NHK高校講座 地理「ここに注目!中東」 2014.12.19


そして1922年にソヴィエト社会主義共和国連邦を誕生させた。
こんにちは中田敦彦です。
山田彩です。
地理の知識を身につけて世界を知る力を養っていきましょう。
世界の国や地域を巡る旅中国から始まってですね残るアジアはですね中央アジアと西アジア。
西アジアといえば今日のテーマ中東とほぼイコールだと思うんですけれども。
山ちゃんどんなイメージあります?確かに。
あとはニュースで接するのがやっぱり…ともかくまずは場所を確認しましょう。
よいしょ。
西アジアだけじゃないんですね。
そうですね。
北アフリカの方まで入ってますね。
そもそも西アジアなのに中くらいの東?どういう事なんですか?ちょっと難しいですね。
(内藤)お困りですか?あっ内藤先生。
この辺りにお詳しいですよね。
よろしくお願い致します。
西アジアって言ってるのは文字どおりこの辺りですよね。
つまりアジア大陸の西。
そうですね。
中で東っていうのは実はこの地域一帯を19世紀から20世紀の前半にかけて植民地として支配していたイギリスそしてフランス辺りから見た時に中の東というふうに言い方をするんです。
視点が違うんだ。
この地域全体の特徴とするとまず一つは乾燥している。
砂漠があったりね乾燥帯が多いという事。
それからもう一つ文化の面でいうとイスラームという宗教を信仰している人たちが多い。
似通ってるんですね。
なのでこの北アフリカから西アジアにかけてをひとまとめにして中東という言い方をするんです。
なるほど。
分かりました。
ではまず1つ目の特徴乾燥帯である事に注目して中東の人々の暮らしを見てみましょう。
中東はほとんどが砂漠などの乾燥帯。
人が定住できる所つまり都市ができるのは水が得られる場所に限られます。
例えば砂漠の外から流れてくる外来河川の近く。
トルコからペルシア湾に流れるティグリス川は代表的な外来河川です。
その中流に位置するイラクの首都バグダッド。
古代メソポタミア文明にまで遡る歴史を持ち中世にはイスラーム帝国の都になります。
交易の場として人々が集まる都市でした。
市内の市場スークを歩けば今でも当時の雰囲気を味わう事ができます。
砂漠を横断して交易に訪れる人々は財産を金などの貴金属として所有する習慣があります。
それらを扱う店のほかペルシアじゅうたんやドライフルーツの店などが軒を連ねています。
乾燥帯で水が得られる所もう一つはオアシスです。
アラビア半島のほぼ中央に位置するサウジアラビアの首都リヤド。
もともとは数万人が暮らす小さなオアシス都市でしたが現在では人口500万を超えるアラビア半島最大の都市へと変貌を遂げています。
人口が増えればその分多くの水が必要になります。
それを解決したのが潤沢なオイルマネー。
海水を淡水に変えるプラントを建設し海から数百キロ離れたここ内陸の都市まで運んでいるのです。
オイルマネーで経済が潤っているサウジアラビアでは教育費や医療費は無料。
社会保障も充実しています。
しかしちょっと困った問題もあります。
働かなくても優雅に暮らせるため職に就かない人が増えているというのです。
安定していて快適で勤務時間が短い公務員の仕事ならやってもいいですよ。
でもそれ以外の仕事は忙しいから嫌です。
石油関連以外の産業があまり発達していない事もこれからの課題となっています。
砂漠の都市は想像以上に豊かなんでしょうか?今ご覧頂いたのは石油によってもう巨額の富を得ているアラビア半島のサウジアラビアなどですのでそうですけど石油の出ない所は全く生活違いますけどね。
ただ黒い衣装をね女性の方が着てましたよね。
あれは夫以外には体の飾りになるようなもの…部分を見せないというそういう意味なんでああいう格好をしてるんですが中はど派手です。
そうなんですね。
金のお店にブレスレットというかね腕輪といった方がいいんですけどあれ売ってましたけど。
あれをね貯金代わりにこう腕に何本も何本も。
たくさんつけてるんだ。
腕のその量が残高みたいなもんなんですね。
歩く銀行です。
はぁ〜面白い。
中東の特徴としてもう一つイスラームを信仰する人が多いという事がありましたよね。
イスラーム。
イスラム教徒の事をムスリムっていうんですけどイスラム教徒の人たくさんいるんですがイスラム一色という訳ではないんですね。
この辺りにはですね神様は1人でとにかく絶対的な神様がいるという宗教。
これを…一神教のユダヤ教キリスト教を信じている人もこの辺りに暮らしているんです。
もちろん一番多分多いのはイスラム教徒だっていう事ですね。
