ハイビジョン動物記「ベニザケ」 2014.12.10


(テーマ音楽)
(語り源馬ちか子)ベニザケは夏から秋にかけて斉に川を上り上流を目指します。
海で生活するサケは生まれた川に戻りそこで産卵して生を終えます。
このサケは川を上り始めると体の色が紅色に変化するのです。
メスは丸みを帯びています。
おなかの中には4,0個ほどの卵が入っています。
オスは下あごが発達して鼻先が上に反り返り歯も太く長くなってきます。
そして顔全体がいかつくなり角張って見えます。
カナダ西海岸の大都市バンクーバー。
ベニザケの故郷フレーザー川はこで太平洋に注ぎます。
夏から秋にかけてバンクーバー周辺の海には数多くのベニザケが集まってきます。
北太平洋を回遊しながら成長したベニザケは4年目になると60cmほどの大きさに成長します。
そして産卵のためにこの川を上っていくのです。
川を上るサケたちには急流が待ち受けています。
激流に逆らって上流を目指すベニザケ。
川を上り始めて1週間。
最大の難所です。
サケたちは跳びはね階段を上がるように急流をさかのぼっていきます。
こはフレーザー川と支流のトンプソン川の合流点です。
ベニザケは手前の黒く見えるトンプソン川にコースを取ります。
岸寄りを列になって上流を目指します。
おなかの卵が成熟する前に産卵場所にたどりつかなければならないのです。
上流には湖がありました。
シュスワップ湖です。
サケたちはこで休養して産卵の時期を待ちます。
既に10万匹のベニザケがこの湖に集まっています。
体は真っ赤に変わっています。
「婚姻色」といわれ産卵の準備が整った印です。
シュスワップ湖で1週間ほど休むとベニザケ最後の旅が始まります。
湖に注ぐアダムス川。
この川がベニザケが目指す目的地です。
アメリカの国鳥ハクトウワシです。
魚が好物のハクトウワシはベニザケがこの川を上ってくるころ姿を現すのです。
湖からおよそ10km。
そこがサケたちの故郷です。
産卵場所を求めて浅い川を上ります。
河から50km以上長い旅でした。
旅の間に蓄えた脂肪を使い果たし体重は20%も減っています。
川に黒く見える点が皆ベニザケです。
この川には250万匹もベニザケが上がった記録があります。
ベニザケは平たんな浅瀬でしかもわき水があるような所を産卵場所に選びます。
産卵場所を決めるのはメスです。
浅瀬でオスが激しく争っています。
メスを巡る闘いです。
どちらかがあきらめるまで2日でも3日でも続けます。
割り込んできたオスをようやく追い払いました。
メスも戻ってきました。
オスが子孫を残せるのはメスを獲得できるかどうかによります。
体が大きくあごが張ったオスほど闘いに有利なのです。
オスはほかのオスが来ないように見張ります。
メスは川底の石をのけて30cmぐらいの産卵のための丸い場所を作りそこに卵を産みます。
産卵のための場所は丸日かけてやっと出来上がりました。
いよいよ産卵です。
メスが卵を産む瞬間にオスは精子をかけます。
卵はおよそ4,0個。
わずか10秒ほどで95%が受精するといます。
産卵は2回ほど繰り返します。
メスが卵を産もうとしたその時です横からほかのオスが割り込んできました。
闘いに敗れたオスも子孫を残すことに成功しました。
アダムス川でのベニザケの産卵はおよそ1か月ほど続きました。
産卵が終わるころ秋も深まります。
オスもメスも体力を使い果たし4年の命を終えます。
毎年このころになるとカモメの群れがやって来ます。
産みつけられた卵や死んだサケを食べるために集まるのです。
卵は12月終わりから1月にかけてふ化します。
そして稚魚は5月になるとシュスワップ湖に下ります。
稚魚は湖で年を過ごした後更に海に下り4年目に再び生まれた川に戻ってくるのです。
2014/12/10(水) 09:25〜09:35
NHK総合1・神戸
ハイビジョン動物記「ベニザケ」[字]

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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