=?ISO-2022-JP?B?GyRCTiU6J0pbOG47Ti02IUElTyVzJTUlYCUmITwlXiVzIUEhISF0IzAjNiFaRTczJE00NHUhITZMOzNFNEZzISEkWyQrIVsbKEogMjAxNC4xMS4yNw==?


(亜紀)も〜つや子さん王様ゲームとかしたがるんだもん。
逃げちゃったじゃないですかイケメンたち。
(つや子)だ〜ってもう一回やってみたかったんだもん。
(三神)これ
(貴子)《・『君の瞳に恋してる』》
(つや子)でもさよかったじゃない貴子。
うっとり見つめ合っちゃって。
いや別にわたしは…。
次はいよいよデートですね?ハハ…きっちり決めなきゃね。
まぁ大体3回目までが勝負よね。
3回目!?
(亜紀)大人の男と女ですから二人っきりで3回会ってそれで食事だけだったら後はフェードアウトですよ。
そんな!?いつの間にそんなルールが?フフフ…デートはこれから。
楽しみね〜。
あっ!占ってもらおう二人の将来。
えっ!?
(つや子)あのおっちゃん当たるってよ。
ちょっとやめてよ。
わたし占いとか信じないんだから。
もう未来を占うのは大事なことなんだから。
そうそうそうそう。
もういいのわたしは。
あなたいってらっしゃいよ。
(亜紀)あっじゃ一つ。
ちょちょ…ちょっと何よ!お前じゃないの!わたし最近合コン運悪いんです。
(つや子)合コンなんていいわたしねあのうまい団子の店にあわないんですけども。
(亜紀)そんな手相で分かるわけ…。
(つや子)団子団子団子の店!団子の店!団子の店!
(手相見)あの…。
(つや子)あんたは!あんたはいいの!
(貴子)あっあ…。
すいません。
(三神)先日はどうも。
あっどうも。
(三神)なるほど…。
「不倫というのは肉体関係の有無。
しかも一回だけなら不貞行為とは認められにくい」あ…あくまでも継続的な肉体関係が必要なんです。
不貞行為を立証するには。
(三神)でも一回だけでも燃えるような恋はあるわけでしょ?そうですよね…。
法律は明快だけど人間はそんなふうに割り切れないんじゃないかな。
まあね…。
(三神)ウチの雑誌でもいちばん人気は占いコーナー。
人間は案外そういうあいまいなものにひかれるんじゃないかな。

(編集者)編集長!
(三神)うん?うん。
ちょっとすいません。
ぐぁっ…疲れた。
わたしとしたことが目も合わせられない。
燃えるような恋かぁ…。
恋って体力いるのねえ。
過呼吸になりそう。
(三神)よろしくお願いします。
(美晴)2時間で何話せんのかしらね?
(三神)ハハ…参ったなぁ。
じゃあスケジュールが出しだいこちらから連絡差し上げます。
(美晴)ええお願いします。
(三神)お願いします。
じゃあ。
(三神)ごめんなさいお待たせして。
今の方作家の馬渕美晴さん?うん。
よく雑誌に出てらっしゃる方ですよね?うん。
おしゃれなエッセーとか書く。
それより先生。
知り合いがイタリアンの店オープンしたんですよ。
よかったら今度一緒に行きませんか?仕事抜きで。
どうです?今度の木曜日あたり。
第1ラウンドゴング鳴りましたよ〜。
(ベル)
(大介)はい!
(大介)こんにちは。
(絵里)占い師を訴えたい!?
(和夫)はい。
(大介)占いで離婚を切り出されたっていうんですか?奥さんから。
そうなんです。
(大介)えー米田さんは区役所にお勤め。
8年前に高校の同級生であった奥さんと結婚されたんですよね?ええ。
(大介)ところが3年ほど前から奥さんはある占い師に凝り始め生活のすべてを占いで決めるようになり。
(絵里)ついには今のご主人と別れないと運が開けないと言われ和夫さんは離婚を切り出されたと。
占いに凝るようになってから生活がむちゃくちゃなんです。
方角が悪いとかって何度も引っ越したり。
(大介)和夫さんとしてはその占い師を訴えたいと?そのインチキ占い師を訴えて女房の目を覚まさせたいんです。
僕は離婚なんかしたくないんだ!
(大介)随分まじめそうな旦那さんでしたね?この依頼は受けられないわ。
えっ?