世界全体に目を転じますとイスラム教徒の人口というのはおおよそ今の世界の人口の4人に1人ぐらいに近づいていると…。
4人に1人ってすごく多くないですか?そういう感覚はなかったですよね。
なかったです。
…って事はもっとイスラムの事を知らなくちゃいけないですね。
そうですね。
イスラムっていうのは「イスラームする」という動詞の意味なんです。
動詞?どういう動詞なんでしょう?これは唯一の神様に絶対的に従うというその神様が作ったルールに従って生きるんだと。
行いとしてそれを示す行動として示すという事がとても重視される。
中でもイスラム教徒ムスリムの人たちの大切な行いとして5つあるんです。
これを…それについては…。
はい任せて下さい。
VTRゴー行!五行。
トリプルGが…はい私は今京都に来ています。
ただいまの時刻は午前1時55分。
辺りは寝静まっているんですけれどもあそこだけ電気がついています。
(山田)ハロー。
(ナキーブ)あっハロー。
(山田)
部屋の主はナキーブさん26歳アフガニスタンからの留学生です。
こんな夜中に何をしているのかと言うと…
(ナキーブ)イエス。
ラマダーンなんですね。
イスラームの五行の一つ…
なので日の出前のこんな時間に食事をしておくんです。
とっても厳しい決まりですよね
ムスリムの彼らは断食をしている間もいつもどおり大学の授業に出席しています。
私だったらおなかが減って動けなくなっちゃうかも…
さて授業の合間ナキーブさんはトイレに…。
あれ?手や顔を洗って更に足まで!?
そしてすぐ隣の部屋に向かいました
オーケー。
こっちが…このじゅうたんみたいなのが敷いてある方がメッカの方向なんだそうです。
こちらの大学には静かに祈るための部屋があります。
五行のうちの一つ…
夕方日が沈むとその日の断食は終わりです。
私がお邪魔した日には大学主催の食事会が開かれました。
留学生たちが用意した郷土料理がテーブルを彩ります
ラマダーン月の1か月間日没後は毎日家族や友人などが集まって楽しく過ごします。
ごちそうが続くのでかえって太ってしまう人も多いのだとか
そしてもう一つはですねいろんな…
喜びをシェアする事は五行の一つ喜捨に通じる考えです
さて五行のうち3つまで紹介しました。
残り2つのうち1つは…
サウジアラビアなどこの言葉を国旗に記している国もあります
そして最後の一つが巡礼。
ムスリムは一生の間に一度は聖地メッカに巡礼する事が義務づけられているのです。
以上イスラームの五行について調べてみました
本当にすごい断食楽しんでるっていう印象でした。
意外ですよね。
断食って何か苦行のような感じだけれども。
私もそういうイメージだったんですが。
実はこの断食についてもですね妊娠をしている女性の方それから病気の方それから旅をしている最中の人は…。
昔ね砂漠を旅してる時に水を飲まないと死んでしまいますのでそういう人たちは断食を免除されます。
免除される人たちが…。
後で同じ日数すればいいですよって。
そのルールっていうのはじゃあ何に出てくるのかと言うと「コーラン」…実際の本来の発音ですと「アル=クルアーン」というんですが。
「クルアーン」。
「クルアーン」…これは声に出して誦んだものという意味で神のメッセージそのものを書いたものなんです。
ルールがもう書いてある?ええルールも書いてあるんです。
だから「コーラン」っていうのはイスラム教徒にとっては本当に大切なものなんで決して粗略に扱ったりしてはいけない。
そういうものです。
とても大事にします。
乾燥帯であるという事とムスリムが多いという事が分かったんですけどもう一つ紛争が多いという事がどうしても気になるんですけども。
そうですね。
それはどうしてなんですか?あの〜中東という地域にはですねある地下資源が豊富に埋蔵されているんですね。
石油ですね。
石油ですね。
それを誰が支配するのかを巡ってイギリスとフランスが相談してこの辺りに国境線を引いちゃうんですが外国が石油を巡って争おうとしたという事。
それからあの地域の中でもその資源を持っている人たちと持っていない人たちとの間に格差が出てきたという事。
この2つが重なり合いますので紛争が起きやすいんです。
実際に紛争が起きてしまうとですね同じグループの人同士集まろうとしますから民族が違う間で戦っているように見えます。
あるいは宗教が違っているから戦うんだというふうにも見えるんですけど元のところはそうではありません。
なるほど。
じゃあ宗教的民族的多様性が根本の問題ではなくて実はそういう利権とか経済格差が問題だったんですね。
そちらです。
