・「なつかしい人々なつかしい風景」・「その総てと離れてもあなたと歩きたい」・「嵐吹く大地も嵐吹く時代も」・「陽射しを見上げるようにあなたを見つめたい」・「麦に翼はなくても歌に翼があるのなら」・「伝えておくれ故郷へここで生きてゆくと」・「麦は泣き麦は咲き明日へ育ってゆく」
(英一郎)僕が扉開けたら技師長がうずくまってて「あっまたやってしもうた」って。
(政春)「鼻が〜鼻がもげてしもうた」言うて。
(笑い声)
(エリー)それでどうなった?工場長が「もげるほど鼻はなぁわ」って。
そうじゃほうじゃ。
ハハハッ。
今日は英一郎のおかげでのうええ麦汁が取れたんじゃ。
英一郎大活躍?ほうじゃ。
大活躍じゃ。
いや僕はただ現場で感じた事をそのまま言うただけで…。
工場長や技師長の厳しい指導のおかげです。
英一郎大変。
2人とも怖いでしょ?はい。
せやけどものすごい尊敬してます。
(俊夫)バカタレ!そがなもんばっかり見とってどうするんじゃ!
(英一郎)造り酒屋の蔵人やった技師長の物の見方捉え方それはほんまにすごい。
うん。
お坊ちゃまの言われとったのはこの辺りじゃ。
麦汁の質でウイスキーの出来は決まる。
へじゃ3番なら同じ透明度でろ過を早める事ができるかもしれん。
本には決して書いてない実際に現場で経験を積んで培った感覚を毎日教えてもろてるんです。
日本の酒造りもウイスキー造りも支えとるんは職人の技と粘りじゃ。
はい。
僕も職人になりたいと思いました。
おお…。
工場長や技師長のようにものづくりを極める仕事をしてみたいと思てます。
僕もスコットランドに行って一から本場のものづくりを学んでみたいと思てます。
スコットランド?はい!おおそりゃええ。
いつか一緒に行ってみたいのう。
工場がうまい事回りだしたら時間がとれるかもしれん。
のうエリー2年後か3年後3人でスコットランド行ってみようか?うん…3人で。
3人で一緒に行こう。
おいどした?あれ?何で…?分からない。
ごめんなさい。
英一郎もちろんスコットランド一緒に行こう。
ねっ。
はい。
あれ?ハハッ。
何で?ごめんなさい。
日本初のウイスキー工場誕生に向けて鴨居商店の熱気が高まってきました。
(紺野)宣伝文の候補があがってきました!
(鴨居)おお。
(黒沢)「山崎に始まる日本初ウイスキー物語」。
あかん!次。
おい磨け磨け!ポットスチルに初めて火がともるお披露目会まであと一月。
マッサンの指揮の下急ピッチで準備が進んでいます。
どけどけ!邪魔じゃ邪魔じゃ!おお〜!お披露目会間に合わんど!おっ中村!
(中村)はい!ええピートじゃ!
(中村)はい。
よっしゃ!
(鼻歌)
(戸をたたく音)・
(鴨居)邪魔するで。
(戸が開く音)
(戸が閉まる音)どうぞ。
おおきに。
こない大変な時にマッサンを馬車馬みたいに働かせてしもうてほんまに申し訳ない。
大丈夫。
英一郎とマッサン毎日元気。
2人を見てたら元気になる。
ほんまか?はい。
大将。
ん?分かってた?マッサン元気になれば私も元気になる。
かなわんな〜。
まるで嫁はんや。
嫁はん。
わての嫁はんみたいに何でもお見通しや。
どんな人だった?え?教えて。
英一郎のお母さんどんな人?う〜ん…優しい嫁はんやったな。
ハハハッ…やめとこやめとこ。
どうして?エリーちゃん聞き上手でかなわんわ〜。
もうちょっとで素っ裸にされてしまうとこやった。
大将…英一郎の前で裸になって!え?お母さんの事話してあげて。
エリーちゃん…。
まだウイスキーの入っていない空の樽も鴨居の大将のアイデアで並べられる事になりました。
やっぱりこの方が見栄えがする。
受付はここにしよ。
(一同)はい!