(絵里)占いを信じるのは個人の自由。
奥さんが脅迫されたってことでもないかぎりどうやって相手を訴えるの?いや…それはそうですけど。
3回目…。
3回目までが勝負か。
(絵里)大体この奥さんって年いくつよ?いい年して占いにはまるなんて。
早く。
早く見てください。
(手相見)うーん…。
大きいわこの手。
分かってますそれは。
恋愛運。
(手相見)ああはいはい。
うん?えっ?
(手相見)あっ!?あっ?すごい結婚運出てるよ。
ホントですか?ほらここ。
う…分からない。
ここほら!あんた結婚するよ。
あんたこのままゴールインだよ!うーんそうだねえ結婚する年齢はね34だね。
くっきり出てるもん結婚線が。
わたし35なんですけど。
はい?
(貴子)占い師を訴える!?奥さんから占いで離婚を切り出されたご主人がさっき依頼に来られて。
(絵里)依頼は受けない方向です。
訴えられる材料は何一つありません。
(亜紀)おなかすっきり東方美人茶です。
ありがとう。
うわっ化粧濃いね。
今週から合コン強化週間なんで。
はっ?
(亜紀)占いの先生からもっと合コン増やしたほうがいいって。
今日もこれから。
またあんなもの信じちゃ…。
じゃちょっとあのすいません。
支度するんで。
(大介)ああ…。
まったくもう。
とにかく受けない方向でいいですね?ちょっと待って。
この奥さん米田美晴さんって何してる人?フリーのライターとか言ってましたけど。
ねえ米田美晴って作家の馬渕美晴のことじゃないの?
(紀三郎)ああ…。
あのテレビでよく見る?確か同級生の公務員と結婚したって話題になってたもの。
おきれいな方ですよね。
そうですか。
ご主人公務員だったんですか。
えっそんな人が占いにはまって離婚を?ねえこの占い師調べてみて。
何か訴えられる不法行為がないと何とも言えないわ。
(大介)はい。
もしこの占い師がインチキだったら奥さん…馬渕美晴さんも目を覚まして離婚を考え直すかもしれないでしょ。
時間の無駄です。
依頼人の利益が第一です。
(つや子)ねえねえ…。
やめたほうがいいわよ今回ばっかりは。
どうしてです?だってさ占い師って有名な人は変なこう念力とか持ってたりするでしょ?呪われるわよ下手なことすると。
(祈とう)ん…また何バカなこと言ってんの。
やめたほうがいいって。
またそんなくだらないことをね。
(つや子)そんなことない…。
あっ!?うわぁ!?
(大介)ちょっと…停電!
(つや子)あっ!あ〜っ!ああーっ!・
(靴音)うわーっ!ああーっ!うわーっ!あーっ!あーっ!あーあ…。
(紀三郎)落ち着いてください。
ブレーカーが落ちただけです。
あー怖かった。
(柳田)あんたのほうがよっぽど怖いわ。
(ベル)
(大介)でもこんなのは…初めてですよね?
(つや子)の…の…呪いよ。
うるさい。
占い師の呪い。
(柳田)うるさいよ。
うるさい。
占い師の…呪い?・
(テーマソング)
(古池)えー?馬渕美晴さん?どなただったかしらねえ。
ウチには何千人もお見えになりますからね。
あ…作家の…。
作家?あっああああ…あの方。
それで?馬渕さんに離婚を勧められたとか?ああそうでしたねえ。
それが?
(大介)ちょっと先生。
何であんなにあっさり引き下がるんですか?
(絵里)見料…占い代自体は1回1万円。
問題あるとは言えないし。
何か不当に高いものを占い師に買わされた。
あるいは明らかに常識の範囲を超えた脅迫を受けた。
なんて事実もない。
まっ人殺しをしろと命ずれば殺人の教唆唆した罪に問えますがね。
離婚をしろと命じても離婚は犯罪ではありませんからなかなかやっかいな案件ですな。
(柳田)まあ奥さんが占いを信じてる以上訴える材料はないですね。
(亜紀)どうぞ。
(柳田)ありがとう。
どうぞ。
(柳田)華やかな作家が占いにねえ。
信じらんねえな。
うんっうう…。
(紀三郎)ダーッ何ですか?これは。
ユッケジャンスープです。
朝からこんなもん飲めっかよ!?