分かりました。
ではそれを頭に入れた上で中東の紛争について見てみましょう。
現在にまで続く中東紛争の1つのポイントとして1980年に起きたイラン・イラク戦争が挙げられます。
争いの発端は両国の境を流れる川の利用権。
どちらの国にとっても石油を輸出するために必要な水路でした。
この戦争で欧米諸国はイラクを支援しました。
なぜかと言うと…。
イランでは国王の独裁政治と貧富の差に不満を持つ民衆が革命を起こしました。
そしてイスラームを柱とする国造りを始めていたのです。
アメリカと友好的だった国王を追放しそれまでとは逆にアメリカに敵対するようになりました。
イラン国内のこの反米の動きが周辺の国々に広まる事を恐れアメリカなどはイラクを支援したのです。
イランとイラクの戦いは1988年まで続き国連の仲介で停戦を迎えました。
ところが2年後の1990年イラクが隣国のクウェートに侵攻するという事件が起きました。
長く続いた戦争によってイラクは財政がひっ迫。
そこで多くの石油を輸出していたクウェートを支配下に置こうとしたといわれています。
事態を解決するためアメリカを中心とする連合軍が前の戦争では支援したイラクを今回は攻撃。
クウェートの開放に成功しました。
これらの戦争で多くの一般の人々子供までもが犠牲になりました。
中東の問題に時に武力を用いて介入してくるアメリカやヨーロッパの国に対してムスリムの間には徐々に不満がたまっていきました。
こうした中2001年9月11日イスラーム過激派のテロリストによってアメリカ同時多発テロ事件が起こされました。
欧米側はテロリストをかくまったとしてアフガニスタンを攻撃。
続いてイラクとも戦争をします。
このような暴力の連鎖が今も続いているのです。
先生紛争をなくすっていう事は可能なんでしょうか?はっきり言って暴力を使わない事ですよね。
軍事的な力によって征服するというような事は不可能であるという事を人類としてやっぱり学ばないといけないですね。
日本は何か貢献できる事はないんですか?あの幸い日本の場合には現在の憲法によって紛争を解決する手段として軍を使わない武力を使わないという事を決めていますのでこういう紛争地に対しても人道支援の形で医療の支援であるとか教育ですとかそれから一番大事なのはインフラの整備などで紛争の渦中にあるあるいは紛争終わった地域の人々に対してですねできるだけ心を安らかにしてもらうそういう貢献が一番大事だと思います。
先生ありがとうございました。
どうもありがとうございました。
さあ山ちゃん今日の内容どうでした?結構イメージが変わりました。
私の中で。
変わりましたよね。
イスラームに対して結構誤解してた事多いですよね。
あと紛争も…紛争の原因とかも。
争いをなくすっていうのは難しいかもしれませんけどやっぱりこうやって知るだけで正しい判断が少しずつできるようになる。
そうですね。
ちゃんと知るところも大事ですよね。
まずは知るって事ですね。
今日はいい勉強になりました。
という事でこれからも世界中のあんな事…。
こんな事…。
(2人)いっぱい知っちゃおう!西アジアと北アフリカを合わせた地域を中東といいます。
かつてこの地を植民地支配したイギリスやフランスから見た呼び方です。
イスラム教徒ムスリムは五行など「コーラン」に書かれた神の教えに従って生活しています。
武力に対して武力で応じるといった…2014/12/19(金) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地理「ここに注目!中東」[字]

人・モノ・情報が地球規模で行き交う現代。国や地域を越え、多様な社会や文化を理解し合うことが不可欠。“世界の今”を読み解く「地理」は、未来を切り開く力となる。

詳細情報
番組内容
それぞれの国や地域ごとに掘り下げて現代世界を考察する。自然環境や民族、文化、産業、経済など、さまざまな視点で学ぼう! 「ここに注目!中東〜イスラーム世界〜」(1)都市は水が得られるところに (2)イスラーム社会と人々の生活 (3)なぜ紛争が絶えない?
出演者
【講師】同志社大学大学院教授…内藤正典,【出演】中田敦彦,山田彩,【語り】安元洋貴

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験

映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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