きょうの料理 手作りするならこの1品!「達人10人の特選正月料理」(3) 2014.12.10


(與芝)今年はおせちどうしよう?手づくりは大変だし買って済ますのも気が引ける。
(後藤)そんなあなた。
今年は一品入魂。
「これぞ」という1品だけでも手づくりして新年を迎えませんか?そこで「きょうの料理」今年のレギュラー陣10人が競演。
3日目のトップバッターは栗原はるみさん。
自慢の1品は母から教わったまろやかでコクのある「なます」です。
家族の過ごした時間がちょっとよみがえる感じ。
西部るみさんは得意の中国料理で。
白身魚をカラリと揚げて漬け込む「中国風マリネ」はさっぱりと上品。
おつまみにも最適です。
どういうお酒にも相性がいいようにというふうに考えました。
洋風料理を教えて60年。
真崎敏子さんは毎年自慢の「ローストビーフ」で新年を迎えています。
だ〜い好き。
やっぱりこれはないとちょっと物足りないかなという感じがしますけれども。
ああ…たまりませんねこれね。
そしてこの人。
谷原章介さん。
プロから学んだ技を生かして極上の「雑煮」を披露します。
4人の達人自慢の正月料理。
皆さんどれを手づくりしましょうか?まずは栗原はるみさんの「母なます」から。
家族に大好評で毎年欠かさずに作り続けているそうです。
私の実家でず〜っと受け継いできた「なます」なんですけど。
お母さんの味ですか?じゃあ。
おばあちゃん母私です。
今度娘息子とかね。
あ〜すごい。
(栗原)大根とにんじんを細いせん切りにします。
ここで塩をしますね。
こっちもしますね。
で10分ほどおきます。
よく混ぜて。
水けを絞るんです。
あっなるほどね。
これ油揚げなんですけどもうお湯にサッと通して油抜きをしてあります。
でこれがですねここはちょっと我が家の…。
ここ細く切りますね。
(アンディ)回りを切り落とす。
切っちゃいま〜す。
(栗原)でこれ広げま〜す。
(アンディ)あ〜きれいに。
完全に開いちゃうんですね。
(栗原)開いてしまってこれをこそげるんですよ。
お豆腐だもんねこれね。
お豆腐のこの部分を使うんですよコクとして。
(アンディ)へえ〜!細かいですね。
(栗原)結構取れるでしょ。
取れますね。
(栗原)でここを半分に切りますね。
(アンディ)ちょっと驚きましたねこの作業は。
へえ〜。
白ごまはもういってあります。
これをすります。
あんまり力入れないんですよ。
全然力入れてないですね。
(栗原)それを速くやる…こういう感じ。
力入れてないですよ全然。
力入れるとこれほんとにベトベトになるまでやんないといけないのでなんか嫌になっちゃう…疲れちゃう。
ごまが楽しくなると億劫じゃなくなるんですよ。
でも必死でやってる時は何だかちょっとつまらない。
(アンディ)すごい!こうなるんですね。
さっきのこそげた油揚げの中の…。
(アンディ)足して。
(栗原)ここで…。
(アンディ)お酢から。
(栗原)先に大根入れますね。
(アンディ)にんじんもだいぶ絞ってますね。
おお〜。
せん切りにした油揚げは干ししいたけと共に甘辛く煮ておきます。
煮汁が少なくなるまで煮てそのまま冷まし味を含ませてから最後に加えてよ〜く混ぜ合わせます。
(栗原)酢の物なんですけどごま味のちょっと甘いようなコクがある…。
いつもおせちは三日は必ず食べるので必ず次の日にちゃんと味を確かめて味を付け直して下さい。
どうしても大根とにんじんからお水が出ちゃうので。
(アンディ)そうかそうか。
いつも気にしてもらいたいです。
おせちはず〜っとお手伝い毎年してたのでなんか思い出深いですよね。
うちの母にいろいろ教えてもらったりしてたから。
家族の過ごした時間がちょっとよみがえる感じ。
ん〜!おいしいでしょ?フフフ…。
これおいしい。
おいしいでしょ。
(アンディ)食感もしっかり残ってて。
それはよく水切りしてるから。