(亜紀)だって今日はユッケがマストアイテムだって占いで。
どんな占いだよ!?お前!
(カメラのシャッター音)
(絵里)お話をする前にどうして奥さんが作家の馬渕美晴さんだってことを隠してたんですか?
(和夫)そ…それは女房は人気商売なので。
イメージが壊れたらって。
弁護士には守秘義務があるんです。
依頼人のことをほかに話したりはしませんよ。
はぁ…。
(絵里)占い師のところに行きました。
離婚を勧めたことは認めてますがそれ自体は不法行為には当たらない。
奥さんが信じてる以上訴えようがありません。
(和夫)いえそっそんな。
(絵里)そもそも米田さんは奥さんの目を覚まさせて離婚を思いとどまらせたいんですよね?だったらもう一度奥さんと話し合いをされるしかないですよ。
あの…奥さんの話聞いておかなくていいんですか?
(つや子)うーん難しいわねえ。
まあランチを食べにいくっていってもとりあえず1回目のデートはデートでしょ?まっあんまり派手な服装してても張り切ってるみたいだし。
それは避けたいな。
(つや子)うーん…。
あっそうだ!ねえねえねえねえ。
ねえこれで決める?ウチにあったのよ。
もうメチャクチャ当たるんだからこの占い本。
もういいって占いは。
もう当たるんだってば。
えーっとえーっとあんたはえーっと44年生まれのさそり座でしょ。
もういい。
血液型はO型。
もういいって。
いいから当たるんだってば。
えーっとラッキーアイテムは「つばの付いた帽子」だって。
なあんでランチ食べに行くのにつばの付いた帽子かぶんなきゃいけないのよ?当たるんだってば!知りませんってもう。
《・『君の瞳に恋してる』》
(女)何してるの?行くわよ。
見ちゃダメって言ったでしょ。
あれー帽子かぶってるんだ?ふだん。
うん。
あっこれ?ウフッ好きなの。
オホホ…。
おっきいよね。
えっわたしが?帽子が?アアハ…。
帽子…も。
も?割合…なんつって。
アハハなんつって。
あっ何か頼もうか?はい。
エヘヘ…。
ヘヘヘ…。
(貴子)うんっ話は変わるんだけど作家の馬渕美晴さんって三神さんの担当?馬渕美晴?そうだけど。
うん編集部で見かけたもんだから。
うん。
彼女の好きな映画についてしゃべってもらってそれをまとめて本にするっていう企画の打ち合わせ。
ふーん。
小説じゃないんだ。
うん。
彼女の小説好きだったのになぁ。
うーん…。
最近書いてないなぁ。
まあ女の作家でなまじかわいかったりすると雑誌やテレビで適当なことしゃべってればお金になっちゃうからね。
(秘書)この後14時からCX「F2スマイル」コメンテーターで台場。
えーその後ホテルロイヤルで30代独身キャリア向けのトークショー。
終わりしだいシャネルのオープンパーティーです。
(美晴)はぁ…びっしりね今日も。
(秘書)よろしくお願いします。
(美晴)占いの古池先生訴えるってあの人が?何勝手なことを。
(絵里)待ってください。
もう一度ご主人と話し合われたらどうですか?
(美晴)もういいの。
わたし別れるから。
「別れろ」と脅されたんじゃないですか?占い師に。
何言ってんの。
そんなことあるわけないでしょ。
わたしの意思。
離婚するというんですか?ご主人より占いのほうが大事だと?当たり前じゃない。
(車のエンジン音)疲れた…。
どうだった?うん。
あの何となく普通にしゃべれるようになってきたかなって。
何中学生みたいなこと言ってんのよもう。
でっ?ねえ進展はあったの?次は?第2ラウンドはいつ?今週は校了とかいろいろあって忙しいからまたこっちから電話するって。
ああああ…もう試合終了ですかぁ。
これかぶってったの?うん。
でも何か三神さんちょっと苦笑いしてたような。
あっ。
うん?これ去年のだわ。
(絵里)美晴さんは占い師の言われるがまま方角が悪いと言われては引っ越しを繰り返すなど完全に信じ切っています。
だけど占い師には不法行為は見つけられない。
まっその状況じゃ占い師訴える材料はないな。
奥さんは離婚したいと?はい。
だから方針を切り替えて離婚の際ご主人がどれだけ慰謝料などを取れるか計算しましょう。
まあ奥さんからの一方的な離婚だし収入も圧倒的に奥さんのほうが多い。
満足できる額取れるはずです。
ちょっと待って。
ご主人は離婚したくないって言ってるんでしょ?占い師を訴えられない以上ご主人にも離婚の方向で話を進めたほうが現実的です。
(つや子)そうよ。
ねえもうやめようよ。
その占い師にたたられるって。
(一同)うわ〜っ!
