(テーマ音楽)
(松平定知)イギリス王室の古い歴史を語るこの城はまた残酷な悲劇の舞台でもありました。
イギリスの首都ロンドン。
この地にイギリス王室が開かれたのは11世紀中ごろのことです。
その最初の王ウィリアム1世がテムズ川沿いにまず木造の要さいを築きました。
要さいはその後王宮となり歴代の王によって増築されます。
大小13の塔を持つ城はロンドン塔と呼ばれるようになりました。
ホワイト・タワーは最初に造られた石造りの建物です。
しっくいで白く塗られ王宮としての輝きを放っていました。
誕生以来イギリス王の住まいだったロンドン塔。
しかし400年を経て残虐な歴史の舞台に変ぼうします。
16世紀に入って絶対王政を築いたヘンリー8世は別の所に館を建てロンドン塔を監獄にしました。
当時裁判所があった…。
ここでヘンリー8世は自分に逆らう者たちを反逆者として裁かせました。
そしてテムズ川からロンドン塔に送りました。
船から入る門は「トレイターズ・ゲート」「反逆者の門」と呼ばれていました。
この門をくぐると二度と生きて出られないと言われ難攻不落の城さいは脱出不可能な監獄となったのです。
拷問が容赦なく繰り返され自白を強要させられました。
身分の高い者たちが幽閉された部屋。
壁には彼らが刻んだ文字が残っています。
囚人のほとんどが王侯貴族や僧侶たちの政治犯でした。
処刑を前に書き残した言葉です。
「生きているなら死んだ方がましだ」という絶望の言葉です。
ロンドン塔の処刑場です。
処刑は斧で行われ死刑執行人はマスクを被っています。
悲劇の女性アン・ブーリンはヘンリー8世の2番目の妻でした。
最初の王妃が男の子を産まなかったため王はアンに求婚したのです。
離婚を禁じたローマ・カトリックに逆らい国の宗教を変えてまでの結婚でした。
アンは女の子は産みましたが待望の男の子を流産してしまいます。
怒った王は新たな妻をめとろうと企みアンに姦通罪や反逆罪などの罪を着せてロンドン塔へ送ったのです。
アンはわずか18日間の拘留の後斬首されます。
処刑場には今記念碑が建ちここで処刑された者たちの名が書かれています。
王妃アン・ブーリン。
29歳でした。
アンが残した女の子はその後エリザベス1世として即位。
世界に冠たる大英帝国を築くこととなるのです。
2014/12/11(木) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ロンドン塔〜イギリス〜」[字]
血塗られた古城 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
血塗られた古城 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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