<木曜劇場>ディア・シスター #07【命がけの愛情】 2014.11.27


(美咲)二十歳のときに病気になったの。
妊娠や出産とかで悪化するケースがあるらしくて。
(美咲)万が一ってことがあるじゃん?そうなったときのためにもちゃんと考えておきたくて。
(陽平)《俺と結婚してください!》
(陽平)《聞こえた?》
(陽平)《突然ごめん。
自分でもどうかしてると思う》《でも本気です》《俺と結婚してもらえませんか?》
(葉月)《あ…あのう》《あっ。
返事は今じゃなくていいですから》《ゆっくり考えてからでいいですから》
(葉月)《あっ!?》
(クラクション)
(宗一郎)《おなかの子供のDNA鑑定をしたい》《もし俺の子なら一緒に育てたい》
(葉月・美咲)ハァ…。
(永人)一緒に育てたい?ってことは結婚したいってこと?
(美咲)そうは言われてないんだけどDNA鑑定受けてほしいって言われて。
そっか。
いや。
別にね宗一郎さんの子供だって伝えることはいいの。
でもそれで子供とられるとか親権争いとかそういうのは困るなと思って。
ハァ…。
大学んときの友達で弁護士の見習いしてるやついるから聞いてみるよ。
相談乗ってくれると思う。
ああ。
ありがとう。
何かごめんね。
頼ってばっかで。
何言ってんの?ずっとこういう関係だったじゃん。
まあそうだけど。
くせえ。
うん?水くせえ。
ハハハ。
俺は美咲にとって唯一無二の存在になるって決めたから。
友達とか彼氏とか旦那とかそういうありきたりなポジションじゃ埋められないものを埋められる存在になるって決めたから。
もうなってるよ。
よし。
仕事行こう。
(陽平)ハァー。
ハァー。
(陽平)ハァー。
(香織)うるさい!
(陽平)えっ?
(香織)もうさっきから何なのよ?
(香織)ハァハァハァハァ。
こっちまで気分落ちるからやめてくんない?
(陽平)だってさ。
(香織)「だって」じゃない。
まだろくに付き合ってもいないのにプロポーズなんかして。
いい返事が返ってくるとでも思ってたわけ?その場で断られなかっただけラッキーだったと思いなさいよ。
(陽平)それは分かってんだけどさ。
(香織)分かってんだったらため息つかない。
まったくもう。
何で後先考えないでプロポーズしたりしたのよ?旅行の後彼女が店まで送ってくれてさ。
店の前で別れたんだけど何で帰しちゃったんだろうって後悔して。
彼女と一緒にいたいと思ったんだよ。
(香織)そんなに好きになっちゃったんだ?ハァ…。
(陽平)ほら。
姉ちゃんだってため息。
(香織)うるさいな。
もう。
あんたいるだけ邪魔だから買い出し行ってきて。
はい。
持ちます。
(恭子)あっ。
ありがとう。
はい。
受けました。
(恭子)はい。
はい。

(女性)すいません。
はい。
(女性)どうですか?キャメルは定番ですごいカワイイですよ。
あとお客さまには…。
うん。
うん。
このダブルチェスターがことしっぽくてかなりお薦めです。
(女性)何か新鮮。
うーん。
(女性)こういうの自分じゃ選ばないから。
またお待ちしております。

