趣味Do楽 いただきます お寺のごはん〜心と体が潤うレシピ(新番組)<全8回>第1回 2014.12.10


味わい深い一品です。

日本古来の食とお寺には深い関わりがあります
お寺に受け継がれてきた無駄のない食の中に心と体を豊かにする知恵が詰まっています。
そんな各地の「お寺のごはん」を私とよた真帆が訪ねました。
「お寺のごはん」から日々の暮らし自分自身を見つめ直すヒントがきっと見つかるはず
禅寺の修行僧の毎日に欠かせないお粥。
美しい所作を通して「食」との向き合い方を学びます
こんにちは。
とよた真帆です。
「趣味Do楽いただきますお寺のごはん〜心と体が潤うレシピ〜」。
今日からスタートです。
どうぞよろしくお願いします。
こちらにいらっしゃるのは料理僧の吉村昇洋さんと青江覚峰さんです。
(3人)よろしくお願いいたします。
料理僧として食を切り口にお寺を身近に感じてもらおうとユニットを組む2人に8回にわたり取って置きのレシピを教わります。
吉村昇洋さんは福井の永平寺で修行。
現在はお寺で精進料理塾を開く他大学の講師や書籍の執筆など幅広く活動しています。
青江覚峰さんはアメリカの大学で学びビジネスマンを経て僧侶となり食と仏教に関するユニークな試みを各地で行っています。
お料理を通じて大切にされている事は何でしょうか?普段はいろんな事を考えながら食べてしまったりだとかテレビ見ながら食べてしまったりだとかすると思うんですね。
そうではなくて今この瞬間の自己の自分と向き合っていくという意味での食事というところに立ち返って食べて頂きたいなという。
現代の人が一番足りてないところなのかもしれないですね。
…かもしれませんね。
僕の方は食べ方としてはほんとにおいしいものって今世の中にたくさんあると思うんですね。
おいしいものを食べるというのがすごく簡単になってきた分おいしいものを頂くんじゃなくておいしくものを食べて頂きたい。
ここが一番大切にしてる部分です。
今回私とても楽しみにしてるんですけれども「お寺のごはん」というくくりでお料理を見た事がなかったのでどんな出会いがあるのかなという事とそれが自分の人生にどういうふうに影響するのかなと。
体験と変化っていうのがとても楽しみなんですね。
どうぞよろしくお願いします。
(2人)よろしくお願いします。
今回のテーマは「お粥」という事ですけれども吉村さんにとってお粥というのはどういうものですか?食事の場面の中で自分と向き合うという事を私は福井県の永平寺という所で修行生活の中でやっていったんですけれどもそこでは毎日一年間365日朝必ずお粥なんですよ。
「粥有十利」といってお粥を食べる事によっての十の徳というものがあると書かれてるんですね昔の文献の中に。
「お粥というのはそれだけ体にいいものですよ。
自分にとってすごく大切なものですよ」という事が言われています。
実は今回実際にお寺でどのようにお粥が食べられているか取材してきました。
私が向かったのは大都会の一角にひっそりとたたずむ長谷寺です
立派な門ですね〜。
ちょっと象徴的なのがこの門とあちらの六本木ヒルズですね。
ザ・東京という感じ。
ここ長谷寺は福井の永平寺別院で禅の修行道場。
20名ほどの僧が寝泊まりして修行しています。
迎えて下さったのは修行僧を指導する武長老師です
こちらのお寺では毎朝お粥を頂くという事を伺ったんですが。
もう一年365日朝はお粥で。
そうですか。
こちらの僧堂といいますね。
坐禅をする建物がありますけどこの中で坐禅をしながらお粥を頂く。
午前4時30分。
修行僧の一日が始まります
(振鈴の音)
まずは坐禅
そして本堂ではお寺の全員が集まって読経が始まります
(お唱え)
そのころ厨房では朝食の準備が行われていました。
料理を作る事も重要な修行の一つとされています
厨房を指揮する僧は禅寺では「典座」と呼ばれお寺の食事全てを任されています
道元が食を禅の修行の中で最も大切な事の一つと位置づけた理由それは…。
時は1223年。
当時仏教の最先端である宋へ修行に渡った時の事。
道元はある老典座に出会いこう言います。
「食事の用意など若い修行僧にやらせればよいではないですか」。
すると老典座は「あなたは修行の何たるかを知らない」と諭しました。
その言葉は坐禅や読経こそが修行の中心だと考えていた道元に衝撃を与えました。
帰国後道元は「典座教訓」を記し食事作りの心構えを伝えました。
「食材の尊い命を頂いている事」。
「何事も丁寧に」。
「親が子を思うような親切な心を持ち食べる人を思いやる事」の重要性を説きました。
その教えは日本における精進料理ひいては和食の基礎とも言われています。
午前6時。
特別に厨房を見学させて頂きました
お道具もほんとに整然と…。
道具の整頓も「典座教訓」の教え。
置く角度まで決まっているそうです
玄米だ。
この日準備していたのはおよそ40人分の玄米粥です。
圧力鍋を使って強火で一気に炊き上げます
火力もすごいですねやっぱり。
もう一つ朝食に欠かせないのがごま塩
塩も炒るんですね。
はい。
これは驚きでした。
ごまだけでなく塩も炒る。
この丁寧な一手間で味が変わるんだそうです
おいしい。
わあ出来上がりました。
とてもきれいだなと思って。
栄養がたっぷりというのが見てすぐ分かる美しさですよね。
出来たてのお粥は僧堂に運ばれ朝食の開始です。
普段めったに見る事ができないのですが今回は特別に許して頂きました
(ほうを打つ音)
食事はまず仏様に供えられ全員で唱えます。
食べる時の作法も全てしきたりのとおりです
(お唱え)
器は「応量器」と呼ばれる専用のもの。
大きさの異なる5つの器がひとまとまりになっていて一生使い続けるそうです
(お唱え)
器は全て両手で扱います。
一番大きな器は「頭鉢」といって「お釈迦様の頭と同じくらい大切に扱う事」とされています
食事が終わればその場で各自が器をきれいにします
最初から一連が美しくて見ほれてしまいました。
お食事に対してもお粥とお漬物とごま塩のありがたさを余すところなく頂こうというその美しさがすごく感動しました。
今日はありがたい事に私もお粥を頂けるという事でお作法と共に教えて頂ければと思います。
給仕の者が前に来ましたら合掌をお願いいたします。
低頭して頂いて一礼して頂きます。
戻して頂いて。
私の方から頂きますので合掌にてお待ち下さい。
はい。
自分が食べれるだけの量を頂いたら…。
このように「結構です」と下げて下さい。
おわんの持ち方は?両手で持って頂いて結構です。
このくらいだとこうですね。
もう一度合掌して一礼して頂きます。
玄米粥漬物と昆布ごま塩。
この日の朝食がそろいました
お粥の入った器をこのように掲げて頂いて額に頂いて下さい。
