（谷口健一）うっ！ああ…！ああ…ううっ…！
（谷口）ああ…。

（日野和正）ああ〜…。
（宇佐見裕也）じゃあ私はこれで失礼します。
あっお疲れさん。
お疲れさまです。
（相馬涼）お疲れさまっした〜！あれ所長今夜ここ泊まりっすか？…と思ったんだけどさマリコ君が残って仕事するって言うし。
亜美君もパソコンの調子がどうたらこうたらとか言って帰らないしね。
上からね残業減らせって言われてるんだよ。
僕帰っちゃおうかな。
じゃあ久々に一緒に飲む日がやって来ましたね。
それは断るとして。
いや椅子がねなくなったらみんな早く帰るようになるかもななんてちょっと期待してたんだけどね。
じゃあ涌田。
お前は帰る事にしておごってやるから一緒に飲みに行こうぜ。
（涌田亜美）それは断るとして。
ここには椅子あるんで私的にはあんまり変化ないんですよね。
はあ〜…やっぱり僕帰るわ。
じゃあ俺おごるんで飲みに行きましょうよ所長。
それは断るとして。
着替えてくる。
お疲れさん！
（香坂怜子）夜間訓練お疲れさまジンクス。
今夜も出動があるかもしれないから早く寝るのよ。
おう香坂。
お前もいつ呼び出しかかるかわからないから早く帰って寝ろ。
はい。
よいしょ…はい。
おやすみ。
（パトカーのサイレン）
（榊マリコ）飛び散った血痕乱れたゲソ痕。
ここが殺害現場ね。

（土門薫）殺されたのは谷口健一。
大手ゼネコンの社員だ。
（相馬涼）京都にある会社ですか？いや東京本社と滋賀事業所２種類の名刺を持っていた。
（涌田亜美）あの防犯カメラは？残念だがこの辺りにはない。
じゃあ亜美ちゃん被害者の着衣から微物の採取。
（亜美）はい。
角膜の混濁が強い。
死後硬直も強い。
死亡推定時刻は昨夜８時から１０時ってとこね。