(陽平)サボってんじゃねえぞ。
わっ。
びっくりした。
何?
(陽平)休憩何時?飯おごるよ。
失礼します。
(陽平)ちょっちょっちょっ…。
何?何なの?怖い。
キモい。
何?
(陽平)何かしゃれてんな。
何見てんのよ?何見てんのよ?
(陽平)やめなさい。
うーん。
すごい食欲だなお前。
食欲の秋。
ぼちぼち冬だけどな。
で?えっ?わざわざ職場まで来てランチおごるなんて何か裏があんでしょ?
(陽平)裏って?お姉ちゃんの何が聞きたいの?
(陽平)いや。
どうしてるかなと思って。
ここんとこため息ばっかりついてるよ。
(陽平)ハァ…。
やっぱり?お姉ちゃんに何したの?
(陽平)「何した?」って何だよ?こっちが聞いてんだけど。
(陽平)したといえばした。
えっ?
(陽平)いやいやいやいや。
別に変なことはしてないよ。
プロポーズしただけだよ。
えっ?冗談でしょ?
(陽平)お前しろって言ったじゃん。
いや。
ホントにすると思わないし。
(陽平)いまさらそれはないだろ。
で返事は?今すぐじゃなくていいって俺が言った。
何でそんなこと言ったの?だってその場で断られたらどうすんだよ。
どうする…。
情けない。
(陽平)肉…。
熱っ。
触った。
(陽平)もう何日も連絡ないんだよ。
ゆっくり考えてくれって言った手前俺からは連絡できないし。
だからどうしてるのかなと思って。
しゃあないな。
探ってみようか?
(陽平)いいのか?貸しだからね。
(陽平)分かった。
って待てよ?俺結構お前に貸しないか?男がいちいち細かいこと気にしないの。
ああ。
食った。
じゃあもう仕事行くね。
今日棚卸しなんだ。
(陽平)頑張ってんじゃん。
初の就職だもん。
頑張るしかないっしょ。
じゃあね。
ごち。
(陽平)ああ。
(葉月)ハァー。
話してくれないわけ?
(葉月)えっ?ため息の原因。
(葉月)実はさ…。
はいはい。
(葉月)プロポーズされたんだよね。
よかったじゃん。
(葉月)よくないよ。
何で?お姉ちゃん結婚したかったんでしょ?何悩むことあんの?
(葉月)だってまだちゃんと付き合ってるわけじゃないのにいくら何でも早過ぎじゃない?いや。
これから付き合えばいいんでしょ?「あした結婚してください」って言われたわけじゃないんだから。
いや。
それはそうだけど。
じゃあどのくらい付き合ったらプロポーズしてもいいわけ?うん?いやそれは…。
ねっ?10年付き合っても結婚にたどりつけないカップルもいれば出会ってすぐ結婚しちゃうカップルもいるわけでしょ?もうお姉ちゃん。
頭で考え過ぎなの。
ここで。
もっとここで。
ここで感じてみ?私はあんたみたいにここばっかりで生きてるわけじゃないのよ。
それにさ…。
何?まだ何かあんの?ああ。
子供のこと?うん。
まあそれもあるけど。
よし。
じゃあ体質改善していきましょう。
えっ?妊娠しにくい体質なら妊娠しやすい体質に変えればいいでしょ?うん?はい。
「妊娠しやすい体質に変えるための5つの方法」《まずは早寝早起きね》《卵巣ってホルモンバランスの影響を受けやすいからちゃんと体を休ませてあげることが大事なんだって。
だから夜に興奮状態にあったりすると駄目で最低でも6時間は熟睡すること》はい。
終わり。
あっ。
はい。
これ入れて。
あと5分ね。
えっ?《特に排卵日前後はゆっくりお風呂に入ったりスパとか岩盤浴とか体をいたわるようなことをするといいんだって》うわっ。
やり過ぎた。
何?えっ?じゃあまずはこれはいてください。
《あと冷やすのは絶対駄目》《これは女子ならみんなそうだけど妊娠しやすい体になるには特に体を温めることが大事なの》お姉ちゃんいいよ。
はい。
OK。
家ん中だけよこれ。
ショウガすりすり。
《それにはネギやショウガ根菜や発酵食品を使った料理がベスト》《ぬか漬けなんて最高にいいらしいよ》よかったね。
はい。
OKです。
ちょっと。
あんた。
せっかくすりすりしたショウガ。
《体脂肪も減らし過ぎはよくなくてジョギングよりウオーキングの方がいいんだって》
(和子)で早速ウオーキングなわけだ?和ちゃんジョギングの方がよかった?
(和子)いや。
そういうことじゃなくてさ。
すっごい熱心だなと思って。
美咲ちゃん。
そうなの。
私も驚いてんのよ。
美咲が私のことでこんなに親身になってくれんの初めてだよ。
(和子)うん。
何もないよね?えっ?
(和子)だってほら。
美咲ちゃんでしょ?何か裏があるんじゃないかってついつい勘繰っちゃうよね。
よし。
よっ。
(芳樹)まずシングルマザーの親権は母親にあります。
認知に関しては出産後は父親にも権利が生じますがまあよほどのことがないかぎり子供をとられたり親権をとられたりということはないので安心してください。
(永人)そうなんだ。
よかったね。
「よほどのこと」って例えばどんなことですか?
(芳樹)母親が育児放棄や虐待をした場合。
物理的に子育てが継続できないといったような場合ですね。
じゃあもし…。
母親が死んだ場合はどうなりますか?
(芳樹)父親が希望すれば父親に親権が移る可能性も出てきます。
(芳樹)どうしてもそれを避けたいということでしたら自分が死亡した場合に誰を後見人として指定するという内容の公正証書遺言を作っておくか新たに親権者としたい人とお子さんとの間で養子縁組をすれば確実ですね。
養子縁組?分かりました。
(永人)美咲。
うん?兄貴とやり直すつもりは全然ないの?いや。
やり直してほしいと思ってるわけじゃないよ。
ただ美咲の中に少しでもそういう気持ちがあるなら…。
ないよ。
宗一郎さんにはもう二度と迷惑掛けないって決めたから。
そっか。
でもそろそろお姉ちゃんには話さなきゃなと思ってる。
おなかもだいぶ出てきたし養子縁組しとけば確実だって言ってたじゃない?死なないよね?誓っといてくれる?絶対死なないって。
ハチ。
前にも言ったけど人間いつかは必ず…。
いいから!誓います。
これ何のハグ?妊娠してるってホントなの?何でお姉ちゃん巻き込んだの?こんなデリカシーのないことするなんて思わなかった!最低よ!最低よ!美咲。
やめなさい。
先生。
今日は申し訳ないんですけどもお帰りいただけないでしょうか。
分かった。
何で話してくんなかったの?今日話すつもりだった。
ホントだよ。
でも相手が相手だしちょうど体質のことも聞いて。
だからあんな一生懸命になってくれてたんだ。
ショックだな。
ごめんなさい。
確かに妊娠しにくい体質ですって言われたときは落ち込んだ。
先生のことも好きだった。
けど妹が妊娠したって聞いて喜ばないわけないじゃない。
えっ?だって私にめいっ子かおいっ子が生まれるんだよ?喜ばないわけないじゃない。
まあできれば先生じゃなくてあんたの口から聞きたかったけど。
こんなに心の底からうれしいって思ったの久しぶりだよ。
おめでとう。
お姉ちゃん。
やだ。
ちょっともう。
泣いてんじゃないわよ。
ほらほら。
妊娠中って涙もろくなるんだもん。
泣いてんじゃないわよもう。
お姉ちゃんだって泣いてるじゃん。
でもさ一緒に住んでるのによく隠してこられたよね。
ねっ。
意外と気付かないもんなんだね。
何?人ごとみたいに。
ってかさあんたキャバクラなんかで働いてて大丈夫だったの?大丈夫大丈夫。
あのね食べづわりは少しあったけど吐き気とか全然なかったし。
お酒は妊娠分かってから一滴も飲んでない。
えっ?えっ?じゃあ飲めないわけじゃないの?はあ?あのお母さんの娘でこの姉の妹だよ?普通に酒豪です。
だよね。
あっ。
ねえ。
今何カ月?5カ月。
5カ月ってあんた結構いってんじゃないのよ。
予定日いつ?5月7日。
5月?ソラマメと一緒じゃん。
はあ?ああ。
ううん。
ねえ。
触ってもいい?いいよ。
よいしょと。
わあ。
ホントだ。
ちょっと膨らんでる。
うん?えっ?何?今の。
あっ。
何だ?えっ。
まただ。
あれ?あっ。
これあのう。
胎動じゃない?胎動。
あっ。
ああー。
赤ちゃんが動いてんのよ。
えっ。
すごい。
どうしよう?歴史的瞬間に立ち会っちゃった?大げさだから。
もう。
大げさじゃないってば。
やだ。
すごいうれしい。
もううれしいよ。