(アンディ)さあはるみさんの「母なます」出来上がりです。
(栗原)皆さん是非作って下さい。
アンディも。
おすすめ…あっやります。
おさらいです。
油揚げの裏側を包丁でこそげいってからよくすったごまと合わせるのがポイントです。
その一手間が母の味なんですね。
さて続いては西部るみさん。
「白身魚の中国風マリネ」です。
たっぷりの野菜を合わせて味付けもさっぱりと。
おせちとは目先が変わる1品もうれしいですよね。
そうですよね。
従来の中国料理のマリネというのは酸味と甘みが強いんですね。
そうすると例えばお正月の時にビールもあり日本酒もありワインもありっていうようなちょっとパーティーですとか皆さんが集まられた時にいろんなお酒を出すっていうような場合にお酒に合いにくくなってしまうんですね。
どういうお酒にも相性がいいようにというふうに考えました。
今日はひらめを使っています。
ひらめの場合こういう状態にさく取りされたものを買ったら切ります時にあまり小さく切らないで…。
揚げるとかなりお魚のサイズが小さくなりますので大きめにカットなさって下さいませ。
そうしましたら塩をふりますが普通に軽くふって頂ければ…こういう感じです。
水分が浮き始めてきますのでそれを効率よく取るようにこうペーパーで挟むような感じ。
これで1時間ほど…。
その間に他の材料を準備してもらいます。
漬け汁はだしを利かせ酸味と甘みは控えめに。
合わせる料理や飲み物を選ばない優しい味付けです。
う〜ん。
柚子の搾り汁ですか。
これは香りも良さそう。
そうなんですよね。
さあ続いては野菜。
まずにんにくと花椒を弱火でじっくり炒め香りを十分にたてます。
ここは中国料理風ですね。
…を炒めます。
これは彩りもいい。
漬け汁が温かいうちに漬け込むと味がしみこみます。
そして魚の仕上げ。
こしょうをふってから強力粉をまぶし揚げていきます。
これで揚げるんですが一回ではなく二度揚げます。
初めちょっと触らずにおきまして表面が白くなりましてから軽く中を返します。
この時はとにかくお魚の中まで火が入る事が一番ポイントなので時々中を返しながら油の泡がだんだん少なくなってきて中で軽く動くぐらいになりましたら大体もうこれで火が入ってるという感じ…。
そうしましたらこれで一度目を引き上げていきます。
紙をこう置いたような上でまず一回出して頂いて。
ここで一気に入れます。
音が全然違いますよね。
それでここではもう中をあまりグラグラッとかき回さずにちょっとこういうふうに色がつけばそれでOK。
魚の油をよくきっていくんですね。
表面もちょっと押さえ下も…。
これをしておくとマリネに漬けた時に油っぽくならないんです。
熱いうちにまず加えて頂いて先ほど入れておきました野菜をからめて頂きます。
ラップで覆うと満遍なく味がしみこみます。
お正月の定番のおせちっていうと割合に重いんですよ。
そこを軽くさっぱりサラダ感覚で召し上がれるっていう意味でも野菜をたっぷり使って頂くと意外に目先は変わるかもしれないなと思っております。
酸味と甘みを抑えて柚子の香り高く。
ん〜どんなお酒に合わせようかな〜。
それ考えるのも楽しみですよね。
続いて真崎さん特製の「ローストビーフ」!なんと60年間作り続けてきた正月料理なんです。
えっ!60年間!?はい。
しっとり柔らかくみんなが喜ぶそうですよ。
へえ〜!ローストビーフは家族で暮らしていたイギリスで覚えた味。
以来お正月に欠かせない料理となりました。
本場の味なんですね。
おせち料理は和風の味ですのでこれが1品あると何ていうかやっぱりこちらの方に手を伸ばしてくれる子供たちも多いもんですからやっぱりこれはないとちょっと物足りないかなという感じがしますけれども。
孫たちにも作り方は伝授したいなと思ってます。
まず牛肉の下ごしらえからしましょう。
牛肉を入れます。
ヒレ1kgというところがこんなです。