（風丘早月）傷口は背中から大動脈に達してる。
（早月）これが致命傷で間違いない。
（シャッター音）この傷から凶器の形を調べてみます。

（シャッター音）えっ！？谷口所長が？
（木島修平）やはり谷口さんはこちらの所長だったんですね。
ただ東京本社の土木部長の名刺も持っていたんですが…。
谷口部長は以前本社の部長だったんで。
降格人事？はい。
谷口さんは３か月前本社の土木部長から滋賀の小さな事業所の所長に降格されていました。
彼が関わった京都市発注の競争入札でゼネコン同士の談合が発覚し彼の上司が起訴されたせいです。
（藤倉甚一）その談合と今回の殺人事件の関係は？まだ不明ですが談合はこの議員の告発で発覚したものです。
（藤倉）民自党の長谷部議員。
当選１回の若い衆議院議員で谷口と同じゼネコンに勤めていた事があります。
何！？この議員を少し調べてみるつもりです。
相手は国会議員だ。
捜査は慎重にしろ。
致命傷になった傷の形状を調べたら刃渡り約９センチのこんな凶器でした。
（日野和正）ナイフの類いだろうけどさらに絞り込むのは難しそうだね。
所長現場のゲソ痕は？うん。
現場で争った形で残っていたのがこの２種類。
こっちが被害者のだったから必然的にこっちが犯人。
靴底の模様から商品はこれ。
広く流通していてここからたどるのは難しそうだね。
（宇佐見裕也）犯人のゲソ痕からこんなものが出ました。
山椒の実です。
（日野）山椒…。
犯人は谷口さんを殺害する前に和食でも食べたかな？
（宇佐見）ただ料理に使うような若い実じゃありませんでした。
犯人は山椒が自生しているような場所を歩いたのね。
亜美ちゃん京都市内で山椒が自生しているところ。
（亜美）はい！…あれ？山椒の自生地のデータベースなんてないんですけど。
そうよね。
もう！わかってるなら頼まないでください！被害者の着衣に前歴のある指紋はなかったんだよね？血で付着した手袋痕なら見つかりましたけど。
つまり犯人は手袋をしていた。
でもかなり不鮮明なんで手袋の種類までは…。
じゃああれだ。
今回の鑑定では犯人に繋がる証拠は何も出なかったわけだ。
くたびれもうけってやつですねこれ。
そういう事言わないの。
あの現場から採取した毛髪はどうだったんですか？ああ…毛根が残っている毛髪があったんでＤＮＡを調べてみたんですが…。
残念ながら前歴のあるＤＮＡはなかった。
毛髪のＤＮＡか…。
なあ照合してもらいたい人間がいる。
えっ？あっ土門さん！おう。
長谷部議員の経歴なんですけど…。
ゼネコンにいた頃の経歴か？いえ。
彼幼児期に京都の児童養護施設にいたらしいんです。
ん？生後すぐに置き去りにされたらしくて。
（長谷部伸弥）ですから私は生みの親の顔を知りません。
（長谷部）でも私の里親は私を大学まで出してくれました。
本当に感謝しています。
私が里親制度の拡充に力を入れているのもそのためです。
ゼネコン談合の根絶にも力を入れていますよね。
ええ。
議員になる前はゼネコンに勤めていましたので。
この人がいる会社ですよね？知りません。
大きな会社でしたので。
その人が何か？今日死体で発見されました。
殺人事件です。
長谷部さんは昨夜８時から１０時頃どちらに？
（沼田幸三）ちょっと…先生に何聞いてるんですか？
（木島）すいません関係者皆さんに聞いている事なんです。
昨日の８時から１０時まででしたらこの料亭にいました。
殺害現場の近くですね。
それどういう意味ですか？ちなみにどなたと？言える範囲で構いません。
彼ら地元の秘書とあと運転手と計４人です。
先生は秘書の方や運転手と料亭で食事をするんですか？しますよ。
私から感謝の気持ちとして。