(宗一郎)おう。
永人。
どうした?
(永人)美咲から聞いたよ。
DNA鑑定受けてくれって言ったんだって?
(永人)俺兄貴と美咲がこれ以上傷つけ合うの見たくねえんだよ。
頼むよ兄貴。
美咲を信じてしばらくそっとしといてやってくれよ。
(宗一郎)なあ。
永人。
知ってるよな?俺が貴子と離婚した理由。
うん。
でも姉さんのことと美咲のことは…。
(宗一郎)同じなんだ。
(宗一郎)俺の中では同じなんだ。
どっちも俺が好きになって俺が幸せにできなかった。
このまま諦めるなんて無理だ。
ちょっちょっちょっ…。
えっ?ちょっと何何?えっ?何?何すんの?私の体質改善なんかより今は妊婦さんの体調管理の方がよっぽど大事よ。
早寝早起き。
体を温めて。
バランスよく食べて。
適度な運動。
あんたがやるべきことばっかりじゃない。
そうなんだよね。
私も調べて今回分かったんだけど妊娠した人と妊娠したい人がやるべきことって同じなんだよね。
だからあしたから同じことしよう。
はいはい。
ほら。
もう寝るよ。
ほい。
さあ美咲は今日からこっち。
えっ?いいの?どうぞ。
やったー!超うれしい。
ベッド。
はい。
おやすみなさい。
ああー。
いいねぇ。
ほら。
電気消すよ。
いい。
ベッドちゃんは。
よし。
よいしょ。
うーん。
まだ迷ってんの?プロポーズの返事。
うん。
妊娠に必要なホルモンの一つにエストロゲンっていうのがあるんだけどさ。
それって恋すると増えるらしいよ。
だから何?店長のこと好きなんでしょ?あんないい人嫌いな人いる?素直に好きって言いなよ。
もう寝るね。
おやすみ。
お姉ちゃん。
もう寝た。
ホントに好きなら簡単に手放しちゃ駄目だよ。
誰かを本気で好きになれることなんて人生にそう何度もあるもんじゃないんだから。
おやすみ。
おやすみ。
(ドアの開閉音)
(七重)よいしょ。
ちょいちょいちょい。
ちょっとどいて。
ちょっとどいて。
(七重)フゥー。
ワオ。
すごい量。
(七重)まずこれ腹帯ね。
ちゃんと神社でおはらいしてもらってきたから。
戌の日は過ぎちゃったけど縁起物だから後で巻くわよ。
はい。
(七重)でもいちいち普段はそんなの巻いてらんないから普段巻くのはこっち。
へえー。
(七重)今は便利なものが売ってるわね。
お母さんときはそんなのなかったからまあ腰は痛いわおなかは重いわ大変だったわよ。
へえー。
(七重)でこれが授乳クッションでしょ。
えーっ。
(七重)肌着でしょ。
ガーゼ。
バスタオル。
それからお尻拭き。
あっ。
ちょっとちょっと。
これこれこれ。
これよ。
えっ?
(七重)お尻拭きをいきなりお尻に当てるとね赤ちゃんは「おお。
冷たい」って感じるんだって。
でもこの中に入れておくといつもあったかいお尻拭きが出てくるってわけ。
へえー。
(七重)今は便利な時代になったわ。
でもお母さん。
まだ生まれてないからちょっと気が早いよ。
(七重)だってうれしいんだもん。
(七重)正直言ってさあの先生の子供だって聞いたときはショックだった。
だってあんなことがあって娘には二度と会わないでくれってお願いしといたのにまた会って子供までつくるなんて。
会ったのは偶然なんだけどね。
(七重)それにしたってよ。
お母さん。
おなかの子には罪はないから。
当たり前じゃないの。
罪なんかあってたまるもんですか。
ねえ。
こないだの温泉旅行のときにはもう分かってたんでしょ?何ですぐ言ってくれなかったの?言ったらこうやってほら。
大騒ぎするかなと思って。
いいじゃない。
大騒ぎさせてよ。
初孫よ?私がどれだけ心待ちにしてたか。
はい。
はいはいはいはい。
はい。
お母さんお尻拭き。
はい。
(泣き声)アハハ。
お母さん。
ご飯食べてくでしょ?私買い物行ってくるね。
(七重)うれしい…。
えっ?ああ。
お姉ちゃんありがとね。
うん。
あれ?葉月?はっ。
私またやっちゃった?ううん。
大丈夫大丈夫。
冷たい。
へえー。
よいしょ。
(仁美)やっぱりハワイじゃない?
(優子)私は何となくスイスやな。
(真智子)2人とも若いな。
私はやっぱり定番の熱海だな。
(仁美)それ定番?今どき新婚旅行で熱海に行く人いないでしょ。
(真智子)いるよ。
だって私熱海で命授かったんだもん。
(優子・仁美)ハネムーンベビー?
(真智子)うん。
(統太)大変申し訳ないんですがそろそろランチの時間が終わりますんで。

