突然ですがこの物体最高価格3,800万円というのですが一体何だと思いますか?臭っ!臭っ!実はこれ世界一高価なキノコ。
世界一高価なキノコには人をとりこにする魔法の力があるらしい。
やって来たのは美食の街ミラノ。
いや〜すごいすてき。
不思議なキノコの秘密を探るのは…6歳で子役としてデビュー。
最近では妖艶な大人の女性を演じる事が多くなりました。
もう既に映画の中に入ったようなそんな気分になれるぐらいすごくて…。
正直高いキノコってピンと来ませんでした。
でもあのマリリン・モンローがほれ込んだと聞いて興味が涌いたんです。
どんなキノコなんだろう?
ふだん私たちが…日本人が普通に食べるキノコはシメジだったりエノキだったり大体1房99円とかねまあ100円前後だったりするので。
今回のキノコは世界最高額3,800万円ですよ。
すごいですね。
全く想像つかないのでそれがかなり楽しみですね。
早速美食の街の市場で世界一のキノコ探し。
野菜もいっぱいあります。
見て見てこれ。
大きい!これズッキーニかな?分かります?これ。
あっ!すごい大きいキノコがある。
もしかして?すごい大きい!分かります?この大きさ。
お〜格好いい。
初めまして。
ボンジョルノ。
ああ何かすごいグレープフルーツみたいなの…。
グラチェ!私は世界一高いキノコを探しに来たんですけれどもここにありますか?
(通訳)これが一番高い。
これはいくらですか?あの〜イタリアに3,800万円で落札されたキノコがあるって聞いたんですけどそれご存じですか?世界で最も高価なキノコの名はトリュフ。
フォアグラキャビアと並んで世界3大珍味の一つ。
小さく削って料理に添える高級食材の王様です。
日本で一般的なのはこの黒トリュフですが今回のお目当ては白トリュフ。
白いダイヤと呼ばれ人の手で栽培する事が難しい幻のキノコなのです。
イタリアの人たちにとってどんなキノコなんだろう?グルメの街でも高根の花だった白トリュフ。
売っているのはごく限られたお店だけ。
わっ!いい匂いがする!訪ねたのはミラノきっての高級食材店。
店に並ぶのは食通のモニカさんが自らの舌で選んだ美食の数々。
ここなら出会えるかも。
わ〜もう何かインテリアショップに来たぐらいすてきな。
わっ何かすごいショーケースに入ったものが。
これだって一番高いのでこれは…1,600ユーロって。
え?1,600?20万!この20万円のキャビアよりも高いキノコって一体…。
えっこれ?これが?大きい!え?これ…これがキノコ?これで40万?わ〜!白トリュフ最大の特徴はその香りにあります。
すごい。
何だろう?嗅いだ事ない香りがする。
何に例えたらいいんだろう?これは。
嗅いだ事ない香りなんだよな〜。
何だろう?
う〜ん…あえて例えるならニンニクバターそしてガスを足したような不思議な香りでした
ついにやって来ました。
ではお味は?すごい生のお肉だ。
運ばれてきたのは牛肉のたたき。
白トリュフの魅力を味わえる最高の組み合わせだとか。
気合い入っちゃって何かまくっちゃった腕。
わ〜えっ?こんな薄くするんだ。
白トリュフを生のまま削って振りかけるとその香りが肉の臭みを消し芳醇なうまみを引き出します。
う〜ん。
う〜んおいしい。
ちょっとこの白トリュフだけ…。
うん…味はそんなに感じないです。
でも味も香りと同じ味がするので…。
日本で例えたらかつお節みたいだなって思っちゃいました。
薄ければ薄いほど多分かつお節も香りが立ったりとかすると思うんですよね。
う〜ん香りだけで味がない?それでもこの小さな白トリュフ1個8,000円。
不思議なキノコですね。
確かに香りのためのものに8,000円ってすごい事だなと思います。
白トリュフが世界一高価なキノコとなったのは2007年にギネス世界記録に認定されたからです。
その時ついた値段はなんと一塊3,800万円。
どんなキノコだったのか世界記録の持ち主を訪ねました。
あっかわいい!チャオ。
かわいい〜!女の子に誘われるがままについていくと…。
その先に世界最高額のトリュフのレプリカが。
これが実物大。
大きさは通常の10倍以上1.3キロもあります。
イタリア史上最大の白トリュフでした。