毎年そういうお心遣い頂いております。
その料亭に履いていかれた靴はその靴ですか？ええ。
地元ではホテル暮らしなのでこの靴しか持ってきていません。
その靴をお借り出来ませんか？え？殺害現場の足跡と照合させてもらいたいんですが。
あなたねいくらなんでも失礼なんじゃありませんか？でしたら靴だけではなく指紋も提出しましょうか？ちょっと先生…。
現場には犯人の指紋もあるでしょうから。
ご協力感謝致します。
それともう一つお願いしたい事が…。
あのＤＮＡもご提出頂けないでしょうか？
（２人）ＤＮＡ？口内の粘膜を…これで採取させて頂くだけです。
わかりました。
先生！それでは早速長谷部先生お願いします。

（女将）ゆうべの８時から１０時どすか？確かに長谷部先生は秘書や運転手の方といらっしゃいました。
間違いあらしまへん。
あのここで脱いだ靴はどこで保管されるんですか？どこって…こちらどすけど。
客が勝手に靴を履いて出て行く事は可能ですね？お客様がお座敷を出られた時は必ず仲居がつきますが…。
あのちょっとよろしいですか？こちらへ。
へぇ…。
例えば客がここから外に出たとしてこちら側を通ってくれば…。
勝手に靴を履いて出て行けますね。
そんな事しはるお客様はいはらしまへん。
土門さんこれ！山椒です。
失礼。
もしもし。
長谷部先生の議員事務所どすか？マリコさん長谷部議員の毛髪どうでした？ＤＮＡ鑑定の結果現場から採取した毛髪に長谷部議員の毛髪はなかった。
ただ…。
マリコさん。
谷口さんの着衣から出た指紋なんですけど長谷部議員の指紋もありませんでした。
うーん…じゃあ長谷部議員は事件とは関係ないのか。
それはまだ断言出来ないはずよ。
ですよね。
犯人は手袋をしてたんだし。
まあ現場に毛根の付いた毛髪を落とさなかった可能性だって十分にあるしな。
長谷部議員の靴犯人のゲソ痕と合致したよ。
（日野）靴底の傷までぴったり一致した。
（相馬）じゃあ犯人は長谷部議員じゃないですか。
長谷部議員の靴に付着していた微物ですが犯人のゲソ痕から出た微物と合致するものがありました。
やった！これで証拠は完璧ですね。
証拠はまだあるわ。
土門さんたちが料亭から採取してきたこの山椒だけど…。
犯人のゲソ痕に付着していた山椒の実とＤＮＡが一致した。
よし。
これだけ証拠が揃えば長谷部議員の逮捕状が取れるな。
土門刑事には慎重に捜査をするよう釘を刺してあります。
（佐伯志信）何が慎重なんだね君。
その議員の秘書から抗議が来てるよ。
それで自分が呼び出されたってわけですか？お前が信じ込んでいる科捜研の鑑定書を読んだ。
犯人は指紋を残さないよう手袋をしている。
そんな用心深い犯人がゲソ痕を残していったのか？そんな犯人はこれまで山ほどいました。
（ノック）入れ。
（香坂怜子）失礼します。
香坂さん。
あっ…。
（藤倉）面識はあるな。
鑑識課の警察犬担当だ。
犯人のゲソ痕が長谷部議員のにおいかどうか調べてくれ。
はい。
対照臭？ええ。
この布を手で揉んで頂くだけで結構です。
なっ…！任意なら断ります。
帰ってくださいよ。
令状で強制的に提出してもらう事も出来ますよ。
令状？逮捕状が取れた今それは簡単な事です。
私の逮捕状を取ったという事ですか？
（沼田）なんだ？君は。
京都日報の者です。
弊社主催の野外広告規制に関するシンポジウムに参加される議員の方に資料を…。
あとで読んでおきます。
今ちょっと取り込んでるんで…。
はい。
失礼します。
この布を手で揉めばいいんですね？ちょっと先生！お願いします。
ご協力ありがとうございます。
これが犯人のゲソ痕です。
（怜子）わかりました。
ではここから犯人のにおいを採取します。

