妄想ニホン料理「本物よりもガーンとくる がんもどきの巻」 2014.12.19


ハプスブルク帝国の栄華が残る音楽の都。
訪れたのはウィーン中心部おしゃれな人々が集うはやりのレストラン。
どうもこんにちは。
ようこそおいで下さいましたウィーンのレンク家のレストランへ。
こちらはレンク家のカールレオ兄弟が切り盛りする自然派レストラン。
弟のレオさんはウィーンにおけるベジタリアン料理のパイオニアとして注目される若手シェフであ〜る。
しかし作ってもらうのはオーストリア料理ではない。
日本料理「がんもどき」。
与えられるのはごくごくシンプルな説明だけ。
ベジタリアン料理ならお手のものでしょう。
妄想お願いします。
う〜ん難しい。
ベジタリアン料理だときっと豆腐じゃないかな。
違うと思うよ。
ヒントを見て豆腐のマリネを想像したけどでもガチョウの味って。
弁当箱に入れて悲劇が起こる事も忘れちゃ駄目だよ。
一体なぜどうやって悲劇に終わるんだろう?そんな深刻に考えて頂かなくても…。
さてレンク兄弟お弁当箱が悲劇的結末になる食材を探しにスーパーマーケットへ。
それぞれが見つけた食材とは?
(レオ)あった。
あちらの方にも渡しました。
ほんとだ。
もっと大きいのを持ってる。
ホースラディッシュさ。
そう。
ホースラディッシュ。
ホースラディッシュ西洋わさびを選びました。
いっぱいすりおろさなくちゃ。
料理開始。
まずはカール兄さんがホースラディッシュをすりおろします。
(カール)これで足りるかな?「弁当箱で悲劇的結末」というヒントから思いついたんだ。
子供がおいしそうだと思って食べたら辛くて泣いてしまうんだよ。
なるほど。
次に使うのはこちら。
最近注目の食材豆腐。
くん製にしてあります。
豆腐もこうしてすりがねでおろすんだ。
随分変わった使い方をするんですね。
ソースにとろみをつけるのに使うんだ。
次にグリーンピースを牛乳とバターを煮詰めたベシャメルソースに入れそこに豆腐を投入。
ハンドミキサーで混ぜていきます。
ソースはグリーンピースの緑色に。
さあ悲劇にしないといけないから思い切って辛みを入れちゃいますよ。
ホースラディッシュをたっぷり入れました。
一体どんな味になっているのでしょうか?悲劇になってますか?お兄さんがぜんやる気。
ホースラディッシュを勢いよくすります。
ホースラディッシュを更に加えて混ぜ合わせそこにオーストリア料理には欠かせないジャガイモをすって入れました。
よ〜く混ぜればソースの完成。
次にカール兄さんが取り出したのはなんと日本のそば。
このお店ではよく使うのだとか。
(カール)これがガチョウの代わり。
そばのナッツのような風味がガチョウに近いと思ったんだ。
ガチョウの風味があるというそばをしょうゆごま油酢とマリネにします。
炒めた大根にオーストリアでしょうゆと同じくらい知られているというテリヤキソースをかけそばを投入。
一緒に炒めます。
ガチョウが好きな草をイメージしたソースの上にガチョウ風味のそばを載せれば…。
レンク兄弟が作ったそばの「がんもどき」。
そばをしょうゆとごま油でマリネし炒める事で香ばしさを強調。
ガチョウ独特の風味を表現しました。
ガチョウの餌をイメージした緑のソースは甘くホクホクとした食感。
ホースラディッシュの辛みがアクセントになっています。
兄弟で試食。
(清水)カメラ目線の人初めて見ましたよ。
すごい挑戦的。
(澤部)自信があるんでしょうね。
弟さんガチョウの味はしますか?さあさあ始まりました。
「妄想ニホン料理」。
おなじみの日本料理を海外の料理人が簡単なヒントだけを頼りにどんどん妄想を膨らませて作る作る!今回のお題はお弁当にも入るお総菜…オーストリアそして台湾の料理人が見た事もない「がんもどき」に挑戦します。
これは料理の新たな可能性を探る異文化交流クッキングバラエティーであ〜る。
さあ始まりました。
「妄想ニホン料理」の時間です。
オーストリアのイケメン兄弟が「がんもどき」を作ってくれました。
どうですか?ミスター「がんもどき」。
ミスター「がんもどき」としてはね…。
誰がミスター「がんもどき」ですか?「がんもどき」感多少ありますが。
いかがでしたか?りさちゃん。