そうしましたら一度置いて頂いてさじ。
箸を置いて頂きます。
…で頂いて下さい。
(武長)さじを正面から横からじゃなくて正面からこう。
終わりましたらもう一度合掌して一礼して頂きます。
お粥一杯頂くのにだいぶご苦労をおかけしました。
とんでもないです。
静かに頂いてお粥の味そのものがすごく体にしみてきました。
昆布の味もお漬物もこんなに塩味が利いてるものかと感激いたしました。
現代人は特に味付けの濃いものを好む傾向がありますけども禅の世界では「淡味」といいます。
淡いという。
素材の味というんですかね。
そういうものを味わう。
そういうものに対して感謝するという。
ひと言で申し上げれば命を頂くという事はどういう事であるかという。
それはまた自分の命を粗末にしないという事にもつながるわけですから自分の生き方に関わるという事ですね。
こちらに私が取材して見てきたお粥がありますけれども。
まあこの玄米粥がおいしかったです。
こんなにシンプルなのにこんなお味が奥行きがあったのかと思ってすごくびっくり。
結構大変な作法の数というか覚えないといけない事たくさんあったと思います。
頂く時に見させて頂いてもあまりにも美しい所作で涙が出たんです。
すごいですね。
こんなに美しい世界が日本にあるんだなと思って。
とても難しい作法ですけれども覚えたら理にかなってる作法という。
こんなに理にかなって無駄な動きのない作法はないですよ。
今日は吉村さんに作法の意味と共に「とうもろこしと豆の粥」の作り方を教えて頂きます。
白米にコーンミックスビーンズを使った優しいお粥です。
おいしそう。
おいしいです。
口の中に甘みが広がりました今。
吉村さんにお粥を作って頂くので青江さんには…。
お手伝いをさせて頂きます。
それでは吉村さんお粥を作る時の心得をお願いいたします。
簡単に言いますと水からお米を入れて炊いていくとすごくとろみの強いお粥に。
逆に沸騰したところにお米を入れたらどうなるかというと少しさらさらっとしたお粥になるんですね。
沸騰してまいりました。
ここにザルに上げたお米をそのまま入れていきましょう。
きれい。
吹きこぼれないように鍋の蓋をしないで炊きます。
これをしている間にごま塩を作っていきます。
じゃあちょっと青江さんこれ見てもらっていいですか?かしこまりました。
材料は白ごまと海塩などの天然の塩を使います。
では吉村さん。
ここで心得をお願いいたします。
塩って私炒った事がなかったんですけど塩を炒る事によってどんな効果が?これはですね塩にもよるんですけれども少し水分を吸ってるような塩というのがたくさん今売られてるんですけれどもこれをできるだけサラサラにしたいんですね。
なので炒る事によってその辺の水分をしっかり飛ばしていくと。
炒った塩もする事で口当たりが良くなります。
続いてごまを炒ります。
これがまた炒りだした瞬間にすごいいい香りが。
してきますね。
パチパチという音がしたら炒り上がりです。
そうなんですね。
そんな早くいいんですね。
そこまで長く火にかけなくても大丈夫ですので。
僕もねごまを炒るという作業大好きなんですよ。
やっぱりここにずっと意識を集中している時にパチッ…。
パチッていった!今いってましたね。
見逃しませんでしたね。
すいませんね。
そしたら火を切りましょう。
話途中で申し訳ない。
この瞬間見逃さないのが楽しいんですよね。
これするんですけれどもここで実はポイントがあります。
ごま塩作りの心得です。
早くやろうとするとどうしても力を入れたくなっちゃうんですね。
力を入れるとどんどんどんどん油が出てきてしまうというこのジレンマがあるのでゆっくりとですね力を入れずにやっていくというのがポイントになっていきます。
じゃあもう少しやってみますか?はい。
いい香り。
いい香りしてきましたね。
ごまがすり上がったら大きめの紙に広げます。
ごまに炒った塩を少量ずつ味を調整しながら加えます。
紙の上で余分な油を取るように混ぜます。
究極のごま塩完成です。
お粥はさてどうでしょうか?今ちょうどいい塩梅に。
おいしそう!いい感じですね。
素材の甘みと適度な歯触りも楽しめるシンプルな味わいのお粥です。
丁寧に炒って作ったごま塩とたくあんを添えて頂きます。
さあ出来上がりました。
頂きましょう。
とよたさんからおつぎいたしましょうか。
私が長谷寺で体験した禅の修行僧に習い家庭でも実践できる丁寧で理にかなった食べ方を改めて吉村さんに教えて頂きます
箸のちょっと意外なマナーも
続いては箸ですけれども箸を両手で扱います。
このように右手でしっかりとつまんで頂いて左手は添えるようにしてたくあんの上に置きます。
この時斜め45度なんですね。
普通のご家庭ですと渡し箸といってやってはいけないという感じですが。
作法ですけれどもそれよりももっと古い鎌倉時代の作法ではこれがあったという事なんですね。
勉強になります。
ほんとですか。
箸置きがない時代お膳にじかに置くと衛生的ではないという理由から器の上に置くのだとか。
なるほど。
理にかなっているんですね
ごま塩の食べ方なんですけれどもちょっと見て頂きたいんですがこのようにぬれたおさじでくっつけてそのまま頂くと。
この作法もさじ一つで済むので合理的ですよね
一口二口頂きます。
そうしましたら置いて頂きます。
こうして静かにお粥をかみしめていると少しずつですがその意味が分かってくるような気がします
はい。
それでは3分ほど経過したんですけれども。
ちなみにお味はいかがですか?すばらしくおいしいです。
お湯から炊いたからこのさらさら感になるんですかね。
存在がはっきりするというか。
コーンの甘みもお豆も甘いしとてもおいしいです。
作法にのっとって頂いてみてどんなご感想をお持ちでしょう?とっても気持ちのいいものだなと思いました。
気持ちのいいものですか。
はい。
食べる事だけに集中できるので余計な事を考えず食材のお味がよく分析できるといいますか体にしみてくる感じがしました。
いかがでしたか?非日常じゃないですか。
黙って食事を頂くとかという事は。
非日常のところで気付く事ってすごく大事なんですけどもこれを気付いた事を日常に落とし込んでいくとまた明日から全然違う見方で生活を歩んでいく事ができるんじゃないのかな。
私が普段こういった作法に関して皆さんにお伝えする事の意義というのはこういった普段あまり感じない「気付き」を感じる事ができるという。
ほんとにそうですね。
是非日常生活の中でも一つでもいいので生かして実践して頂けたらと思います。
(3人)ありがとうございます。
番組の詳しい内容やレシピを掲載した「趣味Do楽」テキストも併せてご覧下さい。
ごちそうさまでした。
(吉村青江)ごちそうさまでした。