（木島）あの中に長谷部議員のにおいがついた布が１枚だけあります。
犯人と同じにおいならジンクスが選ぶはずね。
はい。
テストは３回行います。
３回とも長谷部議員のにおいが選ばれれば逮捕状を執行します。
これより臭気選別を始めます。
（怜子）よく嗅いで。
よく嗅いで。
よし…探せ。
まさかゼロ回答？どういう事ですか！？あの中に犯人のにおいはないみたい。
犯人のにおいは長谷部議員のものじゃないって事？ええ。
ジンクスがそう言ってる。
（鳴き声）つまり第三者が長谷部議員の靴を履いて犯行に及んだ。
殺害時刻長谷部議員は料亭にいたんだったな？靴もその料亭にあったはずです。
その靴を第三者が勝手に持ち出しまた元に戻しておく事は可能か？あの料亭の造りなら可能です。
わかった。
しかし…。
長谷部議員は参考人扱いの事件関係者とし一度彼以外を犯人とする線で捜査するよう捜査本部に指示する。
頭越しに捜査本部の方針を変えるんですか？俺にそうさせたのは土門…お前だ。
（ドアの開閉音）驚いたねえ！何？君が警察犬を出さなかったらあの２人は冤罪を作るところだったじゃないか！
（ため息）
（電話）はいはい。
ああ？刑事部長だったらここにいますよ。
（佐伯）はあ！？あんたたちのせいで先生はまるで人殺し扱いだ！
（広報課長）「えー本日の『京都日報』における当該記事ですが京都府警内で調査したところ…」真実に基づかない報道ではありませんでした。
（記者）つまり真実だって事ですね？
（記者）逮捕間近というのも本当なんですか？それは誤報です。
長谷部議員の積極的な協力により議員の嫌疑は完全に晴れました。
この場をお借りし長谷部議員の捜査協力に深く感謝致します。
事件はまだ解決していません。
捜査中です。
そんな中で事件関係者の疑いが完全に晴れたなどという発表どういうおつもりですか！自分の監督不行き届きを棚に上げて君は何を言ってるんだ！私に無断で逮捕状を取るというお前の勇み足が…。
捜査本部には許可を得ています。
それを勝手に長谷部議員に伝えたお前の乱暴なやり方が世間的に彼をシロにしてしまったんだ。
これで今後長谷部議員の線に戻ろうとした時どれほど捜査がしにくくなるかお前はわかっているのか！？待ってください！土門さんが逮捕状を取ったのは私が科捜研の鑑定結果を伝えたからです。
そうだお前のせいだ。
そしてこれが現場の刑事と科捜研がなれ合う弊害だ！犯人のゲソ痕とその付着物…どっちの鑑定も間違ってなかった。
でもそれでも私たちは冤罪を作りそうになった。
本当に冤罪なのか？長谷部議員は本当にシロなのか？
（内村正）くっ！あっ！あっ！あっああっ！くう…！
（殴る音）ああっ！
（怜子）これより谷口さんを殺害した犯人を足跡追及により捜します。
皆さんは決してジンクスの前を歩かないように。
ジンクスよく嗅いで。
（怜子）よし捜せ。