(峻介)店長。
(陽平)うん?
(峻介)深沢さんがいらっしゃっていますが。
えっ!?痛っ!何やってんのよ?
(陽平)何だ。
お前かよ!私で悪かったわね。
せっかくお姉ちゃんの様子知らせてあげようと思ってわざわざ休憩時間使って来てあげたのに。
もう帰る。
(陽平)ああー!ちょっちょっ…。
冗談だろ。
ほら。
こちらにどうぞ。
どうぞこちらにお座りください。
こちらにどうぞ。
こちらに。
お食事は?もう食べた。
(陽平)コーヒーはいかがですか?アップルジュース。
(陽平)かしこまりました。
(陽平)ででで?でで?戸惑ってる。
(陽平)そっか。
いや。
そりゃそうでしょ。
結婚破談になった直後に昔好きだった男に振られてデートすんのもちゅうちょしてたのにいきなりプロポーズされてんだよ?そりゃお姉ちゃんじゃなくたって戸惑うって。
そうだよな。
やっぱり急ぎ過ぎたか。
ねえ。
店長。
子供好き?ああ。
好きだよ。
じゃあ結婚したら子供欲しい?まあ。
何が何でも欲しい?店長の人生に子供いないと駄目?奥さんより子供の方が大事?どうしたんだよ?お前。
うん?いや。
別に。
「別に」で終わらせるような話題じゃないと思うけどね。
まあ…。
まあ今日のところは深くはツッコまないでおくよ。
そうして。
いやぁ。
あんなに悩むぐらいなんだからさまず嫌いってことはないと思うんだけど。
結婚するほど好きっていう確信もないんだろうね。
なるほど。
実験してみようかな?実験?いや。
こっちの話。
(陽平)ハァー。
ごち。
(陽平)おお。
ありがとう。
うん。
ご趣味は?
(和子)ええ。
お料理とお裁縫とあとピアノを少々。
フフッ。
何それ?
(和子)あっ。
櫻庭先生。
(宗一郎)おお。
佐藤。
久しぶりだな。
(和子)ご無沙汰してます。
美咲ならいませんけど。
(宗一郎)分かってる。
どうせまたあの男と会ってるんだろう。
あの男?
(宗一郎)ある男と親しげにしてるとこを見掛けて。
あれ?お前の彼氏じゃないよな?ハッ。
もしそうならとられないようにちゃんとつかまえといた方がいいな。
いったい先生どうしたんですか?今の先生は私の知ってる先生じゃないです。
(宗一郎)これ。
美咲に渡しといてくれ。
DNA鑑定についての書類だ。
目を通してサインしてくれるよう言っといて。
それじゃ。
(和子)ねえ。
先生いったいどうしちゃったの?何かちょっと怖いよ?うん。
やっぱり美咲に避けられてることが気に入らないのかな?うん?そもそも何で美咲ちゃんってそんな先生のこと避けてんの?もう好きじゃないって。
あらま。
うん?じゃあささっき先生の言ってた人のことを好きってこと?葉月の彼氏がどうとか言ってたけどまさかだよね?まさか。
はい。
ありがと。
でもさ美咲ちゃんが葉月の好きな人にちょっかい出すのって初めてじゃないでしょ?うん。
櫻庭先生もそうだし中学んときの家庭教師もそうでしょ?ああ。
それもそうだし…。
まだいんの?小学校のときに好きだった男の子とよく一緒に遊んでたんだけど。
ある日その子んちでかくれんぼしてたときにね美咲とその子がいなくなったのよ。
で全然捜しても見つからなくてすっかり日が暮れてから隣の家の物置に2人でいたことが分かってさ。
うわぁ。
中学んときの家庭教師だってさ葉月が好きだったのに美咲ちゃんと2人で出掛けてんのがバレて辞めさせられちゃったんでしょ?うん。
要するに美咲ちゃんって葉月の好きになった人全員に何かしらしてるってことじゃん。
うん…。
(和子)電話だ。
はい。
もしもし?うん?今から?・ただいま。
あっ。
おかえり。
ねえ。
ちょっと見て。
何それ?どっか行くの?和ちゃんのお見合いに付き合うんだけどさこんな感じでいいかな?いや。
替えよう。
はい。
和子さんお見合いするの?うん。
まあっていっても仕事仲間が急に友達紹介してくれるっていうだけなんだけどね。
ふーん。
まあ向こうも2人だから付き合ってっていわれて。
人のお見合いに付き合ってる場合かね。
えっ?だって他でもない和ちゃんの頼みだもん。
そんな断れるわけないじゃない。
ねえ?どこで会うの?うん?駅前のお店。
ふーん。
OK。
何か主役立ててる感じでいいんじゃない?さすが。
あっ。
ご飯。
ひじきご飯と煮魚と豚汁作ってあるからちゃんと食べてよ。
いつもどうもすいませんね。
いいえ。
後さ。
うん?今好きな人とかいんの?はっ?いないけど。
だよね。
何?今の。
気にしないで。
じゃあね。
リラックスリラックス。
(和子)駄目だ。
やっぱ帰ろう。
痛っ。
痛い…。
(土田)ういっす。
待った?
(和子)待った。
(土田)ああ。
こんばんは。
こんばんは。
(土田)入れよ。
(広瀬)ああ。
こんばんは。
(土田)彼女が佐藤和子。
えー。
でこっちが友達の。
あっ。
深沢です。
(広瀬)広瀬です。
よろしく。
(和子)よろしく。