「がんもどき」があんな事になるとは思わなかったですよね。
何かある意味……というわけで本日のお題は「がんもどき」。
もともとは精進料理。
江戸時代元禄年間の料理書に登場する古い料理です。
雁。
つまり野生のガチョウの肉に味を似せているというのですが。
…とは言っても「もどき」の元になるガチョウの味ってご存じありませんよね?というわけで用意したのは塩味のガチョウのソテー。
さてお味は?雁の味って知らないもんね。
おっおいしいぞ。
臭みがなくておいしい。
鴨とかに近い。
鴨に近いね。
鴨南蛮の鴨に近い。
私の母もよくダイエット料理のために…
(澤部)そういう事じゃないでしょ。
オーストリア中部アルプスの山々に囲まれた町バード・イシュル。
ハプスブルク家が雁を狩猟していた別荘地だったこの町。
今も週末伝統衣装を着る風習が残っています。
訪ねたのは地元の人々から愛されているレストラン。
シェフのライナーさん。
バード・イシュルの地産地消をモットーにするこだわりシェフであ〜る。
作っているのはオーストリア名物シュニッツェル。
つまりフライです。
では「がんもどき」妄想始めて下さい。
ライナーさん買い物に出ました。
金曜日はレストランの前の広場に市場が出ています。
こんにちは。
カボチャあります?いいね。
名前がぴったりだ。
買ったのは「ホッカイドウ」と呼ばれるカボチャ。
20年ほど前北海道から入った品種だそうです。
さあ調理開始。
ホッカイドウを切ります。
更にリンゴショウガを刻んで鍋へ。
カボチャタマネギと一緒によ〜く炒めます。
これから悲劇が生まれますよ。
入れたのはブイヨンそして生クリーム。
カボチャのスープを作るわけですね。
でもなぜスープが悲劇に?スープにすれば弁当箱からこぼれる悲劇が起きるというわけ。
(澤部)よくたどりついたね。
ミキサーで砕きこしたらカボチャのクリームスープは完成。
次はガチョウの肉だ。
ガチョウの卵ではなく鶏の卵を使うよ。
見ておいで。
この卵ガチョウの肉の味と食感にしてみせるよ。
素早さが大事だ。
卵をお酢の入った熱湯の中に割り入れて中が半熟になるように80℃のお湯でゆでます。
大事なのはこの柔らかさ。
手早く冷水で冷やして小麦粉をまぶします。
今度は卵へ。
オーストリア名物のシュニッツェルにしているんですね。
高温の油に衣をつけた卵を入れ表面がカリッとするまで揚げます。
あとは盛りつけ。
卵のシュニッツェルにカボチャのクリームスープを流し込みバルサミコ酢をたらしたら…。
ライナーさんが作った半熟卵のシュニッツェルの「がんもどき」。
カボチャのクリームスープはリンゴの甘酸っぱさがアクセントに。
最後にショウガの香りが鼻に抜ける大人の味。
外がカリッとした卵のシュニッツェルは白身の部分の弾力のある柔らかさがガチョウに似た食感。
黄身はカボチャの甘みを引き立て何とも芳醇な味わいです。
ライナーさんに日本の「がんもどき」見てもらいました。
(ライナー)見た目は僕が作った卵のシュニッツェルと同じだ。
すごい。
汁がこぼれるという悲劇まで同じだ。
悲劇の度合いでは日本の「がんもどき」には負けない黄金色の「がんもどき」が出来ました。
シュニッツェルのスープおいしそうでしたよね。
実際にちょっと似てましたしね。
惜しかった。
実際食べてみたいですよね。
食べたいです。
どれが食べたいと思いましたか?私はシュニッツェルのスープが頂きたいなと思いました。
そば使ってるやつもありましたからね。
おいしそうだったね。
カラフルでね色も。
…という事で日本人なら気になるそばを使った「がんもどき」作っちゃいましょう。
プロの方にお越し頂いております。
料理研究家林幸子先生です。
(一同)よろしくお願いします。
まずは先生どういう事から?緑色のソースありましたね。
あれを作っていきたいと思います。
まず牛乳を煮詰めた鍋にグリーンピースとバターを入れ更に煮詰めます。
その間にホースラディッシュをすりおろすのですが…。
ホースラディッシュほらこんなでしょ。
こういうふうな…。
おちゃめな林先生のジョークはさておきホースラディッシュをすりおろします。
どれだけ辛いか林先生が教えてくれるそうです。
ガリッとはかわいそうだから。
はいあ〜ん。
ああ〜!
