先どり きょうの健康「高血圧 よく知って治そう140/90以上なら治療」 2014.11.29


(テーマ音楽)皆さんの健康に役立つ確かな情報をお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら。
4日間にわたってお伝えしていきます。
高血圧は自覚症状がありませんからね。
よく理解しないといけませんよね。
そうですね。
今週4日間は高血圧について是非知ってほしい知識をまとめてお伝えしていきます。
まず今日のテーマはこちらです。
このシリーズも専門家をお迎えしております。
分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
循環器内科医で日本高血圧学会が2014年に改訂した高血圧治療ガイドラインの作成委員長を務められました。
どうぞよろしくお願いを致します。
ではそもそものお話でございますが血圧とは何かという事を振り返って頂きましょうか。
心臓はこの図に示しますように収縮と拡張を繰り返して血液を先の方に送っております。
この心臓から送られた血液が血管を圧迫する力これが血圧です。
上の血圧下の血圧とあるのはどう理解すればいいですか?上の血圧といいますのは心臓から血液が出てまいります。
この時実は全体のうちここにありますように強い力で出るものですから55%は先に行くんですけども45%はここで膨れてたまってるんですよ。
ほう!太い動脈の中にたまっている。
それでこの55%が短い時間で一気に出ていくものですから圧力が高くなります。
これが収縮期血圧。
上の血圧という事になる訳です。
一方で心臓が拡張期これ休んでるんですね。
次の収縮に備えて休んでいます。
この時心臓から血が出ていないんです。
ですから本当なら血圧は0になるんです。
しかしこの時45%たまってた血液がゆっくり戻ってくるんですよ。
血管が縮むので少し出ていく訳ですね血液が…。
それでゆっくり先の方に送っていきますので圧力が小さくなる。
それで下の血圧。
あるいは拡張期血圧といっております。
この下の血圧で大事なのは年齢が進んで血管硬くなりますと膨らみが弱くなるんですよね。
そのために上が上がりやすく下の血圧が下がってくるという事がありますけどそれも上の血圧に十分気を付けて下の血圧が低いから安心しないで血圧の管理をしっかりして頂きたいと思います。
なるほど。
高齢者はそういう特徴があるんですね。
では高血圧と診断されるのはどのような値なのかこちらで見ていきましょう。
まず収縮期血圧上の血圧が140以上。
または拡張期血圧下の血圧が90以上の場合です。
どれか一つでもどちらか一つでも当てはまれば高血圧です。
ただしこれは医療機関などで測った場合です。
診察室血圧といいます。
家庭で血圧を測った値は家庭血圧といいますがこれは低めに出るために135/85以上で高血圧と診断されます。
診察室血圧から5を引いた値です。
さてではこれもまたそもそもですが高血圧は何がよくないのかという事ですね。
血圧が高いだけだったら症状ほとんどないんですよね。
問題なのは高血圧が長く続く事によって血管を障害する。
そして動脈硬化を起こすという事が一番問題なんです。
その結果怖い病気である脳卒中心筋梗塞の原因になる。
更に心不全や大動脈瘤これも怖い病気ですよね。
それから腎臓病などを起こしてまいります。
最近は認知症のリスクを高めるという事も分かっていますのでやはり高血圧は将来起きてくるこういった重要な病気を管理する。
その意味でもしっかり今から管理していかなければいけない。
そのような病気です。
そうなんですね。
ほっておくとこういう危険が高まるよというふうに理解しなきゃいけないと。
血圧はそうしますと高ければ高いほど悪いという事ははっきりしてる訳ですか?もうこれは日本あるいは世界のデータで上がれば上がるほどリスクが増えていく。
例えば血圧が正常な低い方に比べると140/90を超えると3倍です。
160/100を超えると5倍脳卒中心筋梗塞になりやすい。
180/110を超えるとなんと9倍ですね。
やはり上がれば上がるほどリスクがどんどん増していくという事になります。
ちょっと怖くなってきましたね。
さあそれでは自分の血圧がどれぐらいなのか。
これは測らなければ分からない訳ですが正しい測り方を見ておきましょう。
久田さん。
ではこちらでお伝えします。
まず血圧計はこのような腕にカフを巻くタイプがすすめられます。