(土田)で深沢さんは?付き合ってる人とかいるの?あっ。
私は。
(和子)葉月はね最近プロポーズされたばっかなの。
ちょっと和ちゃん。
(土田)マジで?えっ?で?返事は?あっ。
いや。
ま…まだ。
(土田)えっ?返事を迷ってるってこと?んっ。
いや。
(和子)すっごいいい人なんだよ。
レストランの店長さんでさまあちょっと頼りない感じはするんだけど素朴で誠実そうで。
何で迷ってるか全然分かんない。
(広瀬)ぴんとこないことってあるよね?男と女って理屈じゃない。
どんないい人でもぴんとこないってことはあるよね。
アハハ。
だからか。
だからさっきからスマホいじってるんですね?
(広瀬)えっ?
(和子)いや。
私にぴんとこなかったから。
(広瀬)ああ。
申し訳ない。
ちょっと仕事でトラブっちゃってさ。
部下にフォロー入れてたんだ。
ちなみに君のことはどストライクだよ。
興味がなかったらとっくに帰ってるよ。
(バイブレーターの音)
(バイブレーターの音)美咲だ。
ちょっとごめんなさい。
もしもし。
どうした?もしもしお姉ちゃん?大変なの。
えっ?何?店で店長が大やけどしたの。
えっ?やけど?ねえお姉ちゃん。
お願いだから早く来て。
萩原さん!?
(陽平)葉月ちゃん!?あっ!?あっ!?あっ!?あっ。
フゥー。
あーっ!?あっ!危ない!あーっ!痛っ!ちょっと。
大丈夫ですか?ああ。
大丈夫です大丈夫。
あれ?あのう。
やけどは?えっ?えっ?あれ?えっ?どこ?どこ?葉月ちゃん?どうしたの?いや。
美咲から萩原さんが大やけどしたって連絡きて。
ああー。
もうやだ。
美咲のやつ。
そっか。
実験ってこれか。
えっ?すいません。
俺のせいです。
俺が美咲ちゃんに葉月ちゃんの気持ちを知りたいようなこと言ったから。
ホントすいません。
どうかあのう美咲ちゃんのことは責めないであげてください。
でもうれしかったです。
俺のこと心配して来てくれたんですよね?それだけで十分です。
プロポーズのことはもう忘れてください。
あのう。
なかなかお返事しないですいません。
萩原さんのせいじゃないんです。
全部私が悪いんです。
自信がないんです自分に。
区役所辞めてからまだ自分のやりたいことも何にも見つかってなくて。
男の人には振られてばっかりで。
親の期待は裏切ってばっかで。
妹のことはうらやんでばっかりで。
何かもうそんな自分にほとほと嫌気が差して。
葉月ちゃんは今のままでじゅうぶんすてきな女性だし。
だから俺は好きになったんだし。
自分で思ってるほど今の葉月ちゃんは駄目じゃないと思うけどな。
ずっと結婚したいって思ってました。
結婚に憧れてるとかそういうわけじゃなくて。
20代のわりと早いうちから誰でもいいから結婚したいって。
結婚すれば何かが埋まるって思ってたんです。
自分の中で足りないものとか見たくないものとかそういうこと全部埋めてくれるような気がしてたんです。
でもそれが間違ってたってやっと気付いて。
私自身が変わらないかぎりこのまま結婚しても何も埋まらないってことがやっと分かったんです。
あのう。
だからごめんなさい。
ホントにすいません。
待つよ。
いつまででも待つ。
ごめんなさい。
大丈夫だよ。
大丈夫だから。