そしてここに野菜を入れます。
マリネをするんですね。
この野菜のいい香りを移すという事それから肉が熟成しておいしくなるという事そして柔らかくもなります。
ここにシェリー酒を入れますとシェリーの風味が付くんですね。
とっても爽やかな感じがしてしかしどこかに甘みがほのかに残って肉料理には全部合うんですね。
特に牛肉に合います。
肉をこうやってちょっともみます。
このまま3時間ぐらい放置します。
これは冷蔵庫に入れたりしないでね。
焼く時に中が冷たいとなかなか全体が均一に焼けないんです。
中まで均一に…室温にしとくとすぐ焼けますので。
マリネした肉はこれです。
すっかり野菜がしんなりして特にたまねぎなんかこうやってうまみがみんな出ている感じになっています。
下にちょっと敷いてこれから塩・こしょうをするんです。
塩を早くしますと肉汁が塩によって引き出されてしまって肉が締まってしまうんです。
かたくなりますので焼く寸前に塩をします。
ではオーブンに入れます。
170℃で40分になれば何にもしなくても自然に焼けてるんです。
途中で気にして見なくても大丈夫。
このままで焼いて下さい。
あっおいしそうに焼けましたね。
うわ〜!もうすぐにでも食べたいですね。
う〜ん!ですけど駄目駄目。
すぐには頂けないんですよ。
切るのは冷蔵庫で十分冷やしてからなんです。
あ〜そうなんですね。
でも肉汁が全然出てきませんでしょ?これは冷えたから肉汁がまた肉の線維の中に…組織の中に戻っているわけです。
中に十分含まれててジューシーな肉になっているという事です。
肉を焼いたあと天板に残った肉汁はうまみたっぷり。
こそげてソースにします。
スープの素を補い鍋で煮立てます。
紙タオルでこして…。
こちらも決め手はシェリー酒の風味。
ここに粉ゼラチン。
電子レンジで煮溶かしてソースに混ぜればとろみのあるソースの出来上がりです。
あ〜ほんとトローッとしたソースなんですね。
ちょっとお化粧。
見た目も美しいし肉にからみやすいんですよ。
なるほど。
ゆでたじゃがいもやいんげんクレソンをたっぷり添えて出来上がりです。
更にホースラディッシュを添えれば本格的な味わいが楽しめます。
ああ…今度こそほんとにもうすぐにでも食べたい!ですよね。
決め手はシェリー酒。
作り方は漬けて焼くだけで意外とシンプルです。
これは特別な日のごちそうに是非覚えたいですね。
最後は谷原章介さん。
「ザ・男の食彩」で学んだ技を生かして作るのはその名も「ザ・雑煮」。
ふっくらジューシーに仕上げた鶏肉とうまみたっぷりのだしが味の決め手です。
毎月プロの味に迫ってきた谷原さん。
今回雑煮に生かしたのは親子丼の達人に習った鶏肉の持ち味を最大限に引き出すテクニック。
あ〜ありましたね。
どんなふうになるかしら?そして世界に名をはせる日本料理の達人に習った極上のだしのとり方と日本料理ならではの美しい盛りつけの技。
いや〜これはどんなお雑煮になるのか期待できそうです。
鶏肉のももとむね肉両方使っていきたいと思います。
やっぱりもも肉っていうのはうまみが出やすいんでとても使い勝手がいいといいますか。
まず皮を取っていきます。
そして余計な脂を落としていきます。
この脂にも雑味等がありますからここは結構大胆に取っていきたいと思います。
次はむね肉ですね。
むね肉はどうしてもかたくなってしまってボソボソとしてしまうイメージがあるんですけれども今回はジューシーでふっくらと仕上げていきたいと思います。
もも肉むね肉両方とももみ込んでいきます。
しばらくもみ込むと今足したこのお酒が全て鶏肉が吸ってくれて水けがなくなりますのでその状態までもんだら10〜15分ほどおいておきます。
まずきちんと下味を付けてなおかつふっくらと…。
特にむね肉の方に火を入れる。
これがポイントになると思います。
そのためにまずこの沸いたお湯。
こちらに小さじ1のお塩と大さじ1のお酒を入れます。