(大介)また停電!停電!
(紀三郎)ブレーカー上げてきま〜す。
(貴子)「平成2年文壇の登竜門である山王文学賞を『夏の果実』で受賞。
以降は主にエッセーやテレビのコメンテーターとして活躍」か。
トークショー1時間のギャラ200万だって。
そんなおいしい仕事して何ではまるかねえ占いなんかに。
たもっちゃん。
たもっちゃん?大庭保さんだから。
たもっちゃん今日みけんのシワいつもよりうねってる。
おなか痛い?
(大庭)いいえ。
たもっちゃんさ占いとか信じる?占いはあんまり。
丁半ばくちぐらいしか。
アハハ…。
それ占いじゃないよたもっちゃん。
占いかな?
(佐野)「馬渕さんありがとうございました」
(中村)「ありがとうございました」
(美晴)「ありがとうございました」
(佐野)「『F2スマイル』またあした」
(スタッフ)はい放送以上になります!お疲れさまでした!
(中村)お疲れさまでした。
ありがとうございました。
(佐野)お疲れさまでした。
ありがとうございました。
お疲れさまです。
佐伯と担当してます間宮です。
(美晴)だから占いにいくのは勝手でしょ。
あの人のほうこそ別れるように説得してよ。
基本的にヒモみたいなもんなんだから。
ご主人は離婚を望んではいない。
ただそこまで奥さまが占いにはまっていくのを心配して…。
大きなお世話。
(絵里)そこまで愛情がないならどうして結婚されたんですか?アクセサリー。
(美晴)彼ね高校の同級生なの。
理科系のまじめな。
恋愛ものの得意なおしゃれな作家が高校時代のまじめな同級生と結婚する。
アハ…読者受けは悪くない話でしょ?ご主人のほうは?向こうだって愛情なんかないわ。
ちょっとは有名になりたかったんじゃない?さえない人生だから。
(絵里)今はご主人に愛情がない。
離婚の意思は固いと?言ったでしょ?彼ね小説なんか読んだことがないって人なの。
暇さえあればいい年して昆虫採集。
そんな人と話合うと思う?失礼。
(絵里)これでご理解いただけましたね?ご主人には離婚を勧めます。
もう既に財産分与の金額も本多君に検討させてます。
でも少なくとも彼は離婚を望んではいない。
何とか奥さんの目を覚まさせようと一生懸命よ。
「アクセサリー」とまで言われてるんですよ。
依頼人の利益が第一よ。
真実を知らせて旦那さんにも目を覚ましてもらって離婚することがいちばんの利益なんじゃないですか?
(貴子)占い師が怪しい!?美晴さんの財産分与の計算して分かったんですが美晴さん夫婦が住んでるマンション分譲だったんです。
つまり?
(大介)そう。
あの占い師に方角が悪いとか言われ3年で4回引っ越している。
これ賃貸じゃなくて分譲マンションを買い替えてたんです。
マンションなんて買った途端に値段が下がる。
それを繰り返してたら数千万単位で損が出るわ。
(大介)やっぱおかしいでしょ?これって誰かもうかるんですか?普通不動産の売買でもうかるのは売主マンションの持ち主ですな。
よし!相場より不当に高い値段で美晴さんに売られてないか売買契約書調べてみて。
(大介)分かりました。
マンションの売主の中にこの占い師がいて金もうけのために引越しを勧めていたと分かれば美晴さんも目が覚める。
離婚も考え直すわきっと。
(大介)いってきます。
よろしくね。
(紀三郎)いってらっしゃい。
(和夫)あっどうもすいません。
(大介)ああごめんなさい。
これが売買契約書ですが。
(大介)すいません。
はい。

(大介)これらの値段についてお伺いしたいんですが。
(社員)中野区。
(社員)はい。
(貴子)不審な点がない?ええ。
確かにこの3年で4回引っ越してます。
えー広尾白金代々木中野。
それぞれの相場から見て妥当な金額で売買されているしこれを見るかぎり売主と占い師である古池との間にも特につながりは。
そんな。
(絵里)何か不正な売買は見つかりました?では離婚に向けての話を進めていいですね?