(永人)美咲?どうしたの?どうしたんだよ?何があったんだよ?お姉ちゃんがね好きになる男がいつも気になってしょうがなかったの。
今回もお姉ちゃんと店長くっつけようとしてるのに何か店長気になってる自分がいてもう「何がしたいんだろう?」って混乱してた。
でもお姉ちゃんが結婚することになってやっと分かった。
私が気になってたのはお姉ちゃんが好きになった男じゃない。
お姉ちゃんだったんだって。
えっ?私お姉ちゃんのこととられたくなかったんだよね。
お姉ちゃんのこととられたくなくていつもお姉ちゃんの恋愛邪魔してたの。
そういうことか。
今ごろ気付くとかさ。
もう何かバカだよね。
でもね考えてみたら私にはお姉ちゃんしかいなかったの。
お父さん死んでお母さん朝から晩まで働くようになって私の世話は全部お姉ちゃんがしてくれてた。
朝起こしてくれるのもおやつやご飯用意してくれるのも夜寝かしつけてくれるのも全部お姉ちゃん。
お姉ちゃんがいなかったらあのころの私は一日も生きていられなかった。
だから私からお姉ちゃんを奪おうとする人を必死で遠ざけようとしてたの。
それってめちゃくちゃカワイイじゃん。
えっ?でもお姉ちゃんからしたら笑い事じゃないよ。
お姉さんに話したらいいのに。
でもいまさらこんなこと言ってもね。
今までの行いが行いだしね。
でも謝らなきゃね。
この子が生まれる前に1回はちゃんと。
あっもう。
今日練習行くでしょ。
やめようか?いや。
駄目だよ。
絶対行かなきゃ駄目だよ。
私もう少ししたら帰るから。
もう大丈夫だから。
分かった。
ハチ。
聞いてくれてありがとう。

