(英一郎)いじめられるでしょうね…この国では。
(エリー)私たちたくさんたくさん話し合った。
(キャサリン)エリー…。
でも…英一郎偉い!英一郎は自分の思った事ちゃんと言える。
私たちの子どもの事心配してくれた。
ありがとう。
(泣き声)英一郎…。
・「なつかしい人々なつかしい風景」・「その総てと離れてもあなたと歩きたい」・「嵐吹く大地も嵐吹く時代も」・「陽射しを見上げるようにあなたを見つめたい」・「麦に翼はなくても歌に翼があるのなら」・「伝えておくれ故郷へここで生きてゆくと」・「麦は泣き麦は咲き明日へ育ってゆく」昨日はお恥ずかしいとこお見せして…。
恥ずかしくない。
泣きたい時は泣けばいい。
言いたい事は言えばいい。
でも…英一郎なぜ泣いた?なぜって…全部です。
全部?周りの人たちが本気でエリーさんの子どもの事を心配してみんなで守ろうとして…。
あったかいね。
エリーさんが僕という人間を褒めてくれた事も。
もちろん。
強いんですね。
私?エリーさんは強くて温かくてすてきです。
ホホホッ。
そやけどそんなエリーさんがどうして工場長と?マッサン?僕は苦手です。
どこが?まっすぐなところ。
はいハハッ…。
マッサンいっつもガ〜ッと熱くなってもう止まらない。
猪みたい…でしょ?ハハハッ…。
まさに猪です。
でも優しい猪。
一生懸命頑張る猪はすてき!趣味悪いです。
ひどい!私の旦那さん。
ごめんなさい。
そやけど言いたい事何でも言えって。
そうね。
何でも言って。
(ノック)
(鴨居)はい。
(黒沢)失礼します。
ちょっとよろしいですやろか。
何や?奥様の命日の事だすけど今年はどうされます?いつもどおりでええやろ。
今年こそ英一郎さんらとご一緒に墓参りされてはどないだすか?何でや。
そろそろちゃんとお話しすべき頃合いやないかと。
まだ子どもや。
何を話しても届かへん。
坊ももう二十歳だす。
大将が独立してこの鴨居商店を開いた年になります。
あ〜もうそないになるか…。
(黒沢)親が思てる以上に子は大人になってるもんだす。
(黒沢)それとちょっと小耳に挟みましたんやが…。
父のどこが好きなんです?大将私のパパと同じ事言う。
「人生はアドベンチャー」。
きっと英一郎にも…?言われた事ないです。
ない?家で話しない?夜はいつ帰ってきたか分からない。
朝もいつ出かけたか分からない。
ほとんど一緒に食事をした記憶もない。
僕…父に褒められた事が一度もないんです。
父は心のない人です。
全ては商いのため。
まだ太陽ワインが出来上がるかどうかという頃…僕の母は胸を患って入院しました。
(せき)おおきに。
英一郎よう来てくれたね。
お母ちゃんの好きなお芋の煮っ転がし。
僕が作ったんやで!おおきに。
おいしそうやね!これ食べてようなってな。
おいしい!お父ちゃん来た?お父ちゃんは今大事な時やから。
来てへんのや…。
何べんか入退院を繰り返したんですけど容体は悪うなるばかりで。
つらいね。
そやのに父は…あの人はほとんど見舞いにも来なかった。
死の間際になっても顔を出さなかった人でなしです。
僕は父のような人間にはなりたくありません。
(戸が開く音)
(政春)ただいま!英一郎始めるど!何を始めるんです?ちょっと来い!おい!こっち持ってくれ。
はい。
英一郎…ほんまにやりたい事はないんか?工場長のような志はありませんから。
何を言うとるんじゃ。
わしも若い頃は志も何もないただのアホじゃった。
ハハッ…。
そうだったんですか。
じゃけど一つだけわしゃず〜っと思うとったんはいつか親父を超えてみたいいう事じゃ。