(ため息)マンションのチラシが入ってた?引越ししろと言われた次の日に?ええ。
(和夫)でも不動産のチラシなんて毎日入ってるでしょ?
(大介)それで偶然あの占い師の言う方向にぴったりの物件があった。
以後対応のよさに気をよくした美晴さんはその不動産屋を使うことになった。
(和夫)はい。
毎回同じ不動産屋ってことですか?ええ。
(大介)いやでも毎回売買の仲介をしていたなら手数料も相当になるはずですよね?
(澤田)いやわたしもねおかしいなといつも思ってるんですよ。
引越ししたいからこの方角で探してくれと物件よりとにかく方角なんですよ。
ええ。
あっそうですか。
こちらが旦那さん?はい。
(大介)あのこちらでたびたび売ったり買ったりされてるんですよね?ええまあそれは商売ですからねえ。
あっそうですよね。
(澤田)あっそうそうそんときの資料ですね?ちょっと待ってください。
ちょっとはい。
えーっとどこだったかなぁ。
えー。
あっこれだこれだ。
いい人そうですね?
(澤田)えーっと。
えーっとちょっと待ってくださいね。
やっぱ見込み違いか。
おおこれきれいじゃん。
あっおかえりなさい。
ただいま。
(ため息)先生は?
(大介)ああ美晴さんのところに。
何しに?さあ?また何かのアドバイスですか?ほらあのときの親権問題みたいに。
(大介)「間宮先生へ」見たの?
(大介)いや違いますあの…。
目に入ってきたっていうか…。
(絵里)先生のハンコが必要なだけよ!ファンの方は本当に大切です。
あのエッセーの発売を皆さん心待ちにしてくださってましてで…お手紙とかメールよくいただくんですね。
(編集者)ええ。
(美晴)で…それを読ませていただくとあのわたしが何かこう提案してるっていうよりも…。
(美晴)また来たの?
(貴子)わたしもファンなんで。
(美晴)調子いい。
ホントに好きでしたよ。
小説「夏の果実」恋人の誠が最後自殺したときホント驚いたなぁ。
次回作はいつ?忙しいの。
用件は?ご主人は離婚を望んでおられません。
もう一度話し合われてみてはいかがですか?またそれ?とても奥さま思いのいいご主人じゃないですか。
あなたにも分かるでしょ?できる女に必要なのは女の価値を下げない男。
弁護士に相談するなんてそれだけで失格。
マスコミにばれたらどうするの。
ご主人は最初隠してましたよあなたのお名前。
占いにはまっていくのを見かねて何とかしようとしてるだけです。
わたしの財産が欲しいだけでしょ?もういいかしら?あと20分で銀座行かなきゃいけないの。
パーティーがあるから。
どうして占いを?小説を書かなくなったことと何か関係があるんじゃないですか?随分書いてませんよね?楽しみに待ってるのに。
そういえば書いてないわね。
いや書けないか。
知ってる?当たり前なんだけどね原稿用紙って何にも書かないと真っ白なの。
それが時々永遠に続く白い砂漠に見える。
(美晴)22でデビューして勢いだけで20代は駆け抜けた。
気が付いたらいつの間にか小説書けなくなってて。
(美晴)代わりにテレビやファッション誌の仕事が増えて。
そのうち何の職業か分からなくなった。
小説の書けない小説家。
なのにえたいの知れない仕事だけはある。
ここ抜け出せるんだったら引っ越しだって何だってするわ。
抜け出せたんですか?今はうすうすどこかおかしいなって思ってるんじゃないですか?大きなお世話。
もう一度占い師を調べ直せ!?どういうことですか?そんな暇はないはずですよ。
ほかにも依頼抱えてるんです。
だったらこっちを優先させて。
これ以上何をしろと言うんです?占いにはまってるのは本人の問題でしょ?
(つや子)ああーっ!
(紀三郎)またブレーカー上げてきます。
(柳田)懐中電灯。
馬渕美晴さんは小説が書けなくて悩んでたの。
占い師はそこにつけ込んだ可能性があるのよ。
同情してるんですか?あの人が自分と似てるから。
何ですって?だってそうじゃない。
どこが似てるのよ。
似てるじゃない。
何で…。
下からはやめてよ怖いから。
(つや子)ああーっ!分かりましたからくりが!