そして測る時はこちらのように…そして測定中は会話をしないでじっとしているようにしましょう。
家庭で血圧を測るといいますといつ測るのがいいんでしょうか?家庭血圧を測る時は高血圧学会のガイドラインでは1日に2回測る事を勧めています。
まず朝起きて1時間以内ですね。
そしてトイレに行ったあと朝食の前薬をのむ前に測って頂きます。
もう一回は夜。
これは寝る前に測るという事にしていますがこれは忘れないで測るためなんですね。
ただ夜寝る前だともう既にお風呂に入ったりお酒飲んだりして下がってる方がいるものですからもし可能でしたら夕食前あるいは入浴前に測る事が勧められるという事になります。
家庭血圧は治療の効果を見る上でも大変有用ですのでこの点は是非皆さんも測って頂きたいと思います。
では測る回数についてもう少し詳しく見ていきましょう。
家庭血圧は朝と夜それぞれ2回ずつ測ってその2回の平均値を出すようにします。
そして高血圧かどうかを判断するには週に5日以上は測定を行って下さい。
という事のポイントを押さえましょうね。
さて診察室の血圧と家庭の血圧がそれぞれ違う事があるという事を踏まえますとどちらかだけ高血圧だという事これはありうる訳ですよね?当然ありえますね。
それはここにありますように診察室だけが高い。
これは病院に行ってお医者さんを見て緊張するから上がるんですね。
これをそういう意味で白衣高血圧と呼んでおります。
この場合家で測った血圧が正常ですから多くの時間帯は正常という事で心臓血管系の病気はあまり多くありません。
つまり薬をのまなくてもいい高血圧。
白衣高血圧という事になります。
逆の場合がある訳ですね。
逆はもちろんありますね。
これは家庭血圧が高い。
ただ診察室は正常なんですね。
つい見逃されがちなんですけどもこれは本当の高血圧が隠れているという意味で仮面高血圧といいます。
普通の方で10から15%仮面高血圧がいるといわれていますからやはり病院以外でもなるべくいろんな所で血圧を測ってほしいですね。
隠れちゃってる訳ですよね。
この仮面高血圧はそのままにしておいてはいけないんですか?仮面高血圧は長い時間血圧が高い事にさらされていますから普通の高血圧と同じくらい脳卒中心筋梗塞になりやすいんです。
そういった意味で治療が必要という事になります。
これを踏まえますと家庭血圧の方が大事と考えなきゃいけませんね。
はい。
家庭血圧の方が本当の血圧値を反映している。
将来の心臓血管病を見ていくには診察室血圧よりは信頼性が高いという事になりまして今回の高血圧学会のガイドラインでもこれ世界で初めてなんですけど家庭血圧の有意性という事を示しております。
ではこの仮面高血圧…高血圧が隠れているという事ですがもう少し詳しく見ていきましょう。
まずこちらで正常な人健康な人の血圧について見ていきます。
朝の目覚めとともに上昇し日中も比較的高くなりますが平均すると135未満なんですね。
そして夜は下がってきます。
睡眠中は血圧が最も低くなります。
平均すると120未満というのが正常です。
これが正常な方のパターンですがさて仮面高血圧はではどういう所に隠れてくるか。
どうでしょう?仮面高血圧は朝高いタイプ昼間高いタイプ夜高いタイプ3つに分けられています。
朝は交感神経が緊張して急に上がってくるんですね。
昼間は職場ストレスあるいはたばこを吸うとかそういった事でよく出てまいります。
夜は先ほど言いましたように本来低いんですけどそれが高いまま維持しているという事で特に早朝高血圧と夜間高血圧は脳卒中心筋梗塞をより起こしやすいという意味で大変危険な高血圧です。
もちろん昼間の高血圧特に職場高血圧も通常の高血圧と同じぐらい脳卒中心筋梗塞になりやすいですから十分な注意が必要です。
こうした高血圧も自分で血圧を測って見つけていけるんでしょうか?そうですね。
朝と昼間は家庭血圧計で分かりますよね。
職場で測ってみるとかね。
しかし夜は寝てますので無理なんですね。
この場合は24時間血圧測定装置という特殊な機械をつけて血圧を測る事になります。
これは主治医の先生に相談をして必要な方は是非これをやって頂きたいと思います。
ところで今回是非伺っておきたいのはこの春に血圧の数値を巡って私たちには分かりにくい動きがあったんですよね。
4月に日本人間ドック学会などが新たな健診の基本検査の基準範囲というものを発表したと。
それによりますと血圧147/94までは基準範囲とするという内容でした。
これを聞きまして血圧は少々高くても大丈夫なんじゃないのと思った方が多かった。