(桑名)フリップが甘いよ。
(桑名)ちゃんと板見て。
(呼び出し音)
(桑名)着地の膝硬えよ。
(永人)はい。
(呼び出し音)
(バイブレーターの音)お姉ちゃん…。
2014/11/27(木) 22:00〜22:54
関西テレビ1
<木曜劇場>ディア・シスター #07[字]【命がけの愛情】

宗一郎は美咲におなかの子のDNA鑑定を要求、一緒に育てたいと言うが…後日、美咲が帰宅すると再び宗一郎の姿が。そして葉月は彼から美咲の妊娠を聞いていた…

詳細情報
番組内容
 美咲(石原さとみ)の前に現れた宗一郎(田辺誠一)が、おなかの子どものDNA鑑定を要求してきた。宗一郎は「もし自分の子なら一緒に育てたい」と美咲に告げる。
 一方、葉月(松下奈緒)は陽平(平山浩行)からプロポーズされて…。
 そして、宗一郎に迫られた美咲は、永人(岩田剛典)に相談する。頼ってばっかりで恐縮する美咲に、永人は「俺は美咲にとって唯一無二の存在になると決意したから」と力強く宣言、
番組内容2
弁護士の友人に連絡を取りつける。
 後日、美咲と永人は、永人の友人の弁護士を訪ね、親権についての助言を受ける。美咲の「母親が死んだ場合はどうなるのか」という質問に、不安を抱く永人。
 その夜、美咲が帰宅すると、そこにはなんと宗一郎の姿が…。そして葉月は、宗一郎から美咲の妊娠を聞かされていた…。
出演者
石原さとみ 松下奈緒 

岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers) 
平山浩行 
森カンナ
  ●  
田辺誠一
  ●  
堀内敬子
  ★  
片平なぎさ 


スタッフ
【脚本】
中谷まゆみ 

【主題歌】
「Happiness」シェネル(ユニバーサル ミュージック) 

【プロデュース】
中野利幸 

【演出】
田中亮 
平野眞 
関野宗紀 

【制作】
フジテレビドラマ制作センター

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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