(笑い声)すごい…信じられないですね。
これがだってキノコに見えないですもん。
もうここまでになると。
7年前この巨大な白トリュフはイタリアのオークションに出品されました。
ロンドンやマカオとも中継が結ばれ世界の大富豪たちが激しい争奪戦を繰り広げます。
史上最大の白いダイヤを我が物にしようと入札額はどんどん上がっていきました。
落札したのは中国の大手ホテルチェーンの経営者。
3,800万円の巨大トリュフは150人の晩餐会でお披露目されました。
サヴィーニさんのもとには世界中から取材が殺到。
一躍有名となり経営していたトリュフの加工食品会社の売り上げも右肩上がり。
次々と新製品を開発し続けています。
白トリュフには一獲千金の夢があり人を動かす不思議な魔力があるんです。
莫大な白トリュフマネーに沸く街があるらしい。
田舎町な感じになりましたね一気に。
あっ!ブドウあった!これ全部ブドウだ。
食べ物がおいしそうだなっていう気配がしてきましたよね。
フフフ!ミラノから西へ150キロ。
人口3万のアルバ市は世界一の白トリュフの産地です。
すごいねいいですねすてきな感じ。
ミラノとはまた全然違うんだけどでもすごい好きだなこっちの雰囲気。
街には白トリュフの店がずらり。
あっすごい本当にいろんな形があるんですね。
あっでも結構やっぱりそれなりに高いですね。
だって小さくても4,000円ちょっとか4,500円ぐらいですか?このジャガイモみたいな感じが…。
黒は同じぐらいの大きさだと…あっ全然違う!全然違う!でも10分の1ぐらい違うかも。
そんなに違うんだ。
全然違いますね。
あっこんな露店みたいな感じでまたトリュフが売ってますよ。
ほんとトリュフの街なんだなっていう感じがします。
こんなフランクな感じで売ってるんですもんね高級品が。
それってすごいですよね。
トリュフの街ならではのこんなものも。
わ〜グラチェ。
グラチェチャオ。
チャオ!何かもう色が白トリュフ色。
香りがすごい!何とも言えない味…。
独特の香りに引き寄せられ世界中から観光客がやって来ます。
天然物しか採れない白トリュフは傷みやすく鮮度が命。
これだけ数がそろうのも産地ならでは。
その香りを生かした加工食品が観光客の人気を集めています。
わ〜すごい。
いろんな加工品もありますやっぱり。
ピュアトリュフクリーム。
へえいろいろありますね。
オリーブオイルにトリュフを浸したものだよ。
ああこれすごくチャレンジしやすそうですね手軽に。
このトリュフ入りの塩も人気だね。
(通訳)白トリュフが入ってる塩が一番売れてるそうです。
へえ〜。
わあ!すごいいい香りがする!アルバ産の白トリュフは特にその香りが鮮烈だといわれているのです。
すごい新鮮。
持ってみていいですか?初めて持つ。
ああ冷たい冷えてる。
全然キノコじゃないみたいほんとに。
わ〜すごいいい香り。
何かね…。
オーマイゴッド!高いですね〜やっぱり。
それは見た目とかで判断するんですか?やっぱり白トリュフで一番価値の高いものは香りなんですか?香りで決まるんですか?へえ〜。
実は白トリュフの値段はちょっと変わった方法で決められています。
夜明け前。
路地裏で人目を避けるようにひそひそ話し合う男たちの姿が…。
どうやら白トリュフの品定めをしている様子。
何だか怪しげなにおいが…。
この日インタビューに応じてくれた男性は自ら採った白トリュフを売りに来ていました。
白トリュフは市場に出回る事はほとんどなくその場での駆け引きで値段が決まっていくのです。
恐る恐る出会った男性にお願いしてみた
取り引きで出会った男性が快く取材をOKしてくれた
トリュフ狩り歴50年のベテランハンター
もちろん初めてです。
ほんとに?もうプレッシャーかかったぞ。
森へ行こう。
トリュフハンターは免許制で収穫できる時期や場所が決められています。
アルバだけでトリュフハンターの数は4,000人。
いいトリュフを見つけられるかは時間との勝負。
夜明け前に山へと向かいます。
(通訳)よろしいですか?はい!愛犬ジョッリがエツィオさんの相棒。
黒トリュフの場合は豚を使うのが一般的です。
でも豚は見つけたトリュフを食べてしまう事があります。
