1時間ぐらいしかないよ?ちょっと余裕だね。
あっ。
手袋。
もう忘れたでしょ。
このドレスね美咲って名前付けたの。
お姉ちゃん。
うれしい。
ありがとう。
そっか。
最初のドレスに葉月って名前付けられちゃったもんね。
ちゃんとおなかが大きくても入るように作ってあるから。
着てみてよ。
うん?何言ってんの?お姉ちゃん。
今日はね私の結婚式じゃなくって美咲あんたの結婚式よ。
えっ?うん?どういうこと?えっ?何?好きな人と結婚するのが夢だって言ってたでしょ?だから萩原さんとみんなに話して協力してもらったの。
ホントに?うん。
何でそんな勝手なことするの?今まで散々勝手なことしてきたのは誰よ?何で?あっ。
私が病気だから?もしかしたら死ぬかもしれないから?いつ死んでもいいように後悔しないように生きろって言ったのは美咲じゃない。
このまま永人君と離れ離れになってもあんたホントに後悔しないの?後悔してもいいの。
何がいいのよ?言ってることとやってることばらばらじゃない。
ハチのためなら後悔したっていいって言ってるの。
ハチは私と一緒になったら不幸になる。
私なんかに関わってる場合じゃないんだよ。
永人君のこと好きじゃないの?好きに決まってるじゃん。
大好きだよ。
大好きだから自由にしてあげたいんじゃない。
ハチには思いどおりに生きたいように生きてほしいんじゃない。
・
(ドアの開く音)美咲。
もうハチ。
もう。
(永人)結婚しよう。
駄目だよ。
(永人)今言ったよね?俺の思いどおりに生きてほしいって。
(永人)俺の幸せは美咲とずっと一緒にいることだよ。
俺の人生には美咲がいなきゃ意味ないんだよ。
俺が守る。
美咲のことも子供のことも全部守る。
(永人)だから俺と…。
俺と結婚してください。
美咲。
美咲ちゃん。
はい。
(泣き声)ありがとう。
(永人)よかった。
(七重)遅いわねぇ。
こんなサプライズみたいなことして大丈夫なのかしら?
(和子)お母さん。
大丈夫です。
葉月のこと信じて待ちましょう。
(七重)ハァ。
(渋川)大丈夫だよ。
(香織)来た!・
(『星に願いを』の演奏)
(拍手)
(貴子)ホントに後悔しない?
(宗一郎)ここにはもう居場所はないんだ。
(貴子)嘘ばっかり。
あの子と子供を守るために私と行くんでしょ?
(宗一郎)何言ってんの。
行こう。
お姉ちゃん。
寝た?うん?どうした?眠れない?あのね私お姉ちゃんに謝らなきゃならないことがあって。
何?私の恋愛をことごとく邪魔してくれた理由なら永人君から聞いたよ。
何だ。
聞いたの?先生だけは本気だったっていうこともね。
でもさ私のことそんなに好きだったら何であんな意地悪ばっかりしてたの?意地悪?ほら。
小学校の卒業式んとき私の髪の毛切ったでしょ?いや。
あれはお姉ちゃん卒業生代表で緊張してて学校行きたくないって言ってたから。
えっ?それでツインテールの片方切ったの?うん。
行かなくて済むようにしてあげようと思って。
じゃあピアノの発表会でドレスにマジックで落書きしたのは?あれお母さん買ってきたドレス白のシンプルなドレスだったでしょ。
でお姉ちゃんもっとカワイイのが着たいって泣いてお母さんに怒られて。
そうだったね。
でも何で落書きよ?いや。
かわいくしてあげようと思ったんだよ。
はあ?えっ?お姉ちゃん私の絵うまいうまいって褒めるから。
じゃあ大学入試んときに目覚まし止めたのは?あれは絶対嫌がらせでしょ?違うよ。
うん?だって第1志望の大学片道2時間もかかるところだったから。
だから目覚まし止めちゃ駄目でしょ。
往復4時間も通学にかかるとこだったもん。
私と遊ぶ時間なくなっちゃうじゃん。
美咲。
ごめん。
ホントに悪いと思ってる。
でももう全部謝ったから。
もう黙ってることも隠してることも何にもない。
すっきり。
うーん。
私さ。
うん。
和ちゃんに愛され下手って言われたの。
愛され下手?言えてるね。
フッ。
私が愛され下手ならあんたは愛し下手だね。
愛し下手?だってそうじゃない。
みんなから愛されてきたから愛され方は知ってるけど愛し方を知らないのよ。
表現下手過ぎ。
愛され下手に愛し下手か。
姉妹揃って駄目だね。
駄目だね。
でもお姉ちゃんの妹でよかった。
もうやめて。
何?遺言みたい?こら。
もう怒るよ!怖い!?キャー!もう寝よう。
怖いから寝よう。
もう怖いよ!おやすみ。
よいしょと。
よいしょ。
痛てて。
んっ。
(苦しむ声)はっ?美咲?えっ?美咲?ちょっ。
大丈夫?美咲!
(医師)バイタルは?美咲!
(隊員)血圧120の80。
美咲。
しっかり!