(俊夫)何が見栄えじゃ。
余計な仕事増やしてくれてから!宣伝のためじゃ。
わしら職人は見栄えのために働いとるんじゃなぁですで!中身で勝負じゃ中身で!のう?英一郎!はい!ボサッとしとったらひいてしまうど!どけバカタレが!威勢がええやないか!あ〜結構結構!坊も何や顔つきが変わられましたな。
そうか?はい。
そっち押さえて。
あ〜すいません。
よし。
よっしゃもうちいとじゃ!
(戸が開く音)お〜すまんすまん待たせてしもうて。
私外で待ってます。
あ〜構へん構へん。
2人ともおってくれ。
どないや?工場長助手の仕事は。
いろいろと勉強させてもろてます。
おもろいか?僕は職人になります。
職人?工場長や技師長のようにものづくりを極める職人を目指します。
なるほど。
(英一郎)ウイスキー造りに携わります。
工場の操業が軌道に乗ったらスコットランドまで修業に行きます。
そうか…。
お母さんも喜んでくれるな。
え…?
(鴨居)英一郎お披露目会の日はお母さんの命日や。
メイニチ?奥様が10年前に亡くなられたその日です。
あっ大将…偶然やと思ってました。
お父さんが命日を覚えてるはずないと思ってましたから。
どうしてもその日に報告したかった。
報告…?
(鴨居)あのころちょうど太陽ワインを売り出す時でな。
わてはお母さんに言うたんや。
「太陽ワインの発売は日延べしよう思てる」て。
「お前の病気が治ってからにする」て。
そしたらお母さん「あかん。
アッと驚かせてくれるんやろ。
あんたの夢がかなったらうちは必ず元気になるから。
約束する」て。
約束する。
わてはお母さんとの約束信じてがむしゃらに働いた。
そやけどお母さんは…ようなる事はなかった。
覚悟も決めたんやろな。
「堪忍な」て…。
「もっともっと…一緒に夢みたかったけど堪忍な」て。
「英一郎たちの事よろしくお願いします」て。
「もう何言ってんのや!もうすぐ太陽ワインも出来んのやで!」。
そしたらお母さんビックリする事言いおった。
「太陽ワインが終わりと違う。
あんたの夢はもっと大きいはずや」。
日本中をアッと驚かせてくれるんやろ?「日本中をアッと驚かせるんやろ?」て。
そない言うて…逝ってしもうた。
お母さんがわての夢を支えてくれた。
わてはいつも2人分夢を追いかけてるんや。
最後の最後までわてを信じてくれたお母さんの分までな。
わてはやっと日本中を驚かせる事ができる。
何で今まで…一度も言うてくれなかったんです?すまん。
言えなんだ…。
お前が一人前の男になれば分かってくれるやろと自分に言い訳してきただけや。
ほんま…すまんかった。
お父さん。
やってみなはれ!お父さん…。
(鴨居)アホ!男は人前で泣くもんやない。
(泣き声)
(鴨居)ほんまに…ほんまに大きなったなお前。
泣くなアホ!生字幕放送でお伝えします2014/12/19(金) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 マッサン(71)「冬来たりなば春遠からじ」[解][字][デ]
エリー(シャーロット)は鴨居(堤真一)に心を裸にして英一郎(浅香航大)と話をするよう懇願する。二人が話す瞬間(とき)が訪れ、鴨居は妻との約束について語り出す。
詳細情報
番組内容
お披露目会に向け急ピッチで準備を進めるマッサン(玉山鉄二)。一方、エリー(シャーロット)のもとに鴨居(堤真一)が訪ねてくる。自分に元気を取り戻させるためにマッサンを工場の作業に戻したという鴨居の真意に気付いていたエリーに、自分の死んだ妻を重ねる鴨居。エリーは鴨居に心を裸にして英一郎(浅香航大)と話をするよう懇願する。そして、二人が話す瞬間(とき)が訪れ、鴨居は妻と交わした約束について語り出す。
出演者
【出演】玉山鉄二,シャーロット・ケイト・フォックス,八嶋智人,浅香航大,志賀廣太郎,堤真一,濱田マリ
原作・脚本
【作】羽原大介
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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