(テーマ音楽)今から2,500年以上前死は人生の終着点ではなくこれから始まる輝かしい来世への入り口と考える人々がいました。
初夏になるとバラが咲き乱れバラの谷として名高いブルガリア中央部カザンラク。
近年は王家の谷ともいわれています。
バルカン半島の先住民族トラキア人の王家の墳墓が数多く発見されたからです。
最初に見つかったのは第2次世界大戦中の事でした。
防空ごうを掘っていた兵士が偶然に発見したのです。
その後覆っていた土を取り払い墓全体を保護するための建物を建てました。
厳重に管理され一般公開はされていません。
特別にザレフさんに案内してもらいます。
外部からかびの胞子などが侵入するのを防ぐため白衣を着なければなりません。
中は温度や湿度が一定に保たれています。
細く狭い通路にはうっすらと壁画が残っています。
その奥にはひつぎが置かれていました。
円天井には鮮やかな壁画が残されトラキアの王家の人々の暮らしを知る事ができます。
番号をつけた何頭もの馬がいます。
その隣には晴れ着や宝物の箱を手にした召し使い。
召し使いは楽器を演奏したりごちそうを用意したりしています。
華やいだ光景ですが実は中央に座った主人が妻を伴って死の国へ旅立つ光景を表しているのです。
トラキアでは主人が死ぬと妻はそのあとを追って命を絶ち主人と共に葬られました。
トラキア人は命の再生を信じていました。
そして来世で不自由しないようにと大切なものを死者と共に葬ったのです。
近隣の墳墓からは馬車を引いた馬も発掘されています。
輝かしい来世に素早くたどりつけるようにという願いが込められています。
トラキア人にとって墓は終着点ではなく華やかな旅立ちの場所だったのです。
2014/12/10(水) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「カザンラクのトラキア人墳墓〜ブルガリア〜」[字]
死への旅立ちの宴 ▽文化遺産 ▽トラキア人の墓の天井には亡くなった主人と妻、召し使いや馬が描かれている。来世で不自由しないようにと大切なものを共に葬ったのだ。
詳細情報
番組内容
ブルガリア中央部のカザンラクでは、トラキア人の王家の墳墓が、多数発見されている。最初に見つかった墓の天井には、亡くなった主人とその妻、宝物を手にした召し使いや馬が描かれている。トラキア人は命の再生を信じ、来世で不自由しないようにと、大切なものを死者とともに葬ったのだ。妻も主人のあとを追って、みずから命を絶ったという。
出演者
【語り】松平定知
音楽
【音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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