くらし☆解説「“和紙”がユネスコ無形文化遺産に!」 2014.11.28


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは10時5分です。
「くらしきらり解説」です。
きょうはユネスコ無形文化遺産への登録が決まった和紙を取り上げます。
担当は柳澤伊佐男解説委員です。
こちらに和紙が並んでいますが、こちらに並んでいる和紙がユネスコの無形文化遺産に登録されるというものですね。
岐阜県本美濃紙、埼玉県の細川紙島根県の石州半紙です。
無形文化遺産といいますと芸能や社会的慣習など形を持たないものが対象です。
今回登録されるのは紙そのものではなくて和紙を作る伝統の技術です。
こちらの3種類の紙、一見どれも同じように見えるかもしれませんが試しに触ってみてください。
違いますね。
ざらざらしていたり、つるつるしていたり。
本美濃紙は、きめが細かくつるつるした感じ。
そして細川紙は野性的な感じがしませんか?確かに。
こうした手触りや風合いは原料の作り方や道具の使い方が産地ごとに異なるからなんです。
その和紙は、まずよさというのはどんな点ですか。
丈夫で長もちするということです。
こちらを見てください。
埼玉県の民家の蔵から見つかった明治時代の帳面です。
こちらの用紙には細川紙が使われています。
100年前以上のものなんですけれどもどうでしょうか、はっきりと墨の文字が残っていますね。
はっきり見えますね文字が。
保管状態がよければ紙が黄ばんだりぼろぼろになったりすることはないんです。
機械ですいた洋紙では考えられないです。
優れた紙なんですね。
奈良の正倉院には1300年前のものといわれる和紙も残っています。
和紙は強くて丈夫なことから字を書く紙以外にも障子紙やふすま、掛け軸の裏紙などにも使われてきました。
こうした和紙の産地というのは各地にあると思うんですがなぜ今回、登録されたのはこの3つなんですか?いずれも伝統工芸分野で国の重要無形文化財に指定されています。
手すき和紙の技術については今回登録された赤の3つのほかにも福井県の越前奉書高知県の土佐典具帖紙兵庫県の名塩雁皮紙という3つも国の重要無形文化財に指定されています。
ただ、緑の部分は和紙作りの優れた技術を持つ個人いわゆる人間国宝としての指定です。
それに対して今回登録される3つは技術を伝える保存団体が指定されています。
ユネスコの無形文化遺産の登録基準では文化遺産を次の世代に伝える体制が整っているかどうかがポイントの1つです。
保存団体がある3つが無形文化遺産に登録されたということです。
そもそも和紙はどうやって作っているんですか。
原料は、こうぞという木の枝をつかいます。
原料としては、こうぞ以外にもみつまたやがん皮なども使われますが今回登録される和紙作りでは、こうぞだけを原料に使って流しずきと呼ばれる伝統技法で紙を作る点が、共通されています。
木の枝から表面の皮をはぎます。
そこから繊維を取り出して紙をすきます。
本美濃紙の製造工程を見てみます。
まず、こうぞの皮をアルカリ性の溶液で煮て繊維をほぐしやすくします。
それを清流に浸しながら傷ついた繊維やごみなどを丁寧に取り除きます。
そのうえで木づちでたたいて繊維をほぐすんです。
こうしてできた紙の原料に粘りけのある植物の液体を加えて水槽の中でかき混ぜます。
その水を竹のすき桁と呼ばれる道具ですくうんです。
この水をすくう際繊維が均等に重なり合うよう縦や横に揺り動かして紙をすくんです。
すいた紙は、圧力をかけて水分を絞り出します。
そして天日で乾燥させて紙に仕上げるんです。
こうした手順や道具は古くから伝わっている伝統の技術です。
丁寧に手間暇掛けて作っているから、さらに原料が天然の素材なのでなんだか和紙は優しい感じがします。
それが和紙のよさの1つだと思います。
でも、それだけでは産業として成り立ちませんよね。
手すき和紙が置かれている状況を見ます。
このグラフ、見てください。
1960年、昭和35年からの手すき和紙の出荷額を示しています。
和紙は文字を書くためだけではなくて障子や傘、器などさまざまな生活の道具に使われてきました。
戦後の高度成長や西洋的な生活様式になった影響で需要が大きく落ち込んだんです。
経済産業省の推計によりますとおととし2012年の出荷額は21億5900万円。
10年前のおよそ半分になっているんです。
一方、和紙作りに携わる人の数おととしが620人余り。
高齢化や後継者不足ということで40%10年間に減っています。
50年前に比べるとおよそ10分の1以下ということです。
この状況はなんとかならないでしょうか?国内の和紙の産地全体で問題に取り組む必要があると思います。
そうした中、国内最大の和紙の産地といわれる福井県越前市で今月25日、和紙工房の見学会や関連のシンポジウムが開かれました。
主催者には産地どうしや使い手との交流を強化しなければ今後生き残れないという思いがあり、この催しの開催につながりました。
見学会が開かれたのは和紙の里として知られる越前市五箇地区です。
地元の組合に加盟する工房のうち10か所余りが作業場を公開しました。
参加者は、およそ200人。
ほかの産地で和紙を作る人や和紙を使う書道家などで現地の和紙職人たちと交流を図りました。
規模が全く違いますので美濃とこちらの越前和紙とは。
全体的にも道具とかそういったことも違いますし。
いろいろ質問させていただいて道具のこととかいろいろお答えいただきましてそういったことを参考にしたいと思います。
地区の工芸館では和紙で作った服、照明和紙に焼き付けた風景写真などが展示されていました。
和紙としてユネスコに登録されるということはやっぱり和紙が世界中の中でもまた日本の中でも見直されるきっかけになったのかなと思っています。
いい風が吹きだしたのかなと思ってるんでこの風をしっかりとつかんで和紙がこれからも発展していけばというようなことを思います。
そしてスタジオにはウエディングドレスがあります。
これも和紙でできた物なんですか。
はい、東京の和紙デザイナーの女性が作ったものです。
実はもう1着あります。
すごく軽いんですよね。
それが和紙のよさの1つです。
華やかでしっかりしています。
手すきの和紙を使っているのでもちろん1着しかない特注品です。
手作り感あふれる結婚式にしようと、こうした和紙のドレスを着て式に臨んだ女性もいるそうです。
これだけ軽いと本当に着ていて楽でしょうね。
でも和紙の可能性というのはこれからも広がりそうですね。
今回の無形文化遺産の登録は伝統の技術を守る大切さを感じてもらうとともに和紙の振興を図るよい機会になると思います。
そのためにも実際に和紙に触れてみて、そのよさを再確認するということはいかがでしょうか。
柳澤伊佐男解説委員でした。
次回のテーマです。
NHKの世論調査をもとに国民の衆議院選挙に対する関心や安倍内閣の経済政策への評価などを解説します。
担当は島田敏男解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
2014/11/28(金) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「“和紙”がユネスコ無形文化遺産に!」[字]

NHK解説委員…柳澤伊佐男,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…柳澤伊佐男,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
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情報/ワイドショー – 健康・医療

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