で再度沸騰するまでちょっと待ちましてこの鶏肉を全部入れていきます。
ここで火を止めます。
あとは余熱で加熱していきます。
こうする事によってむね肉に火が入り過ぎずふっくらとした仕上がりになります。
続いてはもう一つの主役のおだしをとっていきたいと思います。
まず羅臼昆布。
やっぱ羅臼昆布はとても上品で味わい深い濃いおだしが出るという事でした。
まず1〜2時間ほどお水の中に入れておいた昆布。
それを20分ほどもう既に煮てあるものがあります。
昆布を引き上げていきたいと思います。
いや〜見事なきれいな昆布ですね〜。
これを温度を大体85〜90℃まで上げていきます。
このフツフツとしてきた中にたっぷりと大きく一つかみ。
ドーンと。
そして一つかみ半ほど入れていきたいと思います。
ここでこの温度85〜90℃で1〜2分間ほど決して煮立たせないとこもポイントなんですね。
どうですか皆さんこのきれいな黄金色。
ああ…たまりませんねこれね。
さあこうしてもう一つの主役のおだしがとれました。
やってるうちにぼちぼち鶏の火が通ってきましたかね。
ああ〜いい感じに火通ってるんじゃないんですか。
ちょっと見ていきましょうか。
やっぱ余熱で火を入れますと鶏肉はかたくなり過ぎないんですよね。
いいんじゃないんですか。
とってもジューシーに仕上がってますね。
ではここからいよいよおだしに味を付けていきたいと思います。
うん。
おいしいです。
まず角餅。
角餅を置きましてここにむね肉。
そして鶏もも肉。
フツフツとなったおだしを注いでいきたいと思います。
「ザ・雑煮」完成でございます。
う〜ん!ちょっと濃いめの味付けにしたんですけれどももともとのおだしがいいのでとてもおいしく感じます。
そしてもう一つのポイントの鶏肉をいってみますね。
まずパサついてかたくなりやすいむね肉から。
う〜ん!もうとっても柔らかくてジューシーで中から鶏のうまみがよく出てきます。
お雑煮これまではつゆの中にそのまんま鶏肉を入れまして食べる度にあっため直していたのでもうすぐにかたくなり過ぎてしまってたんですよ。
でも今回盛る時に器の中で合わせる事によって鶏肉がかたくなり過ぎる事がない進化版のお雑煮が完成しました。
是非皆さんも作ってみて下さい。
うん。
シンプルなお雑煮ですがプロから学んだ技が光ってましたね。
そうなんですよね。
鶏肉の扱いだしのとり方覚えておくといいですよね。
はい。
それでは皆さん。
手づくりの正月料理を1品でも作って…。
(後藤與芝)よいお年を。

(テーマ音楽)2014/12/10(水) 21:00〜21:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 手作りするならこの1品!「達人10人の特選正月料理」(3)[字]

おせちを手作りするのは大変だが、せめて一品だけでも手作りして新年を迎えてみては?番組のレギュラー陣10名が、手作りするならこれ!という一品を紹介する特集最終日。

詳細情報
番組内容
栗原はるみさんは、母から習ったその名も「母なます」を紹介。大根とにんじんのなますを油揚げの裏面をこそげ、すりごまと合わせたあえごろもであえる。西部るみさんはホワジャオを使った「白身魚の中国風マリネ」。どんなお酒にでも合うさっぱりした味わい。真崎敏子さんは、イギリスで覚え、長年作り続けている「ローストビーフ・シェリー酒風味」を。谷原章介さんは「ザ・男の食彩」で覚えたプロの技を生かし「ザ・雑煮」を披露
出演者
【講師】料理家…栗原はるみ,料理研究家…真崎敏子,料理研究家…西部るみ,谷原章介,【語り】後藤繁榮,與芝由三栄

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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