より貴重な白トリュフでは訓練された賢い犬が欠かせません。
何か神秘的な感じがしますね。
エツィオさんこの日は許可されたある森に狙いを定めていました。
ジョッリ。
もう探してるような感じに見えますね。
へえ〜もうだって目つきが違うというか。
ジョッリが探す間エツィオさんはひたすら離れて見守り続けます。
そう。
なるほど。
白トリュフが生えるのはブナやポプラなどの木の根っこ。
しかしどこにどうやって生えるのかはいまだ謎のまま。
地中数十センチからかすかに香るあの匂いだけが手がかりです。
だからこそ人間の100万倍という犬の嗅覚が頼り。
「チュッチュッ」っていうのがかわいいですよね。
白トリュフ狩りはさながら森に眠る宝探し。
一日中探しても見つからない事もあります。
狩りを始めて1時間たったその時。
尻尾で違うんだ。
おお〜。
おお〜!フフフフ!かわいい。
あるかな?あっ!わ〜採れました!エツィオさんいわく8,000円ほどの値がつく上物らしい。
強い。
う〜んおいしそうな香りがします。
掘ったあとエツィオさんは穴を丁寧に埋め始めます。
白トリュフは一度見つかった場所の近くでまた生える事が多いとの事。
目印をつけず自分だけの秘密のポイントとして覚えておくのです。
エツィオさんは100年続くトリュフハンターの末裔です。
収穫できるのは9月下旬から12月までの3か月だけ。
ここで白トリュフを見つけられるかどうかに家族の一年の生活が懸かっています。
ちょっとじゃあハンター同士の戦いみたいなのがあるんだ?トリュフハンターであり続けるためにはある大事な仕事があります。
それは子犬を優秀なトリュフ犬に育てる事です。
ああ香りします。
うん。
白トリュフの小さなかけらを隠し匂いだけで探させます。
犬は生まれながらに白トリュフの香りが好きな訳ではありません。
ゲーム感覚で匂いを覚え込ませていきます。
難易度が高めですね。
でも集中力が切れて遊び始める事も…。
あっ!トリュフを食べてしまいました。
でも見つけたのでご褒美。
まずは好きになってもらわないと。
こうした地道な訓練を毎日続け一人前のトリュフハンター犬になるには3年かかるといいます。
やっぱりコミュニケーションが大事なんですね。
この日採ったトリュフを使ってとっておきの料理をごちそうしてくれる事に。
妻のクレリアさんは家計を支えるためにレストランを開いています。
トリュフハンターたちが代々受け継いできた料理だとか。
(通訳)じゃあいいですか?はい!白トリュフをかけるのは熱々の目玉焼き。
シンプルですがこれこそ白トリュフの香りを一番楽しめる一品。
エツィオさんが子どもの頃母親によく作ってもらったメニューだそうです。
うん。
う〜んボーノ!何か白トリュフ本来の香りがより引き立つ。
やっぱりシンプルな料理だから。
今でこそ高級品の白トリュフもかつてはごく一般的な食べ物だったのです。
ではどうして白トリュフは世界一高価なキノコになったのか?その秘密を知る人物を訪ねました。
ボンジョルノ。
ボンジョルノ!ボンジョルノ。
アルバで生まれ白トリュフと共に育ってきました。
あの値段的には高く最初から売っていたのか…。
(通訳)すごく安かった。
ああ1キロ…。
フランチェスコさんの父ジャコモ・モッラさんこそ白トリュフを高級食材に押し上げた張本人です。
今は豊かなアルバも80年前は貧しい農業地帯でした。
目立った特産品もなく大都市に出稼ぎに行くため家族が離れ離れになる事も多かったといいます。
街のリーダーだったモッラさんは白トリュフが放つ独特の香りがこの街を救う武器になると考えました。
1929年モッラさんはトリュフ祭りを開催。
採れたての白トリュフを露店に並べその香りをアピールする場を作りました。
更に毎年白トリュフを有名人や映画スターに次々とプレゼント。
影響力のある人たちにこの不思議な香りを表現してもらおうという作戦でした。
香りのとりことなったマリリン・モンローは周りにこう語ったとか。
白トリュフの香りはどうしてここまで人を引き付けるんだろう?その香りに取りつかれ調べている人がいると聞いた
あっかわいい!猫がいる。
すごい守ってる感じ。
レティツィアさんとジョルダーノさんのカップル。