英一郎…親父っちゅうのはのう怖かったり訳が分からんかったり嫌いなぐらいがちょうどええんとちゃうんか?そうでしょうか…。
ほいでの憎いなら憎いでもっともっと嫌いになって嫌いな親父ズバ〜ン超えたったらええんじゃ!無理ですよ。
何でじゃ。
英一郎は英語もできてウイスキーの事もよう勉強しとる。
物事を理解するのも早い。
もっと自分に自信を持たんと!自信?ほうじゃ。
英一郎を探しとる求めてくれとる人がこの世の中には必ずおる!部屋に籠もって一人で飯食うとっても誰とも出会えんど。
のう?エリー。
お〜ええ具合じゃ!ああええあんばいじゃ。
持たんか。
はい。
父としての自覚がそうさせたのかマッサンがとても頼もしく思えたエリーでした。
紅茶入れたよ。
隠せ隠せ!少し休みませんか?早よせえよ!早よ!よっしゃよっしゃ…。
エリー出来たど!ほれ〜!ほうじゃ。
赤ん坊のゆりかごじゃ。
これのうわしらの子を「お〜よしよし…」こうやって寝かしてこう揺らすんじゃ。
マッサンすごい!よう出来とるじゃろう?英一郎のおかげじゃ。
英一郎ありがとう。
エリーさん…僕は間違うてました。
何を?猪にはフランクでフレンドリーな一面がありました。
何の話じゃ?うん?秘密。
何じゃ。
・邪魔するで。
大将!どうしたんですか?どうもこうもあらへん。
おめでたの事何で言うてくれなんだんや。
いやいや…。
わての地獄耳なめたらあかんで。
ビックリして飛んできたんや。
英一郎待て!話がある。
何ですか?おお…これどないしたんや?ゆりかごマッサン作りました。
さすが工場長仕事が早いのう。
英一郎が手伝うてくれたんです。
ああ…そうか。
あっエリーちゃんわてからの祝いや。
ハハハッ!ほれ子どもが喜ぶやろ。
あ〜大将ありがとう!大将わしらの子がこがなもんで遊べるようなるんはまだず〜っと先ですけん。
人の事言えるか?え?おなかも膨らんでへんのにゆりかご作ったん誰や?ハハハッ!ほうじゃった。
せやけどほんまに申し訳ない。
エリーちゃんがおめでたいう事になると英一郎をこのままここに置いてもらう訳にはいかん。
大丈夫。
英一郎掃除も洗濯も自分でやる。
料理も手伝ってくれる。
いやそうかて…。
話て何ですか?ん?まあ待て。
急ぎやないなら僕は2階に行ってます。
「待て」言うとるやろ。
相変わらず自分勝手ですね。
お前の話をしとるんやないか!自分の都合でしょ?何!?英一郎。
2014/12/11(木) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 マッサン(64)「子に過ぎたる宝なし」[解][字][デ]
病気の母を顧みなかった鴨居(堤真一)を許せないという英一郎(浅香航大)の思いを知るエリー(シャーロット)。そこに木材を持ったマッサン(玉山鉄二)が現れて…。
詳細情報
番組内容
英一郎(浅香航大)は、近所の人々やエリー(シャーロット)の温かさに触れ号泣してしまったと告白する。そんな英一郎に、エリーは自分の父親と同じ「人生は冒険旅行」という言葉を発した鴨居(堤真一)の魅力を語るが、仕事ばかりで病気の母親の死に際にも現れなかった鴨居を、英一郎はどうしても受け入れられないのだった。そんな時、マッサンが木材を持って帰ってきて、あるものを作ろうと英一郎に手伝わせるのだが…。
出演者
【出演】玉山鉄二,シャーロット・ケイト・フォックス,浅香航大,志賀廣太郎,堤真一
原作・脚本
【作】羽原大介
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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