(テーマ音楽)2014/12/10(水) 11:30〜11:55
NHKEテレ1大阪
趣味Do楽 いただきます お寺のごはん〜心と体が潤うレシピ[新]<全8回>第1回[解][字]

新シリーズ「お寺のごはん」第1回はおかゆ。禅僧の朝に欠かせないおかゆから、理にかなった食べ方の作法、食との向き合い方を学ぶ。若き料理僧によるヘルシーレシピも!

詳細情報
番組内容
おかゆ、豆腐、煮物など、日本古来の食とお寺には、深い関わりがある。「いただきます・お寺のごはん〜心と体が潤うレシピ」は、各地のお寺とその地域に受け継がれてきた、シンプルで無駄のない食の関係から、日々の暮らしを見つめ直すヒントを探っていく。第1回はおかゆ。毎朝おかゆを作り、食べることが修行という禅寺の食の現場に密着。新進気鋭の料理僧が家庭でも作りやすいとっておきのおかゆと究極のごま塩のレシピも伝授!
出演者
【案内人】とよた真帆,【出演】料理僧(曹洞宗普門寺副住職)/臨床心理士…吉村昇洋,料理僧(浄土真宗緑泉寺住職)…青江覚峰,大本山永平寺別院長谷寺後堂…武長英俊

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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