(隊員)自宅で腹部の痛みを訴え…。
大丈夫だから。
(七重)《じゃあ今病院?》《赤ちゃんに胎児仮死っていう兆候が出て処置してるの》《美咲の腎臓の数値も悪化してるみたい》《このまま帝王切開になる可能性もあって》《もしかしたら母子どちらかの命が危ないかもしれないって》
(七重)《そんな!?》《永人君出産に立ち会うことになってたんだけど今大阪なの》
(七重)《分かった。
私もすぐ行くから》《葉月。
気をしっかり持って》・
(ドアの開く音)
(医師)大丈夫だよ。
落ち着いてね。
しっかり。
美咲?美咲。
(医師)やはりこのまま帝王切開することになりました。
(医師)同意書にサインお願いできますか?分かりました。
お姉ちゃん。
美咲。
怖い。
大丈夫。
怖いよ。
しっかりしなさい。
お姉ちゃんが付いてるから。
もしものときはお願いね。
約束するって言って。
ありがとう。
(医師)これ痛いですか?大丈夫です。
(医師)よし。
じゃあいきましょう。
美咲。
うん?お姉ちゃん?私がそばに付いてるから。
うん。
お姉ちゃん。
頑張るんだよ。
(医師)これから帝王切開を始めます。
よろしくお願いします。
(一同)お願いします。
(医師)メス。
(看護師)はい。
(医師)鑷子。
ガーゼ。
(看護師)はい。
うーっ。
大丈夫。
大丈夫。
大丈夫だからね。
・
(『星に願いを』の演奏)
(産声)
(医師)生まれたよ。
ちょっと小さいけど元気な女の子だ。
ほら。
触ってあげて。
ほら。
美咲。
触ってあげな。
(泣き声)
(七重)美咲。
(七重)赤ちゃん。
すっごい元気よ。
すっごいカワイイわよ。
(永人)美咲。
ハチ。
よく頑張ったな。
お疲れさま。
2人とも。
2人とも無事でよかった。
(永人)ホントによかった。
よかった。
うん。
(陽平)葉月ちゃんもお疲れさま。
私美咲のこととか仕事のこととかいろんなことを乗り越えて前より強くなれた気がします。
それに萩原さんのおかげで前より自分が好きになりました。
まだ待ってくれてますか?プロポーズの返事。
(陽平)もちろん。
じゃあ今返事してもいいですか?
(陽平)えっ?今?私でよければ結婚してください。
もちろん…。
もちろんだよ。
ありがと葉月ちゃん。
(直尚)高い高い。
謙信。
お前はママに似て食いしん坊だな。
(香織)うちのはみんな食いしん坊でしょうが。
まったく次から次へと男ばっか生まれてくれて。
うちのエンゲル係数高過ぎだっつうの。
(直尚)あっ。
香織ちゃん。
(香織)うん?
(直尚)そういう言い方よくないよ。
謙信が傷つくでしょ。
(香織)何で謙信が傷つくの?私は謙信が男でも女でもよかったもん。
がっかりしてるのはまーくんだけだよ。
(直尚)がっかりなんかしてないよ。
(景虎)いつまでくだらないケンカしてんだよ。
みんな腹減ってるから早くして。
(香織)はーい。
(直尚)はい。
謙信。
見て。
カワイイ。
(陽平)カワイイね。
美咲も喜んでる。
(陽平)そりゃ喜んでるでしょう。
生まれたときあんなにちっちゃかったのに今じゃこんなに大きくなって元気なんだから。
そうだよね。
でもさあの子いっつも怒鳴ってるでしょ。
(陽平)うん。
近所の人が聞いたら…。
・こら花!そっち口入れちゃ駄目よ。
(永人)花。
液つけてる方口に入れてるから。
ちょっと。
花ちゃん。
駄目駄目。
もうお姉ちゃん。
見ててって言ったでしょ。
見てたよ。
見てたんだけど。
花。
いい子だからママにそれ貸して。
(花)やだ!花。
貸して。
(花)やだ!花。
ちょっと待ちなさい。
花ちゃん危ないよ。
走っちゃ駄目よ。
お姉ちゃん走らない。
美咲も。
相変わらず騒々しいっすね。
(陽平)ホントだよ。
お兄さんとこ生まれたらもっとにぎやかになりますね。
待ち遠しいよ。
じゃあ。
(永人)じゃあ。
走れ走れ。
花。
いくぞ。
せーの。
ジャンプ。
ジャンプ。
2014/12/18(木) 22:00〜22:54
関西テレビ1
[終]<木曜劇場>ディア・シスター #10[字]【星に願いを】
美咲は永人にプロポーズの返事をできないでいた。加え、永人と宗一郎の父に結婚を猛反対され…やがて美咲の容態が急変。手術室への道中、美咲は葉月に後を託し…
詳細情報
番組内容
美咲(石原さとみ)は、永人(岩田剛典)からプロポーズされた。荷物を取りに来た際に偶然話を聞いてしまった葉月(松下奈緒)は、永人に返事はしたのか、と美咲に尋ねる。しかし美咲は、いろいろなことが起こりすぎて永人のことをどう思っているのか、自分自身でもわからない、と答え…。
そんな折、永人は美咲にプロポーズのことを再度切り出そうとするが、永人と宗一郎(田辺誠一)の父・永一郎(清水〓治)の突然の訪問を
番組内容2
受けてしまう。事情を知った永一郎は、「息子の人生を考えたら、親としてこんな結婚は認めるわけにはいかない」と怒り、美咲を追い返してしまい…。
そして、出産予定日まで1カ月を切った4月のある夜、無事に産んでほしいという葉月と七重(片平なぎさ)の願いもむなしく、美咲の容体が急変してしまう。ストレッチャーに乗せられ手術室に運ばれる道中で、美咲は、葉月に対し「もしものときはお願いね…」と後を託し…。
出演者
石原さとみ 松下奈緒
岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers)
平山浩行
森カンナ
●
田辺誠一
●
堀内敬子
★
片平なぎさ
他
スタッフ
【脚本】
中谷まゆみ
【主題歌】
「Happiness」シェネル(ユニバーサル ミュージック)
【プロデュース】
中野利幸
【演出】
田中亮
平野眞
関野宗紀
【制作】
フジテレビドラマ制作センター
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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