(吉木)ハハハッやばい。
ちょっと。
おろしたてほんとすごい香り来るんだけどどんどん香りが落ちていっちゃうので。
だからおろしたてがいいよというのが…。
ありがとうございます。
おかげで伝わりましたものね。
次にくん製豆腐をすりおろすのですが今回は水切りした豆腐とスモークチーズで代用します。
スモークチーズは小さい方がスモークの香りがより強く感じられるそうです。
すりおろしたスモークチーズそしてつぶしたお豆腐を牛乳を煮詰めた鍋に入れます。
鍋を火から下ろしすりおろしたホースラディッシュを入れます。
ハンドミキサーでかき混ぜながら更にマッシュポテトを加えれば緑のソースの完成です。
次にガチョウの風味がするというそばを作ります。
約5分ゆでたそばにしょうゆお酢そしてごま油を加えマリネします。
次にフライパンに大さじ1杯のピーナッツオイルを入れ薄く切った大根を炒めます。
ここで香りやって来たね。
(澤部)そうですね。
ここで来た。
ピーナッツオイルの香ばしさに林先生大喜び。
そしてテリヤキソースを大さじ1杯加えマリネしたそばも投入。
軽く炒めたらそばのガチョウ完成です。
いけるかな?おっ上手。
やってますね。
はい出来上がり!オーストリアのイケメン兄弟が妄想した「がんもどき」。
かくして新たに誕生した日本料理があなたの食卓へ。
がんも!それでは早速…。
(一同)いただきま〜す。
(吉木)これは新しい。
う〜ん。
おいしいこれ!うめぇ!これはうまい!ほんとおいしい。
ガチョウからもう程遠いです。
「ガチョウの感じは?」なんてカンペ出してんじゃない。
遠いよ。
見りゃ分かるだろ飛んでったわ。
人口およそ270万。
活気あふれる町台中。
最近伝統的なある料理がヘルシーだとブームになっているとか。
料理人歴23年の陳さん。
働くのは「素食」。
肉や魚を一切使わない精進料理のお店です。
これは大豆の加工品を豚肉っぽく味付けした「肉団子もどき」。
タロイモと生湯葉を使ってタイに見立てた「煮魚もどき」。
肉や魚そっくりの味を作り上げるのが台湾の精進料理の得意技なんです。
これは「がんもどき」期待できそうです。
お〜「ガチョウもどき」をエリンギで作った事があるんですね。
でも陳さん1つ気になるヒントがあるようです。
陳さん昔を思い出させてごめんなさい。
ブルーになった陳さんお店の外へ。
向かったのはなぜか駐車場。
ここに何があるんですか?えっ悲劇の材料?冷凍庫の中で何かを選んでいます。
お店に戻った陳さん手にしているのは何ですか?これは素魚といって湯葉などを使って白身魚の味を出した精進料理の食材。
でもこれがなぜ悲劇の食材なんでしょうか?ベタベタになった揚げ物。
確かにささやかな悲劇です。
切り始めたのは素魚。
中の白い部分は生湯葉しいたけエノキトウモロコシの粉を混ぜ合わせて作ってあるんです。
これを小麦粉にまぶして油で揚げます。
見た目では分かりませんが本当に白身魚のような味がするんですって。
続いてはガチョウの代わりに選んだエリンギ。
細長く切っていきます。
その細長く切ったエリンギを素揚げ。
同じように細長く切ったパプリカも一緒に揚げていきます。
素揚げしたエリンギとパプリカ今度はごま油しょうゆで炒めていきます。
台湾の精進料理は肉や魚料理と変わらないぐらいこってりと仕上げます。
ベジタリアンじゃない人でも満足できるようにだとか。
では盛りつけです。
揚げた素魚をお皿に載せトウバンジャンがベースのこってりしたたれをかける。
その上に炒めたエリンギ。
仕上げにシャンツァイを載せて完成です。
トウバンジャンのちょっと辛いたれがからまったエリンギはまさにガチョウの味と食感です。
更に素魚と食べるとガチョウと揚げた魚を一緒に食べているかのよう。
陳さんお店のオーナー一家に試食してもらいます。