トリュフに関する自慢のコレクションがあると見せてくれた
ありがとうございます。
わ〜!えっすごい。
何かアトリエみたいですね。
ここにもトリュフがあるしこれもトリュフの形だしここにトリュフがあってここにもトリュフがありますね。
え〜面白い。
うん女性の絵。
エッチな感じですね少し。
アハハハ!すてきでもかわいいすごいこれは。
すごいキュート。
何だか色っぽい絵ばかりだなあ。
ああ「ポパイ」!イエス。
「トリュフ」って書いてあってここにトリュフが描いてある。
そう媚薬。
トリュフは男と女の仲を取り持つ不思議な力があると信じられてきたんです。
その始まりはギリシャ神話にまで遡ります。
全能の神ゼウスがある女性と結ばれた時愛の結晶としてトリュフが生まれたというのです。
ジョルダーノさんも白トリュフの不思議な力を感じた出来事があります。
それは15年前の事。
ジョルダーノさんは彼女のレティツィアさんとトリュフのイベントで出会いました。
2人でトリュフ料理を作るうちに引かれ合い自然と一緒に住むようになったのです。
今でもトリュフの香りを嗅ぐと出会った頃の記憶が鮮やかによみがえり相手をよりいとおしく感じるといいます。
白トリュフを食べて幸せになったりカップルで食べたとしたらその高揚感で媚薬といわれているのかな。
そういう魔法をかけてくれるような力があるんじゃないかっていう事なのかなとは思いますね。
もしそれが本当ならばたくさん嗅いでたくさん食べたいなと思って。
27歳でねもう30手前なので。
白トリュフの不思議な力。
それはどうして生まれるんでしょうか?この研究室では白トリュフの遺伝子を解析しています。
実は白トリュフはキノコ類の中で最も複雑な遺伝子構造を持っていました。
まだ解明途中で謎に包まれているものの一つだけ分かった事があるといいます。
10月アルバの街で恒例の白トリュフ祭りが開かれました。
モッラさんが始めてから今年で84回目です。
チャオ!チャオチャオ!チャオチャオチャオ!今日はトリュフをやっぱり求めてやって来たんですか?年に一度街じゅうが白トリュフ独特の香りに包まれるひととき。
その香りに引き寄せられ訪れる人は10万人。
世界最大の白トリュフイベントに成長しています。
アルバの人々はこの白トリュフの香りに思い出を重ね合わせて暮らしてきました。
(取材者)グラチェ!本当にちょっとのぜいたくを楽しむっていうそのちょっとの幸せっていう家族の思い出とか恋人との思い出の特別なものにしたいっていう時に白トリュフを食べたら幸せになれるっていうのはそういう事なのかもしれないですね。
記憶に残る日によりできるという力がもしかしたらあるのかもしれないですね。
トリュフハンターのエツィオさん。
祭りの時期に楽しみにしている事があります。
それは孫のジャコモくんが訪ねてくる事。
ボーノ。
母の味であるあの目玉焼きと白トリュフ。
今年の香りはどんな思い出を刻むのでしょうか?そろそろ孫にもトリュフ狩りの相棒を贈ろう。
エツィオさんはそう考えています。
2014/11/27(木) 02:15〜03:05
NHK総合1・神戸
地球イチバン「世界一高価なキノコの秘密」[字][再]
1個3,800万円!?白いダイヤと呼ばれ、神をもとりこにする魔性のキノコとは?ミラノにアルバ、イタリアの美しい街を舞台に、世界で最も高価なキノコの謎に迫る!!
詳細情報
番組内容
1個3,800万円!?白いダイヤと呼ばれ、神をもとりこにする魔性のキノコとは?今回のイチバンは、世界で最も高価なキノコとして世界記録に認定された白トリュフを徹底取材!キャビア、フォアグラと並ぶ、世界三大高級食材のひとつ。どうしてそんなに高いの?香りは?味は?どうやって見つけるの?謎だらけの白トリュフには、ある不思議なパワーが…。イタリアの美しい街を舞台に、知られざる神秘のキノコの謎に迫る!!
出演者
【ナビゲーター】役所広司,【旅人】黒川芽以
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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