（怜子）待て！
（木島）土門さん…。
ああ。
藤倉部長の推理どおりだが問題はここからだ。
ええ…。
捜索の許可を取ってきます。
ああ…。
何事どすの？ええ。
今ちょっと…。
（怜子）あっすいません。
（女将）刑事さん！すいませんちょっと…。
（木島）すいません失礼します！
（女将）何事どす？おい座敷に行かないのか？あの…。
（木島）ありがとうございました。
（怜子）どうやら犯人は外から入った第三者のようですね。

（怜子）待て！人ん家ですね…。
家の人に許可取ってきます。
（鳴き声）
（怜子）あっ！
（鳴き声）科捜研を呼べ。
はい！
（怜子）犯人のにおいこの人です。
じゃあ谷口さんを殺したのはこの男…。
間違いない。
ジンクスがそう言ってます。
そう…。
長谷部議員じゃなかったのね。
内村正。
京都市役所土木局の局長でこの家の主だ。
死斑がよくわかるわ。
死後硬直から死亡推定時刻は昨夜９時から１１時頃よ。
その傷が致命傷か？それは解剖を待って。
毛髪だな…。
犯人と争った時のものか。
だとしたら犯人の毛髪ね。
ＤＮＡを調べてみる。
（鳴き声）すいません！これを見てください！
（怜子）ジンクスがこれを…。
（鳴き声）これまさか…。
相馬君ＡＬＳ持ってきて！
（相馬）はい。
血液反応です！内村が谷口さんを殺した凶器か。
この血痕のＤＮＡと谷口さんのＤＮＡを照合してみる。
まいど〜！ああ…！誰もいないんだね。
ねえこれあとでみんなで食べて。
それより先生内村さんの解剖結果は？はい。
鑑定書。
ありがとうございます。
致命傷はやっぱり頭の傷だったんですね。
（早月）うん。
先生こちらなんですけど…。
これからナイフと手袋の血痕の鑑定をするんです。
いつも手伝ってもらってすみません。
いや…私これまで手伝うって言った事は一度も…。
まずは血液の採取。
私はナイフをやりますね。
私に手袋やれと？急ぎましょう！血痕の鑑定が終わったら被害者がつかんでたこの毛髪のＤＮＡ鑑定もありますから。
それも私に手伝えと！？先生ったら。
マリコさんったら…。
（職員）内村局長が殺されるなんてどうして…。
（木島）あの…お聞きしたいんですけれどこの工事もしかして内村さんが担当だったなんていう事は…。
えっ！？そうなんですか？ええ…。
あれ？この人昨日来ましたけど。
（木島）来た？ここに！？ええ。
内村局長を訪ねて。
昨日長谷部議員が内村さんに会ったんですか！？いえ。
局長はお休みやと言ったら名前も言わずに帰ってしまって。
（職員）はあ…国会議員やったんや…。
所長！
（早月）まいど！内村さんの家にあったナイフと手袋の血痕谷口さんのＤＮＡと一致しました。
えっじゃあやっぱり谷口さんを殺したのは内村さん…。
そうね。
香坂さんとジンクスが言ったとおりだった。
手袋の裏側から内村さんの指紋も検出出来ました。
（日野）へえ…。
え？この作業早月先生がしてくれたんですか？先生いつも喜んでやってくれるんで助かります。
喜んでたっけ？谷口さんを殺したのは内村さん。
でその内村さんは誰に殺されたんでしょう？相馬君凶器の鑑定結果は？
（相馬）こんな意味不明な形の凶器でした。
あっ！致命傷に土と苔が微量だけど付着してたから…。
じゃあ石的な自然物かもしれませんね。
あの…犯人のゲソ痕からこんなものが。
（日野）コチョウランの花粉？確かにあったな…。
あの議員の事務所の表にコチョウランが。
それを提出してもらえれば同じコチョウランかどうかＤＮＡ鑑定出来るけど…。
いやさすがにもう任意じゃ提出してくれないだろう。
令状を取るのも今の段階では無理よね。
うん…。
彼に談合を告発されたゼネコンの社員の谷口が殺されその工事を発注した役所の人間も殺された。
ええ。
気になるわよね。
おい。
長谷部のＤＮＡは鑑定済みだよな。
内村さんがつかんでいた毛髪のＤＮＡと照合するのね？うん。
その鑑定の結果長谷部議員のＤＮＡと一致しました。
被害者がつかんでいた毛髪は彼のものだったんです。
内村が死んだ時刻の長谷部のアリバイもはっきりしません。
逮捕状を請求するよう捜査本部に申し入れます。
待て。
部長これだけの証拠があってそれでも逮捕状を取らないなんてどうかしてますよ！国会議員のような相手を攻める場合はやり方がある。
いえ！たとえ相手が議員であれ一般人であれ証拠を示して逮捕。
それが正攻法です。
問題は…今回はその正攻法すら使えなくなったという事だ。
私と土門さんが勝手に情報交換したからですか？その結果京都府警に彼をシロと発表させてしまった。
そんな中で長谷部議員がマスコミを味方につけたらどうなると思う？それでも長谷部が犯人なら逮捕すべきです。
長谷部議員の線に戻るのを難しくしたのはお前だろ！それでも彼の線に戻りたいなら今度こそ俺のやり方に従ってもらう。
どうするんですか？定石どおり警察犬に被疑者のゲソ痕を追わせる。
ですからその被疑者の毛髪が長谷部のものだったんですよ！お前らが崩した正攻法をもう一度正攻法に戻す！それでもまだ長谷部議員にたどり着くようであればそこから突破口が見えるかもしれない。
これが内村さんを殺害した犯人のゲソ痕です。
ジンクスよく嗅いで。
ここよく嗅いで。
そうそうそう。
よし捜せ。