あっそれだけですか?陳さんあえて変えたのに…。
悲劇です。
ともあれ台湾の精進料理の奥深さを感じる「がんもどき」でした。
舞台は再び台中。
訪れたのはかわいいマークが目印のお店。
このお店の料理長のさん。
台湾の人はガチョウが大好き。
専門店がいっぱいあるんだとか。
では「がんもどき」を妄想してもらいましょう。
ガチョウの味を知り尽くしているさんどうします?やっぱりキノコできましたか。
さんが足を運んだのは近所の市場。
一直線に向かったのは八百屋さん。
手にしたのは…。
しいたけの食感と鳥肉の食感。
キュキュッとする感じが似てるかも。
では調理開始。
まずはしいたけ。
ステーキの下ごしらえのように塩こしょうをふんだんにまぶしていきます。
そして中華鍋で焼いていく。
裏表満遍なく火を通していきます。
火を通すとジューシーになってちょっとお肉っぽくなってきました。
焼き上がったしいたけは細かく刻みました。
でもおいしそうです。
続いて取り出したのはトマト。
不思議な切り方をしていますね。
水分の少ない皮だけを使うようです。
続いてはなんとマンゴー。
完全に熟しきっていない歯応えの残るマンゴーです。
しいたけやトマトと同じ大きさに刻んでいきます。
更にキウイも登場。
これも同じ大きさに。
今度はレタス。
これは円く切りました。
最後にたれ作りです。
しょうゆレモン汁砂糖ごま油いわゆる中華ドレッシングですね。
さあ盛りつけです。
レタスに同じ大きさに刻んだ食材を載せていきます。
確かに熱いものと一緒だとレタスがベチョッとしますよね。
悲劇です。
最後に特製のたれをかけて完成です。
しいたけと果物のサラダ仕立ての「がんもどき」。
塩こしょうの利いたしいたけはモチッとした食感。
そこにジューシーな果物のほのかな甘みと酸味が加わります。
レタスでくるんで食べれば摩訶不思議。
全体がガチョウの味に変身です。
試食するのは店長さん。
ガチョウの味にはうるさいですが…。
ほんとにガチョウの味するんでしょうか?すご〜く気になりますよね。
…というわけでスタジオに持ってきちゃいました。
最初に出てきたトロピカル「がんもどき」でございます。
彩りきれいだね。
手で食べるものらしいのでどうぞ皆さん。
(一同)いただきます。
あっおいしい。
さわやか。
一瞬来るんですけどねガチョウが。
一瞬前に。
文化と文化が出会った時ワッハッハッと笑う余裕があればおいしい発明生まれます。
皆さんも是非ワッハッハッとクッキング!「妄想ニホン料理」また来週お会いしましょう。
ワンアン!番組のホームページに投稿された動画です。
船で釣りをしていた男性が見つけたのは…。
2014/12/19(金) 02:00〜02:30
NHK総合1・神戸
妄想ニホン料理「本物よりもガーンとくる がんもどきの巻」[字][再]

日本料理をまったく知らない海外の料理人が、簡単なヒントだけを頼りに作ったら?生み出される、奇想天外・抱腹絶倒なニホン料理の数々!今回のお題は「がんもどき」!

詳細情報
番組内容
日本料理をまったく知らない海外の料理人が、簡単なヒントだけを頼りに作ったら? 生み出される、奇想天外・抱腹絶倒なニホン料理の数々! 今回は「がんもどき」。与えられるヒントは「味が雁(がん)に似ている」「肉や魚をつかわない」「時に悲劇を呼ぶ」。これにオーストリアと台湾のシェフが挑戦! 出来たのは果たして…? まったく新しい、がんもどきの誕生だ。新感覚の異文化クッキング・バラエティーを召し上がれ!
出演者
【出演】澤部佑,吉木りさ,【司会】清水ミチコ,栗原類

ジャンル :
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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