(大介)あれ?大ちゃん。
からくり?やはりあの占い師と売買を仲介して手数料を得ていた不動産屋は裏でつながっていました。
えー見てくださいこれ。
登記簿です。
(大介)これをまとめたものがこちら。
美晴さんが売買をしたそれぞれのマンション。
広尾白金代々木中野の過去の持ち主を調べると同じ名前が出てくるんです。
吉沢さん。
(大介)でっ新堂さん。
(紀三郎)なるほど。
何人か同士で同じマンションを売買し合ってたと。
そういうことです。
この人たちは?聞き込みました。
えー実はみんなあの占い師の信者だったんです。
(柳田)要は占い師に方角が悪いからと引っ越しを勧められた何人か同士でグルグルと転売を繰り返していたと。
そのつどこの澤田不動産には仲介手数料として売るのに3パーセント買うのに3パーセントの手数料が入っていたと。
信者同士はお互いに全くそのことを知らないんです。
えー澤田不動産の商業登記簿を取りました。
取締役に古池秀雄。
あの占い師の旦那です。
占い師と不動産屋がつながっていた。
どうして分かったんです?ランの花です。
ラン?
(大介)あの占い師のところに行ったときに置いてあったのと同じランの花が不動産屋にもあったんです。
(大介)恐らく株分けされたものでしょう。
図鑑で調べました。
何か珍しい種類だったんで助かりました。
やりましたな!
(大介)はい。
これであの占い師訴えられますよね?まだ無理ね。
証拠が足りない。
占いで引っ越しを勧めてそのとおりのチラシを入れるという証拠をつかまないと。
(紀三郎)う〜んなかなかやっかいな案件ですなぁ。
どうですかね?誰かを潜入させてテープをとるというのは。
それしかないですね。
誰が?なるべく弱って見える人がいいね。
生活苦でボロボロになってて。
体のしんからにじみ出る不幸を表現できる人。
この人しかいませんね。
あなたは随分と不幸を背負ってらっしゃるのね。
嫁いだ先がもうとんでもない家で。
旦那は酒乱で酔っちゃ殴るけるの毎日。
姑は私を家畜のようにこき使い。
旦那の連れ子は引きこもりで家庭内暴力。
おまけに今年100歳になる舅は今でもわたしをやらしい目で。
出てますよ。
えっ?あなたの住んでる方角が悪いのね。
(つや子)そっそうなんですか?
(古池)そう。
だからねあなた今のマンションに…。
(古池)「住んでいるから運気が悪いの。
そこじゃあこれからますます不幸になるわ」
(つや子)「どうすればいいんですか?」
(古池)「今のウチから南東の方角。
5階建て以上で南向きの部屋に引っ越せば不幸から抜け出せるわね」
(つや子)次の日入ってたポストに。
やったわね。
いやぁさすがだわつや子さん。
すばらしい。
こういうことやらせると右に出るもんないね。
(亜紀)当たってましたね占い。
な〜んか釈然としないんだけど。
とにかくこれで向こうに当たれるから。
(つや子)「南東?」
(古池)「そう南東の方角ね」
(古池)「移ればパーッと雲の合間から光がさすように運気が開けますよ」まだ続けますか?登記簿に載ってる人たちはすべてあなたの占いを受けている。
仲介した澤田不動産の役員にあなたのご主人の名前があるのを商業登記簿で確認しています。
あなたが不動産屋と組んで悩んでいる人たちをだまし引っ越しを繰り返させていたことは明らかですね。
こちらの米田さん以外の方たちもあなたを訴えたいと言っているので私どもの事務所で依頼を受けました。
今後は依頼者13人で闘う形になると思います。

(貴子)ご主人はあなたを信じてたんですよ。
多分…あなたが占いを信じてた以上に。
見えましたよご主人。
(美晴)愛想尽きたでしょ?