（怜子）犯人のにおいがここで途切れてるみたい。
ここから車で逃げたって事ですか？その可能性が高いですね。
用意していた車かタクシーか…。
土門さん！あれ。
その防犯カメラなんですけど死亡時刻に走ってた車でタクシーは…この１台だけでした。
（日野）ナンバーやタクシー会社の名前拡大鮮明化出来る？やってみます。
ええ確かにその時間そこからお客さん乗せました。
（木島）この人じゃありませんでしたか？似てるかもしれません。
かもしれない？いやその人帽子被って眼鏡をしてたんで。
変装でもしてたのかな？ここですその人降ろしたのは。
このあとどちらの方向に向かったか覚えてませんか？さあそれは…。
その人の足跡が見えれば追えるんだけどな…。
あっ！所長！また新しいゲソ痕です。
はいはいはい。
ここです。
上はここですね。
（日野）あった。
内村を殺した犯人のゲソ痕ですか？うん間違いない。
（怜子）よし捜せ。
捜せ。
警察です。
捜査にご協力願います。
はい。

（怜子）先ほど逮捕しました。
長谷部議員あなたのご兄弟を。
兄弟…？何を言ってるんですか？先生に兄弟なんかいません。
そうです。
私は生まれてすぐに施設に置き去りにされているんですから。
置き去りにされた赤ん坊は１人ではなく２人でした。
発見する前に１人連れ去られたため施設側もそれを知らなかったんです。
連れ去られたって…誰に？塚原という女性で数年前に亡くなったそうです。
（塚原治）ずっと未婚の母ってやつだと思っていましたよ。
まさか施設からさらってきたなんてね。
長谷部議員の存在をいつ知った？最近…取引先と商談してた時ですよ。
商談？土地の仲介業をしていましてね。
免許も資格もなしに情報だけでですけど。
違法なブローカーか。
法に触れるような事もしましたけどね。
でその商談の時どうした？その雑誌を見せられました。
あんたと同じ顔の人がいるって。
それを見てもしかしたらって思ってそれで行ってみたら…。
（長谷部）何を言ってるんですか！訳のわからない事を言わないでください。
先生…毎年あの料亭で秘書や運転手と飲み食いしてるのは知ってるんですよ。
今夜も行く予定なんでしょ？先生はそれを経費として計上して…。
あれは私のポケットマネーです。
そんな見え見えの嘘が通用すると思ってるんですか？とにかく私に一切やましい事はありません。
暴露したいならどうぞ。
どこにでも行ってすればいいでしょ！内村さんはなんでそんな無理のある脅迫をしたんでしょう？わかりません。
お金目当てのようだったのでてっきりブラックジャーナリストか何かだと思っていましたがまさか役所の局長だったなんて…。
（塚原の声）あとをつけるとそいつは料亭に入りなぜかまたすぐに出てきました。
（木島）その時靴を履き替えたんですね。
長谷部議員に罪を着せるために。
（内村）金は用意出来なかった。
（舌打ち）
（谷口）内村さん。
私は左遷されたのにあなたは役所の土木局長のまま…。
不公平だと思いませんか？役所の土木局長…。
金が用意出来ないならあの談合が実はあんたが金額を漏えいさせた官製談合だったとバラすだけだ。
今度は金が出来てから連絡してくれ。
（刺す音）ああ…ああっ！ああ…。
うう…。
（塚原の声）さすがに怖くなってその場から逃げ出しました。
（塚原の声）でも翌日あの新聞を見てとてもじっとしていられなかった。
（職員）内村局長は本日お休みを頂いております。
…そうですか。
（塚原の声）名前と職場と肩書きさえわかれば俺のいるような世界では簡単に住所ぐらい調べられます。
（塚原）殺したのはあんただ。
長谷部議員じゃない。
知らない…いい加減な事言うな！俺はこの目でしっかりと見た。
明日の朝まで時間やる。
俺が警察に駆け込む前に自分で駆け込め。
（塚原）何すんだよ…！ああ…ああ…。
（内村）ああっ！
（内村）ああっ！
（塚原の声）凶器の石は川に捨てました。
殺しを目撃した時なぜすぐに通報しなかった？決まってるでしょ。
俺みたいな兄弟がいる事を誰にも知られたくなかったんですよ。
その人は今偉い議員先生で俺みたいな兄弟がいる事がわかったらどう考えても足を引っ張る。
けどまさかもう足を引っ張ってたなんて…。
ただひと目会いたいと思っただけなのに。
まさか自分にそんな兄弟がいたなんて…。
今回は私たちの捜査や鑑定で長谷部先生には多大なご迷惑をおかけしました。
本当に申し訳ありませんでした。
一卵性の双子は遺伝的にほとんど同じＤＮＡを持っていてＤＮＡ型鑑定では正確に区別出来ないんです。
双子の…兄弟…。
でも警察犬にはそれがわかったんですよね？個人のにおいは遺伝的要素だけではなく環境的要素でも作られます。
警察犬はそこを嗅ぎ分けるんです。
犯人逮捕は発表されるんですよね？はい。
でも長谷部さんの兄弟である事は発表されないはずです。
でもその男の顔は出てしまうんですよね？可能な限り配慮するよう私から刑事部長に伝えたいと思います。
お願いします。
私からも正式に依頼を…。
（長谷部）必要ありません。
ぜひ私の兄弟だと発表してください。
先生…。
そうしないと私は今後会う事が出来なくなります。
私のたった一人の肉親に。
「おかげで私は肉親の存在を知りました」「京都府警には深く感謝致します」
（長谷部）逮捕された兄弟のした事は決して許される事ではありません。
しかしそれでも…ご批判もあるでしょうが私は今後逮捕された兄弟を支えていきたいと思っています。
君は前から言ってたな？あの２人は要注意だって。
土門と榊は組織においては例外中の例外です。
１つ間違えれば大きな破綻の原因ともなりかねません。
その大きな破綻を君が未然に防いでくれた。
存外ね君ら３人はいい関係なのかもしれんな。
なあ？うん。
今回もし藤倉刑事部長がいなかったら私たちはまた冤罪を作るとこだった。
私たちがどんなに慎重に鑑定しても土門さんたちがどんなに懸命に捜査しても間違う事はあるのよね。
だから俺たちが現場だけで判断するのは間違ってると言いたいのか？藤倉刑事部長のその言葉私は今否定出来ない。
科学は万能じゃない。
それが今回よくわかった。
そうやって今までの自分を否定するのか？いいえ。
だからこそ科学の力をもっと研ぎ澄ませていかないと。
可能な限り過ちをなくすために。
2014/12/10(水) 16:00〜16:58
ＡＢＣテレビ１
科捜研の女１４[再][字]

「科学鑑定VS警察犬！殺害現場に国会議員の靴跡〜冤罪の罠!?」

詳細情報
◇番組内容
１５周年を迎えた『科捜研の女』沢口靖子演じる京都府警科学捜査研究所の榊マリコが、犯罪現場に残された微細証拠を手がかりに、事件の真相を究明する科学捜査ミステリー。
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、金田明夫、斉藤暁、長田成哉、崎本大海、山本ひかる　ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字（字幕）

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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