混乱しましたね。
これどう考えればいいですか?これは多くの市民の方が混乱して私たちも大変心痛めておりました。
この今回の幅というのは極めて健康な方の血圧の範囲を示してるだけなんです。
将来この方たちがどうなるかを見てる訳ではないんですね。
今健康だという数字なんです。
高血圧は先ほども申し上げましたように将来脳卒中心筋梗塞病気になるその値を決めてそこにならないように気を付けていくという事で決めている訳です。
そういった意味では今回の基準範囲というのは全く高血圧の範囲判定をする事には使えないもの。
この点につきましてはドック学会も既に認めているんですね。
ですから皆さんにおかれましても是非この基準範囲という事が高血圧の判定に使えるものではないという事を十分理解して世界で使っている140/90以上から高血圧であるという事を十分にご理解頂いて治療もして頂きたいと思います。
それと確認ですが147/94だからいいんだ安心なんだという事ではないという事ですね。
全く違いますね。
実はこれが出てからこれまで薬のんでいた方が高くてもいいんだっていう事でやめた方もいるんですよ。
あるいは病院に通院してた方が高くてもいいという事で自分は高血圧でないと決めて通院をやめた方もいるんですね。
これは非常に危険な事になりますので140/90という事を理解頂くとともにやはり基準範囲という非常に紛らわしい表現があるという事になりますのでドック学会の方にはこういった紛らわしい基準範囲というこういった表現のしかたを僕はやめて頂きたいと考えております。
さあそれでは高血圧と診断された場合ですけれどもどこまで下げていくのかというお話をして頂きましょう。
高血圧は先ほど申し上げましたとおり140/90以上という事になっております。
まず目標としてはこれを切る事。
正常血圧である140/90未満を目指すという事が治療の目安になっていきます。
ですからこれは無限に下げるという事ではなくてまず切る事。
つまり130台/80台を目指すという事が高血圧の治療の目標という事になります。
ただほかの条件もいろいろありますので。
例えばより脳卒中になりやすいという事が分かっている糖尿病あるいはたんぱく尿が出ている慢性腎臓病こういったものではもっと厳しい数値を入れておりまして130/80未満を降圧目標としております。
一方で75歳以上の後期高齢者では血圧を下げ過ぎていろいろ障害が起きる事もありうる。
そういった意味でより慎重に下げていくという事で後期高齢者の方は150/90未満を降圧目標としております。
これはじっくり下げて問題がなければ140/90未満を目指して頂きたいというようにしております。
さあそれでは今日のポイントをまとめて頂きましょうか。
まず高血圧は診察室で測った血圧で140/90以上である。
もちろんそれ未満を目指すという事。
家庭血圧を測ると低めになりますので135/85以上が高血圧。
是非この点をご理解頂きたい。
それから家庭血圧は診察室血圧よりも信頼性が高い。
より本当の血圧値を示しているという事で家庭血圧を是非皆さんも活用して頂きたいと思います。
家庭で測る習慣をちゃんとつけたいですよね。
どうもお話ありがとうございました。
ありがとうございました。
2014/11/29(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「高血圧 よく知って治そう140/90以上なら治療」[解][字][再]

医療機関などで測った血圧が収縮期140(mmHg)以上か拡張期90以上なら高血圧。家庭で測った場合は135以上か85以上。正確に知るには家庭で毎日測ること。

詳細情報
番組内容
医療機関などで測った血圧が収縮期140(mmHg)以上または拡張期90以上なら高血圧。家庭で測った場合は135以上か85以上。日本人間ドック学会などが2014年4月に発表した「基準範囲」は診断には用いない。高血圧は脳卒中・心筋梗塞などのリスクを高めるため、自覚症状がなくても治療しなければならない。血圧を正確に知るには家庭で毎日2回ずつ測るとよい。早朝や日中の思いがけない高血圧の発見にも役立つ。
出演者
【講師】札幌医科大学学長…島本和明,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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