(美晴)占いにはまってバカなのは分かってる。
だけど…。
(美晴)もう書けないの。
(美晴)書けないんだけどわたし有名だし。
小説以外の仕事していると不安で不安でしょうがないの。
いついなくなっちゃうんだろうって。
(美晴)引っ越したら書けるような気がして。
ごめん。
あなたには分かんないよね?こんなこと。
(美晴)愛想尽きたらいつでも離婚届に判押すから。
「誠と出会ったのは8月のある日曜だった。
夏の日盛りの日を浴びて瑶子はぼんやり立っていた」第52回山王賞授賞。
「夏の果実」
(和夫)「蛍光灯に照らされた壁の写真を見るたびに8年前の冬を思い出す」第5回文学新人賞を取った「白い波」どうして?覚えてるさ。
僕が何十回と落選した賞を君が軽々と取っていったんだ。
初めて君の文章を見たときのことは忘れられない。
世の中才能ってもんがあるんだなってしみじみ感じたよ。
だから僕は書くのをやめたんだ。
どうして黙ってたの?小説なんか読んだこともないって。
(和夫)だってすぐ近くに小説に詳しいヤツがいたらうっとおしいだろ。

(和夫)君は才能あるよ。
ただちょっと今はついてないだけだ。
ああっ!
(和夫)何より僕は一生懸命机に向かってる君が好きなんだ。
(和夫)疲れたら休めばいい。
そのために僕がいるんだ。
また…書けるかな?決まってるじゃないか。
ありがとう。
大丈夫だよ君は。

(手相見)ああ〜いい奥さんになるよ。
ねえご主人もこれ出世も間違いない。
今の企業で絶対オッケー。
んっ?
(手相見)あっちょっと待ってね。
えーっと。
(貴子)今後この案件はあなたに担当してもらうわよ。
ボス弁の命令ならやりますがわたしにはあの人たちの気持ちは理解できません。
どうして?愚かだとしか思えないからです。
占いなんかで自分の人生決めるなんて。
愚かじゃない人間なんているのかな?あなたは今28歳で仕事もバリバリこなして怖いものなしかもしれない。
だけどいつまでもその勢いだけじゃいられないと思う。
そうですか?走り続けてふっと疲れて何かに頼りたくなる。
それが占いだったとしても誰も責められない。
わたしには分かりません。
(大庭)あのこれ昔使ってたものなんですが。
赤のカードが出ればラッキー。
黒のカードが出ればアンラッキーだといってました。
我々の業界では。
よかったら。
あっ!
(大庭)お二人とも赤。
おめでとうございます。
すご〜い。
あっ。
あれっ全部赤じゃ〜ん。
(紀三郎)いや〜よかったですな。
一件落着。
まあこれからが大変ですけどね訴訟が。
まっ何にせよたたられなくてよかったわよね。
フフフ…。
ああ〜っ!
(柳田)うるさいよまただよおい。
(紀三郎)ブレーカー上げてきま〜す。
何だよこれ。
呪いはまだ続いてんの?ねえ?ちょちょっと脱げてるからこれ脱げてるから見えてるから。
(紀三郎)ああ〜っ!
(柳田)うわぁちょっと!ちょっと変な音が聞こえませんか?
(柳田)えっ?
(つや子)何っ?変な音…。
(つや子)早く早く…。
(柳田)押すなよ!ちょっと早くしなさいよ。
ちょちょっと。
(つや子)ねえちょっとうなり声よ。
おトイレからだよ。
(つや子)ちょっと早く早く。
(柳田)分かってるうるせえな。
うわっ!
(ドライヤーの音)
(つや子)ああ〜っ!
(柳田)いやもういいよ。
何考えてんのよ!はいっ。
合コン仕様の髪形にするためにシャワートイレのコンセントを抜いてドライヤーを。
どうりでブレーカーが落ちるわけだ。
いやはや…。
今後10年合コン禁止!
(亜紀)えーっ!それだけはおねげえします!
(貴子)いつまでもその勢いだけじゃいられないと思う。
走り続けてふっと疲れて何かに頼りたくなる
(アナウンス)「1番目のメッセージです」
(大介)「あっあの大介です。
あの…ああいや。
いや。
またあしたから一緒に頑張りましょう。
では…はい」いっくら忙しいからって電話の一本ぐらいさ。
あ〜あ。
(ため息)
(車のブレーキ音)
(クラクション)先生!やっぱり先生だ!撮影の帰りにふと見上げたら先生そっくりな人がいたから。
そんな〜。
(三神)連絡したかったんだけどずっと缶詰めで。
ちょうどいい!これからドライブ行きませんか?第2ラウンドゴング鳴りました。
ねっ。
・『EVERY』2014/11/27(木) 15:53〜16:48
関西テレビ1
離婚弁護士

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